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発明の名称 フィルタ内蔵マイクロストリップアンテナ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−181533
公開日 平成8年(1996)7月12日
出願番号 特願平6−335443
出願日 平成6年(1994)12月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】村井 隆
発明者 青木 和之 / 岡本 ひろみ
要約 目的
マイクロストリップアンテナを構成する誘電体を用いてフィルタを構成し、マイクロストリップアンテナとフィルタとを一体とすることで、省スペース化を図るとともに製造工程の削減やコスト低減を図る。

構成
誘電体基板1の主面2にマイクロストリップ導体3を、前記主面2の反対面に接地導体5を設けてマイクロストリップアンテナ本体部を構成するとともに、前記誘電体基板1を用いて誘電体フィルタ10を構成している。誘電体フィルタ10は内導体を形成した穴部12A,12Bを前記誘電体基板1に形成したものである。
特許請求の範囲
【請求項1】 誘電体基板の主面にマイクロストリップ導体を、前記主面の反対面に地導体を有するマイクロストリップアンテナにおいて、前記誘電体基板を用いてフィルタ手段を構成したことを特徴とするフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナ。
【請求項2】 前記フィルタ手段は、前記誘電体基板に誘電体共振器を1個乃至複数個形成して誘電体フィルタを構成したものである請求項1記載のフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナ。
【請求項3】 前記誘電体共振器が前記誘電体基板に形成された穴部又は溝部に内導体を設けたものである請求項2記載のフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナ。
【請求項4】 前記内導体の一端は前記マイクロストリップ導体及び地導体から絶縁されて前記誘電体基板の外面に導出された開放端となっており、他端は前記地導体側に接続されている請求項3記載のフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナ。
【請求項5】 前記内導体の両端は前記マイクロストリップ導体及び地導体から絶縁されており、当該内導体の一端が前記誘電体基板の外面に導出された開放端となっている請求項3記載のフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナ。
【請求項6】 前記フィルタ手段は、前記誘電体基板の表面又は内部にマイクロストリップラインを1個乃至複数個形成してマイクロストリップフィルタを構成したものである請求項1記載のフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、GPS(Global Positioning System)を利用したナビゲーションシステム、移動体通信等に使用するマイクロストリップアンテナに係り、とくにフィルタ機能を具備したフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、GPSを利用したナビゲーションシステム等に使用されているマイクロストリップアンテナは、一般にマイクロストリップ導体と接地導体(地導体)との間に誘電体を挟み込んだ構造であり、受信電波信号がマイクロストリップ導体の給電点からマイクロストリップアンテナ裏側に設けたローノイズアンプ回路に入力される構造を有している。そして、これとは別に受信電波の所望周波数信号の以外の雑音信号を除去するためのバンドパスフィルタとして、例えば、誘電体フィルタをローノイズアンプ基板上に個別に取り付ける構成が知られている。
【0003】上記のようなマイクロストリップアンテナと別個に誘電体フィルタを配設する構成としては、例えば、図15に示す従来例の構造を持つものがある。この図において、セラミック等の誘電体材料を所定の厚みを有する平板状に成型してなる誘電体基板1の電波の送受信側となる主面2に方形状(正方形状)のマイクロストリップ導体3を設け、主面2の反対面となる裏面4の全面に接地導体(地導体)5を設けることで、マイクロストリップアンテナ140が構成されている。そして、マイクロストリップアンテナ140の裏側、すなわち誘電体基板1の裏面4の接地導体5の上にローノイズアンプ(高周波増幅器)基板130が配設されている。ローノイズアンプ基板130の上面には、誘電体フィルタ131が設けられている。誘電体フィルタ131には、一対の入出力電極(入出力端子)132が設けられて、マイクロストリップ導体3の給電端やローノイズアンプ基板130の入出力端に接続されている(図示省略)。
【0004】なお、誘電体フィルタ131は、周知構造のもので、例えば、直方体状誘電体ブロックに複数個の誘電体共振器となる貫通導電部を形成し、該貫通導電部の一端が位置する開放端面を除く誘電体ブロックの5面に導体膜を設けたものである。また、図15の従来例は、マイクロストリップアンテナ140の裏側を上にして図示しているが、実際の使用状態ではマイクロストリップ導体3を電波の到来方向に向けて(GPSを利用するナビゲーションシステムでは上向きとして)自動車屋根上等に搭載する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記図15の従来例のように、ローノイズアンプ基板130上に誘電体フィルタ131を取り付けた場合、ローノイズアンプ基板130に対し誘電体フィルタ131の占める面積が大きくなり、小型化に限界がある。また、マイクロストリップアンテナ140自体も誘電体フィルタ131も誘電体材料を使用していながら別々に作るのは、製造原価や部品実装工程の増加を招き不利である。
【0006】なお、特開平6−224630号の平面アンテナは、マイクロストリップアンテナと増幅器との間にフィルタを挿入して妨害波をフィルタで除去する構成を開示している。但し、フィルタはマイクロストリップアンテナとは別部品としてマイクロストリップアンテナの裏側に配設する構造を採用しており、図15で説明した従来例と同様の不都合を持っている。
【0007】本発明は、上記の点に鑑み、マイクロストリップアンテナを構成する誘電体を用いてフィルタ手段を構成し、マイクロストリップアンテナとフィルタ手段とを一体とすることで、省スペース化を図るとともに製造工程の削減やコスト低減を図り、小型で安価なフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナを提供することを目的とする。
【0008】本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施例において明らかにする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明のフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナは、誘電体基板の主面にマイクロストリップ導体を、前記主面の反対面に地導体を有するマイクロストリップアンテナにおいて、前記誘電体基板を用いてフィルタ手段を構成している。
【0010】また、前記フィルタ手段は、前記誘電体基板に誘電体共振器を1個乃至複数個形成して誘電体フィルタを構成したものであってもよい。
【0011】前記誘電体共振器が前記誘電体基板に形成された穴部又は溝部に内導体を設けたものであってもよい。
【0012】また、前記内導体の一端が、前記マイクロストリップ導体及び地導体から絶縁されて前記誘電体基板の外面に導出された開放端となっており、他端は前記地導体側に接続されている構成としてもよい。
【0013】さらに、前記内導体の両端が、前記マイクロストリップ導体及び地導体から絶縁され、当該内導体の一端が前記誘電体基板の外面に導出された開放端となっている構成としてもよい。
【0014】前記フィルタ手段は、前記誘電体基板の表面又は内部にマイクロストリップラインを1個乃至複数個形成してマイクロストリップフィルタを構成したものであってもよい。
【0015】
【作用】本発明においては、誘電体基板の主面にマイクロストリップ導体を、前記主面の反対面に地導体を有するマイクロストリップアンテナにおいて、前記誘電体基板を用いてフィルタ手段を構成しているので、別個に独立した誘電体フィルタ等のフィルタ手段を作製するのに要する工数の削減、誘電体材料の節約、部品実装工程の削減及び部品点数の削減を図ることができ、低コスト化が実現できる。また、図15の従来例のように、マイクロストリップアンテナとは別個に形成したフィルタ手段を外部のローノイズアンプ(高周波増幅器)側に設けたり、マイクロストリップアンテナの外側に設置するといった必要がなくなるとともに、ローノイズアンプ基板上やマイクロストリップアンテナ周辺にフィルタ手段の設置スペースを設ける必要がなく、アンテナ装置の小型化が可能になる。なお、本発明のフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナは、GPSを利用したナビゲーションシステムの他、移動体通信にも利用でき、受信のみならず送信にも利用できる。
【0016】前記フィルタ手段が、前記誘電体基板に誘電体共振器を1個乃至複数個形成して誘電体フィルタを構成したものである場合、前記共振器としてQの比較的高いものが小型に得られ、前記共振器を平面的には前記誘電体基板の縁に近い位置に、前記誘電体基板の厚み方向には前記共振器を前記地導体に近い所に形成することでアンテナ特性に与える影響を小さくできる。
【0017】前記誘電体共振器は前記誘電体基板に形成された穴部又は溝部に内導体を設けたものであればよく、穴部に内導体を設ける場合はQを高くでき、溝部に内導体を設ける場合はQは幾分低下するが、前記誘電体基板の成型加工が容易な利点がある。
【0018】そして、前記内導体の一端が前記マイクロストリップ導体及び地導体から絶縁されて前記誘電体基板の外面に導出された開放端となっており、他端が前記地導体側に接続されている構成の場合、λg/4(λg:誘電体による波長短縮率を考慮したときの電波の波長)又はその奇数倍の線路長を持つ誘電体共振器として機能する。線路長をλg/4とすることにより、内導体を設ける穴部又は溝部の長さを前記誘電体基板の長さよりも充分短くすることができる。
【0019】また、前記内導体の両端が前記マイクロストリップ導体及び地導体から絶縁されており、当該内導体の一端が前記誘電体基板の外面に導出された開放端となっている構成の場合、λg/2又はその整数倍の線路長を持つ誘電体共振器として機能する。線路長をλg/2とすることにより、内導体を設ける穴部又は溝部の長さを前記誘電体基板の長さよりも短くすることができ、また前記内導体の両端が開放端でよく、接地の必要が無いので前記内導体の一端を接地するための構成を不要にできる。
【0020】前記フィルタ手段が、前記誘電体基板の表面又は内部にマイクロストリップラインを1個乃至複数個形成してマイクロストリップフィルタを構成したものである場合、前記誘電体基板に穴部等を設ける必要が無く、前記誘電体基板の作製が容易で、マイクロストリップフィルタのためのマイクロストリップラインの前記誘電体基板に対する形成も容易である。但し、共振器のQは前記誘電体フィルタを形成する場合よりも低下する。
【0021】
【実施例】以下、本発明に係るフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナの実施例を図面に従って説明する。
【0022】図1乃至図4は本発明の第1実施例を示す。これらの図において、セラミック等の誘電体材料を所定の厚みを有する平板状に成型してなる誘電体基板1の電波の送受信側となる主面2に方形状(正方形状)のマイクロストリップ導体3を設け、主面2の反対面となる裏面4の全面に接地導体(地導体)5を設けることで、マイクロストリップアンテナ本体部が構成されている。そして、誘電体基板1内には、このマイクロストリップアンテナ本体部による受信電波の所望の周波数信号以外の雑音信号を除去するためのフィルタ手段(バンドパスフィルタ)としての誘電体フィルタ10が一体に形成されている。
【0023】なお、図1乃至図4は、マイクロストリップアンテナ本体部の裏側を上にして図示しているが、実際の使用状態ではマイクロストリップ導体3を電波の到来方向に向けて(GPSを利用するナビゲーションシステムでは上向きとして)自動車屋根上等に搭載する。
【0024】前記誘電体基板1は、所望の受信電波の誘電体による短縮率を考慮した波長λgよりも充分短い厚さで形成されており、主面2が方形状(正方形状)で少なくともマイクロストリップ導体3の形成面積より大きな面積を有するように成型されている。
【0025】前記マイクロストリップ導体3は、広い指向性乃至実質的に無指向性のマイクロストリップアンテナを得るために、一辺が波長λgの約1/2の長さとした方形状(正方形状)のパターンで形成されている。前記接地導体5は、主面2と平行な裏面4のほぼ全面に形成されている。また、マイクロストリップ導体3が形成されている主面2から裏面4に貫通するスルーホール6が形成されており、該スルーホール6は内周に導体膜7が設けられている。該導体膜7は主面2側の端部でマイクロストリップ導体3と接続されてマイクロストリップ導体3の給電路となり、裏面4側の開口端が外部と接続するための給電端8になる。但し、この裏面4の給電端8周縁部分には予め、導体膜7と接地導体5とを絶縁するために接地導体5を形成しない給電端絶縁用円形誘電体露出部9を設けている。
【0026】前記誘電体基板1には主面2に対し垂直な一側面からλg/4に相当する距離をおいて裏面4から当該誘電体基板1の中間深さまで垂直に直方体状凹部17が形成されており、この直方体状凹部17の誘電体フィルタ10を形成する側の内壁面には図4の如く延長接地導体(延長地導体)18が設けられ、該延長接地導体18は裏面4の接地導体5と接続している。
【0027】前記誘電体フィルタ10は、一対の誘電体共振器11A,11Bからなっている。該誘電体共振器11A,11Bは、誘電体基板1の主面2に対し垂直な一側面(一端面)から当該側面に垂直かつ主面2と平行で前記直方体状凹部17に達する波長λgの1/4の長さに相当する穴部12A,12Bを2個平行に形成し、図3及び図4の如く各穴部12A,12Bの内周に内導体13A,13Bを形成することで、誘電体基板1内部に一対のλg/4線路を構成したものである。そして、誘電体基板1の一対の誘電体共振器11A,11B間の中央部に、両誘電体共振器11A,11Bの偶モードと奇モードの寄与率を変えて結合させるための結合用穴14を誘電体共振器11A,11Bと平行に形成している。結合用穴14の内面は、導体があっても無くともよい。
【0028】前記誘電体共振器11A,11Bの誘電体基板1の側面に開口している側を開放端とし、その誘電体基板1の側面には、一対の入出力電極(入出力端子)15A,15Bが内導体13A,13Bの開放端にそれぞれ接続、固定されている。但し、裏面4には予め、該入出力電極15A,15Bが接地導体5と短絡しないように、入出力電極15A,15B周辺に接地導体5を形成しない端子絶縁用誘電体露出部16を設けている。
【0029】前記直方体状凹部17の内壁面に誘電体共振器11A,11Bの各穴部12A,12B及び結合用穴14の誘電体基板1内側の端部が開口している。そして、図4のように直方体状凹部17内の延長接地導体(延長地導体)18に誘電体共振器11A,11Bの内導体13A,13Bの短絡端(接地端)が接続している。
【0030】すなわち、誘電体基板1内に設けた長さがλg/4の一対の内導体13A,13Bの開放端はマイクロストリップ導体3及び接地導体5から絶縁されて誘電体基板1の外面(一端面)に導出されて入出力電極15A,15Bとそれぞれ接続され、各内導体13A,13Bの短絡端は延長接地導体18に接続されて接地導体5と同電位となり、一対のλg/4の誘電体共振器11A,11Bを備えた誘電体フィルタ10が誘電体基板1に内蔵されることになる。
【0031】なお、この誘電体フィルタ10は、誘電体基板1にマイクロストリップ導体3及び接地導体5を形成してなるマイクロストリップアンテナ本体部とは独立して使用することが可能であり、マイクロストリップアンテナによる受信電波の所望の周波数信号以外の雑音信号を除去するためのフィルタ手段として利用でき、例えば、入出力電極15A,15Bを通じて外部のローノイズアンプ(高周波増幅器)に接続して使用することができる。
【0032】なお、前記マイクロストリップ導体3、接地導体5、スルーホール6の導体膜7、誘電体共振器11A,11Bの内導体13A,13B、延長接地導体18は、例えば、銀ペースト等の導電性ペーストを印刷又は塗布した後、焼き付ける等し、導体膜として形成している。
【0033】この第1実施例によると、マイクロストリップアンテナを構成する誘電体基板1の内部に誘電体共振器11A,11Bを形成し、誘電体基板1に誘電体フィルタ10を内蔵する構成としているため、以下の効果を奏することができる。
【0034】(1) 前記図15の従来例のように、マイクロストリップアンテナとは別個に作製した誘電体フィルタを外部のローノイズアンプ側に設けたり、マイクロストリップアンテナとローノイズアンプ間に設置するといった必要がなくなるとともに、ローノイズアンプ基板上やマイクロストリップアンテナ周辺に誘電体フィルタの設置スペースを設ける必要がなく、アンテナ装置の小型化が可能になる。
【0035】(2) マイクロストリップアンテナを構成している誘電体基板1を利用して誘電体共振器11A,11Bからなる誘電体フィルタ10を一体に形成しているので、別個に誘電体フィルタを作製するのに要する工数の低減、誘電体材料の節約、部品実装工程の削減及び部品点数の削減を図ることができ、低コスト化が実現できる。
【0036】(3) 前記誘電体フィルタ10は一端開放、他端が短絡されたλg/4の線路長を持つ誘電体共振器を構成したものであるため、誘電体基板1に全長に対する各共振器の線路長は充分短く、しかも共振器のQの比較的高いものが小型に得られ、各共振器を平面的には前記誘電体基板1の縁に近い位置(なるべくマイクロストリップ導体3から外れた位置)に、前記誘電体基板1の厚み方向には各共振器を前記接地導体5に近い所に形成することでアンテナ特性に与える影響を小さくできる。
【0037】なお、GPSを利用したナビゲーションシステムの場合、マイクロストリップアンテナ本体部の形状、寸法は約1.575GHzのGPSの電波の受信に適したものとし、誘電体フィルタ10はGPSの電波の周波数帯を通過させるバンドパスフィルタ特性を有するものとする。
【0038】また、本実施例のフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナの使用例としては、マイクロストリップアンテナ本体部の給電端8をローノイズアンプの入力端に接続し、誘電体フィルタ10の入出力電極15A,15Bはローノイズアンプの増幅素子の段間に接続してバンドパスフィルタとして利用する構成が挙げられる。
【0039】図5は本発明の第2実施例を示す。この場合、マイクロストリップアンテナを構成する誘電体基板1の内部に、誘電体フィルタ20を構成するための前記第1実施例と同様の一対の誘電体共振器11A,11Bを形成し、該誘電体共振器11A,11Bの直方体状凹部17(但し、内面に導体が形成されていない)側の開口端を開放端とし、誘電体基板1の一側面側を短絡端(接地端)としている。そして、誘電体共振器11A,11Bの開放端が開口する直方体状凹部17の内壁面には、前記第1実施例と同様の一対の入出力電極(入出力端子)15A,15Bが内導体13A,13Bの開放端にそれぞれ接続、固定されている。但し、裏面4には予め、該入出力電極15A,15Bが接地導体5に短絡しないように、直方体状凹部17開口周縁の入出力電極15A,15B周辺部分に接地導体5を形成しない端子絶縁用誘電体露出部26を設けている。一方、接地端側の誘電体基板1の側面には、接地導体5と接続しかつ各内導体13A,13Bの接地端に接続する延長接地導体28が形成されている。なお、その他の構成は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同じ番号を付して説明を省略する。また、主な作用効果も前述の第1実施例と同様であるが、裏面4の中央寄り位置に入出力電極15A,15Bが来るので、ローノイズアンプ基板との接続を短縮できる場合がある。
【0040】図6は本発明の第3実施例を示す。この場合、マイクロストリップアンテナを構成する誘電体基板1の内部に、一対の略L字型の線路を持つ誘電体共振器31を形成し、誘電体フィルタ30を構成している。該略L字型の線路を持つ誘電体共振器31は、一対の直線状穴部32aを誘電体基板1内部に平行に形成し、各直線状穴部32aの内周に内導体33を形成するとともに、各直線状穴部32aの短絡端を誘電体基板1の厚み方向に設けた内面が導体膜のスルーホール32bでそれぞれ接地導体5に接続することで、誘電体基板1内部に略L字型の一対のλg/4線路を構成したものである。
【0041】なお、図示されていないが、前記第1実施例と同様に、誘電体基板1の一対の略L字型線路を持つ誘電体共振器31間の中央部に、両方の誘電体共振器31を結合させるための結合用穴を誘電体共振器31と平行に形成している。但し、この場合、結合用穴はめくら穴状に形成されている。
【0042】なお、本実施例では、スルーホール32bの長さも無視できないので、直線状穴部32aの長さは、スルーホール32bの長さも含めて波長λgの1/4の長さに相当するように形成する。
【0043】そして、直線状穴部32aの誘電体基板1の一側面に開口している側を開放端とし、前記第1実施例と同様に、一対の入出力電極15を内導体33の開放端にそれぞれ接続、固定し、裏面4には予め該入出力電極15と接地導体5とを絶縁する端子絶縁用誘電体露出部16を設けている。なお、その他の構成は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同じ番号を付して説明を省略する。
【0044】この第3実施例によると、前述の第1実施例と同様の作用効果が得られるほか、誘電体共振器31の内導体33の短絡端を接地導体5と接続するのに、スルーホール32bを用いているので、前記第1実施例で設けた直方体状凹部17及び延長接地導体18が不要であり、構造が簡単で加工が容易である。
【0045】図7は本発明の第4実施例を示す。この場合、マイクロストリップアンテナを構成する誘電体基板1の内部に、一対の傾斜型誘電体共振器41を形成して誘電体フィルタ40を構成している。該傾斜型誘電体共振器41は、主面2及び裏面4に対し傾斜した一対の傾斜穴部42を誘電体基板1内部に平行に形成し、各傾斜穴部42の内周に内導体43を形成することで、誘電体基板1内部に一対のλg/4線路を構成したものである。なお、図示されていないが、前記第1実施例と同様に、誘電体基板1の一対の傾斜型誘電体共振器41間の中央部に、両傾斜型誘電体共振器41を結合させるための結合用穴を傾斜型誘電体共振器41と平行に形成している。但し、この場合、結合用穴はめくら穴状に形成されている。
【0046】前記傾斜穴部42は、波長λgの1/4の長さに相当するように、誘電体基板1の主面2に対し垂直な一側面から裏面4に向けて斜めに形成され、終端にて裏面4に開口している。内導体43は、誘電体基板1の端面に開口している側を開放端とし、裏面4側開口端を短絡端とし、該短絡端で接地導体5と接続されている。また、前記第1実施例と同様に、傾斜型誘電体共振器41の開放端側の誘電体基板1の端面には、一対の入出力電極(入出力端子)15が内導体43の開放端にそれぞれ接続、固定され、裏面4には、該入出力電極15と接地導体5とを絶縁する端子絶縁用誘電体露出部16を設けている。なお、その他の構成は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同じ番号を付して説明を省略する。
【0047】この第4実施例によると、前述の第1実施例と同様の作用効果が得られるほか、傾斜型誘電体共振器41の短絡端を接地導体5と接続するのに、傾斜して裏面4に開口する如く誘電体基板1に形成された傾斜穴部42内周に内導体43を形成し、裏面4側の内導体43開口端(短絡端)を接地導体5と接続させる構成としているため、前記第1実施例で設けた直方体状凹部17及び延長接地導体18が不要であり、構造が簡単で加工が容易である。
【0048】なお、前記第2実施例と同様に、傾斜型誘電体共振器41の裏面4側の開口端を入出力端を兼ねる開放端とし、誘電体基板1の側面(端面)側を短絡端としてもよい。この場合、裏面4には予め、内導体43が接地導体5に短絡しないように、内導体43開口の周辺部分は接地導体5を形成しない絶縁用誘電体露出部を設ける。一方、短絡端側の誘電体基板1の側面には、接地導体5と接続しかつ各内導体43の短絡端に接続する延長接地導体を形成する。また、結合用穴(めくら穴)は傾斜型誘電体共振器41の開放端(裏面4)側に設ける。
【0049】図8は本発明の第5実施例を示す。これは、平板状の誘電体基板51の主面52に方形状(正方形状)のマイクロストリップ導体3を設け、主面52の反対面となる裏面のほぼ全面に接地導体(図示省略)を設けてマイクロストリップアンテナ本体部を構成し、該誘電体基板51の一つの角部分の内部に誘電体フィルタ60を設けたものである。
【0050】前記誘電体基板51は、方形板形状の一つの角部部分の隣合う両側面にそれぞれ切欠53A,53Bを形成してなる略方形板状(略正方形板状)であり、それらの切欠53A,53Bを形成したことで、それぞれ主面52に垂直で、互いに対向する切欠端面54A,54Bが波長λgの1/4の長さに相当する距離をおいて平行になるように、かつ最もマイクロストリップ導体3寄りの部分がマイクロストリップ導体3の形成領域から充分離れるように形成されている。
【0051】誘電体フィルタ60は、誘電体基板51の一つの角部分の内部に形成された一対の誘電体共振器61A,61Bからなっており、該誘電体共振器61A,61Bは、誘電体基板51の対向する切欠端面54A,54B間に、該切欠端面54A,54Bと垂直かつ主面52と平行に波長λgの1/4の長さに相当する貫通した穴部62A,62Bを2個平行に形成し、各穴部62A,62Bの内周に内導体63を形成することで、誘電体基板51内部に一対のλg/4線路を構成したものである。そして、一方の切欠端面54Aの一対の誘電体共振器61A,61B間の中央部に、両誘電体共振器61A,61Bを結合させるためのめくら穴状の結合用穴64を誘電体共振器61A,61Bと平行に形成している。
【0052】そして、誘電体共振器61A,61Bの一方の切欠端面54A側に開口している開口端を開放端とし、切欠端面54Aには、一対の入出力電極(入出力端子)15A,15Bが内導体63の開放端にそれぞれ接続、固定されている。但し、主面52の反対面である裏面には予め、該入出力電極15A,15Bが裏面の接地導体と短絡しないように、入出力電極15A,15B周辺に接地導体を形成しない端子絶縁用誘電体露出部66を設けている。
【0053】また、誘電体共振器61A,61Bの他方の切欠端面54B側に開口している開口端を短絡端とし、切欠端面54Bには、延長接地導体(延長地導体)68が設けられ、該延長接地導体68は誘電体共振器61A,61Bの内導体63の短絡端及び裏面の接地導体と接続している。なお、その他の構成は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同じ番号を付して説明を省略する。
【0054】この第5実施例によると、前述の第1実施例と同様の作用効果が得られるほか、誘電体基板51の一つの角部分の切欠53A,53B間に形成された一対の誘電体共振器61A,61Bの短絡端を裏面の接地導体と接続するのに、誘電体基板51の外面の一部である一方の切欠端面54Bに延長接地導体68を形成する構成としているため、該延長接地導体68の形成が容易になるとともに、前記第1実施例で設けた直方体状凹部17が不要であり、構造が簡単で加工が容易になる利点がある。
【0055】図9は本発明の第6実施例を示す。これは、一端面に延長部(凸部)73を有する平板状の誘電体基板71の主面に方形状(正方形状)のマイクロストリップ導体3を設け、主面の反対面となる裏面74のほぼ全面に接地導体75を設けてマイクロストリップアンテナ本体部を構成し、該誘電体基板71の延長部73内部に誘電体フィルタ80を設けたものである。
【0056】前記誘電体基板71はその一端面に方形板状に突出した延長部73を有し、誘電体基板71の延長部73を除く部分が方形板状(正方形板状)で、少なくともマイクロストリップ導体3の形成面積より大きな面積を有するように成型されている。延長部73は、その延長部73と連続する誘電体基板71の連続端面76と延長部73の短手端面77とが平行に対向し、連続端面76と短手端面77との間の距離(延長部73の長手方向)が波長λgの1/4の長さに相当するように形成されている。
【0057】誘電体フィルタ80は、誘電体基板71の延長部73内部に形成された一対の誘電体共振器81A,81Bからなっており、該誘電体共振器81A,81Bは、対向する連続端面76と短手端面77間に、該連続端面76及び短手端面77と垂直かつ主面と平行に波長λgの1/4の長さに相当する貫通した穴部82A,82Bを2個平行に形成し、各穴部82A,82Bの内周に内導体83を形成することで、誘電体基板71の延長部73内部に一対のλg/4線路を構成したものである。そして、連続端面76の誘電体共振器81A,81B間の中央部に、両誘電体共振器81A,81Bを結合させるための結合用穴84を誘電体共振器81A,81Bと平行に形成している。
【0058】誘電体共振器81A,81Bの連続端面76側に開口している一方の開口端を開放端とし、連続端面76には、一対の入出力電極(入出力端子)15A,15Bが内導体83の開放端にそれぞれ接続、固定されている。但し、主面の反対面である裏面74には予め、該入出力電極15A,15Bが裏面74の接地導体75と短絡しないように、入出力電極15A,15B周辺に接地導体75を形成しない端子絶縁用誘電体露出部86を設けている。
【0059】また、誘電体共振器81A,81Bの短手端面77側に開口している他方の開口端を短絡端とし、短手端面77には、延長接地導体(延長地導体)88が設けられ、該延長接地導体88は誘電体共振器81A,81Bの内導体83の短絡端及び裏面74の接地導体75と接続している。なお、その他の構成は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同じ番号を付して説明を省略する。
【0060】この第6実施例によると、前述の第1実施例と同様の作用効果が得られるほか、次のような作用効果が得られる。この第6実施例では、誘電体基板71としてその一端面に突出した延長部73を有するものを用い、該延長部73の内部に一対の誘電体共振器81A,81Bを設ける構成としており、誘電体共振器81A,81Bとマイクロストリップ導体3との距離が充分確保されるため、互いに影響を与えるのを抑えることができる。また、誘電体共振器81A,81Bの短絡端を裏面74の接地導体75と接続するのに、誘電体基板71の外面の一部である延長部73の短手端面77に延長接地導体88を形成する構成としているため、該延長接地導体88の形成が容易になるとともに、前記第1実施例で設けた直方体状凹部17が不要であり、構造が簡単で加工が容易になる利点がある。
【0061】図10は本発明の第7実施例を示す。この場合、マイクロストリップアンテナを構成する誘電体基板1の内部に、誘電体フィルタ90を構成するための一対のλg/4線路である一対の略U字型誘電体共振器91A,91Bを形成したものである。
【0062】前記誘電体フィルタ90は、以下のように構成されている。誘電体基板1の周縁寄り部分に、主面2に対し垂直に一対の貫通穴部92A,92Bともう一対の貫通穴部92C,92Dが相互に平行に形成され、各貫通穴部92A,92B,92C,92Dの内周には内導体(図示省略)が形成されている。主面2には、該主面2に開口する2組の対をなした貫通穴部92A,92B、貫通穴部92C,92Dの各組の内導体開口端同士を接続する接続導体パターン97A,97Bがそれぞれ形成されている。なお、接続導体パターン97A,97Bは、所望のパターン形状に銀ペースト等の導電性ペーストを印刷又は塗布した後、焼き付けて形成する。この接続導体パターン97A,97Bにより各組の2本の内導体が直列接続され、貫通穴部92A,92Bの内導体と接続導体パターン97Aからなる略U字型誘電体共振器91Aと、穴部92C,92Dの内導体と接続導体パターン97Bからなる略U字型誘電体共振器91Bとが形成される。そして、誘電体基板1の一対の略U字型誘電体共振器91A,91B間、すなわち貫通穴部92B,92C間の中央部には、両略U字型誘電体共振器91A,91Bを結合させるための結合用穴94が略U字型誘電体共振器91A,91Bと平行に形成されている。また、略U字型誘電体共振器の場合には、この結合穴は無くても結合させることができる。
【0063】略U字型誘電体共振器91A,91Bは、それぞれ内側に位置する貫通穴部92B,92Cの内導体の裏面4側の開口端を開放端とし、その誘電体基板1の裏面4には、一対の入出力電極(入出力端子)15A,15Bが貫通穴部92B,92Cの内導体の開放端にそれぞれ接続、固定されている。但し、裏面4には予め該入出力電極15A,15Bが接地導体5と短絡しないように、入出力電極15A,15B周辺に接地導体5を形成しない端子絶縁用誘電体露出部96を設けている。
【0064】一方、略U字型誘電体共振器91A,91Bのそれぞれ外側に位置する貫通穴部92A,92Dの内導体の裏面4側の開口端は、裏面4の接地導体5と接続されており、この開口端を略U字型誘電体共振器91A,91Bの短絡端(接地端)としている。但し、前記入出力端子と短絡端の配置は、逆であってもよい。
【0065】なお、略U字型誘電体共振器91A,91Bは、波長λgの1/4の長さに相当するように、誘電体基板1内部の貫通穴部92A,92B,92C,92Dの内導体だけでなく接続導体パターン97A,97Bの長さも考慮して形成する。すなわち、誘電体基板1の厚みを、貫通穴部92A,92B,92C,92Dの所望の長さに合わせて設定する。なお、その他の構成は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同じ番号を付して説明を省略する。
【0066】この第7実施例によると、前述の第1実施例と同様の作用効果が得られるほか、誘電体基板1に内蔵する誘電体フィルタ90を略U字型誘電体共振器91A,91Bで構成し、該略U字型誘電体共振器91A,91Bの内導体の短絡端と接地導体5との接続は、外側の貫通穴部92A,92D内周に内導体を形成する時に裏面4の接地導体5と行われるので、前記第1実施例で設けた直方体状凹部17が不要であり、構造が簡単で加工が容易になる利点がある。また誘電体基板1に特殊な加工が不要であり、成型時に各穴を設けておくこともでき、製造上有利でもある。
【0067】図11及び図12は本発明の第8実施例を示す。この場合、マイクロストリップアンテナを構成する誘電体基板1の内部に、誘電体フィルタ100を構成するための一対のλg/2線路である一対の誘電体共振器101A,101Bを形成したものである。
【0068】前記誘電体共振器101A,101Bは、誘電体基板1の主面2に対し垂直な一端面から垂直かつ主面2と平行に波長λgの1/2の長さに相当するめくら穴状の穴部102A,102Bを2個平行に形成し、図12の如く各穴部102A,102Bの内部の終端面も含む内周に内導体103を形成することで、誘電体基板1内部に一対のλg/2線路を構成したものである。そして、誘電体基板1の一対の誘電体共振器101A,101B間の中央部に、両誘電体共振器101A,101Bを結合させるためのめくら穴状の結合用穴104を誘電体共振器101A,101Bと平行に形成している。
【0069】そして、誘電体基板1の各穴部102A,102Bが開口する端面では、一対の入出力電極(入出力端子)15A,15Bが誘電体共振器101A,101Bの各内導体103の開放端にそれぞれ接続、固定されている。但し、裏面4には予め該入出力電極15A,15Bが接地導体5と短絡しないように、入出力電極15A,15B周辺に接地導体5を形成しない端子絶縁用誘電体露出部16を設けている。なお、その他の構成は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同じ番号を付して説明を省略する。また、ここでは一端面から共振器を形成する穴部102A,102Bを形成したが、これらの穴部は対向する両端面から形成してもよい。
【0070】この第8実施例によると、前述の第1実施例と同様の作用効果が得られるほか、誘電体基板1に内蔵する誘電体フィルタ100をλg/2の長さを有する一対の誘電体共振器101A,101Bで構成しているため、誘電体共振器101A,101Bの入出力端とする開放端の反対側端部を接地又は短絡する必要がない。すなわち、λg/4の誘電体共振器の場合のように短絡端と裏面4の接地導体5とを接続する必要はないため、構造が簡単で誘電体基板1の成型、加工が容易になる利点がある。
【0071】図13は本発明の第9実施例を示す。この場合、マイクロストリップアンテナを構成する誘電体基板1の内部に誘電体フィルタ110を設け、該誘電体フィルタ110を外部のローノイズアンプ(高周波増幅器)の初段増幅素子の前に挿入するために、マイクロストリップアンテナ本体部と誘電体フィルタ110を直接接続する構成としたものである。
【0072】前記誘電体フィルタ110は、一対の誘電体共振器11A,11Bと結合用穴14を誘電体基板1に形成してなるものであり、各誘電体共振器11A,11Bの内導体13A,13Bの一方の開放端は、マイクロストリップ導体3の給電点とスルーホール(内周に導体膜有り)111によって接続され、もう一方は、スルーホール(内周に導体膜有り)112を通じて裏面4の面上の給電端113に接続されている。但し、予め裏面4には、給電端113周辺部に接地導体5を形成しない絶縁用円形誘電体露出部114を設けている。なお、各誘電体共振器11A,11Bの短絡端等の構成は前述の第2実施例と同様であり、同一又は相当部分に同じ番号を付して説明を省略する。
【0073】従って、この第9実施例では、マイクロストリップアンテナで受信した受信電波信号は、マイクロストリップ導体3と誘電体共振器11Bとを接続するスルーホール111を通って誘電体フィルタ110に直接入力される。そして、フィルタ手段としての誘電体フィルタ110を通過した受信電波信号は所望の周波数信号以外の雑音信号が除去されて、スルーホール112を通して給電端113に出力される。なお、送信の場合は、給電端113に信号を入力し、前記経路の逆を通って送信される。
【0074】この第9実施例によると、前述の第1実施例と同様の作用効果が得られるほか、受信の場合、誘電体フィルタ110を外部のローノイズアンプ(高周波増幅器)の初段増幅素子の前に挿入する構成となり、誘電体フィルタ110により妨害波等による所望の周波数信号以外の雑音信号が除去され、初段増幅素子が飽和して感度低下や破壊されるのを防止することができる。また、マイクロストリップアンテナの給電点からスルーホールを介して直接誘電体フィルタ110に信号が入力され、誘電体フィルタ110を通過した信号はスルーホール112を通して給電点113に出力される構造となっているため、前記第1実施例で設けた直方体状凹部17が不要であり、構造が簡単で加工が容易になる利点がある。
【0075】図14は本発明の第10実施例を示す。この場合、内部にマイクロストリップフィルタ120が設けられている平板状の誘電体基板121の主面122に方形状(正方形状)のマイクロストリップ導体3を設け、主面122の反対面となる裏面124のほぼ全面に接地導体5を設けてマイクロストリップアンテナを構成したものである。
【0076】前記マイクロストリップフィルタ120は、マイクロストリップアンテナによる受信電波の所望の周波数信号以外の雑音信号を除去するためのフィルタ手段であり、波長λgの1/2の長さを有する帯状の一対のマイクロストリップライン123A,123Bからなっている。前記誘電体基板121は、それぞれセラミック等の同じ誘電体材料からなる第1の平板126と、該第1の平板126より薄く成型される第2の平板127とを積層一体化してなるものであり、積層時に所望の受信電波の誘電体による短縮率を考慮した波長λgよりも充分短い厚さになるように成型される。
【0077】前記一対のマイクロストリップライン123A,123Bは、誘電体基板121の作製の際、第1の誘電体平板126の一面に、該第1の平板126端縁から波長λgの1/2の長さで帯状導体膜を平行に形成したものである。そして、該マイクロストリップライン123A,123Bを設けた第1の平板126の一面に第2の誘電体平板127を積層することで誘電体基板121が構成される。なお、マイクロストリップライン123A,123Bは、例えば、銀ペースト等の導電性ペーストを印刷又は塗布した後、焼き付ける等して形成する。また、マイクロストリップライン123A,123Bは、主面の反対面となる裏面124の接地導体5に接近して設けるほうが特性上好ましいため、第2の誘電体平板127の方を第1の誘電体平板126より薄く形成している。また、第1の誘電体平板126の一面に導電性ペーストを印刷又は塗布し、第2の誘電体平板127と積層した後、焼き付けてもよい。
【0078】また、マイクロストリップライン123A,123Bの一方の開放端(誘電体基板121の端面への導出端)が面する誘電体基板121の端面には、マイクロストリップライン123A,123Bの各開放端にそれぞれ接続する入出力電極パターン(入出力端子パターン)125A,125Bが形成されている。なお、その他の構成は前述の第1実施例と同様であり、同一又は相当部分に同じ番号を付して説明を省略する。
【0079】この第10実施例によると、誘電体基板121に設けられるマイクロストリップフィルタ120は、穴部等の加工を誘電体基板121に設ける必要がなく、構造が簡単で作製も容易である。
【0080】なお、前記第10実施例では、マイクロストリップフィルタ120は、積層してなる誘電体基板121の内部にマイクロストリップライン123A,123Bを形成した構成としたが、マイクロストリップライン123A,123Bを誘電体基板121の表面に形成する構成も可能である。例えば、誘電体基板121の主面122のマイクロストリップ導体3が形成されていない領域にマイクロストリップラインを形成したり、又は、誘電体基板121のマイクロストリップ導体3を形成していない領域の肉厚を薄くし、その肉厚を薄く形成した部分の表面にマイクロストリップラインを形成する構成としてもよい。但し、これらのように形成したマイクロストリップフィルタ用のマイクロストリップラインが主面122のマイクロストリップ導体3に干渉しないように、マイクロストリップラインとマイクロストリップ導体3との距離を充分確保するのが望ましい。
【0081】なお、前記第1乃至第10実施例では、マイクロストリップ導体3のパターンを方形状(正方形)としたが、用途に応じて所望の指向性が得られるように、円形等の任意のパターンとしてもよい。同様に、誘電体基板についても、主面が方形状(正方形)のものに限らず、円形等の平板状としてもよい。
【0082】なお、前記第1乃至第10実施例において、誘電体基板に誘電体フィルタ又はマイクロストリップフィルタを設ける位置として、平面的には誘電体基板の縁に近いところ、厚み方向には主面の反対面の接地導体(地導体)に近いところが好ましい。これは、誘電体フィルタ又はマイクロストリップフィルタがマイクロストリップアンテナの特性に与える影響を小さくできることと、誘電体フィルタの場合は、各誘電体共振器の短絡端側だけでなく該誘電体共振器を囲む誘電体基板の他の面(側面、端面)にも延長接地導体(接地導体)を形成することにより、誘電体フィルタの特性改善が期待できるからである。
【0083】なお、前記第1乃至第9実施例では、誘電体基板に波長λgの1/4又は1/2の長さの穴部(第7実施例の2個直列接続も含む)を形成し、該穴部内周に内導体を設けて誘電体共振器を構成していたが、穴部の代わりに誘電体基板表面に溝部を形成し、その内側に内導体を設けて誘電体共振器を構成してもよい。また、誘電体基板に波長λgの1/4又は1/2の長さの導線を埋設して誘電体共振器を構成してもよい。
【0084】なお、前記第1乃至第9実施例では、誘電体フィルタを構成する2個の誘電体共振器を結合させるために、誘電体共振器の開放端間の中間部に位置するように誘電体基板に結合用穴(めくら穴状の結合用穴も含む)を形成していたが、該結合用穴の代わりに誘電体共振器の開放端間又は短絡端間の中間部に凹部又は溝を形成してもよい。また、結合用穴(貫通穴又はめくら穴)の内周や前記凹部又は溝の内側に導体膜を形成してもよい。
【0085】なお、前記第1乃至第7及び第9実施例では、誘電体フィルタを構成する誘電体共振器を波長λgの1/4の長さのものとしたが、λg/4の奇数倍の長さとしてもよい。
【0086】また、前記第1乃至第10実施例では、それぞれの誘電体フィルタ又はマイクロストリップフィルタは、2個の誘電体共振器を結合したもの又は2個のマイクロストリップライン123A,123Bからなるもの、すなわち2段の共振器を有する構成としたが、1個の誘電体共振器もしくはマイクロストリップラインからなる1段の誘電体フィルタもしくはマイクロストリップフィルタ、又は3個以上の誘電体共振器を結合した3段以上の誘電体フィルタ、もしくは3個以上のマイクロストリップラインからなる3段以上のマイクロストリップフィルタを有する構成としてもよい。但し、誘電体フィルタを構成するために各誘電体共振器を結合する場合、誘電体共振器の個数に合わせて、隣り合う各誘電体共振器間に結合用穴、凹部又は溝を形成する。
【0087】さらに、前記第1乃至第10実施例において、2個以上の誘電体フィルタ又はマイクロストリップフィルタを1枚の誘電体基板に設ける構成としてもよい。例えば、2個の誘電体フィルタを1枚の誘電体基板に設ける場合、一方の誘電体フィルタを送信用、他方の誘電体フィルタを受信用とすることができる。
【0088】以上本発明の実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナによれば、誘電体基板の主面にマイクロストリップ導体を、前記主面の反対面に地導体を有する構成において、前記誘電体基板を用いてフィルタ手段を構成し、マイクロストリップアンテナとフィルタ手段とを一体に作製しているので、別個に独立した誘電体フィルタ等のフィルタ手段を作製するのに要する工数の削減、誘電体材料の節約、部品実装工程の削減及び部品点数の削減を図ることができ、低コスト化が実現できる。また、図15の従来例のように、マイクロストリップアンテナとは別個に形成したフィルタ手段を外部のローノイズアンプ(高周波増幅器)側に設けたり、マイクロストリップアンテナの外側に設置するといった必要がなくなるとともに、ローノイズアンプ基板上やマイクロストリップアンテナ周辺にフィルタ手段の設置スペースを設ける必要がなく、アンテナ装置の小型化が可能になる。従って、本発明のフィルタ内蔵マイクロストリップアンテナは、GPSを利用したナビゲーションシステムや移動体通信等のアンテナ装置に最適であり、当該装置の小型化、低価格化に寄与できる。




 

 


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