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発明の名称 LAN用コネクタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−148359
公開日 平成8年(1996)6月7日
出願番号 特願平6−285715
出願日 平成6年(1994)11月18日
代理人
発明者 田中 宏志 / 茶村 俊夫
要約 目的
LAN用コネクタに於て、信号伝送の信頼性を向上させ、かつコネクタの長寿命化を達成すると共に、インターフェース部分のコストダウンを図る。

構成
LANの信号伝送用ケーブルとの接続部に使用するLAN用コネクタに於て、前記第1のコネクタと第2のコネクタを対向配置したときに、前記第1のコネクタと第2のコネクタに、それぞれのコイル部を絶縁部材を介して対向するように設け、且つ、これらのコイル部の間が電磁結合する。
特許請求の範囲
【請求項1】 LANの信号伝送用ケーブルとの接続部に使用するLAN用コネクタに於て、第1のコネクタと第2のコネクタを対向配置したときに、前記第1のコネクタと第2のコネクタに、それぞれのコイル部を絶縁部材を介して対向するように設け、且つ、これらのコイル部の間が電磁結合するようにしたことを特徴とするLAN用コネクタ。
【請求項2】 請求項1記載の第1のコネクタ及び第2のコネクタに設けられた対向する2つのコイル部を挟むように、2つのフェライトコアを配置したことを特徴とする請求項1記載のLAN用コネクタ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)の信号伝送路に使用されるものであり、特に、LAN(10BASE−T、TPDDI等のツイストペアーケーブルを用いた通信)の信号伝送用ケーブルとの接続部に使用する非接触型のLAN用コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】図15は、従来例の説明図であり、A図はLAN(10BASE−T)の構成例、B図はケーブルとの接続部であるインターフェース部分の回路図、C図はコネクタの具体例である。図15中、1はハブ(ハブ:集線装置)、2−1〜2−nは装置(パソコン、ワークステーション等)、3はインターフェース部分(3aはコネクタ、3bはパルストランス)、4はケーブル(信号伝送用ケーブル)、6は雌型コネクタ、7は雄型コネクタ、8は挿入孔、9、10は接触導体(接点)を示す。
【0003】従来、LANのスター型、或いはツリー型トポロジー(トポロジー:ネットワークに於けるノードの相互接続形態)の具体例として、図15のA図に示したような10BASE−Tの構成が知られていた。
【0004】この10BASE−Tの具体例は、中心のハブ1に対して、それぞれ複数の装置(パソコン、ワークステーション等)2−1〜2−nがケーブル4により接続されたネットワーク構成を有するものである。
【0005】前記ケーブル4との接続部にはコネクタ3a及びパルストランス3bで構成されたインターフェース部分3が設けられている。このパルストランス3bは、ケーブルで発生した短絡、高電圧印加等の不具合が装置やハブに及ぼす影響(装置の故障)を回避するために設けられている。
【0006】また、前記ケーブル4は、音声及びデータ通信用のケーブルであり、4対のシールド無しツイストペアケーブルを使用している。そして、前記ハブ1と装置2−1〜2−n間では、ケーブル4を介してベースバンド信号による信号伝送を行う(伝送レート:10Mbps)。
【0007】前記コネクタ3aとしては、図15のC図に示したような構造のコネクタを使用していた。このコネクタ3は、雌型コネクタ6と雄型コネクタ7で構成されている。前記雌型コネクタ6には、雄型コネクタ7を挿入するための挿入孔8が設けてあり、前記挿入孔8には前記ケーブル4に接続された複数本(この例では8本であるが実際に使用するのは4本)の接触導体(バネ性のある接触導体)9が設けてある。
【0008】前記雄型コネクタ7には、前記雌型コネクタ6の接触導体9と接触させるための複数本(この例では8本であるが実際に使用するのは4本)の接触導体10が設けてあり、前記接触導体10はケーブル4に接続されている。この場合、雌型コネクタ6はハブ1側のケーブル4に接続され、雄型コネクタ7は装置2−1〜2−n側のケーブル4に接続される。
【0009】前記装置2−1〜2−nを使用する場合、前記装置側のケーブル4に接続されている雄型コネクタ7を、ハブ1側のケーブル4に接続されている雌型コネクタ6の挿入孔8に挿入して前記接触導体9、10同士を接触させる(機械的に接触導体同士を接触させる)ことにより、前記装置2−1〜2−nとハブ1との間の信号伝送用ケーブルを接続する。
【0010】そして、前記接続状態で装置間のデータ通信を行うが、前記データ通信が終了したら、前記コネクタ3の雌型コネクタ6から雄型コネクタ7を抜き取り、装置とハブ1との間を切り離す。すなわち、前記コネクタを抜き差しすることにより、信号伝送用ケーブルの接続と解除を行う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】前記のような従来のものにおいては、次のような課題があった。
【0012】(1) :ハブと装置(パソコン等)間の信号伝送路には、前記のように機械的に抜き差しするコネクタを使用していた。このため、使用回数が多くなると、コネクタの接触導体が疲労したり、或いは磨耗して接触不良となることがある。
【0013】そして、前記のようにコネクタに接触不良が発生すると、正常な信号伝送ができず、誤動作が発生することもある。その結果、信号伝送の信頼性が悪くなる。また、コネクタは、機械的に抜き差しするため寿命が短くなる。
【0014】(2) :ハブ及び装置が信号伝送用ケーブルと接続するインターフェース部分は、パルストランス及びコネクタで構成されおり、これらがコスト高の一因になっていた。
【0015】本発明は、このような従来の課題を解決し、LANの信号伝送用ケーブルの接続を行うコネクタとして非接触型のコネクタを用いることにより、信号伝送の信頼性を向上させ、かつコネクタの長寿命化を達成すると共に、インターフェース部分のコストダウンを図ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の記載のLAN用コネクタは、LANの信号伝送用ケーブルとの接続部に使用するLAN用コネクタに於て、第1のコネクタと第2のコネクタを対向配置したときに、前記第1のコネクタと第2のコネクタに、それぞれのコイル部が絶縁部材を介して対向するように設け、且つ、これらのコイル間が電磁結合するようにしたものである。
【0017】請求項2の記載のLAN用コネクタは、請求項1記載のLAN用コネクタに加えて、第1のコネクタ及び第2のコネクタに設けられた対向する2つのコイル部を挟むように、2つのフェライトコアを配置したものである。
【0018】
【作用】請求項1の記載のLAN用コネクタによれば、第1のコネクタと第2のコネクタを対向配置したときに、前記第1のコネクタと第2のコネクタに、それぞれのコイル部が絶縁部材を介して対向するように設け、且つ、これらのコイル間が電磁結合するようにしたものであるから、信号伝送の信頼性を向上させ、かつコネクタの長寿命化を達成すると共に、インターフェース部分のコストダウンを図ることができる。
【0019】請求項2の記載のLAN用コネクタによれば、請求項1記載のLAN用コネクタに加えて、第1のコネクタ及び第2のコネクタに設けられた対向する2つのコイル部を挟むように、2つのフェライトコアを配置したものであるから、対向するコイル間の伝送ロスを極めて少なくし、信号伝送特性を向上させることができる。
【0020】図1は本発明の原理説明図であり、コネクタを接続(対向配置)した状態を示す。コネクタ接続状態では、絶縁部材34を介して一対のコイル部33が対向し、これらのコイル部は電磁結合する。つまり、コネクタ接続状態では、パルストランスと同様の働きをする。
【0021】よって、本発明のLAN用コネクタは、図2の等価回路に示したように、第1のコネクタ35と第2のコネクタ36は、接続状態に於てはパルストランスの1次側と2次側に対応した働きをする。このことから、図1の絶縁部材34は、パルストランスの1次側と2次側との間に要求される絶縁耐圧を確保することができる厚さ及び材料であれば十分で、複数であってもよい。
【0022】例えば、図3のA図に示したように基板37上に設けられたコイル部33を絶縁被膜38で覆ったもの2枚を、絶縁被膜38が接するように対向配置させても良い。この場合、対向するコイル部33の間に2層の絶縁被膜が挟まれる。
【0023】図3のB図は、装置に設けられた凹部の底面にコイル部33が設けられ、この部分に嵌合する、箱体39の前記凹部の底面に設けられたコイル部33と接する面の裏側にコイル部33が設けられている。この場合、両コイル部の間には、箱体39の底面を挟まれる。また、箱体39と凹部の底面に設けられたコイル部33は必ずしも接触する必要はない。
【0024】このように、絶縁部材を介して一対のコイルを対向配置することにより、一対のコイル部は電磁結合し、非接触で信号伝送を行うことができる。
【0025】又、図4に示した側面図のように、絶縁部材34を介して対向するコイル部33をフェライトコア41で挟んだ場合にも、同様に対向するコイル部は電磁結合し、非接触で信号伝送を行うことができる。ここで、前記コイル部33とフェライト41は必ずしも接触する必要はない。
【0026】以上説明したように、本発明のコネクタは非接触型のコネクタであり、従来のように機械的に抜き差しするコネクタではないので、接触不良等発生せず、常に良好な信号伝送を行うことができる。従って、信号伝送の信頼性を向上させ、かつコネクタの長寿命化を達成することができる。
【0027】又、従来の接触型のコネクタを用いた場合には、信号伝送用ケーブルで発生した短絡、高電圧印加等の不具合がハブ又は装置に及ぼす影響(装置の故障)を回避するために、ケーブルに対してパルストランスを介して接続されていたが、本発明のコネクタを用いた場合には、パルストランスを省略することができる。
【0028】つまり、従来は、パルストランスにより信号伝送用ケーブルと電磁結合していたが、本発明のコネクタを用いれば、このコネクタに於て電磁結合することができるからである。又、パルストランスでは、1次側と2次側間で十分な絶縁耐圧を確保できず耐圧不良を生ずる場合があったが、本発明のコネクタを用いれば、絶縁耐圧を確実に確保できる。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0030】図5〜図14は、本発明の実施例を示した図であり、図5〜図14中、図15と同じものは同一符号で示してある。
【0031】また、2は装置、14はコネクタ、15はケース、16はフェライトコア、18はプリント基板、19はカバー、20は取り付け片、21は取り付け孔、22は凹部、23は隔壁、25は台、27は第1のコイル、28は第2のコイル、29は引き出し用パッド部、30は配線パターン、32は接着剤を示す。
【0032】§1:実施例におけるLANとコネクタの説明本実施例で適用するLANの構成は、前記従来例で説明したLANの構成(図15参照)と同じである。本実施例は、前記従来例で説明した10BASE−Tの信号伝送用ケーブルに接続するコネクタに関するものである。
【0033】すなわち、本実施例のコネクタは、図15に示したインターフェース部分3(コネクタ3a、パルストランス3b)を、以下に説明する非接触型のコネクタとして構成したものであり、従来のコネクタ3a及びパルストランス3bの機能を兼ね備えたものである。
【0034】なお、前記LANでは、ハブと各装置間の信号伝送は、データ伝送レートが10Mbps(5MHz、及び10MHzの信号を含む)であり、例えば、マンチェスタコード信号によるベースバンド信号の伝送を行う。
【0035】従って、非接触型のコネクタを使用して良好な信号伝送を行うためには、前記コネクタの特性(特に、出力電圧特性)として、前記5MHz、及び10MHzの周波数を含む広い周波数帯域(例えば、1MHz〜10MHzの周波数帯域)において十分なゲイン(電圧利得)が得られるようにする必要がある。
【0036】以下、LANにおいてハブ(集線装置)と各装置(パソコン等)を接続する信号伝送用ケーブルの接続に使用する非接触型のコネクタについて説明する。
【0037】なお、本実施例のLAN用コネクタは、第1のコネクタと第2のコネクタからなる一対のコネクタ(各装置側のケーブルに接続する装置側コネクタと、ハブ側のケーブルに接続するハブ側コネクタ)で構成されるが、これら一対のコネクタは同じ構成のものである。
【0038】以下の説明では、LAN用コネクタを構成する一対のコネクタの内、第1のコネクタを装置側コネクタとし、第2のコネクタをハブ側コネクタ、或いはハブに接続された台側コネクタとする。
【0039】§2:コネクタの構成の説明・・・図5〜図8参照図5はコネクタの外観図であり、A図は平面図、B図はA図のX方向の側面図、C図はA図のY方向の側面図である。また、図3はコネクタの構成図であり、A図はコネクタの分解図、B図はコネクタの取り付け図である。
【0040】前記のように、LAN用コネクタは、第1のコネクタ(装置側コネクタ)と第2のコネクタ(ハブ側コネクタ、或いは台側コネクタ)からなる一対のコネクタで構成されるが、それぞれ同じ構成のものである。その内の1個のコネクタの構成を図5、図6に示してある。
【0041】図示のように、コネクタ14は、ケース15と、2個のフェライトコア16と、2個のコイル(第1のコイル、第2のコイル)を形成したプリント基板18と、カバー19で構成されている。そして、ケース15の左右の側面には、それぞれ取り付け孔21を備えた取り付け片20が設けてある。
【0042】また、ケース15には、隔壁23を挟んで2個の凹部22が設けてあり、この凹部22には、フェライトコア16が収納できるように構成されている。更に、プリント基板18には、2個のコイルが所定の間隔で設けてあり、このコイルにはケーブルの導体が接続できるように構成されている(詳細は後述する)。
【0043】前記コネクタ14は、ケース15の2個の凹部22内にそれぞれフェライトコア16を収納し、前記フェライトコア16の上側に2個のコイルを形成したプリント基板18を載せ、その上からカバー19を被せたものである。なお、前記ケース15、及びカバー19は、樹脂により製作する。
【0044】このような構成のコネクタ14は、例えば、パソコン等の装置の底部と、前記装置を載せる台(例えば、テーブル、机、作業台等)に固定するが、前記台に取り付けた例をB図に示す。
【0045】図示のように、台25の一部に穴を明け、この穴にコネクタ14を挿入し、取り付け孔21にビスを挿入して(なお、ビスは図示省略してある)固定する。この場合、コネクタ14のカバー19の上面と、台25の上面が同一面となるようにして取り付ける。
【0046】§3:プリント基板とコイルの説明・・・図7参照図7はプリント基板とコイルの説明図であり、A図はプリント基板の平面図、B図はコイルの説明図である。
【0047】前記プリント基板18には、2個のコイルを形成するが、その1例を図7に示す。この例では、プリント基板18上に第1のコイル27と第2のコイル28を所定の間隔で形成し、その間に、複数の引き出し用パッド部29を設ける。この引き出し用パッド部29は、信号伝送用ケーブル内の各導体と接続(半田付け等で接続)するためのもの(電極)である。
【0048】また、前記第1のコイル27、及び第2のコイル28の引き出し導体(コイル端部のリード線となる導体)と、引き出し用パッド部29の間を接続するために、プリント基板18上には配線パターン30(図の点線部分)が形成してある。すなわち、前記配線パターン30を形成することにより、第1のコイル27、及び第2のコイル28と、引き出し用パッド部29との間を接続する。
【0049】前記コネクタをケーブルに接続する場合は、ケーブルの導体を前記引き出し用パッド部29に半田付け等により接続する。この場合、例えば、第1のコイル27を送信側コイルとし、第2のコイル28を受信側コイルとして使用する。
【0050】前記第1のコイル27、及び第2のコイル28は、B図に示したように、スパイラル状(渦巻き状)のコイルとして形成する。これらのコイルを形成する方法として、例えば、次の方法がある。
【0051】■:銅張り積層基板を使用し、この基板に対してエッチング処理を行うことにより、コイルパターンを形成する方法。
【0052】■:導体ペーストの印刷等で、基板上に厚膜のコイルパターンを形成して焼成することにより、厚膜のコイルパターンを形成する方法。この場合、基板として、例えばアルミナ基板を使用する。
【0053】■:フィルム状のコイルを、カバーの内側、或いはフェライトコアに接着剤等で貼りつける方法。
【0054】■:カバーの内側に、直接コイルパターンを一体形成する方法。
【0055】§4:コネクタの組み立て時の説明・・・図8参照図8はコネクタの組み立て説明図である。前記構成のコネクタは、各部品を製作した後、接着剤を使用して次のようにして組み立てる。
【0056】コネクタを組み立てる前に、予め、ケース15と、2つのフェライトコア16と、第1のコイル、及び第2のコイルを形成したプリント基板18と、カバー19を製作しておく。前記各部品を用意したら、図示のように、カバー19の裏側と、プリント基板18の裏側(コイルの形成してない面)と、フェライトコア16の一面に接着剤32を塗布する。
【0057】そして、カバー19にプリント基板18を載せて、接着剤32によりカバー19にプリント基板18を固着する。次に、前記プリント基板18の上に2つのフェライトコア16を載せて、接着剤32によりプリント基板18にフェライトコア16を固着する。
【0058】その後、前記フェライトコア16の上にケース15を載せて、接着剤32によりフェライトコア16にケース15を固着する。以上の組み立て工程によりコネクタを組み立てる。完成したコネクタは2個を1組として信号伝送用ケーブルに接続する。
【0059】§5:コネクタ使用時の説明・・・図9参照図9はコネクタの使用態様説明図であり、A図はコネクタ使用状態を示した図、B図は部品配置説明図、C図は等価回路を示す。
【0060】前記コネクタを使用する場合の1例を図9に基づいて説明する。この例では、装置(パソコン等)2と、前記装置2を載せる台(テーブル、作業台等)25の双方にコネクタ14を設け、非接触で信号伝送できるようにする。
【0061】この場合、A図に示したように、装置(パソコン等)2の底面側の一部に、前記底面と同一面になるようにしてコネクタ14を設ける(装置底面の一部に埋め込む)と共に、前記装置2を載せる台25の上面側の一部にも、前記台25の上側面と同一面になるようにしてコネクタ14を設ける(台の上側の一部に埋め込む)。
【0062】すなわち、装置2の底面側の一部と台25の上面側の一部にコネクタ14を設けることにより、装置2を台25の上に載せた場合に、装置2のコネクタ14と台25のコネクタ14とが対向配置できるようにすると共に、前記2つのコネクタ間の間隔がなるべく小さくなるようにする(2つのコネクタをなるべく接近させる)。
【0063】前記構成のコネクタを使用して実際にデータ通信を行う場合には、例えば、台25の上側の所定位置に装置2の位置決め用の表示、或いは位置決め片等を設けておく。そして、このような台25の上に装置2を載せた状態で、装置2を所定の位置に位置決めすると、装置2側のコネクタ14と、台25側のコネクタ14とが対向するように位置決めされる。
【0064】前記のように位置決めした場合の各コネクタの部品配置関係はB図のようになる。この位置決め状態では、2つのコネクタ14のカバー19同士が向かい合って配置され、前記カバー19の後側に第1のコイル27と第2のコイル28が配置され、更に前記第1のコイル27、及び第2のコイル28の後側に2つのフェライトコア16が配置される。
【0065】前記使用状態でのコネクタ14の等価回路はC図の通りである。例えば、装置側コネクタの第1のコイル27、及び台側コネクタの第1のコイル27を送信側コイルとし、装置側コネクタの第2のコイル28、及び台側コネクタの第2のコイル28を受信側コイルとして使用する。
【0066】このようにして、2つのコネクタの各コイルを対向配置した状態でコネクタは信号伝送用ケーブルを接続したことになる。すなわち、前記の状態では、装置側コネクタと台側コネクタとが電磁結合可能な状態に配置され、コネクタが接続状態となっている。
【0067】そこで、例えば、装置側コネクタの第1のコイル27に送信信号を入力すると、この信号は、前記第1のコイル27と電磁結合している台側コネクタの第2のコイル28に伝送され、その後、ケーブル4を介してハブ1へ伝送される。
【0068】また、前記ハブ1から伝送された信号は、台側コネクタの第1のコイル27に入力し、この第1のコイル27と電磁結合している装置側コネクタの第2のコイル28に伝送され、装置側で受信される。
【0069】このようにして、コネクタが接続した状態でデータ通信を行い、前記データ通信が終了したら、装置2を台25から取り去れば、前記装置側コネクタと台側コネクタとが離されるので、2つのコネクタの電磁結合は解除され、コネクタを外した状態となる。
【0070】前記のように、装置2を台25の上に載せるだけでコネクタの接続を行うことができると共に、装置2を台25の上から取り去れば、自動的にコネクタの接続は解除される。このためコネクタを接続したり、外したりする手間は不要となり、装置セッティング時等の作業性が改善される。
【0071】§6:実験例の説明・・・図10〜図14参照前記コネクタについてその特性を確認するため、複数のコネクタのサンプルについて実験を行った。この実験では、コネクタの実際の使用状態と同じになるように、ケーブルに接続した2つのコネクタを対向配置させ(図9に示したコネクタの使用状態と同じような配置)、一方のコネクタから信号を入力して他方のコネクタから出力する信号(コネクタの出力電圧等)をケーブルを介して測定した。
【0072】以下、前記実験を行ったコネクタの内、2つのサンプル(サンプル#1、サンプル#2)の実験例について説明する。
【0073】(1) :実験例の説明・・・図10参照図10は実験例の説明図であり、A図はコア有りの配置説明図、B図はコネクタのサンプルデータを示した図である。
【0074】実験では、コネクタのサンプル(サンプル#1、サンプル#2)を使用し、図9に示したコネクタの使用状態と同じような状態にして、2つのコネクタを対向配置した。
【0075】この場合、フェライトコア16を使用したコネクタ(コア有り)と、フェライトコア16を使用しないコネクタ(コア無し)について実験を行ったが、フェライトコア16を使用した場合(コア有り)のコネクタ配置を図10のA図に示す。図10のA図では、2つのコネクタの内、一方のコネクタを第1のコネクタとし、他方のコネクタを第2のコネクタとした。
【0076】図示のように、第1のコネクタ、及び第2のコネクタの第1のコイル27と第2のコイル28にはそれぞれ所定の配線を行い、ケーブル4に接続する。そして、第1のコイル27と第2のコイル28とを互いに対向するように位置決めして配置する。この場合、第1のコイル27を送信側コイルとし、第2のコイル28を受信側コイルとした。
【0077】前記のコネクタ配置において、第1のコイル27と第2のコイル28との間の間隔dをd=3.2mmに設定して対向配置し、第1のコイル27と第2のコイル28とが電磁結合するようにした。そして、第1のコネクタの端子a、b間に信号を入力し、第2のコネクタの端子e、fから出力する信号を測定した。
【0078】なお、フェライトコア16を使用しない場合(コア無し)は、各コネクタのフェライトコア16を取り外し、第1のコイル27と第2のコイル28だけで電磁結合させる。
【0079】前記実験で使用したコネクタのサンプルデータは、図10のB図に示した通りである。この場合、サンプルデータは図7に示した構造のコイルを有するコネクタのデータであり、第1のコイル27、及び第2のコイル28は、同じ構造で、かつ同じ寸法のコイルである。また、前記各コイルの縦の寸法(縦方向の外径、内径)と横の寸法(横方向の外径、内径)は同じであるとする。
【0080】図示のように、サンプル#1は、コイルの外径寸法=16.8mm、コイルの内径寸法=14.2mm、コイルの層数=1、パターン幅/間隔=0.1/0.1mm、巻数=7ターン、プリント基板の厚み=0.5/0.2mm、L値(インダクタンス値)=2.07μHである。
【0081】また、サンプル#2は、コイルの外径寸法=16.8mm、コイルの内径寸法=12.2mm、コイルの層数=1、パターン幅/間隔=0.1/0.1mm、巻数=12ターン、プリント基板の厚み=0.5/0.2mm、L値(インダクタンス値)=4.43μHである。
【0082】(2) :サンプル#1のコネクタ特性の説明・・・図11参照図11はサンプル#1のコネクタ特性図である。この特性は、サンプル#1のコネクタにおいて、フェライトコア16が有る場合(コア有り)と、フェライトコア16が無い場合(コア無し)について実験を行い、実験結果の測定データから図示の特性を得たものである。
【0083】図11において、横軸は信号の周波数(MHz)、縦軸はコネクタのゲイン(dB)を示す。また、図の■はコア有りの特性であり、■はコア無しの特性である。前記サンプル#1のコネクタを使用してコイル間のギャップを3.2mmに設定し(図7参照)、信号の周波数を変化させながらコネクタのゲイン(出力電圧利得)を測定した結果、図示のデータを得た。
【0084】図示の特性から明らかなように、■に示したコア有りのコネクタでは、周波数1MHzのゲイン=−17.5dB、周波数5MHzのゲイン=−8.0dB、周波数10MHz のゲイン=−8.6dBであった。
【0085】また、■に示したコア無しのコネクタでは、周波数1MHzのゲイン=−23.3dB、周波数5MHzのゲイン=−12.0dB、周波数10MHzのゲイン=−11.1dBであった。
【0086】ところで、通常の信号伝送時には、第1のコイル27と第2のコイル28間で電磁結合させることにより、マンチェスタ符号による10Mbps(波形的には5MHzと10MHzの混在波形)の伝送レートでベースバンド信号の伝送を行う。
【0087】この場合、前記のコネクタの特性では、前記5MHzと10MHzの周波数を含む広い周波数帯域(1MHz〜10MHz)において、実用上十分大きなゲインが得られており、良好な信号伝送が行えることが実証できた。
【0088】特に、■の特性(コア有りコネクタの特性)では、■の特性(コア無しコネクタの特性)に比べ、広い周波数帯域において、極めて大きなゲインが得られており、2つのコイル間で良好な信号伝送が可能となる。すなわち、フェライトコア16を設けることにより、2つのコイル間で伝送ロスの少ない高効率の信号伝送ができることが実証された。
【0089】(3) :サンプル#2のコネクタの特性説明・・・図12参照図12はサンプル#2のコネクタ特性図である。この特性は、サンプル#2のコネクタにおいて、フェライトコア16が有る場合(コア有り)と、フェライトコア16が無い場合(コア無し)について実験を行い、実験結果の測定データから図示の特性を得たものである。
【0090】図12において、横軸は信号の周波数(MHz)、縦軸はコネクタのゲイン(dB)を示す。また、図の■はコア有りの特性であり、■はコア無しの特性である。
【0091】前記サンプル#2を使用して第1のコイル27と第2のコイル28間のギャップを3.2mmに設定し、信号の周波数を変化させながら、コネクタのゲイン(出力電圧利得)を測定した結果、図示のデータを得た。
【0092】図示の特性から明らかなように、■に示したコア有りの状態では、周波数1MHz のゲイン=−10.0dB、周波数5MHzのゲイン=−8.0dB、周波数10MHzのゲイン=−11.9dBであった。
【0093】また、■に示したコア無しの状態では、周波数1MHzのゲイン=−15.8dB、周波数5MHzのゲイン=−10.0dB、周波数10MHzのゲイン=−11.9dBであった。
【0094】この場合にも前記のコネクタの特性では、5MHzと10MHzの周波数を含む広い周波数帯域(1MHz〜10MHz)において十分大きなゲインが得られており、良好な信号伝送が行えることが実証できた。
【0095】特に、■の特性(コア有りコネクタの特性)では、■の特性(コア無しコネクタの特性)に比べて、広い周波数帯域において、極めて大きなゲインが得られており、2つのコイル間で良好な信号伝送が可能となる。すなわち、フェライトコア16を設けることにより、2つのコイル間で伝送ロスの少ない高効率の信号伝送ができることが実証された。
【0096】(4) :コネクタ出力電圧波形の説明・・・図13、図14参照図13はコネクタ出力電圧波形図(コア無し)であり、A図はサンプル#1のコア無しコネクタ使用時、B図はサンプル#2のコア無しコネクタ使用時の波形である。図14はコネクタ出力電圧波形図(コア有り)であり、A図はサンプル#1のコア有りコネクタ使用時の波形、B図はサンプル#2のコア有りコネクタ使用時の波形である。
【0097】図13、図14において、各図共、横軸は時間(100ns/div)、縦軸は出力電圧(500mv/div)を示す。なお、図の「trig’d」で示した点は測定器のトリガーポイントを示す。
【0098】図示の出力電圧波形は、図10のA図に示したコネクタの配置において、第1のコネクタの端子a、b間(コネクタの送信側入力端子)に送信信号を入力し、第2のコネクタの端子e、fから出力される信号の電圧(コネクタの出力電圧)を、ケーブル4を介して測定した結果の電圧波形である。
【0099】この場合、コア有りコネクタはフェライトコア16が有る場合(図10のA図参照)であり、コア無しコネクタは、前記2つのフェライトコア16を取り外した状態のコネクタである。このように、コア有りコネクタとコア無しコネクタの電圧波形を測定したのは、フェライトコア16が有る場合と無い場合の特性を比較するためである。
【0100】前記測定の結果、サンプル#1のコア無しコネクタ使用時には(図13のA図参照)e1で示した電圧波形が得られ、サンプル#2のコア無しコネクタ使用時(図13のB図参照)にはe2で示した電圧波形が得られた。
【0101】また、サンプル#1のコア有りコネクタ使用時には(図14のA図参照)e3で示した電圧波形が得られ、サンプル#2のコア有りコネクタ使用時(図14のB図参照)にはe4で示した電圧波形が得られた。
【0102】ところで、コネクタの特性の良否を判定する場合は、例えば、前記各電圧波形において、波高値(振幅)が一定値以上で、かつ、或るスライスレベルでスライスした場合のスライス幅が所定値以上あれば良好な出力特性であると判定し、それ以外の場合は良好でないと判定する(使用不可能ではない)。
【0103】このような判定基準に従って前記各電圧波形を比較すると、e3で示した電圧波形はe1で示した電圧波形より良好な波形であり、e4で示した電圧波形はe2で示した電圧波形より良好な波形である。すなわち、コア無しコネクタよりもコア有りコネクタの方が良好な電圧波形となっている。
【0104】また、サンプル#1とサンプル#2(コイルの構成が異なる)とで電圧波形が異なっている。すなわち、コイルの形状、L値(インダクタンス値)等により、出力電圧の波形が異なるが、コイルの構成を変えると出力電圧の波形が異なるものとなる。なお、この例では、サンプル#2のコア有りコネクタが最も良好な電圧波形であった。
【0105】(他の実施例)以上実施例について説明したが、本発明は次のようにしても実施可能である。
【0106】(1) :前記プリント基板上に形成した第1のコイル、及び第2のコイルは、プリント基板上に形成するのではなく、フェライトコアの上に直接形成することも可能である。
【0107】この場合、各コネクタに設けた2つのフェライトコアの一面に、例えば厚膜パターンによりコイルを形成する。すなわち、一方のフェライトコアに第1のコイルを厚膜パターンで形成し、他方のフェライトコアに第2のコイルを厚膜パターンで形成する。
【0108】そして、前記フェライトコアに設けた各コイルの引き出しパターンを信号伝送用ケーブルに接続する。このようにすれば、プリント基板は不要になりその分、薄型で安価なコネクタが実現可能である。
【0109】また、前記第1のコイル、及び第2のコイルは、次の方法で形成しても良い。
■:フィルム状のコイルを、カバーの内側、或いはフェライトコアに接着剤等で貼りつける方法。■:カバーの内側に、直接コイルパターンを一体形成する方法。
【0110】(2) :第1のコイル、及び第2のコイルの形状は、前記実施例のように角型に限らず、円形、多角形等任意の形状で実施可能である。また、コイルの形状はスパイラル形状に限らず、例えば蛇行形状、ヘリカル形状(この場合は多層基板を使用する)等でも実施可能である。
【0111】(3) :前記実施例で説明したコネクタは、LANの10BASE−T以外の他の同様な信号伝送路にも適用可能である。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば次のような効果がある。
【0113】(1) :LAN用コネクタを構成する第1のコネクタと第2のコネクタとを対向配置することにより、第1のコイルと第2のコイル間の電磁結合で非接触的に信号伝送を行うことができる。
【0114】従って、従来のように機械的に抜き差しするコネクタではないので、接触不良等が発生せず、常に良好な信号伝送を行うことができる。このため、信号伝送の信頼性を向上させることができる。
【0115】(2) :コネクタは非接触的に信号伝送を行うことができ、従来のコネクタのように機械的な接触部分が無いから、コネクタの長寿命化を達成できる。
【0116】(3) :コネクタに於ける接続方法を、非接触の電磁結合としたことにより、パルストランスを用いる必要がなくなり、コストダウンを図ることができる。又、本発明のコネクタを使用すれば、第1のコネクタと第2のコネクタ間の絶縁耐圧を確実に確保することができる。
【0117】(4) :対向するコイルを十分に接近させた場合、フェライトコアが無くても対向するコイルの電磁結合を十分良好な状態にすることができる。従って、フェライトコアが無い場合でも、信号伝送に必要な周波数帯域に応じたコイル部の設計を行えば(例えば、1MHz〜10MHz)、実用上十分なゲイン(電圧利得)が得られ、対向するコイル間で伝送ロスの少ない信号伝送が可能となる。
【0118】(5) :対向するコイル挟むように2つのフェライトコアを設けた場合には、フェライトコアの周波数特性(例えば、1MHz〜10MHz)に応じて、より大きなゲイン(電圧利得)が得られる。
【0119】つまり、フェライトコアを設けた場合、対向するコイル間の電磁結合が更に改善され、極めて伝送ロスの少ない信号伝送を行うことができる。従って、フェライトコアを設けたことにより、対向するコイル間の伝送ロスを極めて少なくし、信号伝送特性を向上させることができる。
【0120】(6) :コネクタのコイルは、エッチング処理、或いは厚膜パターン等によりプリント基板上に形成したので、平型で、かつ極めて薄いコネクタが製作できる。従って、装置(パソコン等)や台(テーブル等)に組み込むのが容易である。
【0121】(7) :一方のコネクタを装置の底面側に設け、他方のコネクタを台の上面側に設ければ、台の上に装置を載せるだけでコネクタの接続を行うとができる。また、台かを取り去ることにより自動的にコネクタの接続を解除することができる。
【0122】従って、コネクタを接続したり外したりする手間は不要となり、装置セッティング時等の作業性を改善することができる。




 

 


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