米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> ティーディーケイ株式会社

発明の名称 誘電体磁器組成物およびセラミックコンデンサ、およびそれらの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−36918
公開日 平成8年(1996)2月6日
出願番号 特願平6−173023
出願日 平成6年(1994)7月26日
代理人
発明者 神谷 貴志
要約 目的
比誘電率、機械的強度が高く、焼成温度が低温かつ、幅広い温度で焼成が可能な誘電体磁器組成物およびセラミックコンデンサを得ることを目的とする。

構成
本発明に用いる誘電体磁器組成物は、PbがPbO換算で65.0〜70.0wt%、MgがMgO換算で3.0〜6.0wt%、NbがNbO5/2換算で22.0〜29.0wt%、TiがTiO2換算で0.5〜2.5wt%、MnがMnO換算で0〜1.0wt%、CuがCuO換算で0.001〜1.0wt%の範囲からなり、Pb元素をAとし、Mg、Nb、Ti、Mn元素をBと表した時、そのモル比A/Bが0.80〜1.00の範囲にあることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 PbがPbO換算で65.0〜70.0wt%、MgがMgO換算で3.0〜6.0wt%、NbがNbO5/2換算で22.0〜29.0wt%、TiがTiO2換算で0.5〜2.5wt%、MnがMnO換算で0〜1.0wt%、CuがCuO換算で0.001〜1.0wt%の範囲からなり、Pb元素をAとし、Mg、Nb、Ti、Mn元素をBと表した時、そのモル比A/Bが0.80〜1.00の範囲にあることを特徴とする誘電体磁器組成物。
【請求項2】 主成分がPb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3−Pb(Mn1/3Nb2/3)O3より成り、MgがMgOに換算して0.01〜20.0wt%過剰に含まれる誘電体磁器組成物に対して、副成分としてCuをCuOに換算して0.001〜1.0wt%、PbをPbOに換算して0〜2.0wt%を含む請求項1に記載の誘電体磁器組成物。
【請求項3】 Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3−Pb(Mn1/3Nb2/3)O3において、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3が70.0〜99.9モル%、PbTiO3が0.1〜30.0モル%、Pb(Mn1/3Nb2/3)O3が0〜5.0モル%の範囲内であることを特徴とする請求項1または2に記載の誘電体磁器組成物。
【請求項4】 室温において、比誘電率が15000以上となることを特徴とする請求項1〜3に記載の誘電体磁器組成物。
【請求項5】 請求項1〜4に記載の誘電体磁器組成物を用いたセラミックコンデンサ。
【請求項6】 前記セラミックコンデンサが積層セラミックコンデンサである請求項5に記載のセラミックコンデンサ。
【請求項7】 前記セラミックコンデンサが単板コンデンサである請求項5に記載のセラミックコンデンサ。
【請求項8】 積層セラミックコンデンサの内部電極組成において、Agが60.0〜100.0wt%、Pdが0〜40.0wt%、Cuが0.01〜5.0wt%、Tiが0〜10.0wt%の範囲内であることを特徴とする請求項6に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項9】 積層セラミックコンデンサの内部電極組成において、Cuが誘電体部より拡散して含有されることを特徴とする請求項8に記載の積層セラミックコンデンサ。
【請求項10】 酸素濃度が20〜100%の雰囲気で焼成することを特徴とする請求項1〜9に記載の誘電体磁器組成物およびセラミックコンデンサの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、比誘電率が高く、高酸素濃度中で、低温かつ、幅広い温度範囲で焼成が可能な誘電体磁器組成物と、セラミックコンデンサおよびそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高誘電率セラミックコンデンサの誘電体材料としては、従来からチタン酸バリウムを主体とし、比誘電率が1000〜10000と大きいものが用いられている。しかし、チタン酸バリウムを主体とする従来の誘電体材料は、焼成温度が1350℃程度と高いため、例えば、積層セラミックコンデンサを製造する場合には、この焼成温度以上の融点を持ち、しかも、このような高温で酸化または、誘電体材料と反応しないようなパラジウムや白金などの貴金属電極が必要であった。そのため、製造コストにおける電極材料コストの占める割合が非常に大きかった。また、チタン酸バリウム系誘電体材料は、バイアス電圧による容量変化率が大きいという欠点もあった。
【0003】これらの問題を解決するために、鉛系複合ペロブスカイト誘電体材料を主体とする磁器組成物(特開平2−225363、特開平3−33047)が提示された。これらの誘電体材料の特徴として、チタン酸バリウム系誘電体材料に比べ、比誘電率が5000〜13000と大きく、950〜1100℃の温度で焼成が可能となった。このためこれらの特性に注目し、パラジウムなどの電極材料に比べ、安価なCuOを還元雰囲気焼成によりCuとした内部電極を用いた積層セラミックコンデンサが開発されるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら鉛系複合ペロブスカイト誘電体材料の使用において、次のような解決すべき問題が知られている。
【0005】(1) 誘電体材料の機械的強度が弱いため、添加物を加えて機械的強度を向上できるが、添加物の添加により比誘電率の低下や、誘電損失の増大を生じ、機械的強度の向上と高誘電率、低誘電損失とを両立させることが困難である。
【0006】(2) 誘電体材料に添加物を加えることにより、材料の焼成温度を大幅に低下させることができるが、添加物の添加により比誘電率の低下や、誘電損失の増大を生じ、焼成温度が1100℃以下の低温焼成と比誘電率が15000〜35000の高誘電率、また低誘電損失とを両立させることが困難である。
【0007】(3) Cuを内部電極として低酸素濃度中で焼成すると、誘電体材料のペロブスカイト相が分解し、誘電率の低いパイロクロア相が析出するため、組成ずれの原因となり誘電率が低下し、安定な誘電体特性を得ることが困難である。
【0008】このような視点から、1100℃以下の低温において、高誘電率、低誘電損失を損なうことなく機械的強度が強く、広範囲にわたって安定した焼結が可能であり、しかも、長寿命で高絶縁抵抗となる鉛系複合ペロブスカイト誘電体磁器材料の開発が強く望まれるようになった。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような目的は下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
【0010】(1) PbがPbO換算で65.0〜70.0wt%、MgがMgO換算で3.0〜6.0wt%、NbがNbO5/2換算で22.0〜29.0wt%、TiがTiO2換算で0.5〜2.5wt%、MnがMnO換算で0〜1.0wt%、CuがCuO換算で0.001〜1.0wt%の範囲からなり、Pb元素をAとし、Mg、Nb、Ti、Mn元素をBと表した時、そのモル比A/Bが0.80〜1.00の範囲にあることを特徴とする誘電体磁器組成物。
【0011】(2) 主成分がPb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3−Pb(Mn1/3Nb2/3)O3より成り、MgがMgOに換算して0.01〜20.0wt%過剰に含まれる誘電体磁器組成物に対して、副成分としてCuをCuOに換算して0.001〜1.0wt%、PbをPbOに換算して0〜2.0wt%を含む(1)に記載の誘電体磁器組成物。
【0012】(3) Pb(Mg1/3Nb2/3)O3−PbTiO3−Pb(Mn1/3Nb2/3)O3において、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3が70.0〜99.9モル%、PbTiO3が0.1〜30.0モル%、Pb(Mn1/3Nb2/3)O3が0〜5.0モル%の範囲内であることを特徴とする(1)または(2)に記載の誘電体磁器組成物。
【0013】(4) 室温において、比誘電率が15000以上となることを特徴とする(1)〜(3)に記載の誘電体磁器組成物。
【0014】(5) (1)〜(4)に記載の誘電体磁器組成物を用いたセラミックコンデンサ。
【0015】(6) 前記セラミックコンデンサが積層セラミックコンデンサである(5)に記載のセラミックコンデンサ。
【0016】(7) 前記セラミックコンデンサが単板コンデンサである(5)に記載のセラミックコンデンサ。
【0017】(8) 積層セラミックコンデンサの内部電極組成において、Agが60.0〜100.0wt%、Pdが0〜40.0wt%、Cuが0.01〜5.0wt%、Tiが0〜10.0wt%の範囲内であることを特徴とする(6)に記載の積層セラミックコンデンサ。
【0018】(9) 積層セラミックコンデンサの内部電極組成において、Cuが誘電体部より拡散して含有されることを特徴とする(8)に記載の積層セラミックコンデンサ。
【0019】(10) 酸素濃度が20〜100%の雰囲気で焼成することを特徴とする(1)〜(9)に記載の誘電体磁器組成物およびセラミックコンデンサの製造方法。
【0020】
【作用および効果】本発明の誘電体磁気組成物は、PbがPbO換算で65.0〜70.0wt%、MgがMgO換算で3.0〜6.0wt%、好ましくは3.8〜5.0wt%、NbがNbO5/2換算で22.0〜29.0wt%、TiがTiO2換算で0.5〜2.5wt%、MnがMnO換算で0〜1.0wt%、CuがCuO換算で0.001〜1.0wt%の範囲となるように配合し、Pb元素をA、他の元素をBとしたときのモル比A/Bを1以下とすることにより高温耐湿負荷等の信頼性が向上する。ここでA/Bが1以上になると高温耐湿負荷等の信頼性が悪くなり、A/Bが0.80より小さくなると比誘電率が急激に低下するため、A/Bの範囲が0.80〜1.00、好ましくは0.93〜0.99、さらに好ましくは0.95〜0.98とする。
【0021】また、本発明の基本組成の一つであり、主成分が(Mg1/3Nb2/3)O3(以下、PMNと称する)−PbTiO3(以下、PTと称する)−Pb(Mn1/3Nb2/3)O3(以下、PMnNと称する)よりなる鉛系複合ペロブスカイトにおいて、PMNの理論組成よりもMgを過剰とすると比誘電率は向上するが、多すぎると比誘電率は低下して信頼性にも悪影響をおよぼすため、MgはMgOに換算して0.001〜20.0wt%過剰にすることが好ましい。CuOまたはCuOおよびPbOを添加すると焼成温度が低下し、機械強度が向上するが、多すぎると比誘電率が低下し、信頼性に悪影響をおよぼすため、CuOの添加量は0.001〜1.0wt%、好ましくは0.10〜0.40wt%、PbOの添加量は0〜2.0wt%、好ましくは0.10〜1.20wt%とする。
【0022】本発明の誘電体磁器組成物に用いられる原料は、PbO、Pb23、MgO、Nb25、MnO、MnO、Cu2O、CuO2等の酸化物に限るものではなく、炭酸化合物、水酸化化合物等の種々の化合物においても有効である。
【0023】本発明の誘電体磁器組成物では、室温において、比誘電率が15000以上のものを容易に得ることができ、この誘電体磁器組成物を用いることにより、特性の優れたセラミックコンデンサを得ることができる。セラミックコンデンサとしては、積層および単板セラミックコンデンサのいずれにも適用できる。
【0024】積層セラミックコンデンサとした場合、内部電極組成は金属成分換算にして、その主成分のAgが60〜100wt%、好ましくは68〜95wt%、Pdが0〜40wt%、好ましくは5〜32wt%、さらにCuが0.01〜5.0wt%、好ましくは0.03〜0.50wt%、Tiが0〜10.0wt%、好ましくは0〜2.0wt%とすることにより、内部電極と素地の濡れ性、密着性が改善される。また、焼成時に誘電体材料中のCuを拡散させることにより、内部電極の途切れを無くし、誘電体磁器と内部電極との密着性をさらに向上させることができ、積層セラミックコンデンサの静電容量を大きくすることができる。
【0025】また、本発明の誘電体磁器組成物およびセラミックコンデンサは酸素濃度が20〜100%、好ましくは80〜100%の雰囲気で焼成する。高酸素濃度で焼成すれば、Pbの蒸発が少なく誘電体材料のペロベスカイト相の熱分解が抑制されるため組成ずれが少なくなり、安定な誘電体特性を示す。さらに、高酸素濃度下で焼成すれば素地中のCuがメタル化せず酸化物の状態となっているため、優れた信頼性を維持することが可能である。
【0026】
【実施例】
(実施例1)誘電体セラミックの出発原料として、工業用のPbO、MgCO3、Nb25、TiO2、MnCO3を用い、湿式混合、脱水乾燥後、800〜900℃で一次焼成しPMN−PT−PMnNの鉛系複合ペロブスカイトとした。尚、出発原料は一次焼成後の組成が、PbがPbO換算で68.39wt%、MgがMgO換算で4.19wt%、NbがNbO5/2換算で26.09wt%、TiがTiO2換算で1.29wt%、MnがMnO換算で0.04wt%であるPMN−PT−PMnN系誘電体磁器組成物となるように配合した。この時点で得られた誘電体セラミック材料はPMN−PT−PMnNの理論組成に対して、A/B=0.97、かつ、MgがMgO換算で0.26wt%過剰添加された組成であった。
【0027】次に、上記の一次焼成後の誘電体セラミック材料に対して、CuをCuO換算で0.25wt%、PbをPbO換算で0.70wt%添加し、湿式混合、粉砕、乾燥して粒径を2μm以下とした誘電体セラミック材料に、バインダーを加えた後所望の形状に成形したサンプルを匣鉢に入れ、空気を流しながら600℃で脱脂をした。次に、サンプルの入った匣鉢を密閉し、表1に示す条件で焼成し誘電体サンプルを得た。焼成後の組成は、PbがPbO換算で68.44wt%、MgがMgO換算で4.15wt%、NbがNbO5/2換算で25.84wt%、TiがTiO2換算で1.28wt%、MnがMnO換算で0.04wt%、CuがCuO換算で0.25wt%であった。
【0028】なおサンプル形状は、誘電体特性測定用としては直径10mm、厚さ1mmの円盤形状とし、曲げ強度測定用としては長さ30mm、幅4mm、厚さ1mmの強度試験片とした。
【0029】その後、各資料について比誘電率(ε)、誘電体損失(tanδ)、絶縁抵抗(ρ)および曲げ強度を測定した。ここで、比誘電率および誘電体損失は周波数1kHzで、絶縁抵抗は25Vを印加して室温で測定した。曲げ強度は、三点曲げ強度試験によりスパン20mmにて測定した。結果を表1に示した。
【0030】
【表1】

【0031】表1より明らかなように、焼成温度が900〜1100℃の範囲で安定して比誘電率が20000以上の高い値を示し、誘電体損失が0.5〜1.5%と小さく、絶縁抵抗が1011Ω以上と高く、しかも、曲げ強度が8kgf/mm2以上と極めて高い値を示した。
【0032】(実施例2)誘電体セラミックの出発原料として、工業用のPbO、MgCO3、Nb25、TiO2、MnCO3を用い、湿式混合、脱水乾燥後、800〜900℃で一次焼成したPMN−PT−PMnNの鉛系複合ペロブスカイトに、CuO、PbOを添加した後、湿式混合、粉砕、乾燥して粒径を2μm以下とした誘電体セラミック材料に、バインダーを加えた後所望の形状に成形したサンプルを匣鉢に入れ、空気を流しながら600℃で脱脂をした。次に、サンプルの入った匣鉢を密閉し、酸素分圧80〜100%で900〜1200℃の温度で焼成して、表2に示す組成の誘電体サンプルを得た。
【0033】
【表2】

【0034】なおサンプル形状は、誘電体特性測定用としては直径10mm、厚さ1mmの円盤形状とし、曲げ強度測定用としては長さ30mm、幅4mm、厚さ1mmの強度試験片とした。
【0035】その後、各資料について比誘電率(ε)、誘電体損失(tanδ)、絶縁抵抗(ρ)および曲げ強度を測定した。ここで、比誘電率および誘電体損失は周波数1kHzで、絶縁抵抗は25Vを印加して室温で測定した。曲げ強度は、三点曲げ強度試験によりスパン20mmにて測定した。結果を表3に示した。
【0036】
【表3】

【0037】表3より明らかなように、本発明の誘電体磁器組成物は焼成温度が低温で、比誘電率が20000以上の高い値を示し、誘電体損失が0.5〜1.5%と小さく、絶縁抵抗が1011Ω以上と高く、しかも、曲げ強度が8kgf/mm2以上と極めて高い値を示した。
【0038】(実施例3)誘電体セラミックの出発原料として、工業用のMgCO3、Nb25、TiO2、MnCO3を用い、湿式混合、脱水乾燥後、900〜1300℃で一次焼成し、その生成物とPbOとを混合、粉砕後さらに、700〜1000℃で二次焼成した、いわゆるコロンバイト法を用いて、PMN−PT−PMnNの鉛系複合ペロブスカイトを得た。尚、出発原料は二次焼成後の組成が、PbがPbO換算で68.39wt%、MgがMgO換算で4.19wt%、NbがNbO5/2換算で26.09wt%、TiがTiO2換算で1.29wt%、MnがMnO換算で0.04wt%であるPMN−PT−PMnN系誘電体磁器組成物となるように配合した。この時点で得られた誘電体セラミック材料はPMN−PT−PMnNの理論組成に対して、0.8<A/B<1.0、かつ、Mgが過剰添加された組成であった。
【0039】次に、上記の二次焼成後の誘電体セラミック材料に対して、CuをCuO換算で0.25wt%、PbをPbO換算で0.70wt%添加し、湿式混合、粉砕、乾燥して粒径を2μm以下とした誘電体セラミック材料に、バインダーを加えた後所望の形状に成形したサンプルを匣鉢に入れ、空気を流しながら600℃で脱脂をした。次に、サンプルの入った匣鉢を密閉し、表4に示す条件で焼成し誘電体サンプルを得た。
【0040】なおサンプル形状は、誘電体特性測定用としては直径10mm、厚さ1mmの円盤形状とし、曲げ強度測定用としては長さ30mm、幅4mm、厚さ1mmの強度試験片とした。
【0041】その後、各資料について比誘電率(ε)、誘電体損失(tanδ)、絶縁抵抗(ρ)および曲げ強度を測定した。ここで、比誘電率および誘電体損失は周波数1kHzで、絶縁抵抗は25Vを印加して室温で測定した。曲げ強度は、三点曲げ強度試験によりスパン20mmにて測定した。結果を表4に示した。
【0042】
【表4】

【0043】表4より明らかなように、焼成温度が900〜1150℃の範囲で安定して比誘電率が20000以上の高い値を示し、誘電体損失が0.5〜1.5%と小さく、絶縁抵抗が1011Ω以上と高く、しかも、曲げ強度が8kgf/mm2以上と極めて高い値を示した。
【0044】(実施例4)誘電体セラミックの出発原料として、工業用のPbO、MgCO3、Nb25、TiO2、MnCO3を用い、湿式混合、脱水乾燥後、800〜900℃で一次焼成しPMN−PT−PMnNの鉛系複合ペロブスカイトとした。尚、出発原料は一次焼成後の組成が、PbがPbO換算で68.39wt%、MgがMgO換算で4.19wt%、NbがNbO5/2換算で26.09wt%、TiがTiO2換算で1.29wt%、MnがMnO換算で0.04wt%であるPMN−PT−PMnN系誘電体磁器組成物となるように配合した。この時点で得られた誘電体セラミック材料はPMN−PT−PMnNの理論組成に対して、0.8<A/B<1.0、かつ、Mgが過剰添加された組成であった。
【0045】次に、上記の一次焼成後の誘電体セラミック材料に対して、CuをCuO換算で0.25wt%、PbをPbO換算で0.70wt%添加し、湿式混合、粉砕、乾燥して粒径を2μm以下とした誘電体セラミック材料に、有機溶剤を加えエナメル化した。
【0046】これを、シート法にて誘電体層と、導電材料の主成分がAgが69.9wt%、Pdが30wt%、Tiが0.1wt%である内部電極とを交互に積層しチップ化した後、匣鉢に入れ、空気を流しながら600℃で脱脂を行った。次に、サンプルの入った匣鉢を密閉し、表5に示す条件で焼成した。さらに、端子電極を焼き付け、メッキ処理を行った積層チップコンデンサを得た。
【0047】なお、サンプルのチップ形状は3.2×1.6×0.8mmで層間13μmの4層とした。
【0048】その後、各資料について比誘電率(ε)、誘電体損失(tanδ)、絶縁抵抗(ρ)、高温負荷加速寿命(Hr)および曲げ強度を測定した。ここで、比誘電率および誘電体損失は周波数1kHzで、絶縁抵抗は25Vを印加して室温で測定した。高温負荷の加速寿命は200℃、260Vの条件で測定した。曲げ強度は、三点曲げ強度試験によりスパン2mmにて測定した。結果を表5に示した。
【0049】
【表5】

【0050】表5に示すように900〜1100℃の低温焼成で静電容量が大きく、誘電体損失が0.5〜1.5%と小さく、絶縁抵抗が1011Ω以上と高く、曲げ強度が8kgf/mm2以上と極めて高い値を示し、しかも、高温負荷による加速寿命が10時間以上という高信頼性を示した。
【0051】また、この積層チップコンデンサをEPMAによって分析したところ、焼成時に内部電極にCuを0.05〜0.2wt%程度拡散させていることがわかった。すなわち、本発明の誘電体磁器組成物はAg−Pd系内部電極と極めて濡れ性が良く、高容量、高信頼性に有利である。
【0052】また、本発明の誘電体磁器組成物を用いて単板コンデンサを作製し、評価したところ、良好な特性が得られた。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013