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発明の名称 高電圧コンデンサ及びマグネトロン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−31681
公開日 平成8年(1996)2月2日
出願番号 特願平6−161426
出願日 平成6年(1994)7月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 美次郎
発明者 佐々木 節雄 / 藤原 勲
要約 目的
誘電体磁器素体と絶縁樹脂との間の接触界面に熱応力に伴う剥離、隙間または亀裂等が発生しにくく、信頼性に富む高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供する。

構成
コンデンサ2は、誘電体磁器素体210の相対向する両面に電極213〜215を有し、両面の少なくとも一面のエッジ部分に切欠部A1〜C1、A2〜C2を有している。絶縁樹脂7、8はコンデンサ2の周りに充填されている。
特許請求の範囲
【請求項1】 少なくとも一つのコンデンサと、少なくとも一種の絶縁樹脂とを含む高電圧コンデンサであって、前記コンデンサは、誘電体磁器素体の相対向する両面に電極を有し、前記両面の少なくとも一面のエッジ部分に切欠部を有しており、前記絶縁樹脂は、前記コンデンサの周りに充填されている高電圧コンデンサ。
【請求項2】 請求項1に記載の高電圧コンデンサであって、更に、一つの接地金具と、少なくとも一つの貫通導体と、絶縁チューブと、絶縁ケースと、絶縁カバーとを含み、前記接地金具は、一面側に浮上り部を有し、前記浮上り部に少なくとも一つの孔を有しており、前記コンデンサは、誘電体磁器素体に少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔が前記電極の設けられた前記両面に開口し、前記切欠部が外周及び前記貫通孔の周りに形成され、前記電極の一方が前記浮上り部に固着されており、前記貫通導体は、前記貫通孔及び前記孔の内部を貫通し、前記電極の他方に導通接続されており、前記絶縁チュ−ブは弾力性を有する樹脂でなり、前記貫通導体の前記貫通孔内に位置する部分に被せて設けられており、前記絶縁ケ−スは、前記接地金具の一面側において前記浮き上がり部の外周側に装着されており、前記絶縁カバーは前記接地金具の他面側において、前記浮き上がり部の内周側に装着されており、前記絶縁樹脂は、前記絶縁ケース及び前記絶縁カバーの内部に充填されている高電圧コンデンサ。
【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された高電圧コンデンサであって、前記切欠部はステップ状である高電圧コンデンサ。
【請求項4】 請求項3に記載の高電圧コンデンサであって、前記切欠部は、幅が0.1〜1.1mmで、深さが0.1〜2.0mmである高電圧コンデンサ。
【請求項5】 請求項1または請求項2に記載された高電圧コンデンサであって、前記切欠部は、傾斜面を構成するように形成されている高電圧コンデンサ。
【請求項6】 請求項5に記載の高電圧コンデンサであって、前記切欠部は、斜面の長さが0.1〜1.6mmである高電圧コンデンサ。
【請求項7】 高電圧コンデンサでなるフィルタを有するマグネトロンであって、前記高電圧コンデンサは、請求項1乃至6の何れかに記載のものでなるマグネトロン。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高電圧コンデンサ及びこの高電圧コンデンサでなるフィルタを有するマグネトロンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の高電圧コンデンサは、例えば実公平1ー19388号公報、実公昭63ー48112号公報等でよく知られている。その基本的な構造は、コンデンサを構成する誘電体磁器素体に、2つの貫通孔を間隔をおいて形成し、貫通孔を開口させた両面に、互いに独立した個別電極及び個別電極に対して共通となる共通電極を設け、共通電極を、接地金具の浮上り部上に半田付け等の手段によって固着すると共に、コンデンサの貫通孔及び接地金具の貫通孔を通って貫通導体を貫通させ、この貫通導体を、コンデンサの個別電極上に、電極接続体等を用いて半田付けした構造となっている。接地金具は、一面側に浮上り部を突出させ、浮上り部の外周に、コンデンサを包囲するように、絶縁ケースを挿着すると共に、他面側に、貫通導体を包囲するように、絶縁カバーを挿着させてある。そして、絶縁ケース及び絶縁ケースで包囲されたコンデンサの内外に、エポキシ樹脂等の熱硬化性絶縁樹脂を充填し、耐湿性及び絶縁性を確保してある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の高電圧コンデンサにおいては、信頼性を確保するために、コンデンサを構成する誘電体磁器素体と、その周りに充填されている絶縁樹脂との間の接着強度を増大させることが極めて重要である。ところが、従来の高電圧コンデンサは、接着強度が測定温度範囲80〜140℃で略40〜60kg/cm2 であり、ヒートショック試験、ヒートサイクル試験または使用状態における温度変動などにおいて発生する熱応力により、誘電体磁器素体と絶縁樹脂との間の接触界面に、剥離、隙間または亀裂が発生するの防止できなかった。このため、高温負荷試験や耐湿負荷試験の信頼性試験または電子レンジのマグネトロン用フィルタとして使用した場合等のように、高温多湿の環境で使用された場合等に、誘電体磁器素体と絶縁樹脂との間の接触界面に発生した剥離、隙間または亀裂に湿気が侵入すると共に、電界が集中し、電圧破壊を生じてしまうという問題点があった。
【0004】上述の問題点を解決すべく、従来より種々の技術が提案されているが、解決しなければならない問題点を含んでいる。例えば、実開昭63ー165836号公報は、誘電体磁器素体の両面の外端縁及び内端縁に、若干のギャップを残して電極を形成し、ギャップ部分にガラスグレーズ処理を施す技術を開示しているが、ギャップ部分にガラスグレーズ処理を施さなければならないという工程上または構造上の問題点がある。
【0005】実開昭56ー108239号公報は、誘電体磁器素体の外周を直線部分を持たない凸状の曲面状に形成する技術を開示しているが、特殊な表面形状を持つ誘電体磁器素体を使用しなければならないという難点がある。この他、絶縁樹脂の種類を選択して、熱応力を低減させる等の技術も知られているが、選択し得る絶縁樹脂の制限を伴う。
【0006】本発明の課題は、誘電体磁器素体と絶縁樹脂との間の接触界面に熱応力に伴う剥離、隙間または亀裂等が発生しにくく、信頼性に富む高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供することである。
【0007】本発明のもう一つの課題は、誘電体磁器素体と絶縁樹脂との間の接触界面の剥離、隙間または亀裂等を、簡単な構造及び処理によって確実に防止し得る高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のため、本発明に係る高電圧コンデンサは、少なくとも一つのコンデンサと、少なくとも一種の絶縁樹脂とを含んでいる。前記コンデンサは、誘電体磁器素体の相対向する両面に電極を有し、前記両面の少なくとも一面のエッジ部分に切欠部を有している。前記絶縁樹脂は前記コンデンサの周りに充填されている。
【0009】より具体的には、更に、一つの接地金具と、少なくとも一つの貫通導体と、絶縁チューブと、絶縁ケースと、絶縁カバーとを含む。前記接地金具は、一面側に浮上り部を有し、前記浮上り部が少なくとも一つの孔を有する。前記コンデンサは、誘電体磁器素体に少なくとも一つの貫通孔を有し、前記貫通孔が前記電極の設けられた前記両面に開口し、前記切欠部が外周及び前記貫通孔の周りに形成され、前記電極の一方が前記浮上り部に固着されている。前記貫通導体は、前記貫通孔及び前記孔内を貫通し、前記電極の他方に導通接続されている。前記絶縁チュ−ブは弾力性を有する樹脂でなり、前記貫通導体の前記貫通孔内に位置する部分に被せて設けられている。前記絶縁ケ−スは、前記接地金具の一面側において前記浮き上がり部の外周側に装着されている。前記絶縁カバーは前記接地金具の他面側において、前記浮き上がり部の内周側に装着されている。前記絶縁樹脂は、前記絶縁ケース及び前記絶縁カバーの内部に充填されている。
【0010】前記切欠部の好ましい一つの例は、ステップ状に形成することである。この場合、前記切欠部は、幅が0.1〜1.1mmで、深さが0.1〜2.0mmであることが好ましい。前記切欠部の別の好ましい例は、傾斜面を構成するように形成することである。この場合、前記切欠部は、好ましくは、斜面の長さが0.1〜1.6mmとなるように形成する。傾斜角度は、好ましくは30〜60度、更に好ましくは45度前後である。
【0011】本発明に係るマグネトロンは、上記高電圧コンデンサを有することが特徴である。
【0012】
【作用】コンデンサは、誘電体磁器素体の相対向する両面に電極を有し、両面の少なくとも一面のエッジ部分に切欠部を有しているから、電極間絶縁距離が前記切欠部によって拡大される。しかも、絶縁樹脂が誘電体磁器素体に設けられた切欠部に入り込んで密着するため、両者間の接着力が増大する。このため、ヒートサイクル試験、ヒ−トショック試験または使用時の熱ストレス等において、コンデンサの誘電体磁器素体と絶縁樹脂との間の接触界面に剥離、隙間または亀裂が発生しにくくなり、高温負荷試験や耐湿負荷試験等の信頼性試験または高温多湿の環境で使用された場合等の信頼性が著しく向上する。上記2つの作用により、耐電圧特性が向上する。
【0013】上述の特性向上は、誘電体磁器素体の少なくとも一面のエッジ部分に切欠部を設けるという構造的及びプロセス的に容易な手段によって達成できるから、誘電体磁器素体と絶縁樹脂との間の接触界面の剥離、隙間または亀裂等を、簡単な構造及び処理によって確実に防止し得る。
【0014】切欠部がステップ状に形成された場合、幅0.1〜1.1mmで、深さ0.1〜2.0mmのステップが、特性改善に効果がある。また、切欠部が傾斜面を構成するように形成された場合は、傾斜角度45度前後で斜面の長さが0.1〜1.6mmとなるように形成することにより、優れた特性改善効果を得ることができる。
【0015】
【実施例】図1は本発明に係る高電圧コンデンサの正面断面図、図2は図1に示されたコンデンサの拡大断面図、図3は図2に図示されたコンデンサの平面図である。図に示す高電圧コンデンサは接地金具1、コンデンサ2、貫通導体4、5、絶縁ケース6、外側絶縁樹脂7、内側絶縁樹脂8、絶縁カバー9及びシリコン樹脂等で構成された絶縁チューブ10、11等を含んでいる。
【0016】コンデンサ2は、図2及び図3にも示すように、誘電体磁器素体210の相対向する両面に電極213〜215を有し、両面の少なくとも一面のエッジ部分に切欠部A1、B1及びC1を有している。図示されたコンデンサ2は、電極213、214を設けた一面のみならず、電極215を設けた他面のエッジ部分にも、切欠部A2、B2及びC2を設けてある。このコンデンサ2は、誘電体磁器素体210に貫通孔211、212を有すると共に、貫通孔211、212の開口する両面に電極213〜215を有する。切欠部A1は電極213及び214を形成した誘電体磁器素体210の一面側において、その外周縁に添って設けられており、切欠部A2は電極215を形成した誘電体磁器素体210の他面側において、その外周縁に添って設けられている。切欠部B1、B2は貫通孔211の内周縁に添って設けられ、切欠部C1、C2は貫通孔212の内周縁に添って設けられている。外側絶縁樹脂7、内側絶縁樹脂8はコンデンサ2の周りに充填されている。
【0017】コンデンサ2は、誘電体磁器素体210の相対向する両面に電極213〜215を有し、両面の少なくとも一面のエッジ部分に切欠部A1〜C1、A2〜C2を有しているから、電極213または214と電極215との間の絶縁距離が切欠部A1〜C1、A2〜C2によって拡大される。しかも、絶縁樹脂が誘電体磁器素体210に設けられた切欠部A1〜C1、A2〜C2に入り込んで密着するため、両者間の接着力が増大する。このため、ヒートサイクル試験、ヒ−トショック試験または使用時の熱ストレス等において、コンデンサ2の誘電体磁器素体210と絶縁樹脂7、8との間の接触界面に剥離、隙間または亀裂が発生しにくくなり、高温負荷試験や耐湿負荷試験等の信頼性試験または高温多湿の環境で使用された場合等の信頼性が著しく向上する。上記2つの作用により、耐電圧特性が向上する。
【0018】図1〜図3に示されたコンデンサ2は、切欠部A1〜C1、A2〜C2がステップ状に形成されている。この場合、図2及び図3に示すように、幅W1が0.1〜1.1mmで、深さd1が0.1〜2.0mmのステップが、特性改善に効果があることが分かった。
【0019】図4は本発明に係る高電圧コンデンサに用いられるコンデンサの正面断面図である。この実施例は、切欠部A1〜C1、A2〜C2が傾斜面を構成するように形成された場合を示す。この場合の切欠部A1〜C1、A2〜C2は傾斜角度θが30〜60度、好ましくは、45度前後で、斜面の長さd2が0.1〜1.6mmとなるように形成することが望ましい。これにより、優れた特性改善効果を得ることができる。
【0020】切欠部A1〜C1、A2〜C2は折れ線状、折れ線と円弧との組合わせ等によって構成することもできる。或いは、図5に示すように、誘電体磁器素体21の一面側に設けられる切欠部A1〜C1は傾斜面とし、他面側に設けられる切欠部A2〜C2はステップ状とすることもできる。
【0021】再び図1に戻って説明すると、接地金具1は、一面側に浮上り部111を有し、浮上り部111が孔112を有している。コンデンサ2は、浮上り部111上に配置され、電極215が浮上り部111に半田付け等の手段によって固着されている。貫通導体4、5は、貫通孔211、212及び孔112の内部を貫通し、電極213、214に電極接続体12、13を介して導通接続されている。外側絶縁樹脂7は、接地金具1の一面側でコンデンサ2の周りに充填され、誘電体磁器素体210の表面に密着している。内側絶縁樹脂8は、接地金具1の他面においてコンデンサ2の貫通孔211、212内に充填され、誘電体磁器素体210の表面に密着している。外側絶縁樹脂7、内側絶縁樹脂8は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂で構成できる。更に、フェノール樹脂やシリコン樹脂等も用いることができる。絶縁チュ−ブ10、11は、貫通導体4、5の貫通孔211、212内に位置する部分に被せて設けられている。
【0022】図6はヒ−トショック試験結果を示す図である。ヒ−トショック試験に当って、本発明品と従来品とを適宜個数抜き取り、120℃で1時間、−40℃で1時間を1サイクルとするヒ−トショックを与え、10サイクル毎に耐電圧試験を行ない、剥離等が原因と思われる電気的破壊の有無を調べた。曲線S1は図2及び図2に示したコンデンサを組み込んだ高電圧コンデンサ(サンプルS1とする)の特性、曲線S2は図4に示したコンデンサを組み込んだ高電圧コンデンサ(サンプルS2とする)の特性、曲線S3は切欠部を持たない従来品の特性である。図6に示すように、350サイクルでの累積故障率が、従来品では90%となるが、本発明品であるサンプルS1では10%に満たず、サンプルS2では50%未満であり、耐電圧特性が著しく改善されている。
【0023】図7は本発明に係る高電圧コンデンサをフィルタとして組込んだマグネトロンの部分破断面図で、15は陰極ステム、16はフィルタボックス、17、18はインダクタ、19はインダクタ17、18と共にフィルタとして使用された本発明に係る高電圧コンデンサである。フィルタボックス16は陰極ステム15を覆うように配置してあり、また高電圧コンデンサ19は、フィルタボックス16の側面板161に設けた貫通孔を通して、外側絶縁樹脂7が外部に出るように貫通して設けられ、接地金具1の部分で、フィルタボックス16の側面板161に取付け固定されている。インダクタ17、18はフィルタボックス16の内部において、陰極ステム15の陰極端子と、高電圧コンデンサ19の貫通導体4、5との間に直列に接続されている。21は冷却フィン、22はガスケット、23はRF出力端、24は磁石である。
【0024】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
(a)誘電体磁器素体と絶縁樹脂との間の接触界面に熱応力に伴う剥離、隙間または亀裂等が発生しにくく、信頼性に富む高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供することができる。
(b)誘電体磁器素体と絶縁樹脂との間の接触界面の剥離、隙間または亀裂等を、簡単な構造及び処理によって確実に防止し得る高電圧コンデンサ及びマグネトロンを提供することができる。




 

 


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