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発明の名称 半導体レーザ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−97504
公開日 平成8年(1996)4月12日
出願番号 特願平6−233181
出願日 平成6年(1994)9月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】河村 洌 (外2名)
発明者 尺田 幸男
要約 目的
電流阻止層で光を吸収せず、出力が大きく発光効率の高い半導体レーザを提供する。

構成
ヒ化ガリウム系化合物半導体からなる活性層3がヒ化ガリウム系化合物半導体からなる上部および下部クラッド層4、6で挟持され、該上部もしくは下部クラッド層の少なくとも一方の層中に電流路となるストライプ溝が設けられた電流阻止層5を有する半導体レーザであって、前記電流阻止層がチッ化ガリウム系化合物半導体からなる。
特許請求の範囲
【請求項1】 ヒ化ガリウム系化合物半導体からなる活性層がヒ化ガリウム系化合物半導体からなる上部および下部クラッド層で挟持され、該上部もしくは下部クラッド層の少なくとも一方の層中に電流路となるストライプ溝が設けられた電流阻止層を有する半導体レーザであって、前記電流阻止層がチッ化ガリウム系化合物半導体からなる半導体レーザ。
【請求項2】 前記上部および下部クラッド層がAlv Ga1-v As(0.35≦v≦0.75)からなり、前記活性層がAlw Ga1-w As(0≦w≦0.3、w<v)からなり、前記電流阻止層がGaNからなる請求項1記載の半導体レーザ。
【請求項3】 前記電流阻止層は、該電流阻止層の周囲のクラッド層と同じ導電型のGaN層上に該導電型と異なる導電型のGaN層として形成され、前記電流阻止層のストライプ溝が前記同じ導電型のGaN層内まで形成されてなる請求項2記載の半導体レーザ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はヒ化ガリウム系化合物半導体を主として用いる半導体レーザに関する。さらに詳しくは、電流路となるストライプ溝を有する電流阻止層を備えた半導体レーザで、光の吸収を少なくし発光効率を向上させた半導体レーザに関する。
【0002】ここにヒ化ガリウム(GaAs)系化合物半導体とは、III 族元素のGaとV族元素のAsとの化合物またはIII 族元素のGaの一部がAl、Inなど他のIII 族元素と置換したものおよび/またはV族元素のAsの一部または全部がPと置換した化合物からなる半導体をいう。
【0003】また、チッ化ガリウム(GaN)系化合物半導体とは、III 族元素のGaとV族元素のNとの化合物またはIII 族元素のGaの一部がAl、Inなど他のIII族元素と置換したものおよび/またはV族元素のNの一部がP、Asなど他のV族元素と置換した化合物からなる半導体をいう。
【0004】
【従来の技術】半導体レーザは活性層の両側を該活性層の材料よりバンドギャップエネルギーが大きく、かつ、屈折率が小さい材料からなるクラッド層により挟持したダブルヘテロ接合構造とし、ストライプ溝が形成された電流阻止層によりストライプ部分に電流を集中させて共振器を形成し、該共振器内で発振した光をとり出す構造になっている。このような構造のGaAs系化合物半導体を用いた半導体レーザの一例を図3に示す。
【0005】図3において、1は、たとえばn型のGaAsなどからなる半導体基板で、その上にたとえばn型のAlv Ga1-v As(0.35≦v≦0.75)からなる下部クラッド層2、ノンドープまたはn型もしくはp型のたとえばAlw Ga1-w As(0≦w≦0.3)からなる活性層3、p型のAlv Ga1-v Asからなる上部第1クラッド層4、n型GaAsからなる電流阻止層5b、p型Alv Ga1-v Asからなる上部第2クラッド層6、p型GaAsからなるコンタクト層7が順次積層され、上面および下面にそれぞれp側電極8、n側電極9が設けられて半導体レーザのチップが形成されている。この構造で、n型GaAsからなる電流阻止層5bは、周囲のp型クラッド層と異なる導電型層で、pn接合のギャップエネルギーを利用して電流を阻止し、注入電流を幅Wのストライプ状活性領域に制限すると同時に、活性層にて発生した光を吸収することにより、ストライプ内外に屈折率差を設ける働きをなす。したがって、横方向に光は閉じ込められ、幅Wのストライプ状活性領域を安定して導波する赤色または赤外線の屈折率導波構造型半導体レーザとして用いられている。
【0006】この構造のように、電流阻止層5bに活性層3の光を多く吸収させると利得導波構造となり、縦マルチモードを発振し易く、可干渉性が低くなり、戻り光誘起ノイズが発生しにくいとともに光が吸収されるため出力が小さくなる。
【0007】そこで電流阻止層の材料としてAlGaAs系材料を用いる屈折率導波型構造が提案されている(平成4年秋季応用物理理学会17a−V−1参照)。この構造では電流阻止層の材料のAlの組成比を周囲のクラッド層のAlの組成比より大きくして屈折率を小さくして光の吸収を少なくし、利得導波型構造に近くして自励発振を起させ、戻り光ノイズを低くしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のGaAs系化合物半導体を用いた半導体レーザは、電流阻止層としてGaAsまたはAlGaAs系(AlとGaの組成比が種々変るもの)化合物半導体が用いられているが、Alの組成比を大きくしたAlGaAs系化合物半導体を用いても屈折率はそれ程小さくならず、GaAs系化合物半導体ではそれ以上に屈折率を低下させて光の吸収を完全に防止することができない。そのため、光ディスクへの書込みを目的とした光の吸収を抑制し、出力の大きい半導体レーザがえられないという問題がある。
【0009】本発明はこのような問題を解決し、電流阻止層で光を吸収せず、出力が大きく発光効率の高い半導体レーザを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザは、ヒ化ガリウム系化合物半導体からなる活性層がヒ化ガリウム系化合物半導体からなる上部および下部クラッド層で挟持され、該上部もしくは下部クラッド層の少なくとも一方の層中に電流路となるストライプ溝が設けられた電流阻止層を有する半導体レーザであって、前記電流阻止層がチッ化ガリウム系化合物半導体からなるものである。
【0011】前記上部および下部クラッド層がAlv Ga1-v As(0.35≦v≦0.75)からなり、前記活性層がAlw Ga1-w As(0≦w≦0.3、w<v)からなり、前記電流阻止層がGaNからなる材料により構成されうる。
【0012】前記電流阻止層は、該電流阻止層の周囲のクラッド層と同じ導電型のGaN層上に該導電型と異なる導電型のGaN層として形成され、前記電流阻止層のストライプ溝が前記同じ導電型のGaN層内まで形成されることが、周囲のクラッド層と異なる導電型のGaNがストライプ領域に残存することがなく、かつ、GaNよりエッチングレートの大きい周囲のクラッド層のAlx Ga1-x Asをエッチングし過ぎて電流注入領域にダメージを与えることなくストライプ溝が形成されるため好ましい。
【0013】
【作用】本発明の半導体レーザによれば、GaAs系化合物半導体からなるクラッド層内に設けられる電流阻止層に屈折率の小さいGaN系化合物半導体が用いられているため、光の吸収がなく、大きな出力で発光効率の高い半導体レーザがえられる。たとえば可視光に対する屈折率はGaAsが2.9程度で、Al0.5 Ga0.5 Asが2.6〜2.7程度に対しGaNは2.3程度と大幅に低下し、光の吸収率もAlGaAs系よりもGaNの方が小さいことを示している。
【0014】GaN系化合物半導体はGaAs系化合物半導体とエピタキシャル成長の温度も異なり、GaAs系化合物半導体にダメージを与えないように、GaAs系化合物半導体の成長温度とあわせて600〜700℃でGaN系化合物半導体層を成長させる必要がある。このばあい、GaN系化合物半導体は完全な単結晶層がえられない可能性があるが、電流阻止層は元々電流を流さない層であり、膜質がわるくても半導体レーザの特性に何らの支障もきたさない。
【0015】また、発振モード(屈折率導波型や利得導波型)の影響、戻り光ノイズやキンクの発生などの影響については電流阻止層と活性層との間隔や電流阻止層に設けられるストライプ幅の間隔などを調整することにより、所望の特性の半導体レーザがえられる。
【0016】
【実施例】つぎに、本発明の半導体レーザを図面を参照しながら説明する。図1は本発明の半導体レーザの一実施例の断面説明図、図2は本発明の半導体レーザの他の実施例の断面説明図である。図1〜2において、図3と同じ部分には同じ符号を付してある。
【0017】図1に示されるように、本発明の半導体レーザの一実施例は、たとえばn型GaAsなどからなる基板1上に1〜2μm程度のn型のAlv Ga1-v As(0.35≦v≦0.75、たとえばv=0.6)からなる下部クラッド層2、ノンドープまたはn型もしくはp型のAlw Ga1-w As(0≦w≦0.3、w<v、たとえばw=0.15)からなり、下部クラッド層2よりバンドギャップエネルギーが小さく、屈折率の大きい0.05〜0.2μm程度の活性層3、p型のAlv Ga1-v Asからなり、0.1〜0.5μm程度の上部第1クラッド層4、n型のGaNからなりストライプ溝が形成された0.1〜0.4μm程度の電流阻止層5、上部第1クラッド層4と同じ組成でp型である0.5〜2μm程度の上部第2クラッド層6、p型GaAsからなり、0.3〜2μm程度のコンタクト層7が順次積層されて上面および下面にそれぞれp側電極8、n側電極9が設けられて半導体レーザのチップが形成されている。
【0018】本発明はGaAs系化合物半導体によりクラッド層2、4、6および活性層3が形成された半導体レーザの電流阻止層5にGaN系の化合物半導体が用いられていることに特徴がある。
【0019】すなわち、前述のように、GaAs系化合物半導体では完全に光を吸収しない層を形成することができず、光の吸収を防止するためには電流阻止層5と活性層3との間隔を広げるなどの方策しかなかった。電流阻止層5と活性層3との間隔を広げると、もれ電流がストライプ以外の部分に流れだしてくるため、ノイズ特性や半導体レーザ特性に悪影響を及ぼし、ある程度の電流阻止層5による光の吸収を容認せざるをえず、出力が低下して発光効率が低下するという問題があった。本発明者は電流阻止層5による光の吸収を抑制して発光効率を向上させるため鋭意検討を重ねた結果、GaAs系化合物半導体とは異種の半導体で、電流阻止層5が設けられるクラッド層4、6と完全な結晶整合が行われなくても、電流阻止層5は元々電流を流さない層であり、ストライプ溝が形成され、電流の流れる領域は上部第1クラッド層4と上部第2クラッド層6とが格子整合しているため、半導体レーザ特性に何らの影響も及ぼさず、高特性の半導体レーザがえられることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明によればGaN系化合物半導体はGaAs系化合物半導体に比べて屈折率が大幅に小さい(たとえばGaAsの屈折率が2.9、Al0.5 Ga0.5 Asの屈折率が2.6〜2.7、GaNの屈折率が2.3)ため、電流阻止層5による光の吸収は殆ど無視できる。
【0020】電流阻止層5にストライプ溝が形成される際に、GaNとAlv Ga1-v AsとのエッチングレートはAlv Ga1-v Asの方が2〜10倍程度大きいため、電流阻止層5のストライプ溝部分を完全にエッチング除去しようとすると、上部第1クラッド層4の表面の一部がエッチングされて、図1に示されるように、ストライプ領域の上部第1クラッド層4がえぐられる。上部第1クラッド層4の少々のエッチングは上部第2クラッド層6の成長の際に高温状態にすることにより、結晶格子は正常化されるが、エッチング時のダメージが余り大きすぎるとエッチングによるダメージが完全に回復せず上部第2クラッド層6との結晶整合が悪化し、抵抗損が発生する可能性がある。
【0021】図2はこのような問題を解消するためになされた本発明の半導体レーザの他の実施例を示す説明図である。図2において電流阻止層5以外の各半導体層は図1の実施例と同じで、本実施例では電流阻止層5がp型GaNからなるp型層5cとn型GaNからなるn型層5aとからなっており、ストライプ溝の形成のためのエッチングがp型層5c内で止められていることに特徴がある。すなわち、ストライプ領域のp型クラッド層内にn型層が残存すると抵抗領域となるため、n型層は完全にエッチング除去されなければならない。しかし、前述のようにGaNよりAlv Ga1-v Asの方がエッチングレートが大きいため、上部第1クラッド層4と電流阻止層5のn型層5aとのあいだにGaNからなるp型層5cを0.05〜0.1μm程度設けておき、p型層5c内でエッチングを止めることにより、上部第1クラッド層4であるAlv Ga1-v Asをエッチングしてダメージを与えることなく、またストライプ領域の電流阻止層5のn型層5aを完全にエッチング除去できるようにしたものである。
【0022】このばあい、完全には結晶整合のとれていないp型のGaN層5cがp型Alv Ga1-v As層内に存在することになるが、存在するp型GaN層5cは0.05〜0.1μm程度であり、結晶不整合の問題は殆ど生じない。しかもp型クラッド層内のp型層であるため、ストライプ領域への電流注入には何らの障害にもならない。
【0023】つぎに、図1に示される半導体レーザの製法を説明する。
【0024】まず、n型のGaAsなどからなる半導体基板1を反応管内に設置し、キャリアガスのH2 とともにトリメチルガリウム(以下、TMGという)、トリメチルアルミニウム(以下、TMA)、ターシャリブチルアルシン(以下、TBAという)およびドーパントとしてのSiH4 を導入して500〜800℃で気相反応をさせ、1〜2μm程度のAlv Ga1-v As(0.35≦v≦0.75)からなる下部クラッド層2を形成した。
【0025】ついで、ドーパントのSiH4 を止め、TMAの流量を下げてAlw Ga1-wAs(0≦w≦0.3、w<v)からなる活性層3を0.05〜0.2μm程度成膜し、さらにTMAの流量を上部クラッド層2のばあいと同程度に戻し、p型ドーパントとしてジメチル亜鉛(DMZn)を導入し、p型のAlv Ga1-v Asからなる上部第1クラッド層4を0.1〜0.5μm程度成膜し、引き続き、反応ガスをTMGとNH3 にしてドーパントガスのSiH4 とともに反応管に導入し、炉内温度を600〜700℃にしてn型GaN層を0.1〜0.5μm程度成膜した。
【0026】そののち炉内温度を室温まで下げてフォトリソグラフィ工程によりドライエッチング技術を用いてGaN層をエッチングしてストライプ領域を形成した。この際、ストライプ領域のn型GaN層を完全にエッチング除去したため、上部第1クラッド層4の表面も多少エッチングされた。
【0027】ついで再度半導体層が積層された基板をMOCVD装置の反応管内に設置し、同様にp型のAlv Ga1-v Asからなる上部第2クラッド層6を0.5〜2μm程度、p型のGaAsからなるコンタクト層7を0.2〜2μm程度成膜した。
【0028】そののちAu、Alなどをスパッタリングなどにより両面に設けダイシングすることにより本発明の半導体レーザのチップがえられた。
【0029】前記各実施例でn型とp型とはそれぞれ逆でもよい。また上部クラッド層中に電流阻止層が設けられたが、下部クラッド層中に設けられてもよい。さらにクラッド層および活性層としてAlv Ga1-v AsおよびAlw Ga1-w Asを用いたが、一般にAlp Gaq In1-p-q As(0≦p<1、0<q≦1、0≦p+q≦1)で活性層のバンドギャップエネルギーがクラッド層のハンドギャップエネルギーより小さくなるように各組成が選定されれば他の組成でもよい。さらにAsの一部または全部をPと置換してもよい。また、電流阻止層もGaNに限定されず、チッ化ガリウム系化合物半導体であればよい。
【0030】
【発明の効果】本発明の半導体レーザによると、電流阻止層を形成する材料の屈折率がクラッド層の屈折率よりも小さいため、発光部の光が電流阻止層により吸収されることなく、高出力で発光効率の高い半導体レーザがえられる。




 

 


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