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発明の名称 半導体発光素子およびその製法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−64912
公開日 平成8年(1996)3月8日
出願番号 特願平6−202479
出願日 平成6年(1994)8月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外2名)
発明者 尺田 幸男
要約 目的
基板面に対して垂直にエッチングされた側面が、半導体レーザや側面から発光するLEDなどの発光特性を向上することができるチッ化ガリウム系化合物半導体を用いた半導体発光素子およびその製法を提供する。

構成
R面もしくはM面を主面とするサファイア基板1上に少なくともn型層およびp型層を含み発光部(活性層)を有するチッ化ガリウム系化合物半導体層2〜7を積層し、該基板1に垂直にエッチングして、該エッチングされた側面から光をとり出す半導体発光素子において、その光をとり出す側面が前記チッ化ガリウム系化合物半導体の(0001)結晶面であることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 サファイア基板のR面またはM面上に積層されたチッ化ガリウム系化合物半導体層を構成要素とする半導体発光素子。
【請求項2】 前記チッ化ガリウム系化合物半導体層が、チッ化ガリウム系化合物半導体の(0001)面を前記サファイア基板に垂直な側面として有する請求項1記載の半導体発光素子。
【請求項3】 前記チッ化ガリウム系化合物半導体層が、p型層およびn型層を含む複数の層であり、かつ発光のための活性層を有する請求項1または2記載の半導体発光素子。
【請求項4】 前記チッ化ガリウム系化合物半導体層が、バッファ層、下部クラッド層、活性層、上部クラッド層、キャップ層からなる請求項1、2または3記載の半導体発光素子。
【請求項5】 前記バッファ層がn型GaN、前記下部クラッド層がn型Alx Ga1-x N(0<x<1)、前記活性層がGay In1-y N(0<y≦1)、前記上部クラッド層がp型Alx Ga1-x N(0<x<1)、前記キャップ層がp型GaNである請求項4記載の半導体発光素子。
【請求項6】 前記活性層が、前記サファイア基板に垂直な1組の前記(0001)面側面に挟まれ、少なくともその一方の端面を発光面として有する請求項3、4または5記載の半導体発光素子。
【請求項7】 R面またはM面を主面とするサファイア基板を用意する工程、前記サファイア基板の主面上にチッ化ガリウム系化合物半導体バッファ層を積層する工程、前記バッファ層上にチッ化ガリウム系化合物半導体からなる下部クラッド層、活性層、上部クラッド層およびキャップ層を結晶格子を整合させて順次積層する工程、前記結晶格子の整合されたチッ化ガリウム系化合物半導体の層の(0001)面に沿って、前記サファイア基板に垂直にエッチングして、前記バッファ層を露出させる工程、金属膜を成膜する工程、前記金属膜のパターンニングにより、前記キャップ層および前記エッチングにより露出したバッファ層上に電極を形成する工程、およびダイシングによって素子ごとにチップを分離する工程、からなる半導体発光素子の製法。
【請求項8】 前記バッファ層を積層する工程は、低温により低温バッファ層を形成する工程と、それに続いて高温で高温バッファ層を形成する工程とからなり、前記露出されるバッファ層は前記高温バッファ層である請求項7記載の半導体発光素子の製法。
【請求項9】 前記バッファ層がn型GaN、前記下部クラッド層がn型Alx Ga1-x N(0<x<1)、前記活性層がGay In1-y N(0<y≦1)、前記上部クラッド層がp型Alx Ga1-x N(0<x<1)、前記キャップ層がp型GaNである請求項7または8記載の半導体発光素子の製法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体発光素子およびその製法に関する。さらに詳しくは、青色発光に好適なチッ化ガリウム系化合物半導体の積層膜が垂直にエッチングされ、該エッチングにより露出した側面から発光する半導体発光素子およびその製法に関する。
【0002】ここにチッ化ガリウム系化合物半導体とは、III 族元素のGaとV族元素のNとの化合物またはIII 族元素のGaの一部がAl、Inなど他のIII 族元素と置換したものおよび/またはV族元素のNの一部がP、Asなど他のV族元素と置換した化合物からなる半導体をいう。
【0003】ここでサファイア基板のC面、R面、M面とは、サファイア基板の主面が、それぞれ単結晶サファイアのC面すなわち(0001)、R面すなわち【0004】
【外1】

【0005】であることをいう。これら単結晶サファイアの各結晶面の名前は図4(a)(b)(c)に示される。
【0006】また、半導体発光素子とは、pn接合またはpinなどダブルヘテロ接合を有する発光ダイオード(以下、LEDという)、スーパルミネッセントダイオード(SLD)または半導体レーザダイオード(以下、LDという)などの光を発生する半導体素子をいう。
【0007】
【従来の技術】従来青色のLEDは赤色や緑色に比べて輝度が小さく実用化に難点があったが、近年チッ化ガリウム系化合物半導体を用い、Mgをドーパントした低抵抗のp型半導体層がえられたことにより、輝度が向上し脚光をあびている。
【0008】チッ化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子は、たとえば図3に示されるような構造になっている。この発光素子を製造するには、まずサファイア(Al2 3 単結晶)基板21に400〜700℃の低温で有機金属化合物気相成長法(以下、MOCVD法という)によりキャリアガスH2 とともに有機金属化合物ガスであるトリメチルガリウム(以下、TMGという)およびアンモニア(NH3 )を供給し、n型のGaNからなる低温バッファ層22を0.01〜0.2μm程度形成し、ついで700〜1200℃の高温で同じガスを供給し同じ組成のn型のGaNからなる高温バッファ層23を2〜5μm程度形成する。
【0009】ついで前述のガスに、さらにトリメチルアルミニウム(以下、TMAという)を導入して、n型のAlx Ga1-x N(0<x<1)層を成膜し、タブルヘテロ接合形成のためのn型クラッド層24を0.1〜0.3μm程度形成する。これらのn型層を形成するには、前述の各成分ガスにSiをSiH4 ガスとして導入することにより形成される。
【0010】つぎに、バンドギャップエネルギーがクラッド層のそれより小さくなる材料、たとえば前述の原料ガスのTMAに代えてトリメチルインジウム(以下、TMIという)を導入し、Gay In1-y N(0<y≦1)からなる活性層25を0.05〜0.1μm程度形成する。
【0011】ついで、n型クラッド層24の形成と同じ原料ガスで、不純物原料ガスをSiH4 に代えてp型不純物としてのMgまたはZnのためのビスシクロペンタジエニルマグネシウム(以下、Cp2 Mgという)またはジメチル亜鉛(以下、DMZnという)の有機金属化合物ガスを加えて反応管に導入し、p型Alx Ga1-x Nからなるp型クラッド層26を形成する。これによりn型クラッド層24と活性層25とp型のクラッド層26とによりダブルヘテロ接合が形成される。
【0012】さらにキャップ層27とするため、前述のバッファ層23と同様のガスで、不純物原料ガスとしてCp2 MgまたはDMZnを供給してp型のGaN層を気相成長させる。
【0013】そののち、SiO2 などの保護膜を半導体の成長層表面全面に設け、400〜800℃、20〜60分間程度のアニールを行い、p型クラッド層26およびキャップ層27の活性化を図る。ついで保護膜を除去したのちn型の電極を形成するため、レジストを塗布しパターニングして、図3に示されるように、成長した各半導体層の一部を塩素プラズマによる反応性イオンエッチングであるドライエッチングを行ってn型GaN層であるバッファ層23を露出させる。ついでAu、Alなどの金属膜をスパッタリングなどにより形成してp側およびn側の両電極28、29を形成し、ダイシングが行われる。
【0014】チッ化ガウム系化合物半導体を用いた半導体発光素子は、サファイヤ基板が含まれているため、劈開をすることができず、前述のようにエッチングおよびダイシングにより各チップに分離される。
【0015】ここで従来は、サファイア基板21とチッ化ガリウム系化合物半導体との整合のみに主眼がおかれているため、サファイア結晶のC面が主面として使用され、チッ化ガリウム系化合物半導体は、その(0001)面がエピタキシャル成長時の成長面となり、エッチングおよびダイシングなどにより個別化されたチップの側面は、この(0001)面以外の面である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来は、前述のような方法で、主としてLEDが製作されていたが、エッチングされたチップの側面に問題があってチップ内の光導波路が共振器とはならず、実用性や応用性のより高いSLDやLDを同様の方法で製造するまでに至っていない。すなわち、少なくとも光導波路を露出するチップ側面に充分な鏡面性がえられていなかったり、側面に傾斜が生じて向き合った面が厳密に平行となっていない。
【0017】本発明はこのような問題を解決し、エッチングされた側面が滑らかな鏡面となり、かつ基板面に対して垂直になるようにし、光導波路中に形成される共振器によって発光特性の向上したチッ化ガリウム系化合物半導体発光素子およびその製法を提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体発光素子は、サファイア基板のR面またはM面上に積層されたチッ化ガリウム系化合物半導体層を構成要素とする。
【0019】前記チッ化ガリウム系化合物半導体層が、チッ化ガリウムの(0001)面を前記サファイア基板に垂直な側面として有することにより、その側面を半導体発光素子内の光導波路の鏡面とすることができて好ましい。
【0020】前記チッ化ガリウム系化合物半導体層が、p型層およびn型層を含む複数の層であり、かつ発光のための活性層を有することにより、簡単な構造の半導体発光素子がえられて好ましい。
【0021】また、前記チッ化ガリウム系化合物半導体層が、バッファ層、下部クラッド層、活性層、上部クラッド層、キャップ層からなる半導体発光素子であってもよい。
【0022】前記バッファ層がn型GaN、前記下部クラッド層がn型Alx Ga1-x N(0<x<1)、前記活性層がGay In1-y N(0<y≦1)、前記上部クラッド層がp型Alx Ga1-x N(0<x<1)、前記キャップ層がp型GaNであることで、ダブルヘテロ構造の半導体発光素子がえられるため好ましい。
【0023】前記活性層が、前記サファイア基板に垂直な1組の前記(0001)面側面に挟まれ、少なくともその一方の端面を発光面として有することが、前記光導波路を光共振器とすることができて好ましい。
【0024】本発明の半導体発光素子の製法は、R面またはM面を主面とするサファイア基板を用意する工程、前記サファイア基板の主面上にチッ化ガリウム系化合物半導体バッファ層を積層する工程、前記バッファ層上にチッ化ガリウム系化合物半導体からなる下部クラッド層、活性層、上部クラッド層およびキャップ層を結晶格子を整合させて順次積層する工程、前記結晶格子の整合されたチッ化ガリウム系化合物半導体層の(0001)面に沿って、前記サファイア基板に垂直にエッチングして、前記バッファ層を露出させる工程、金属膜を成膜する工程、前記金属膜のパターンニングにより、前記キャップ層および前記エッチングにより露出したバッファ層上に電極を形成する工程、およびダイシングによって素子ごとにチップを分離する工程、からなる。
【0025】前記バッファ層を積層する工程は、低温により低温バッファ層を形成する工程と、それに続いて高温で高温バッファ層を形成する工程とからなり、前記露出されるバッファ層は前記高温バッファ層であることが、前記活性層やクラッド層の結晶欠陥を減らすことができるため好ましい。
【0026】前記バッファ層がn型GaN、前記下部クラッド層がn型Alx Ga1-x N(0<x<1)、前記活性層がGay In1-y N(0<y<1)、前記上部クラッド層がp型Alx Ga1-x N(0<x<1)、前記キャップ層がp型GaNであることが、ダブルヘテロ構造の半導体発光素子の製法がえられるため好ましい。
【0027】
【作用】本発明によれば、サファイア結晶のR面またはM面を主面とする基板上にチッ化ガリウム系化合物半導体層が成長されているので、チッ化ガリウム系化合物半導体層の(0001)面に沿ってエッチングを行うことができ、基板に垂直な側面を鏡面とすることが容易になる。したがって、そのチッ化ガリウム系化合物半導体層で形成される半導体発光素子中の光導波路の両端面が滑らかな、品質の高い鏡面となり、完成度の高い光共振器の作製が可能となる。これにより輝度の高い青色LEDや、スーパルミネッセントダイオードさらには半導体レーザが実現されうるものとなる。
【0028】
【実施例】つぎに図面を参照しながら本発明の半導体発光素子およびその製法を説明する。図1〜2は本発明の製法の一実施例である半導体レーザチップの工程断面説明図である。
【0029】図1〜2を参照しながら本発明の製法の一実施例である半導体レーザの製法について説明する。
【0030】まずR面もしくはM面を主面とするサファイヤ基板1を用意し、図1(a)に示されるように、従来技術で説明したのと同様に、有機金属ガスおよび不純物ガスを導入してMOCVD法による成膜を行う。サファイヤ基板1上にn型GaNからなる低温バッファ層2を0.01〜0.2μm程度、700〜1200℃でn型GaNからなる高温バッファ層3を2〜5μm程度、n型Alx Ga1-x N(0<x<1)からなる下部クラッド層4を0.1〜0.3μm程度、クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが小さくなる材料、たとえばノンドープのGay In1-y N(0<y≦1)からなる活性層5を0.05〜0.1μm程度、p型Alx Ga1-x Nからなる上部クラッド層6を0.1〜0.3μm程度、p型GaNからなるキャップ層7を0.3〜2μm程度それぞれ連続して成長させる。
【0031】このときGaN膜の(0001)結晶面は、基板1に垂直な方向となる。これはサファイヤ基板1の主面としてR面もしくはM面を使用したことに基因するものである。
【0032】つぎに図1(b)に示されるように、積層された半導体層の表面に、たとえばレジスト膜10を0.3〜3μmの厚さに塗布し、半導体層のエッチングされる部分が開口するようにパターニングする。このパターニングは、開口部11の側壁が基板1の表面、すなわち積層された半導体層の表面に対して実質的に垂直となるように行われる。
【0033】そののち、たとえばCl2 ガス雰囲気の下で反応性イオンエッチングを行い、図1(c)に示されるるように、活性層5を貫通してn型の高温バッファ層3が露出するまでエッチングする。このエッチングにより半導体発光素子の側面が形成されるが、このとき、活性層を露呈する発光面および光導波路を介してそれに向き合う端面がGay In1-y N膜の(0001)面であるようにあらかじめ設計されている。したがって、これらの端面は、滑らかで質の高い鏡面となる。続いて、表面にAu、Alなどからなる金属膜を成膜してパターニングすることにより、p側電極8およびn側電極9をそれぞれキャップ層7およびエッチングにより露出した高温バッファ層3上に形成する(図2(d)参照)。図3に示されるのと同様のLEDチップを形成するには、このままこれに続いてダイシングが行われる。
【0034】また、p側電極8をマスクとしてキャップ層7および上部クラッド層6の一部をアルゴンガスと塩素ガスによる反応性イオンエッチングによりエッチングしてメサ形状としてから、基板1をダイシングすると、p側電極8の4〜10μmの帯状の形状にストライプが形成された半導体レーザのチップがえられる(図2(e)参照)。
【0035】本発明によれば、活性層5の両側端面は共に基板1の表面に対して実質的に垂直になっており、活性層5の上下はバンドギャップエネルギーが大きいクラッド層で挟まれ、両端面が鏡面で囲まれた共振器となり、発振効率のすぐれた半導体レーザがえられるとともに、活性層5から出射されるレーザビームは基板表面と平行に進み、レーザビームと集光レンズとの光軸合わせも容易にすることができる。
【0036】前記実施例ではメサエッチングすることにより電流の注入領域をストライプ形状にする半導体レーザの例で説明したが、たとえばクラッド層内にストライプ溝の形成された反対導電型の電流ブロッキング層を設ける構造や埋込み構造の半導体レーザでも本発明により基板表面に垂直な端面を形成でき、チッ化ガリウム系化合物半導体層を用いた青色の半導体レーザをうることができる。また、チッ化ガリウム系の半導体材料も前述の組成に限定されず、一般にAlp Gaq In1-p-q N(0≦p<1、0<q≦1、0<p+q≦1)からなり活性層のバンドギャップエネルギーがクラッド層のバンドギャップエネルギーより小さくなるようにp、qを選定すればよい。また前記Alp Gaq In1-p-q NのNの一部または全部をAsおよび/またはPなどで置換した材料でも同様に本発明を適用できる。さらにレーザダイオードに限らず、LEDでも上部から発光させないで、側面から発光するLEDにおいては、本発明により垂直な端面から発光させることができ、発光方向を一定方向に揃えることができ、ダブルヘテロ接合に限らず、pn接合でも同様に本発明を適用できる。
【0037】
【発明の効果】本発明の半導体発光素子によれば、エッチングによって基板に垂直に切り出される側面をチッ化ガリウム系化合物半導体膜の(0001)面とすることができ、かつ、この面を光導波路の両端面として選択することにより、品質の高い鏡面によって挟まれる光共振器が作製され、サファイア基板などの劈開をすることができない基板上に形成されるチッ化ガリウム系化合物半導体層を用いる半導体発光素子においても、特性のすぐれた半導体レーザや側面から発光するLEDをうることができる。




 

 


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