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発明の名称 電極材料及びこれを用いたチップ状電子部品
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−64469
公開日 平成8年(1996)3月8日
出願番号 特願平6−201849
出願日 平成6年(1994)8月26日
代理人
発明者 都田 伸治
要約 目的
表面にメッキ層を形成することなく、ハンダ付け性を良好にし電極材料およびこれを用いたチップ状電子部品を提供することを目的とする。

構成
本発明は、導電性粉末、熱硬化性樹脂及び溶剤を含有する電極材料であって、前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂もしくはアクリル樹脂であることを特徴とする電極材料である。
特許請求の範囲
【請求項1】 導電性粉末、熱硬化性樹脂及び溶剤を含有する電極材料であって、前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂もしくはアクリル樹脂であることを特徴とする電極材料。
【請求項2】 請求項1に記載の電極材料を含有する電極層を備えたことを特徴とするチップ状電子部品。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電極材料及びこれを用いた抵抗器、コンデンサ、発振子等のチップ状電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、チップ状電子部品は、その側面に側面電極層が形成されており、この側面電極層をプリント基板等の配線にハンダ付けすることにより接続して用いられる。この後のチップ状電子部品は、例えばチップ抵抗器を例にとると、次のような構成からなるものである。
【0003】すなわち、チップ抵抗器は、図5にその断面図を示すように、セラミック等からなる直方体状の絶縁基板21と、この絶縁基板21の上面においてその両端部に対向するように形成された一対の上面電極層22と、上記絶縁基板21の下面において上記上面電極層22と対向するように形成された一対の下面電極層23と、上記上面電極層22に跨るように形成された抵抗層24と、この抵抗層24上に形成された保護層25と、上記絶縁基板21の両側面に上記上面電極層22と下面電極層23とを接続するように形成された側面電極層26とを有するものである。
【0004】上記側面電極層26は、ガラスをバインダーとしてAg、Pd等の金属粉を混入させたAgペーストまたはAg−Pdペーストを印刷し焼成するか、或いはエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂をバインダーとして上記金属粉を混入させた導電性樹脂ペーストを印刷し硬化して形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の構成を有するチップ状電子部品において、側面電極層26は、Ag及びガラス、或いはAg及び熱硬化性樹脂のペーストから形成されたものであるので、該側面電極層26をそのままにガラス−エポキシ等からなるプリント基板の配線上にハンダ付けを行っても、側面電極層26とハンダとの間に満足な合金化が得られずに融着性が不十分で接続不良を生じたり、チップ状電子部品がプリント基板の所定の位置から脱落したりする。これを防止するためには、上記側面電極層26上にニッケル及び/またはハンダメッキ層27を順次形成することにより、ハンダ付け性を得ることが必要である。
【0006】このようにメッキ層27を形成するためのメッキ工程を設けることは、製造装置が大型化する外、工程が複雑化してしまうといった問題を招くものであった。本発明は、以上のような状況下において考え出されたもので、表面にメッキ層を形成することなく、ハンダ付け性を良好にし電極材料およびこれを用いたチップ状電子部品を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、導電性粉末、熱硬化性樹脂及び溶剤を含有する電極材料であって、前記熱硬化性樹脂は、フェノール樹脂もしくはアクリル樹脂であることを特徴とする電極材料を提供し得る。また、本発明は更に、上記の電極材料を含有する電極層を備えたことを特徴とするチップ状電子部品をも提供するものである。
【0008】本発明の電極材料は、導電性粉末、熱硬化性樹脂及び溶剤を必須成分とし、上記熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、アクリル樹脂等が用いられる。上記熱硬化性樹脂の配合率としては、全重量に対して10乃至30%程度、好ましくは15乃至25%程度である。熱硬化性樹脂の配合率が10%を下回ると電極層としたときの被塗着体に対する密着性が低くなり好ましくなく、一方30%を上回ると電極層としたときの導電性が低くなり好ましくない。
【0009】本発明の導電性粉末としては、特に限定されることなく、例えばAg、Ni、Au、Pt、Cu、Al、Pd等の金属粉末、表面に金属の被覆層を有する粉末等を広く使用することができ、これらの1種もしくは2種以上を用いることができる。本発明において導電性粉末にAu、Pt、AgとNiとの混合物、或いはAgとPdとNiとの混合物を用いたときは、特に導電性及びハンダ付け性を高める点で好ましい。上記金属粉末を複数種用いるときは、導電性の高いAu、Pt、Ag等とハンダ付け性の高いNi、Au、Pt、Pd等とを、効果的に導電性及びハンダ付け性が得られるように適宜組み合わせ配合して用いればよい。導電性粉末の形態は、球状、樹枝状、フレーク状、不定形の何れであってもよく、導電性を高める点で樹枝状が特に好ましい。また、導電性粉末の平均粒径は、高密度とし導電性を高め得る点で小さい程好ましく、30μm程度以下、より好ましくは1乃至10μm程度である。本発明の電極材料における上記導電性粉末の配合率としては、全重量に対して50乃至80%程度、好ましくは55乃至70%程度である。導電性粉末の配合率が50%を下回ると電極層としたときの導電性が低くなり好ましくなく、一方80%を上回ると電極層としたときの被塗着体に対する密着性が低くなり好ましくない。
【0010】上記導電性粉末及び熱硬化性樹脂は、溶剤により粘度を調整し、ディスパー、ボールミル、3本ロール等により十分に混練されてペースト状とされ電極材料とされる。本発明の電極材料は、例えば被塗着物に塗着され、一定時間加熱されて熱硬化性樹脂成分を硬化させ、その後常温に戻され電極層とされる。本発明において用いることのできる溶剤としては、上記熱硬化性樹脂の樹脂成分を分散乃至溶解させ、電極材料を電極層とするための加熱時に蒸発するものであれば特に限定されることなく使用することができ、具体的には、例えばテルピネオール、ブチルカルビトールアセテート、エチレングリコールジメチルエーテル等の各種有機溶剤を挙げることができる。本発明の電極材料における上記溶剤の配合率としては、全重量に対して5乃至15%程度である。但し、上記溶剤の配合量は、溶剤の種類、樹脂成分の種類及び配合率、混練条件等により異なり、混練後の電極材料が塗着可能な範囲の粘度になるように調整されるのが好ましい。
【0011】また、本発明において、上記必須成分以外に、上記導電性粉末の酸化を防止するための酸化防止剤、フィラー、顔料等の各種添加剤を電極材料としての導電性及びハンダとの融着性を低減させない範囲で用いてもかまわない。さらに、本発明の電極材料を用いた電極層を備えたチップ状電子部品において、電極層を形成する際には、温度は150乃至250℃程度、より好ましくは180乃至230℃程度、また、時間は5乃至30分程度の範囲であり、より好ましくは10乃至20分程度の範囲の、加熱条件で硬化させなければならない。
【0012】
【発明の作用及び効果】本発明によれば、電極材料中の熱硬化性樹脂として、フェノール樹脂もしくはアクリル樹脂を用いたので、例えばこの電極材料を、加熱温度が150乃至250度程度、加熱時間が5乃至30分程度の条件下で加熱硬化させることにより電極層を形成する際に、上記加熱により電極材料中に含まれる溶剤が蒸発するとともに、上記導電性粉末を覆うように存在する熱硬化性樹脂がペースト状態から熱硬化するまでの僅かな間に液化状態となり極めて流動的になるので、電極材料表面には導電性粉末が部分的に露出した状態になる。このような状態のまま硬化して形成される電極層上にハンダ付けを行う場合、露出した導電性粉末とハンダが合金化して強固に融着されるのである。
【0013】このような本発明の電極材料をチップ抵抗器の側面電極層として用い、このチップ抵抗器をプリント基板の配線上にハンダ付けする場合、上述したようにハンダと上記側面電極層の表面に露出した導電性粉末とが合金化することにより、ハンダと上記側面電極層とは充分強固に融着されるので、メッキ層を介することなく、良好なハンダ付けを行うことが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1乃至図4を参照しつつ説明するが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。まず、本実施例に用いる電極材料およびこれと比較するための電極材料の調整を説明する。
(電極材料の調製)
(実施例1)平均粒径5μmのCu粉末とAg粉末とをCu:Ag=9:5の重量比で混合した金属粉末57重量%、フェノール樹脂28重量%及びテルピネオール15重量%をディスパーにより十分混練してペースト状の電極材料を得た。
【0015】(実施例2)平均粒径5μmのCu粉末とAg粉末とをCu:Ag=9:5の重量比で混合した金属粉末78重量%、フェノール樹脂12重量%及びテルピネオール10重量%をディスパーにより十分混練してペースト状の電極材料を得た。
(実施例3)平均粒径5μmのCu粉末とAg粉末とをCu:Ag=9:5の重量比で混合した金属粉末62重量%、フェノール樹脂23重量%及びテルピネオール15重量%をディスパーにより十分混練してペースト状の電極材料を得た。
【0016】(実施例4)平均粒径5μmのCu粉末とAg粉末とをCu:Ag=9:5の重量比で混合した金属粉末73重量%、フェノール樹脂17重量%及びテルピネオール10重量%をディスパーにより十分混練してペースト状の電極材料を得た。
(比較例1)平均粒径5μmのAg粉末とNi粉末とをAg:Ni=9:5の重量比で混合した金属粉末77重量%、フェノール樹脂8重量%及びテルピネオール15重量%をディスパーにより十分混練してペースト状の電極材料を得た。
【0017】(比較例2)平均粒径5μmのAg粉末とNi粉末とをAg:Ni=9:5の重量比で混合した金属粉末60重量%、フェノール樹脂32重量%及びテルピネオール8重量%をディスパーにより十分混練してペースト状の電極材料を得た。
(比較例3)平均粒径5μmのAg粉末とNi粉末とをAg:Ni=9:5の重量比で混合した金属粉末70重量%、エポキシ樹脂20重量%及びテルピネオール10重量%をディスパーにより十分混練してペースト状の電極材料を得た。
(電極層の形成方法)次に、上記実施例1乃至3及び比較例1乃至3で得られた電極材料を用いてチップ抵抗器の側面電極層を形成する方法を説明する。
【0018】まず、図1に斜視図、図2に断面図を示すように、矩形板状のアルミナ基板1の上面の両端部にAg−ガラス系の上面電極層2を対向するように形成する。次いで、上記アルミナ基板1の下面に、上記上面電極層2とアルミナ基板1を挟んで対向するようにAg−ガラス系の下面電極層3を形成する。そして、アルミナ基板1の上面に、上記上面電極層2に跨るように抵抗層4を形成する。さらに、この抵抗層4上に、これを覆い且つ上記上面電極層2のアルミナ基板1の端部側を露出するようにガラス保護層5を形成する。
【0019】ここで、実施例及び比較例の電極材料のそれぞれを、上記アルミナ基板1の両側面に、上記上面電極層2及び下面電極層3を部分的に覆うように塗着させる。そして、上記状態のチップ抵抗器を、熱風循環式トンネル型加熱炉(加熱炉中において熱風を吹き出し循環させた状態となっている)にてピーク温度200℃で15分間の条件で加熱する。
【0020】この場合、側面電極層6中の状態は、これを上記熱硬化性樹脂7の硬化温度に加熱していくと、溶剤が蒸発しつつ、熱硬化性樹脂8が硬化し始める。ここで、上記熱硬化性樹脂7がフェノール樹脂の場合には、図3(a)に断面模式図を示すように、これがペースト状態から硬化するまでの間において僅かの間ではあるが液化して非常に流動性の高い状態になるために、電極材料中の導電性粉末8がむき出しになって露出してしまう。
【0021】しかし、上記熱硬化性樹脂7がエポキシ樹脂の場合には、図3(b)に断面模式図を示すように、溶剤が蒸発すると同時に硬化するので、電極材料中の導電性粉末8は、エポキシ樹脂に覆われたそのままの状態である。この後に、溶剤7はほぼ完全に蒸発し、熱硬化性樹脂7はほぼ完全に硬化する。 さらに、上記加熱炉から周辺温度が常温である環境下に取りだして、上面電極層2と下面電極層3とを接続する側面電極層6を層厚20μm程度として形成する。
【0022】本実施例においては、側面電極層6を形成する際に、チップ抵抗器をピーク温度200℃で15分間の条件で加熱しているが、これに限定するものでなく、加熱温度を150乃至250度の範囲、加熱時間を5乃至30分の範囲としてもよく、より好ましくは、加熱温度を180乃至230度の範囲、加熱時間を10乃至20分の範囲とすればよい。
【0023】また、本実施例においては、側面電極層6を熱風循環式トンネル型加熱炉にて加熱することにより硬化しているが、これに限定するものでなく、遠赤外線式加熱炉、熱風循環式オーブン等、種々の方法により加熱してもよい。さらに、本実施例においては、側面電極層6の膜厚を20μm程度としているが、これに限定するものでなく、約10μm以上とするのが好ましい。
(電極層の比較)このようにして得られたチップ抵抗器の側面電極層6のアルミナ基板1に対する密着性を調べたところ、実施例1乃至4及び比較例2乃び3の電極材料を用いたものは何れも良好であったが、比較例1については、密着性の劣るものであった。
【0024】次に、実施例1乃至4及び比較例1乃至3で得られた電極材料を用いたチップ抵抗器のそれぞれを、図4(a)および図4(b)に示すように、プリント基板9の配線91に200乃至250℃でハンダ10付けにより実装した(尚、図4(a)は実施例3を示し、図4(b)は比較例3を示したものである)。その結果は次の通りである。
【0025】実施例1乃至4を用いたチップ抵抗器は、その側面電極層6とハンダ10との融着性に優れたもので、その中でも特に実施例3及び4のものが優れていた。しかし、比較例1乃至3を用いたチップ抵抗器においてはハンダ10との融着性が低く好ましくなかった。また、実施例1乃至4及び比較例1を用いたチップ抵抗器は、その側面電極層6とハンダ10との導電性に優れたいた。しかし、比較例2および3を用いたチップ抵抗器においては導電性が劣るものであった。
【0026】以上のように、本発明の電極材料によれば、メッキ層を形成しなくても良好なハンダ付け性を有する電極層を得ることができる。従って、本発明の電極材料を用いたチップ状電子部品は、外部接続用の端子となる電極層上にメッキ層を設ける必要なく良好にハンダ付けを行うことができる。即ち、従来のチップ状電子部品の側面電極層の形成工程後のメッキ工程を必要とせず、チップ状電子部品の製造装置の小型化および製造工程の簡素化を図れるのである。
【0027】本実施例においては、熱硬化性樹脂としてフェノール樹脂を用いているが、アクリル樹脂を用いた場合であっても、上記と略同等の作用効果を得ることができる。また、本実施例においては、チップ状電子部品としてチップ抵抗器を用いたが、本発明はこれに限定されることなく、チップ型の積層セラミックコンデンサ、固体電解コンデンサ、発振子等の、半田付けに供される電極層を有するチップ状電子部品に広く適用されるものである。




 

 


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