米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> ローム株式会社

発明の名称 半導体発光素子の製法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−51235
公開日 平成8年(1996)2月20日
出願番号 特願平6−187341
出願日 平成6年(1994)8月9日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】朝日奈 宗太 (外2名)
発明者 尺田 幸男
要約 目的
格子定数の不整合および熱膨張係数の差に基づく結晶欠陥や転位の発生を抑制するとともに、製造工程を短縮することができる半導体発光素子の製法を提供する。

構成
(a)基板1上に少なくともn型層4とp型層6を有し、発光層5を形成するチッ化ガリウム系化合物半導体層を積層し、(b)前記n型層およびp型層に電気的に接続されるn側電極9およびp側電極8を形成し、(c)該両電極の形成後に全体を400℃以上で熱処理をすることによりp型層のアニールおよび電極と半導体層との合金化を同時に行うことを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 (a)基板上に少なくともn型層とp型層を含み、発光層を有するチッ化ガリウム系化合物半導体層を積層し、(b)前記n型層およびp型層に電気的に接続されるn側電極およびp側電極を形成し、(c)該両電極の形成後に熱処理をすることによりp型層のアニールおよび電極と半導体層との合金化を同時に行うことを特徴とする半導体発光素子の製法。
【請求項2】 前記基板にサファイア基板を用い、前記n側電極またはp側電極の一方を前記積層された化合物半導体層の表面に形成し、他方の電極を前記積層された化合物半導体層の一部をエッチングし、該他方の電極と電気的に接続されるn型層またはp型層の露出した面に形成する請求項1記載の半導体発光素子の製法。
【請求項3】 前記熱処理前に前記化合物半導体層および電極の表面を保護膜で被覆する請求項1または2記載の半導体発光素子の製法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体発光素子の製法に関する。さらに詳しくは、青色発光に好適なチッ化ガリウム系化合物半導体を用いた半導体発光素子の製法に関する。
【0002】ここにチッ化ガリウム系化合物半導体とは、III 族元素のGaとV族元素のNとの化合物またはIII 族元素のGaの一部がAl、Inなど他のIII 族元素と置換したものおよび/またはV族元素のNの一部がP、Asなど他のV族元素と置換した化合物からなる半導体をいう。
【0003】また、半導体発光素子とは、pn接合またはpinなどダブルヘテロ接合を有する発光ダイオード(以下、LEDという)、スーパルミネッセントダイオード(SLD)または半導体レーザダイオード(LD)などの光を発生する半導体素子をいう。
【0004】
【従来の技術】従来青色のLEDは赤色や緑色に比べて輝度が小さく実用化に難点があったが、近年チッ化ガリウム系化合物半導体を用い、Mgをドーパントした低抵抗のp型半導体層がえられたことにより、輝度が向上し脚光をあびている。
【0005】従来のチッ化ガリウム系のLEDの製法は、たとえば図3〜4に示されるような工程で行われる。
【0006】まず、図3(a)に示されるように、サファイア(Al2 3 単結晶)などからなる基板21に400〜700℃の低温で有機金属化合物気相成長法(以下、MOCVD法という)によりキャリアガスH2 とともに有機金属化合物ガスであるトリメチルガリウム(以下、TMGという)、アンモニア(NH3 )およびドーパントとしてのSiH4 などを供給し、n型のGaN層からなる低温バッファ層22を0.01〜0.2μm程度形成し、ついで900〜1200℃の高温で同じガスを供給し同じ組成のn型のGaNからなる高温バッファ層23を2〜5μm程度形成する。
【0007】ついで前述のガスにさらにトリメチルアルミニウム(以下、TMAという)の原料ガスを加え、n型ドーパントのSiを含有したn型Alx Ga1-x N(0<x<1)層を成膜し、ダブルヘテロ接合形成のためのn型クラッド層24を0.1〜0.3μm程度形成する。
【0008】つぎに前述の原料ガスのTMAに代えてトリメチルインジウム(以下、TMIという)を導入し、バンドギャップエネルギーがクラッド層のそれより小さくなる材料、たとえばGay In1-y N(0<y≦1)からなる活性層25を0.05〜0.1μm程度形成する。
【0009】さらに、n型クラッド層24の形成に用いたガスと同じ原料のガスで不純物原料ガスをSiH4 に代えてp型不純物としてのMgまたはZnのためのシクロペンタジエニルマグネシウム(以下、Cp2 Mgという)またはジメチル亜鉛(以下、DMZnという)を加えて反応管に導入し、p型クラッド層26であるp型Alx Ga1-x N層を気相成長させる。これによりn型クラッド層24と活性層25とp型クラッド層26とによりダブルヘテロ接合が形成される。
【0010】ついでキャップ層27形成のため、前述のバッファ層23と同様のガスで不純物原料ガスとしてCp2 MgまたはDMZnを供給してp型のGaN層を0.3〜1μm程度成長させる。
【0011】そののちSiO2 などの保護膜28を半導体層の成長層表面全面に設け(図3(b)参照)、400〜800℃、20〜60分間程度のアニールを行い(図3(c)参照)、p型クラッド層26およびキャップ層27の活性化を図る。このアニールが行われるのはつぎの理由による。すなわち、チッ化ガリウム系化合物半導体のp型層はドーパントとしてMgなどがドーピングされているが、Mgなどはドーピングの際、キャリアガスのH2 や反応ガスのNH3 のHと化合し、ドーパントの働きをせず高抵抗になる。そこでMgとHを切り離しHを放出して低抵抗化するため、アニール工程が設けられている。
【0012】ついで、保護膜28を除去したのち、n側の電極を形成するため、レジストを塗布してパターニングを行い図4(d)に示されるように、成長した各半導体層の一部をドライエッチングにより除去してn型GaN層であるバッファ層23を露出させる。ついで、Au、Alなどの金属膜をスパッタリングなどにより形成してp側およびn側の両電極29、30を形成し、ダイシングすることによりLEDチップを形成している。
【0013】つぎに、電極金属のAlなどとチッ化ガリウム系化合物半導体とのあいだをオーミック接触にするため、H2 雰囲気中で300℃程度の熱処理をして合金化する(図4(e)参照)。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来のチッ化ガリウム系化合物半導体を用いた半導体発光素子の製法では、前述のようにアニール処理と合金化処理の2回の熱処理を行わなければならない。しかもサファイア基板とチッ化ガリウム系半導体結晶とでは、格子定数や熱膨張係数の差がともに大きく、熱処理をして室温に戻す温度衝撃を繰り返すと、膨張と縮小が繰り返され、サファイア基板と接するバッファ層にクラックなどの結晶欠陥や転位などが発生し、その結晶欠陥や転位は動作層であるクラッド層や活性層にも進展し、発光効率が低下するとともに、寿命も低下するという問題がある。
【0015】本発明はこのような問題を解決し、格子定数の不整合および熱膨張係数の差に基づく結晶欠陥や転位の発生を抑制するとともに、製造工程を短縮することができる半導体発光素子の製法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体発光素子の製法は、(a)基板上に少なくともn型層とp型層を含み、発光層を有するチッ化ガリウム系化合物半導体層を積層し、(b)前記n型層およびp型層に電気的に接続されるn側電極およびp側電極を形成し、(c)該両電極の形成後に熱処理をすることにより、p型層のアニールおよび電極と半導体層との合金化を同時に行うことを特徴とする。
【0017】前記半導体発光素子の製法においては、前記基板にサファイア基板を用い、前記n側電極またはp側電極の一方を前記積層された化合物半導体層の表面に形成し、他方の電極を前記積層された化合物半導体層の一部をエッチングし、該他方の電極と電気的に接続されるn型層またはp型層の露出した面に形成することができる。
【0018】前記熱処理前に前記化合物半導体層の表面を保護膜で被膜することがチッ化ガリウム系化合物半導体層中のNやGaが抜けにくく、かつ、電極材料の融点がアニール温度より低くても電極材料が溶融して流れることなく保持されるため好ましい。
【0019】
【作用】本発明の製法によれば、アニールを行うと同時に、n側とp側の両方の電極を化合物半導体層の表面と合金化することができるため、アニール工程と電極の合金化の工程を一つにまとめることができ、工数を減らすことができる。さらに、一度低温にした化合物半導体層を再び高温にする必要がないため、異なる材料の基板に積層されたチッ化ガリウム系化合物半導体の膨張、縮小の繰返しにより発生するチッ化ガリウム系化合物半導体層の結晶欠陥や転位の発生を抑制することができる。
【0020】
【実施例】つぎに、図面を参照しながら本発明の半導体発光素子の製法を説明する。
【0021】図1は本発明の半導体発光素子の製法の一実施例の工程断面説明図、図2は図1の製法により製造されたLEDチップの断面図である。
【0022】まず、図1(a)に示されるように、サファイアなどからなる基板1に、MOCVD法によりたとえばn型GaNなどのチッ化ガリウム系半導体層からなる低温バッファ層2および高温バッファ層3をそれぞれ0.01〜0.2μm、2〜5μm程度成長する。そののち、n型クラッド層4、ノンドープまたはn型もしくはp型の活性層5、p型クラッド層6、キャップ層7を順次形成する。クラッド層4、6は通常0.1〜0.3μm程度、活性層5は0.05〜0.1μm程度の厚さにそれぞれ形成される。これらのチッ化ガリウム系半導体層の成膜は従来技術で説明したのと同様の原料ガスを導入し、反応させて成長する。
【0023】前述のクラッド層4をn型に形成するためには、Si、Ge、TeなどをSiH4 、GeH4 、TeH4 などのガスとして反応ガス内に混入し、クラッド層6をp型に形成するためにはMgやZnをCp2 MgやDMZnの有機金属ガスとして原料ガスに混入する。キャップ層7は電極との接触抵抗を減少させるためのもので、p型GaNなどからなり、0.2μm以上の厚さに成膜される。
【0024】つぎに、各半導体層の一部を、たとえばCl2 プラズマによるドライエッチングを行って高温バッファ層3を露出させる。ついでAu、Alなどからなる金属膜をスパッタリングなどにより成膜しパターニングすることにより、積層された化合物半導体層の表面でp型層に電気的に接続されるp側電極8、露出した高温バッファ層3の表面でn型層に電気的に接続されるn側電極9を形成する(図1(b)参照)。
【0025】電極8、9の形成後、SiO2 、Si3 4 などからなる保護膜10を前記半導体層表面にCVD法、PCVD法などにより設け(図1(c)参照)、アニール処理を行う(図1(d)参照)。アニール処理は、N2 雰囲気中、400〜800℃で0.5〜1時間程度行われる。この方法によれば、保護膜10が存在するためチッ化ガリウム系化合物からNやGaが抜けにくく好ましいが、10気圧程度のN2 雰囲気の高圧下におき、400〜800℃程度でアニールする方法でも同様の効果がえられる。しかし、保護膜が形成されている方が、電極材料の融点が熱処理温度より低くても熱処理時に流れ落ちないで合金化が充分になされるため好ましい。その結果、p型層のドーパントであるMgとHとの接合が切られて活性化が達成され、p型層の低抵抗化が図られる。そのうえ、電極と半導体層間の合金化も同時に行うことができ、オーミック接触をうることができる。
【0026】アニール処理が終了すると、保護膜10をフッ酸系溶液によりエッチングすることにより取り除き、各チップに分離して、図2に示されるような半導体発光素子チップが形成される。
【0027】この半導体発光素子チップをリードフレームに設置し、ワイヤボンディングしたのちエポキシ樹脂でモールドすることによりLEDが完成する。
【0028】前述の例では、電極8および9の形成をキャップ層7表面側に設けたが、基板1にGaAs系、GaN系などからなる半導体基板などを使用すれば、導電性にすることができ、化合物半導体層の裏面すなわち基板1側に電極を形成することもできる。
【0029】また前述の実施例ではAlx Ga1-x N、Gay In1-y Nのダブルヘテロ接合のLEDであったが、通常のホモまたはヘテロのpn接合のLEDや前述の構造でストライプを形成してレーザダイオードとしたり、材料もチッ化ガリウム系化合物半導体で屈折率やバンドギャップエネルギーの関係を満たすように、Alp Gaq In1-p-q N(0≦p<1、0<q≦1、0<p+q≦1)の一般式で組成を変えたもの、この一般式のNの一部または全部をAsおよび/またはPなどで置換したものでも同様の工程で製造することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明の半導体発光素子の製法は、p型化合物半導体層のアニール工程と電極の合金化の工程を一回の熱処理で済ませることができるため、温度差の繰返しにより発生する結晶欠陥や転位を防ぐことができ、発光効率がよく信頼性のある半導体発光素子をうることができる。また、熱処理工程が1回で済むので、熱処理工程を減らすことができコストも低減できる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013