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発明の名称 蓄圧型ほう酸水注入装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−114693
公開日 平成8年(1996)5月7日
出願番号 特願平6−251671
出願日 平成6年(1994)10月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】猪股 祥晃
発明者 紺野 正行
要約 目的
ほう酸水貯溜タンクを蓄圧型として、常にほう酸水を加圧貯溜することにより原子炉へのほう酸水注入に際して動力電源を必要としない蓄圧型ほう酸水注入装置を提供する。

構成
請求項1記載の発明に係る蓄圧型ほう酸水注入装置は、原子力発電プラントのほう酸水毒物注入系において、原子炉1と注入配管7を介して結合した気体窒素15により加圧されたほう酸水2を貯溜した蓄圧型ほう酸水貯溜タンク16を設けたことを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 原子力発電プラントのほう酸水毒物注入系において、原子炉に注入配管を介して結合した不活性気体により加圧されたほう酸水を貯溜した蓄圧型ほう酸水貯溜タンクを設けたことを特徴とする蓄圧型ほう酸水注入装置。
【請求項2】 上記原子炉と蓄圧型ほう酸水貯溜タンクを結合した注入配管に、流量計および流量調整弁を介挿すると共に前記流量計の流量信号から前記流量調整弁によりほう酸水注入量を制御する流量制御信号を出力するほう酸水注入制御装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の蓄圧型ほう酸水注入装置。
【請求項3】 上記注入配管に介挿した流量調整弁が、待機時に全開状態としておくことを特徴とする請求項2記載の蓄圧型ほう酸水注入装置。
【請求項4】 前記蓄圧型ほう酸水貯溜タンクに封入した不活性気体が、気体窒素であることを特徴とする請求項1記載の蓄圧型ほう酸水注入装置。
【請求項5】 前記蓄圧型ほう酸水貯溜タンク内で、前記不活性気体とほう酸水との境に不活性気体の圧力をほう酸水に伝達する仕切板を設けたことを特徴とする請求項1記載の蓄圧型ほう酸水注入装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、沸騰水型原子力発電プラントにおいて制御棒による核反応制御が不能となった異常時に、中性子吸収材であるほう酸を原子炉内に注入して原子炉を停止させる蓄圧型ほう酸水注入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子力発電プラントにおける原子炉の通常運転時は、その起動および停止操作と出力制御については、固体中性子吸収材よりなる制御棒を原子炉内より引抜き、あるいは挿入することにより核反応を起こす熱中性子数を制御して、原子炉の運転制御をしている。
【0003】この原子力発電プラントに設備されたほう酸水毒物注入系は、制御棒の操作に支障が発生して制御棒による熱中性子数の制御が行えなくなった異常時に、中性子吸収材であるほう酸(ほう酸水)を原子炉内に注入することにより、確実に原子炉の核反応を停止させるためのものである。
【0004】従来のほう酸水毒物注入系は、図2の系統構成図に示すように、原子炉1と中性子吸収材であるほう酸水2を貯溜したほう酸水貯溜タンク3の間を、逆止弁4と爆発弁または電磁弁5、さらに注入ポンプ6を介挿した注入配管7で結合している。
【0005】また、前記爆発弁または電磁弁5と注入ポンプ6を制御するほう酸水注入制御装置8が設けられていて、このほう酸水注入制御装置8より注入ポンプ6には注入ポンプ制御信号S1 が、爆発弁または電磁弁5には爆発弁または電磁弁動作信号S2 が出力される。
【0006】さらに、注入ポンプ6には動力電源9が接続されているが、ほう酸水注入制御装置8には制御電源10が接続されていて、この制御電源10に対して通常時は前記動力電源9から、また、この動力電源9の喪失等の異常時には非常用直流電源11より電力を供給して、制御電源10を確保している。
【0007】したがって、この非常用直流電源11により、もしも動力電源9が使用不可能となった場合でも、ほう酸水注入制御装置8、および爆発弁または電磁弁5に、安定した制御電力が供給される。しかしながら前記注入ポンプ6については、動力電源9より直接ポンプ駆動用の電源が供給されているため、動力電源9が使用不可能となった場合は運転することができない。
【0008】沸騰水型原子炉発電プラントにおいては、制御棒の位置操作による原子炉の核反応制御が行えなくなった場合には、発電所の運転員による手動操作により、ほう酸水注入制御装置8において図示しないほう酸水注入起動スイッチをONさせる。
【0009】ほう酸水注入起動スイッチがONされると、ほう酸水注入制御装置8より注入ポンプ6に注入ポンプ制御信号S1 が、また、爆発弁または電磁弁5に爆発弁を爆破して開くか、または電磁弁5を全開させる爆発弁または電磁弁動作信号S2が出力される。
【0010】これにより注入ポンプ6が起動すると共に、爆発弁または電磁弁5が全開となって、ほう酸水貯溜タンク3のほう酸水2が、注入ポンプ6により原子炉圧力以上に加圧され、かつ定格流量にて注入配管7と爆発弁または電磁弁5、および逆止弁4を通り原子炉1に注入される。この中性子吸収材であるほう酸水2は、原子炉1内において核反応を起こす熱中性子を吸収するので、原子炉1における核反応は確実に停止される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従来のほう酸水毒物注入系により原子炉1の核反応を停止するためには、ほう酸水2の注入ポンプ6を運転することが絶対条件であり、このほう酸水毒物注入系は、原子炉1の非常時における核反応の最終停止装置である。このことから、注入ポンプ6の起動が失敗した場合には、原子炉1の核反応を停止することが困難となり、このほう酸水毒物注入系には、高い信頼性が要求されている。
【0012】しかしながら、このほう酸水2の注入ポンプ6の起動には動力電源9が必要となるが、この動力電源9に喪失事故が起きた場合には、別途非常用発電設備等を設置して非常用の電源を確保しないと、原子炉1に対するほう酸水2の注入が行えないという支障があった。
【0013】本発明の目的とするところは、ほう酸水貯溜タンクを蓄圧型として、常に加圧されたほう酸水を貯溜して、原子炉へのほう酸水注入に際して動力電源を必要とせず、安全性と信頼性の高い蓄圧型ほう酸水注入装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため請求項1記載の発明に係る蓄圧型ほう酸水注入装置は、原子力発電プラントのほう酸水毒物注入系において、原子炉に注入配管を介して結合した不活性気体により加圧されたほう酸水を貯溜した蓄圧型ほう酸水貯溜タンクを設けたことを特徴とする。
【0015】請求項2記載の発明に係る蓄圧型ほう酸水注入装置は、上記原子炉と蓄圧型ほう酸水貯溜タンクを結合した注入配管に、流量計および流量調整弁を介挿すると共に、前記流量計の流量信号から前記流量調整弁によりほう酸水注入量を制御する流量制御信号を出力するほう酸水注入制御装置を設けたことを特徴とする。
【0016】請求項3記載の発明に係る蓄圧型ほう酸水注入装置は、上記原子炉と蓄圧型ほう酸水貯溜タンクを結合した注入配管に介挿した流量調整弁が、待機時に全開状態としておくことを特徴とする。請求項4記載の発明に係る蓄圧型ほう酸水注入装置は、前記蓄圧型ほう酸水貯溜タンクに封入した不活性気体が気体窒素であることを特徴とする。
【0017】請求項5記載の発明に係る蓄圧型ほう酸水注入装置は、前記蓄圧型ほう酸水貯溜タンク内で前記不活性気体とほう酸水との境に不活性気体の圧力をほう酸水に伝達する仕切板を設けたことを特徴とする。
【0018】
【作用】請求項1記載の発明は、ほう酸貯溜タンクにおいて加圧された不活性気体によりほう酸水を常時原子炉圧力以上に加圧してあることから、原子炉内に注入配管を介してほう酸水を注入する際に他に動力を必要としない。これにより、電源喪失時においても容易にほう酸水の注入が行えて、原子炉の核反応を確実に停止できる。
【0019】請求項2記載の発明では、動力電源の正常時は、注入配管に介挿した爆発弁または電磁弁をほう酸水注入制御装置からの爆発弁または電磁弁動作信号により開操作することで、加圧されたほう酸水が自動的に原子炉に注入され、その後は流量制御信号による流量調整弁の開度調節により、ほう酸水の注入流量が一定に制御されて原子炉の核反応を停止させる。
【0020】この、ほう酸水の注入は原子炉内での核反応を均一に停止させることが望ましいことから、流量調整弁の開度調節によりほう酸水の注入速度を制限することにより、ほう酸水注入直後に原子炉内に均一に拡散させて、ほう酸水の流量一定制御をする。動力電源喪失時には、ほう酸水注入制御装置から爆発弁または電磁弁を開操作することにより、加圧されたほう酸水が原子炉に注入されて原子炉の核反応を停止する。
【0021】請求項3記載の発明は、動力電源喪失した場合には流量調整弁の開度調節が行えないが、この流量調整弁を待機時より全開状態にしてあることから、健在な制御電源により爆発弁または電磁弁を開操作することで、加圧されたほう酸水が流量調整弁によって注入流量を制限されることなく原子炉に注入されるので確実に原子炉の核反応が停止される。
【0022】請求項4記載の発明は、蓄圧型ほう酸水貯溜タンクに封入して、ほう酸水を加圧する不活性気体を気体窒素としたので、化学的に安定でほう酸水等と結合し難く、また原子力発電プラントにおいて確保し易いので保全も容易である。
【0023】請求項5記載の発明は、蓄圧型ほう酸水貯溜タンク内で不活性気体は、仕切板によりほう酸水と隔離されているため、圧力の高い不活性気体がほう酸水に溶解せず、効率良く不活性気体の圧力をほう酸水に伝達すると共に、化学的な結合もしない。
【0024】
【実施例】本発明の一実施例について図面を参照して説明する。なお、上記した従来技術と同じ構成部分に付いては同一符号を付して詳細な説明を省略する。蓄圧型ほう酸水注入装置は図1の系統構成図に示すように、原子炉1には逆止弁4と爆発弁または電磁弁5、さらに流量計12と流量調整弁13を介挿した注入配管7により、内部に中性子吸収材であるほう酸水2を貯溜し、仕切板14で隔離した上部に不活性気体である気体窒素15を加圧充填した、ほう酸水貯溜タンク16が結合されている。
【0025】なお、ほう酸水貯溜タンク16内のほう酸水2は、加圧した気体窒素15により仕切板14を介して常に原子炉圧力以上の圧力が与えられている。また、前記流量計12から出力された流量信号S3 を入力して、爆発弁または電磁弁5、および流量調整弁13に、それぞれ爆発弁または電磁弁動作信号S2 、および流量制御信号S4 を出力するほう酸水注入制御装置17が設けられている。
【0026】さらに、前記流量調整弁13には動力電源9が接続されているが、ほう酸水注入制御装置17には制御電源10が接続されていて、この制御電源10に対して通常時は前記動力電源9から、また、この動力電源9が喪失する等の異常時には、非常用直流電源11より電力が供給されるよう接続して構成されている。
【0027】次に上記構成による作用について説明する。前記制御電源10においては、通常時は動力電源9より、また動力電源9の異常時には非常用直流電源11より電力が供給されて、電圧を変換してほう酸水注入制御装置17に対して常に安定した電源を確保している。
【0028】また、動力電源9は流量調整弁13に対して直接的に流量調整弁駆動用の電力を供給しているが、原子炉運転が正常の状態で、この蓄圧型ほう酸水注入装置としては待機状態にある時は、前記流量調整弁13は全開状態にされている。
【0029】ここで、制御棒操作に支障が生じて、制御棒の挿入による原子炉停止が困難な異常が発生し、ほう酸水毒物注入系を起動して原子炉1を停止する場合には、発電所の運転員は手動操作によりほう酸水注入制御装置17における図示しないほう酸水注入起動スイッチをONする。
【0030】ほう酸水注入起動スイッチがONされたことにより、ほう酸水注入制御装置17から、爆発弁または電磁弁5に対して爆発弁または電磁弁動作信号S2 が出力され、爆発弁または電磁弁5が全開される。
【0031】これにより、蓄圧型ほう酸水貯溜タンク16内で、加圧充填された気体窒素15により、常に原子炉圧力以上の圧力が与えられているほう酸水2は、注入配管7を介して全開で待機状態にある流量調整弁13と、流量計12および全開した爆発弁または電磁弁5、さらに逆止弁4を通って原子炉1内に注入されて、原子炉1内で核反応を起こす熱中性子を吸収するので核反応を確実に停止させる。
【0032】その後、ほう酸水注入制御装置17は、流量計12により出力された流量信号S3によりほう酸水2の流量を検出し、原子炉1内においてほう酸水2が注入直後から均一に拡散されるように、流量制御信号S4 を出力して流量調整弁13の開度を調節し、ほう酸水2の流量を一定値に制御する。
【0033】なお、動力電源9の喪失事故時は、このほう酸水毒物注入系の中で唯一動力電源9を使用している流量調整弁13は、流量制御信号S4 による流量制御は不能となるが、動力電源9の喪失事故発生前で蓄圧型ほう酸水注入装置の待機時においては、全開状態とされている。
【0034】したがって、この時のほう酸水2を注入して原子炉1を停止することは、ほう酸水注入制御装置17を制御する制御電源10さえ健在であれば、爆発弁または電磁弁5を全開することができるので、原子炉1への加圧されたほう酸水2の注入が容易に可能であり、原子炉1の核反応を確実に停止させることができる。
【0035】
【発明の効果】以上本発明によれば、原子力発電プラントにおいて制御棒操作による原子炉の運転制御が不能となり、かつ動力電源が喪失する異常時においても、ほう酸水の注入により原子炉の核反応を確実に停止することが容易で、原子炉運転の安全性と信頼性を向上する効果がある。




 

 


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