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発明の名称 自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリュー
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−315608
公開日 平成8年(1996)11月29日
出願番号 特願平7−118375
出願日 平成7年(1995)5月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
発明者 白井 克忠 / 塚本 広徳
要約 目的
回動操作がし易く、ヘッドランプを配設する上での制約がなく、灯室のコンパクト化および傾斜測定器の構造の簡潔化につながる自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューの提供。

構成
ランプボディ2を貫通して前方に延出し、その前端部に、ランプの照射方向設定用光反射面を有するリフレクター4が連結されて、その回動とリフレクター4の左右方向の傾動とが連係する自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューにおいて、エイミングスクリュー本体210の後端部に、エイミングスクリュー本体210の延在方向に沿って摺動可能なスライダ50に螺合してエイミングスクリュー本体210の回動とスライダ50の摺動とを連係させる傾斜測定器配設用の合成樹脂製雄ねじ部220と、冠状歯車23とを、それぞれ一体に設けて、灯室のコンパクト化および傾斜測定器の構成の簡潔化を図るとともに、ヘッドランプ側方からのエイミングスクリューの回動操作を可能にした。
特許請求の範囲
【請求項1】 基準部材を貫通して前方に延出し、その前端部に、ランプの照射方向設定用光反射面を有する傾動部材が連結されて、その回動と傾動部材の左右方向の傾動とが連係する自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューにおいて、前記エイミングスクリュー本体の後端部には、エイミングスクリュー本体と同軸状に延出し、エイミングスクリュー本体の延在方向に沿って摺動可能なスライダに螺合してエイミングスクリュー本体の回動とスライダの摺動とを連係させる傾斜測定器配設用の合成樹脂製雄ねじ部と、直交変換ギヤとが、それぞれ一体に設けられたことを特徴とする自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリュー。
【請求項2】 前記エイミングスクリュー本体および直交変換ギヤは金属で一体に形成されており、直交変換ギヤを一体に形成したエイミングスクリュー本体と、傾斜測定器配設用の雄ねじ部とが、インサート成形により一体化されたことを特徴とする請求項1記載の自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリュー。
【請求項3】 前記エイミングスクリュー本体および直交変換ギヤは、それぞれ金属で別体に形成されており、直交変換ギヤを加締め固定したエイミングスクリュー本体と、傾斜測定器配設用の雄ねじ部とが、インサート成形により一体化されたことを特徴とする請求項1記載の自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリュー。
【請求項4】 前記エイミングスクリュー本体は合成樹脂で、前記直交変換ギヤは金属でそれぞれ形成されており、エイミングスクリュー本体と、傾斜測定器配設用の雄ねじ部と、直交変換ギヤとが、インサート成形により一体化されたことを特徴とする請求項1記載の自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリュー。
【請求項5】 前記エイミングスクリュー本体,直交変換ギヤおよび傾斜測定器配設用の雄ねじ部は、合成樹脂の一体成形により一体化されたことを特徴とする請求項1記載の自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリュー。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ランプの照射方向設定用の光反射面を有する傾動部材を基準部材に対し傾動調整するための自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューに係わり、特にランプの左右方向の照射方向、即ち、ランプの左右方向の照射角が正規位置にあるかどうかを確認するための測定器を備えた自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用ヘッドランプは、ランプボディ内においてリフレクターが傾動可能に支持されているリフレクター可動型ヘッドランプを例にとって説明すると、図13,14に示されるように、ランプボディ201に対し、リフレクター202の背面側が前後に延びる2本のエイミングスクリュー203,204と1個の揺動支点205の3点によって支持されている。なお図13はリフレクターを正面視しており、エイミングスクリュー203,204はそれぞれ紙面に垂直方向に延びている。エイミングスクリュー203,204はランプボディ201の背面壁において回動可能に支承されており、エイミングスクリュー203,204によるリフレクター202の支持点は、ランプの前面から見て揺動支点205に対し例えば直交配置されている。そしてエイミングスクリュー203,204の回動操作によってリフレクター202を水平軸Lx,垂直軸Ly回りにそれぞれ傾動させて、ランプの照射角を調整するようになっている。なお符号206はリフレクター202に装着された光源であるバルブである。符号203aは、ドライバーDを係合させてスクリュー203を回動操作させるための回動操作部で、エイミングスクリュー203の後端部に形成されている。
【0003】また傾斜測定器20は、例えば図14に示されるように、ランプボディ201の背面壁に固定されてエイミングスクリュー203と平行に延出するガイド部材212と、ガイド部材212内において前方にばね付勢され、前端部215をリフレクター202の鉛直当接面に当接させた状態に保持される摺動子214と、摺動子214とガイド部材212に設けられた直線目盛206と指標207とから主として構成されている。符号218は、摺動子214を付勢する圧縮コイルスプリングである。
【0004】そして、リフレクター202の左右方向への傾動量に連係して摺動子214がガイド部材212内を進退した位置となるので、指標207に対応する目盛206を読み取ることで、リフレクター202の左右方向の傾斜量を測定できる構造となっている。そして、リフレクターがヘッドランプの照射方向を適正とする位置から左右方向に傾斜している場合(指標207が目盛206の零点と対応した位置にない場合)には、ドライバーDの歯先をランプボディ201の背面側からエイミングスクリュー203の回動操作部203aに係合させて、指標207が目盛206の零点と対応する位置となるように、ドライバーDを使ってエイミングスクリュー203を回動操作することで、エイミング調整する。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】しかし前記した従来の傾斜測定器は、灯室内においてエイミングスクリュー203と並列に配設されるため、灯室がどうしても大型化し、しかもランプボディ201に形成したのぞき窓(図示せず)から目盛206を読み取るため、目盛の読取が難しいという問題があった。
【0006】また、ドライバーDでエイミングスクリューを適格に回動操作するためには、ヘッドランプの背後にドライバー配設用の十分なスペースを設ける必要があるため、ヘッドランプ背後の車体側の形状やヘッドランプ配設位置が制約される。さらにエイミングスクリュー203を回動操作するためには、作業者が自動車前端部からヘッドランプ背面側を覗き込み、さらにドライバーDの歯先が回動操作部203aを向く様にした無理な姿勢を強いられるため、エイミングスクリュー203の回動作業(ヘッドランプの照射角の調整)をスムーズに遂行できないという問題もあった。
【0007】本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、回動操作がし易く、ヘッドランプを配設する上での制約がなく、灯室のコンパクト化および傾斜測定器の構造の簡潔化につながる自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1に係わる自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューにおいては、基準部材を貫通して前方に延出し、その前端部に、ランプの照射方向設定用光反射面を有する傾動部材を連結して、その回動と傾動部材の左右方向の傾動とが連係する自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューにおいて、前記エイミングスクリュー本体の後端部に、エイミングスクリュー本体と同軸状に延出し、エイミングスクリュー本体の延在方向に沿って摺動可能なスライダに螺合してエイミングスクリュー本体の回動とスライダの摺動とを連係させる傾斜測定器配設用の合成樹脂製雄ねじ部と、直交変換ギヤとを、それぞれ一体に設けるようにしたものである。請求項2においては、請求項1記載の自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューにおいて、前記エイミングスクリュー本体および直交変換ギヤを金属で一体に形成し、直交変換ギヤを一体に形成したエイミングスクリュー本体と、傾斜測定器配設用の雄ねじ部とを、インサート成形により一体化するようにしたものである。請求項3においては、請求項1記載の自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューにおいて、前記エイミングスクリュー本体および直交変換ギヤを、それぞれ金属で別体に形成し、直交変換ギヤを加締め固定したエイミングスクリュー本体と、傾斜測定器配設用の雄ねじ部とを、インサート成形により一体化するようにしたものである。請求項4においては、請求項1記載の自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューにおいて、前記エイミングスクリュー本体は合成樹脂で、前記直交変換ギヤは金属でそれぞれ形成し、エイミングスクリュー本体と、傾斜測定器配設用の雄ねじ部と、直交変換ギヤとを、インサート成形により一体化するようにしたものである。請求項5においては、請求項1記載の自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューにおいて、前記エイミングスクリュー本体,直交変換ギヤおよび傾斜測定器配設用の雄ねじ部を、合成樹脂の一体成形により一体化するようにしたものである。
【0009】
【作用】ヘッドランプでは、傾動部材の左右方向の傾動とエイミングスクリュー本体の回動とが連係しており、エイミングスクリュー本体を回動することで、傾動部材を左右方向に傾動させて、ヘッドランプの照射軸を左右方向に調整できる。またエイミングスクリュー本体後端部に一体に設けた雄ねじ部に傾斜測定器を配設することで、エイミングスクリュー本体の回動に傾斜測定器のスライダの摺動動作が連係する。従って、傾動部材の左右方向の傾動量は、傾斜測定器のスライダの摺動量に比例し、傾斜測定器のスライダの摺動量から傾動部材の左右方向の傾斜量(ヘッドランプの照射軸の左右方向への傾斜角)がわかる。基準部材を貫通して前方に延出するエイミングスクリュー本体の後端部に一体に設けた合成樹脂製の雄ねじ部に、傾動部材の左右方向の傾斜量を検出する傾斜測定器を配設できる。基準部材を貫通して前方に延出するエイミングスクリュー本体の後端部に一体に設けた直交変換ギヤは、基準部材に沿って差し入れたドライバーの歯先と係合し、基準部材の側方(上下左右方向)からのエイミングスクリューの回動操作を可能にする。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜図9は、基準部材がランプボディで、傾動部材がリフレクターであるリフレクター可動型のヘッドランプに本発明を適用した実施例を示すもので、図1は傾斜測定器の組み付けられているリフレクター可動型ヘッドランプの正面図、図2は同ヘッドランプの水平断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3は同ヘッドランプの左右方向の照射角の傾斜を測定する傾斜測定器の斜視図、図4はエイミングスクリューの支承部周辺の斜視図、図5はエイミングスクリューの支承部周辺の縦断面図、図6は同傾斜測定器の主要構成部材であるスライダの斜視図、図7は同スライダをエイミングスクリューの後端側雄ねじ部に組付ける様子を示す斜視図、図8はスライダとエイミングスクリューの後端側雄ねじ部が連係した状態を示す傾斜測定器の断面図、図9は一部を断面で示すエイミングスクリューの側面図である。
【0011】これらの図において、符号2は基準部材である容器状のランプボディで、ランプボディ2内には光源であるバルブ3の挿着された傾動部材である放物面形状のリフレクター4が配置され、ランプボディ2の前面開口部に前面レンズ6が組み付けられてヘッドランプとして一体化されている。リフレクター4は、図1および図2に示されるように、ランプボディ2内において、玉継手10,左右方向エイミングスクリュー20及び上下方向エイミングスクリュー30の3点によって支持されている。玉継手10の球部12はランプボディ2側に固定支持され、玉部12と係合する球受部14はリフレクター4の背面側に突設されたブラケット7に挿着固定されて、リフレクター4はこの球継手10を中心に揺動できる構造となっている。またエイミングスクリュー20,30は、いずれもランプボディ2を貫通して前後に延出し、貫通部においてプッシュオンフィックス8によって支持されてランプボディ2に回転可能に支承されている。エイミングスクリュー20,30の前端側には雄ねじ部20a1 が形成され、この雄ねじ部20a1 ,30a1 にはリフレクター4側の合成樹脂製のスクリュー支承部であるスクリュー支持ナット21,31に螺合している。
【0012】エイミングスクリュー20のランプボディ後方への延出部の付根位置には、図5に示すように、ドライバーDの歯先D1 が係合できる冠状歯車23が一体に形成されており、ランプボディ10の背面壁に沿って差し込れたドライバーの歯先D1 をこの歯車23に係合させ、ドライバーDを回動させてエイミングスクリュー20を回動させるとナット21がスクリュー20に沿って進退し、これによってリフレクター4の傾きが変わるようになっている。またエイミングスクリュー20のランプボディ後方への延出部の先端にも、六角レンチや六角スパナやドライバーDの歯先D1 の係合できる治具係合部25が形成されており、この治具係合部25を使ってエイミングスクリュー20を回動操作することもできる。
【0013】またエイミングスクリュー30のランプボディ後方への延出部にも、エイミングスクリュー20の後端部に設けられている治具係合部25と同様の治具係合部(図示せず)が設けられており、このドライバーや六角レンチや六角スパナを使ってエイミングスクリュー20を回動操作できるようになっている。即ち、左右方向エイミングスクリュー20によるリフレクター4の支持点(エイミングスクリュー20とスクリュー支持ナット21の螺合部)は、ヘッドランプの照射軸L(図2参照)に直交して玉継手10を通る水平軸Lx上に位置し、上下方向エイミングスクリュー30によるリフレクター4の支持点(エイミングスクリュー30とスクリュー支持ナット31の螺合部)は、水平軸Lxに直交して玉継手10を通る垂直軸Ly上に位置している。このためエイミングスクリュー20(30)を回動操作すると、スクリュー支持ナット21(31)がスクリュー20(30)に沿って進退し、リフレクター4が垂直軸Ly(水平軸Lx)回りに傾動して、傾動部材であるリフレクター4の基準部材であるランプボディ2に対する左右方向(上下方向)の傾斜、即ちヘッドランプの左右方向(上下方向)の照射角を調整することができる。
【0014】エイミングスクリュー20が貫通しているランプボディ2のスクリュー挿通孔2aの背面側周縁部には、図4,5に示されるように、ランプボディ2に一体に形成された円筒形状のドライバー支持部40が後方に延出している。ドライバー支持部40の延出端側開口内周縁部には、環状の凹部41が形成されて、この凹部41にスクリュー挿通孔2aをシールするOリング42が装填されている。冠状歯車23の歯23aは、図5に示されるように、冠状歯車本体の外周縁部にのみ形成されて、内周縁側には平滑面23bが形成されており、ランプボディ2の内側においてプッシュオンフィックス8によって前方(図5矢印方向)にばね付勢されたエイミングスクリュー20は、歯車23の平滑面23bがOリング42を圧縮するとともに、ドライバー支持部40の延出端面40aに摺接することで軸方向に位置決めされて、エイミングスクリュー支承部(スクリュー挿通孔2a)におけるスムーズな回動が確保されている。
【0015】またドライバー支持部40における左右方向一方の側(後述するガイド部材60の配設されていない側)には、ランプボディ2に一体に形成されて、冠状歯車23の外周囲略半分を包囲する円弧形状の立壁45が設けられており、コード類等が冠状歯車23の歯23aに巻き込まれるのを防止している。符号45aはドライバー支持部40から立壁45にかけて放射状に延びる補強リブである。立壁45の上部には、垂直に延びる円筒形状の内周面46aとドライバー支持部40上側面に形成された平坦なドライバー先端部当接面46bとをもつドライバー係合部46が形成されており、当接面46bにドライバー先端部を当接させて、冠状歯車23の歯23aと歯先D1 が噛み合った状態のドライバーDは、その側面を円筒形状内周面46aにガイドされるので、ふらつかせることなくドライバーDを回動操作することができる。またこのドライバー係合部46の上部には、上方左右に拡開するドライバー導入部46cが形成されており、上方から差し入れたドライバーの歯先D1 はこの導入部46cに沿って滑動してドライバー係合部46に導かれるようになっている。
【0016】図2および図3において、符号20a2 は、左右方向エイミングスクリュー20のランプボディ2からの後方延出部に形成された1条又は2条の右ねじからなる雄ねじ部で、ランプボディ2の背面壁には、この雄ねじ部20a2 と平行に延びる横断面T字型のガイド部材60が固定されている。ガイド部材60のT字断面横棒状部60aの上面には、ガイド部材延出方向に沿って直線目盛63が形成され、T字断面縦棒状部60bはエイミングスクリュー20側に円弧状に湾曲した形状とされて、ガイド部材60の剛性強度が高められている。符号50は、エイミングスクリューの雄ねじ部20a2 とガイド部材60との間に組付けられて、リフレクター4の左右方向の傾き、即ちヘッドランプの照射角の左右方向の傾きを測定する第1の傾斜測定器を構成するスライダである。
【0017】スライダ50は、ガイド部材60のエイミングスクリュー側の側縁部60cに係合して回り止めされるとともに、エイミングスクリュー雄ねじ部20a2 に遊合して、ガイド部材60に対し前後スライド可能な一部の切欠かれた平面視コ字・正面視コ字型のスライド部51と、雄ねじ部20a2 に整合する雌ねじ部56aを有し、スライド部51の切欠部51a位置に薄肉ヒンジ55を介して一体化されている略矩形状のスクリュー把持部56とから構成され、スライダ50のスライド部51とガイド部材60間に相対目盛(カーソル74および直線目盛63)が設けられて、傾斜測定器が構成されている。そしてスクリュー把持部56の雌ねじ部56aが雄ねじ部20a2 に螺合する状態では、リフレクター4の左右方向の傾動量(垂直軸Ly回りの傾動量)がスライド部51のカーソル74の移動量としてあらわれるので、予めカーソル74を目盛63の零点63a位置に調整しておく(以下、零点調整という)ことにより、カーソル74の示す目盛表示からリフレクター4の左右方向の傾き具合を知ることができる。
【0018】スライダ50(スライド部51およびスクリュー把持部56)は、ナイロンやABS等の合成樹脂の一体成形体で、両者51,56をつなぐ薄肉ヒンジ55を揺動中心として相対揺動できる構造となっている。スライド部51の対向側壁53a,53b,53c間には、エイミングスクリュー雄ねじ部20a2 の外径よりわずかに大きい内径の円孔52が形成されており、円孔52の内径よりわずかに狭く形成されているスライド部51の開口側(下方)からエイミングスクリュー雄ねじ部20a2 をこの円孔52に導入できるようになっている。即ち、スライダ50を雄ねじ部20a2 に組付けるためのスペースをとるために、ガイド部材60の側縁部60cの突出端部側に切欠60dが形成されており、図7に示すように、この切欠60d位置において、スライダ50を雄ねじ部20a2 の上方から組付けることができる。
【0019】またスライド部51のガイド部材60側の側壁53aには、ガイド部材60の側縁部60cと上下方向に係合してスライダ50(スライド部51)を回り止めする断面コ字型係合部である上下一対の水平ガイド54,58が設けられている。このため、水平ガイド54,58が側縁部60cに係合した状態では、スライダ50(スライド部51)は雄ねじ部20a2 に遊合した状態のままガイド部材60に沿ってスライドできる。
【0020】一方、スクリュー把持部56は、スライド部51の切欠部51aにちょうど嵌まる形状に形成されるとともに、スクリュー把持部56における側壁53aの円孔52に対向する位置には雌ねじ部56aが形成されている。またスクリュー把持部56の下端には、スライド部51の側壁53aの下端に形成されている係合凹部53dに係合できる弾性フック57が形成されており、弾性フック57を係合凹部53dに係合させると、スクリュー把持部56が雄ねじ部20a2 を把持した状態に係止されて、スクリュー把持部56の雌ねじ部56aが雄ねじ部20a2 に螺合した状態に保持される。即ち、弾性フック57が係合凹部53dに係合してスクリュー把持部56が雄ねじ部20a2 を把持した状態(雌ねじ部56aと雄ねじ部20a2 が螺合した状態)で、かつ水平ガイド54,58がガイド部材60の側縁部60cに係合してスライド部51が回り止めされた状態では、エイミングスクリュー20の回動に連係して、スライダ50(スライド部51)がガイド部材60に沿ってエイミングスクリュー20の回動量に比例した量だけ前後にスライドする。
【0021】なお下側水平ガイド58は、上側水平ガイド54の巾および板厚に比べると巾狭かつ薄肉に形成された板ばね状の弾性係合片で、スライド部51の円孔52に雄ねじ部20a2 が遊合した状態において、上側水平ガイド54と下側水平ガイド(弾性係合片)58とはガイド部材60の側縁部60aを上下方向に挟持する。さらに、下側水平ガイド(弾性係合片)58の先端にはガイド部材60の側縁部60cに設けられている切欠62に係合できる膨出部58aが設けられており、この先端膨出部58aが切欠62に係合した位置において、ちょうどカーソル74が目盛零点63a位置となるように設定されている。このためこの先端膨出部58aを切欠62に係合させることで、スライダ50(スライド部51)をこの所定位置、即ち目盛零点位置に仮り止めすることができる。符号59は、スクリュー把持部56の下端前方に突出形成されたスクリュー把持部操作用のつまみである。
【0022】なお薄肉ヒンジ55には、スクリュー把持部56を上方に跳ね上げる方向に作用する初期応力が内在している。即ち、スライダ50(スライド部51およびスクリュー把持部56)を一体成形するときには、図6に示すように、薄肉ヒンジ55がまっすぐに延びてスクリュー把持部56を跳ね上げた形態で成形されるが、図8に示すように、弾性フック57が係合凹部53dに係合した状態では、折り曲げられた薄肉ヒンジ55に復元しようとする応力が内在しており、弾性フック57の係合凹部53dとの係合を外すと、薄肉ヒンジ55の復元力によりスクリュー把持部56は自然と薄肉ヒンジ55周りに揺動して、図4に示すように跳ね上がった状態となる。従って、つまみ59を指でつまむか、ドライバー等のエイミングスクリュー回動操作用治具を使って弾性フック57の係合凹部53dとの係合を外すことで、スクリュー把持部56と雄ねじ部20a2 の螺合状態を簡単に解除(スライド部51とエイミングスクリュー20間の連係を簡単に解除)することができる。
【0023】またエイミング調整および傾斜測定器(スライダ50)における目盛の零点調整は、次の様にして行う。図3,7に示すように、スクリュー把持部56が雄ねじ部20a2 に螺合し、かつ水平ガイド54,58がガイド部材60の側縁部60cと係合してスライド部51がガイド部材60に回り止めされて、スライド部51とエイミングスクリュー20が連係する状態から、まず図4に示すように、スクリュー把持部56を跳ね上げた状態にして、スライダ50(スライド部51)とスクリュー雄ねじ部20a2 との連係を解除する。次にスライダ50(スライド部51およびスクリュー把持部56)をガイド部材60に沿ってスライドさせて、下側水平ガイド(弾性係合片)58の先端膨出部58aを切欠62に係合させると、自ずとカーソル74が目盛零点63a位置となる。即ち目盛の零点調整ができる。
【0024】次にエイミングスクリュー20を回動操作することで、エイミング調整を行う。なおスライダ50(スライド部51)とエイミングスクリュー20とは連係していないため、エイミングスクリュー20を回動してもスライダ50(スライド部51)はほとんどその影響を受けず、しかも凹凸弾性係止手段である下側水平ガイド(弾性係合片)58の先端膨出部58aと切欠62との係合により、スライダ50(スライド部51)が目盛零点位置(カーソル74が零点63aを示す位置)に付勢保持されるので、目盛の零点調整状態を狂わすことなくエイミング調整を行うことができる。
【0025】そしてエイミング調整が終了した後、スクリュー把持部56を薄肉ヒンジ55回りに揺動させて、弾性フック57を係合凹部53dに係合させれば、スクリュー把持部56が雌ねじ部20a2 を把持する状態(雌ねじ部56aと雄ねじ部20a2 とが螺合する状態)となって、エイミングスクリュー20の回動とスライダ50(スライド部51)のスライド動作(摺動)とが連係する状態(ヘッドランプの照射角のずれを検出できる状態)となる。このスライダ50(スライド部51)とエイミングスクリュー20とが連係する状態においてエイミングスクリュー20を回動すれば、スライダ50(スライド部51)は凹凸弾性係止手段(上側水平ガイドである弾性係合片58の先端膨出部58aと切欠62との係合)による係合保持力に抗してスライドできるので、傾斜測定器は適正にヘッドランプの左右方向の照射角のずれを表示する。換言すれば、振動等に起因してリフレクター4が傾動する場合には、リフレクターの傾動に伴ってエイミングスクリュー20がスクリュー支持ナット21に対し回動し、このエイミングスクリュー20の回動に伴ってスクリュー把持部56がスクリュー雄ねじ部20a2 に沿って進退し、即ちスライダ50(スライド部51)がガイド部材60に沿ってリフレクター4の傾動量相当だけ正確にスライドして、これが目盛のずれ(カーソル74の示す目盛)となってあらわれる。
【0026】例えば、いまエイミングスクリュー20の前端側雄ねじ部20a1 が1条の左ねじで、後端側の雄ねじ部20a2 が1条又は2条の右ねじであって、運転者から見て光軸Lが左側に傾斜している場合には、エイミングスクリュー20が運転者から見て時計回りに回動してナット21が前進した状態となっており、このときの傾斜測定器(スライダ50)のカーソル74は、ガイド部材60上の目盛零点63aより”L”表示側にずれた目盛を指し示し、この目盛は光軸Lの左側への傾斜量に相当する。
【0027】またこのスライダ50をエイミングスクリュー20に組付けるには、図7に示すように、ガイド部材60の突出端側の切欠60d位置において、エイミングスクリュー雄ねじ部20a2 の上方からスライダ50(スライド部51)を組付ける(遊合させる)。即ち、スクリュー把持部56を跳ね上げた状態にしてスライダ50(スライド部51)の開口側を下に向け、エイミングスクリュー雄ねじ部20a2 を円孔52に導入し、円孔52を雄ねじ部20a2 に係合(遊合)させる。次に水平ガイド54,58間にガイド部材60の側縁部60cを位置合わせして、図7白抜矢印に示すように、スライダ50(スライド部51)をガイド部材60に沿って押込み、上下の水平ガイド54,58間に側縁部60cを係合させる。さらにスライダ50(スライド部51)をガイド部材60に沿ってスライドさせて、下側水平ガイドである弾性係合片58の先端膨出部58aをガイド部材60の切欠62に係合させると、スライダ50(スライド部51)は自ずと零点調整された位置に保持される。
【0028】図1及び図2において、符号70は、リフレクター4の上下方向の傾き、即ちヘッドランプの照射角の上下方向の傾きを測定する気泡管式傾斜測定器である。測定器70は、リフレクター4の上面壁に取着され、上方に開口する容器状のケーシング71と、ケーシング71に水平軸Lxに対し揺動可能に支持されている蓋体72と、この蓋体72に懸吊支持されてケーシング71内に収容されている直線気泡管74とから構成されている。符号76は気泡管74の零点調整用の調整ねじである。
【0029】またエイミングスクリュー20は、図9に拡大して示されるように、リフレクター4側のスクリュー支持ナット21が螺合できる雄ねじ部20a1 を形成した金属製のエイミングスクリュー本体210と、このエイミングスクリュー本体210の後端部に一体に形成された直交変換ギヤである冠状歯車23と、同じく後端部に一体化された合成樹脂製の延出部220とから構成され、延出部220には、スライダ50を組付ける雄ねじ部20a2 およびドライバー等の係合できる治具係合部25が形成されている。エイミングスクリュー本体210と冠状歯車23とを一体に形成する方法としては、例えばバーリング加工により金属の棒材から製造することができる。
【0030】またエイミングスクリュー本体210の後端部は、冠状歯車23の本体形成位置から矩形状ブロック状に突出し、この矩形状突出部211に、合成樹脂製の延出部220が一体化されている。即ち、冠状歯車23を一体に形成したエイミングスクリュー本体210と雄ねじ部20a2 の形成された延出部220とが、インサート成形により一体化された構造となっている。
【0031】なお符号212は、プッシュオンフィクス8を係止させるための溝、符号214は、ランプボディ2の貫通部に挿通されて支承されるストレート部である。図10は、本発明の第2の実施例を示し、一部を断面で示すエイミングスクリューの側面図である。この第2の実施例におけるエイミングスクリュー20Aは、金属製のエイミングスクリュー本体210の後端部に、薄板金属製の冠状歯車23Aが加締め固定されるとともに、雄ねじ部20a2 を形成した合成樹脂製の延出部220が一体化されている。即ち、冠状歯車23Aを加締め固定したエイミングスクリュー本体210と延出部220がインサート成形により一体化された構造となっている。符号215は、加締め部を示す。また冠状歯車23Aのディスク部には、周方向に複数個の開口部216が設けられて、延出部220側の樹脂材がディスク部の反対側まで入り込んで、エイミングスクリュー本体210と延出部220間の接合強度が高められている。
【0032】図11は、本発明の第3の実施例を示し、一部を断面で示すエイミングスクリューの側面図である。この第3の実施例におけるエイミングスクリュー20Bは、エイミングスクリュー本体210および延出部220が合成樹脂によって一体に形成され、冠状歯車23Aだけが金属によって形成されている。即ち、エイミングスクリュー本体210および延出部220を合成樹脂で一体成形する際に、冠状歯車23Aをインサート成形によりエイミングスクリュー本体210と延出部220間に一体化したものである。
【0033】図12は、本発明の第4の実施例を示し、一部を断面で示すエイミングスクリューの側面図である。この第4の実施例におけるエイミングスクリュー20Cは、エイミングスクリュー本体210,冠状歯車23および延出部220の全てが合成樹脂によって形成されており、合成樹脂の一体成形によって一体化されている。
【0034】なお前記した種々の実施例では、基準部材がランプボディで、傾動部材がリフレクターであるリフレクター可動型のヘッドランプについて本発明を説明したが、本発明は、基準部材がランプハウジングで、傾動部材がランプボディとリフレクターとが一体化されているランプボディ・リフレクターユニットであるユニット可動型のヘッドランプについても同様に適用できることは明らかである。
【0035】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る自動車用ヘッドランプにおけるエイミングスクリューによれば、エイミングスクリュー本体の後端部に一体に設けた合成樹脂製雄ねじ部に、傾動部材の左右方向の傾斜量を検出する傾斜測定器を配設できるので、従来のように傾斜測定器を灯室内であって、しかもエイミングスクリューと並設させて設ける必要がないので、傾斜量の読取りが容易で、しかもヘッドランプを小型化できる。またエイミングスクリュー本体に一体化する雄ねじ部は合成樹脂製であるため、ヘッドランプの総重量の増加につながるおそれもない。また基準部材の側方(上下左右方向)から基準部材に沿って差し入れたドライバーを使ってエイミングスクリューを回動操作できるので、従来のようにヘッドランプ後方に大きなスペースを設ける等の問題点が解消されるとともに、従来のように無理な姿勢を強いられることもないので、エイミング調整をスムーズに遂行できる。また特に請求項2〜3によれば、傾斜測定器を具備しない自動車用ヘッドランプに使用されるエイミングスクリュー本体の後端部に合成樹脂製雄ねじ部を一体化することで、傾斜測定器を具備した自動車用ヘッドランプに使用されるエイミングスクリューとしても利用することができる。




 

 


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