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発明の名称 自動車用ヘッドランプ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−148002
公開日 平成8年(1996)6月7日
出願番号 特願平6−285042
出願日 平成6年(1994)11月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】八木 秀人
発明者 芹澤 啓之 / 高塚 博幸
要約 目的
リフレクター14の上下の有効反射面間境界線17,18での反射によるグレア光がなく、鮮明なすれ違いビーム用のクリアカットラインCL1 ,CL2 の得られる自動車用ヘッドランプの提供。

構成
リフレクター14の放物面形状の有効反射面15を、すれ違いビームの所定パターンPa形成用の上側反射面15aと、このパターンPaを補う所定のパターンPbを形成する下側反射面15bとに画成し、すれ違いビームのクリアカットライン形成用の第1のシェード31を光源であるアークチューブ22に接近した位置に設けて、反射面15aでの反射によるグレア光を低減させることで、クリアカットラインを鮮明にするとともに、第1のシェード31(31L,31R)の外側に第2のシェード32(32L,32R)を設け、第1のシェード31を越えて反射面間境界線(段差部)17,18に向かう光を遮ることで、境界線17,18での反射によるグレア光をなくした。
特許請求の範囲
【請求項1】 放物面形状の反射面と、アークチューブ密閉ガラス球内の前後に対向する電極間の中心が前記反射面の焦点に略一致するように配置された放電バルブと、前記反射面の前方に設けられた配光制御用の前面レンズとを備え、前記反射面は、電極間中心から反射面側にわずかにずれた位置を焦点とする上側反射面と、電極間中心から前面レンズ側にわずかにずれた位置を焦点とする下側反射面とに画成されるとともに、前記アークチューブの左右の側方には、すれ違いビームのクリアカットラインの形成に寄与するとともに、アークチューブ密閉ガラス球から上下の反射面間境界線に向かう光を遮光する左右一対の帯状のシェードが設けられた自動車用ヘッドランプにおいて、前記シェードは、アークチューブ密閉ガラス球下部から出射して上側反射面に向かう光を遮光するべくアークチューブに接近した位置に設けられ、主としてクリアカットラインの形成に寄与する左右一対の第1のシェードと、前記第1のシェードの外側近傍に設けられ、アークチューブ密閉ガラス球から出射し第1のシェードによって遮光されずに上下の反射面間境界線に向かう光を遮光する左右一対の第2のシェードとから構成されたことを特徴とする自動車用ヘッドランプ。
【請求項2】 前記第2のシェードの上側縁部は、電極間中心と前記第1のシェードの上側縁部とを通る平面より上方に突出しない位置とされたことを特徴とする請求項1記載の自動車用ヘッドランプ。
【請求項3】 前記放電バルブのアークチューブはガラス製の紫外線遮蔽用グローブに包囲されており、前記第1のシェードは、この紫外線遮蔽用グローブに施された遮光塗装部によって構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の自動車用ヘッドランプ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放物面形状の有効反射面の焦点近傍に光源であるメタルハライド式放電バルブを配置した自動車用ヘッドランプに係わり、特に放電バルブの左右側方位置にすれ違いビームのクリアカットラインの形成に寄与するシェードが設けられたすれ違いビーム形成用の自動車用ヘッドランプに関する。
【0002】
【従来の技術】図23はこの種の従来技術であるヘッドランプ(特開平5−217403号)のリフレクターの正面図を示しており、放物面形状の有効反射面をもつリフレクター1のバルブ挿着孔2には、前後に延びるアークチューブ3aをもつ放電バルブ3が挿着され、アークチューブ3aの発光がリフレクター1の有効反射面で反射されて前方に導かれ、リフレクター1の前方に位置する前面レンズ(図示せず)の配光制御ステップによって拡散されて、前方に配光されるようになっている。リフレクター1の有効反射面は、所定のクリアカットラインをもつすれ違いビームの配光パターンを形成する上側反射面1aと、この上側反射面1aとわずかに形状を異にし、すれ違いビームの配光パターンの所定領域を照明する下側反射面1bとに画成されて、リフレクター1の有効反射面(1a,1b)略全体での反射光によって所定のすれ違いビームが形成されるようになっている。リフレクター1の有効反射面の上下方向略中央部には、上下の反射面1a,1bの形状がわずかに異なるために、左右に延びる境界線(段差部)4,4が形成されており、アークチューブ3の左右の側方には、すれ違いビームのクリアカットラインの形成に寄与するとともに、境界線4に向かう光を遮って境界線4での反射によるグレア光の発生を抑制するための前後に延びる帯状のシェード5が設けられている。なお図23における斜線部は、シェード5によって影となる領域を示す。
【0003】
【発明の解決しようとする課題】しかし従来のヘッドランプでは、シェード5がアークチューブ3から離れた位置に設けられているため、図23におけるアークチューブ周辺を拡大して示す図24に示すように、密閉ガラス球3aの電極間中心Oより下方の部位P1 から上向きに出射した光L1 がシェード5で遮られず、図25に示されるように反射面1aで反射してランプの光軸Lより上方に向かう有害なグレア光となるという問題があった。
【0004】そこで、発明者は、シェード5をアークチューブ3に接近させて設けることで、電極間中心Oより下方の部位から出射して上側有効反射面1aに向かう光を遮光し、反射面1aでの反射によるグレア光の発生をなくそうとした。しかし図26に示すように、アークチューブ3の電極間に生ずる光源であるアーク8は、上方凸に湾曲した形状となるため、シェード5を光源(アークチューブ)に接近させると反射面1aでの反射によるグレア光はなくなる(すれ違いビームのクリアカットラインが鮮明になる)ものの、図24に示すように、アークチューブ密閉ガラス球最上部P2 から出射する光L2 がシェード5の上側縁を越えてリフレクターの境界線4に至り、境界線4での反射によるグレア光L’2 の発生につながるおそれがあるという問題がある。
【0005】そこで発明者は、従来のシェードが、すれ違いビームのクリアカットラインを形成するという第1の機能と、グレア光の発生を防止するべく上下の反射面間境界線に向かう光を遮光するという第2の機能の2つの異なる機能をもつことに着目した。そして従来のシェードを、主として第1の機能をもつ第1のシェードと、主として第2の機能をもつ第2のシェードとに分け、第1のシェードをアークチューブに接近した位置に設ければ、上側有効反射面1aでの反射によるグレア光が低減して、鮮明なクリアカットラインが形成される。またこの第1のシェードを光源に接近させることで、第1のシェードを越えて上下の反射面間境界線に向かう光が増えるが、第1のシェードの外側に第2のシェードを設ければ、グレア光につながる上下の反射面間境界線に向かう光を確実に遮光できるという知見の下に本発明が創案された。
【0006】本発明は前記従来技術の問題点に鑑みなされたもので、その目的は、上下の反射面間境界線での反射によるグレア光がなく、鮮明なすれ違いビーム用のクリアカットラインの得られる自動車用ヘッドランプを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するために、請求項1に係わる自動車用ヘッドランプにおいては、放物面形状の反射面と、アークチューブ密閉ガラス球内の前後に対向する電極間の中心が前記反射面の焦点に略一致するように配置された放電バルブと、前記反射面の前方に設けられた配光制御用の前面レンズとを備え、前記反射面は、電極間中心から反射面側にわずかにずれた位置を焦点とする上側反射面と、電極間中心から前面レンズ側にわずかにずれた位置を焦点とする下側反射面とに画成されるとともに、前記アークチューブの左右の側方には、すれ違いビームのクリアカットラインの形成に寄与するとともに、アークチューブ密閉ガラス球から上下の反射面間境界線に向かう光を遮光する左右一対の帯状のシェードが設けられた自動車用ヘッドランプにおいて、前記シェードを、アークチューブ密閉ガラス球下部から出射して上側反射面に向かう光を遮光するべくアークチューブに接近した位置に設けられ、主としてクリアカットラインの形成に寄与する左右一対の第1のシェードと、前記第1のシェードの外側近傍に設けられ、アークチューブ密閉ガラス球から出射し第1のシェードによって遮光されずに上下の反射面間境界線に向かう光を遮光する左右一対の第2のシェードとから構成するようにしたものである。請求項2においては、請求項1記載の自動車用ヘッドランプにおいて、前記第2のシェードの上側縁部を、電極間中心と前記第1のシェードの上側縁部とを通る平面より上方に突出しない位置とするようにしたものである。請求項3においては、請求項1又は2記載の自動車用ヘッドランプにおいて、前記放電バルブのアークチューブはガラス製の紫外線遮蔽用グローブに包囲されており、前記第1のシェードは、この紫外線遮蔽用グローブに施された遮光塗装部によって構成するようにしたものである。
【0008】
【作用】第1のシェードは、アークチューブに接近した位置にあって、アークチューブ密閉ガラス球の電極間中心より下方の部位から上側反射面に向かう光を遮光し、これによって上側反射面での反射によるグレア光が発生せず、鮮明なクリアカットラインが形成される。第1のシェードがアークチューブに接近していることから、第1のシェード上側縁部を越えて上下の反射面間境界線に向かう光が増えるが、第2のシェードが第1のシェードの上側縁部を越えて上下の反射面間境界線に向かう光を遮光し、反射面間境界線での反射によるグレア光も発生しない。また第1のシェードおよび第2のシェードは、いずれもアークチューブ近傍に設けられているため、シェードはコンパクトな大きさで足りる。請求項2では、第2のシェードの上側縁部が電極間中心と第1のシェード上側縁部とによって形成される平面より下方に位置し、第1のシェードによるすれ違いビームのクリアカットラインの形成を妨げない。請求項3では、第1のシェードは、放電バルブの紫外線遮蔽用グローブに一体化されており、第1のシェードを取り付ける作業を省略できる。
【0009】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1〜図6は本発明の実施例である自動車用ヘッドランプを示すもので、図1は同ヘッドランプの正面図、図2は同ヘッドランプの縦断面図(図1に示す線II−IIに沿う断面図)、図3はシェードを取り付けたリフレクターの斜視図、図4はシェードの作用を説明する説明図、図5は同リフレクターの水平断面図(図1に示す線V−Vに沿う断面図)で、リフレクターの背面側から見た図、図6は同ヘッドランプのリフレクターによる配光パターンを示す図である。
【0010】符号10は容器状のランプボディで、ランプボディ10の前面開口部に前面レンズ12が組付けられて灯室Sが形成され、この灯室S内に光源である放電バルブ20を挿着したリフレクター14が収容され、リフレクター14は図示しないエイミング機構によって上下左右方向に傾動できる構造となっている。符号20aはリフレクター14の後頂部に設けられたバルブ挿着孔を示す。
【0011】放電バルブ20は、図5に示すように、絶縁性ベース21からアークチューブ22が前方に突出し、電極24,24(図2参照)の対設されたアークチューブの密閉ガラス球23内には始動用希ガス,水銀,金属ヨウ化物等が封止された構造で、電極24,24間のアーク放電により発光するようになっている。アークチューブ22の前後両端部には、アークチューブ22を包囲する紫外線遮蔽用グローブ25が溶着一体化されて、密閉ガラス球23から発光した光のうち人体に有害な波長域の紫外線がこのグローブ25を透過することで除去されるようになっている。グローブ25を一体化したアークチューブ22は、その後端部がベース21に挿着支持され、前端部がベース21から延出するリードサポート26に支持されることで、ベース21に一体化された構造となっている。そしてアークチューブ密閉ガラス球23はリフレクター14の有効反射面の略焦点に位置しており、アークチューブ23の発光は、リフレクター14の有効反射面で反射されて略平行な光に調整され、前面レンズ12の裏面に形成されている拡散ステップ12aによって左右所定方向に拡散されて前方に配光されるようになっている。
【0012】リフレクター14は、バルブ20からの光を前方に反射してヘッドランプの配光パターンの形成に寄与する放物面形状の有効反射面15の形成された背面壁と、円筒型の直射シェード27によって遮光されることでバルブ20からの光が導かれず、従ってヘッドランプの配光パターンの形成に寄与しない非有効反射面16a,16bの形成された上面壁及び下面壁とから構成されている。符号27aはシェード27の脚で、シェード27はリフレクター14の下面壁に固定されている。なお直射シェード27は、アルミニウムメッキの施された鉄板がベーキング処理されることで表面を黒色化された後、円筒型に成形されたものである。
【0013】有効反射面15は、図5に示すように、光源中心である電極間中心Oより光軸方向後方(リフレクター14側)にわずかにずれた位置を焦点Faとし、ランプの光軸Lと共通の光軸Laをもつ上側有効反射面15aと、電極間中心Oより光軸方向前方(前面レンズ12側)にわずかにずれた位置を焦点Fbとし、光軸Lに対し前方左側に9°傾斜した光軸Lbを持つ下側有効反射面15bとに画成されている。そして図2に示されるように、上側反射面15aで反射した光La1はランプの光軸Lよりわずかに下向きとなるように方向が制御されて、図6符号Paで示される所定のすれ違いビームの配光パターンの形成に寄与する。また下側反射面15bで反射した光La2 も光軸Lよりわずかに下向きで、さらに運転者から見て光軸Lに対し左方向に9°傾くように制御されて、図6符号Pbで示される配光パターンの形成に寄与し、走行車線の路肩寄りにすれ違いビームの配光パターンが拡大されて、走行車線の路肩の視認性が高められたものとなっている。なお前記した光軸La,Lbの左右方向への傾斜は9°として説明しているが、この傾斜は3°〜9°であればよいことが確認されている。
【0014】また上下の反射面15a,15bの形状が異なるために、反射面15には、バルブ挿着孔20aから左右方向に傾斜して延びる反射面間境界線(段差部)17,18が形成されている。そしてバルブ20の左右の側方位置には、アークチューブ密閉ガラス球23から出射する光の一部を遮ることで、鮮明なクリアカットラインをもつすれ違いビームを形成するとともに、グレア光につながる境界線17,18に向かう光を遮光するためのシェード30が設けられている。
【0015】即ち、シェード30は、アークチューブ22に接近した位置に設けられ、主としてすれ違いビームの配光パターンのクリアカットラインの形成に寄与する左右一対の第1のシェード31(31L,31R)と、この第1のシェード31の外側に設けられ、主として上下の反射面間境界線17,18に向かう光を遮光するべく作用する左右一対の第2のシェード32(32L,32R)とから構成されている。
【0016】第1のシェード31は、紫外線遮蔽用グローブ25の外側面に施されたアルミナ(Al2 3 )又はシリカ(SiO2 )を含有した遮光塗装によって構成されており、リフレクターを正面視して右側の第1のシェード31Rの上側縁は、図4に示されるように、電極間中心Oと水平な位置にあって、アークチューブ密閉ガラス球23の電極間中心Oより下の部位から出射して上側有効反射面15aに向かう光L3 1 を確実に遮光するので、反射面15aでのグレア光の発生がなく、これによって鮮明な水平クリアカットラインCL1 が対向車線側に形成される。また第1のシェード31Rの下側縁は、アークチューブ密閉ガラス球23の下端部P3 から出射して反射面間境界線17に向かう光L3 1 を遮光できる位置まで延びており、アークチューブ密閉ガラス球23の下部から出射した光が境界線17で反射してグレア光となることは全くない。
【0017】一方、リフレクター14を正面視して左側の第1のシェード31Lの上側縁は、図4に示されるように、電極間中心Oに対し下方向に15度傾斜した位置にあって、密閉ガラス球23の下端部近くの部位から出射して上側有効反射面15aに向かう光(反射面15aでの反射後、クリアカットラインCL2 より大きく上方に向かうためグレア光となるおそれのある光)L3 2 を遮光し、これによってグレア光量の低減された斜め15度クリアカットラインCL2 が走行車線側に形成される。なおシェード31Lの上側縁部は、シェード31Rの上側縁部の位置に比べて低い位置に設けられているため、電極間中心Oより低い部位から上向きに出射した光全てを遮光することはできないが、電極間中心Oに近い部位から上向きに出射した光は有効反射面15aで反射後、クリアカットラインCL2 近傍に向かう無害な光(グレア光とならない光)となるので問題はない。また第1のシェード31Lもしくは第2のシェード32Lの下側縁は、アークチューブ密閉ガラス球23の下端部P3 から出射して反射面間境界線18に向かう光L3 2 を遮光できる位置まで延びており、密閉ガラス球23の下部から出射した光が境界線18で反射してグレア光となることは全くない。
【0018】また第2のシェード32R,32Lは、直射シェード27と同一素材からなる帯状の金属板によって構成されており、ねじ28によって基端部がバルブ挿着孔20a周縁位置に固定されて、第1のシェード31R,31Lと平行に延出している。この第2のシェード32R,32Lの上側縁は、アークチューブ密閉ガラス球23の上端部P4 から出射し、第1のシェード31R,31Lを越えて上下の反射面間境界線17,18に向かう光L4 1 ,L4 2 をそれぞれ確実に遮光できる位置に設けられている。なお第2のシェード32R(32L)の上側縁部は、電極間中心Oと第1のシェード31R(31L)の上側縁部を通る平面と面一か又はこの平面より下方に位置し、第2のシェード32R(32L)が第1のシェード31R(31L)による鮮明なクリアカットラインCL1 (CL2 )の形成を妨げるものではない。
【0019】図7〜図10は本発明の第2の実施例である自動車用ヘッドランプを示し、図7は同ヘッドランプの正面図、図8はシェードを取り付けたリフレクターの斜視図、図9は同ヘッドランプの水平断面図(図7に示す線IX−IXに沿う断面図)で、リフレクターの背面側から見た図、図10は同ヘッドランプのリフレクターによる配光パターンを示す図である。
【0020】この第2の実施例では、紫外線遮蔽用グローブ25の基端部寄り外周面に、第1のシェード31(31R,31L)から連続する黒色遮光塗装部からなる第3のシェード33が設けられており、有効反射面として機能しないバルブ挿着孔20a周辺領域に向かう光がこの第3のシェード33で遮光され、これによってバルブ挿着孔20a周辺領域での反射によるグレア光の発生のおそれがない構造となっている。またアークチューブ22のピンチシール部から出射する光は予測できない方向に出射してグレア光となるおそれがあるが、この第3のシェード33はアークチューブ22の後端側ピンチシール部から出射する光を遮光する上でも有効である。
【0021】また第2のシェード32(32R,32L)は、円筒型直射シェード27に一体に形成されており、それだけシェードの構造が簡潔となっている。またリフレクター14の下側有効反射面が左右に分割され、右側(リフレクターを正面視した右側)反射面15cの光軸Lcが運転者から見て左側に、左側(リフレクターを正面視した左側)反射面15dの光軸Ldが運転者から見て右側にそれぞれ所定角度だけ傾斜した構造で、図10に示されるように、走行車線の路肩側に拡がった配光パターンが得られるようになっている。即ち、右側反射面15cでの配光パターンPcが走行車線の路肩付近を照明するとともに、左側反射面15dでの配光パターンPdが対向車線の右寄りを照明するので、走行車線の路肩付近および対向車線の視認性が高められたものとなっている。なお符号17a,18aは、上側反射面15aと下側反射面15b,15c間の境界線(段差)を示す。図9符号Fc(Fd)は、反射面15c(15d)の焦点を示す。
【0022】その他は前記第1の実施例と同様であり、同一の符号を付すことによりその説明は省略する。図11〜図13は本発明の第3の実施例である自動車用ヘッドランプを示し、図11は同ヘッドランプの正面図、図12は同ヘッドランプの水平断面図(図11に示す線XII −XII に沿う断面図)で、リフレクターの背面側から見た図、図13は同ヘッドランプのリフレクターの配光パターンを示す図である。
【0023】この第3の実施例では、リフレクター14の下側有効反射面が左右に分割されている点は前記第2の実施例と同様であるが、前記第2の実施例では、右側の反射面15cの光軸Lcが運転者から見て左側に、左側の反射面15dの光軸Ldが右側にそれぞれ傾斜した構造となっていたのに対し、本実施例では、右側の反射面15eの光軸Leが運転者からみて右側に、左側の反射面15fの光軸Lfが運転者から見て左側にそれぞれ所定角度傾斜した構造で、図13に示されるように、走行車線及び対向車線の路肩方向に拡がった配光パターンが得られるようになっている。
【0024】即ち、右側反射面15eのつくる配光パターンPeが対向車線の路肩付近を照明するとともに、左側反射面15fでの配光パターンが走行車線の路肩付近を照明するので、走行車線の路肩のみならず対向車線の路肩の視認性も高められたものとなっている。なお符号17b(18b)は、反射面15aと反射面15e(15f)間の境界線(段差)を示す。図12符号Fe(Ff)は、反射面15e(15f)の焦点を示す。
【0025】その他は前記第1および第2の実施例と同様であり、同一の符号を付すことによりその説明は省略する。図14〜図16は、前記した実施例以外の第4〜第6の実施例を示している。図14では、第1の実施例に示すシェード構造に加えて、紫外線遮蔽用グローブ25の基端部寄り外周面に、グレア光につながる光を出射するおそれのあるアークチューブ22の後端側ピンチシール部からの出射光や有効反射面として機能しないバルブ挿着孔20a周辺領域に向かう光を遮光するための遮光塗装からなる第3のシェード33が第1のシェード31から連続して設けられている点に特徴がある。
【0026】図15では、バルブ挿着孔20aの周縁部にねじ固定されてアークチューブ22に沿って配設された第1のシェード31(31R,31L)の外側に、直射シェード27に一体に形成された第2のシェード32(32R,32L)が配置された構造となっている。図16では、直射シェード27の口径がアークチューブ22の外径よりわずかに大きく形成されるとともに、第1のシェード31(31R,31L)が直射シェード27に一体に形成され、この第1のシェード31(31R,31L)の外側に、直射シェード27と同一素材からなる金属板からなる第2のシェード32(32R,32L)がバルブ挿着孔20aの周縁部にねじ固定されて配設された構造となっている。
【0027】図17および図18は本発明の第7の実施例を示し、図17はシェードを取り付けたリフレクターの斜視図、図18は同リフレクターの水平断面図で、リフレクターの正面側から見た図である。この第7の実施例では、第1のシェード31(31L,32R)と第2のシェード(32R,32L)が一体に形成されており、ねじ28によってバルブ挿着孔20aの周縁部に固定されている。シェードは、例えば合成樹脂の成形や金属板の成形や溶接等によって製造でき、第1のシェード31と第2のシェード32とが一体に構成されていることから、シェードの構造が非常に簡潔な上に、リフレクター14への取り付けも容易である。
【0028】図19および図20は本発明の第8の実施例を示すもので、図19はシェードを取り付けたリフレクターの斜視図、図18は同リフレクターの水平断面図で、リフレクターの正面側から見た図である。この実施例では、アークチューブ22の後端側ピンチシール部からの出射光やバルブ挿着孔20a周辺領域に向かう光を遮光する第3のシェード33を、直射シェード27と同一素材からなる円筒遮光部材によって構成するとともに、第1のシェード31,第2のシェード32および第3のシェード33を一体化した構造となっている。
【0029】その他は前記第1の実施例と同一であり、同一の符号を付すことによりその説明は省略する。図21および図22は本発明の第8の実施例を示し、図21はシェードを取り付けたリフレクターの斜視図、図22は同リフレクターの水平断面図で、リフレクターの正面側から見た図である。
【0030】この第8の実施例では、第1のシェード31(31R,31L)および第2のシェード32(32R,32L)が直射シェード27に一体化された構造で、部品点数が非常に少なくて済むという特徴がある。その他は前記第1の実施例と同一であり、同一の符号を付すことによりその説明は省略する。
【0031】なお前記第1〜第8の実施例では、有効反射面の形成されたリフレクターがランプボディ内に収容された構造のヘッドランプについて説明したが、ランプボディの内周面に有効反射面が一体に形成された構造のヘッドランプについても同様に適用することができる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明に係る自動車用ヘッドランプによれば、第1のシェードがアークチューブに接近しているため、アークチューブ密閉ガラス球の電極間中心より下方の部位から上側反射面に向かう光がこの第1のシェードによって遮光されて、上側有効反射面での反射によるグレア光の発生がなく、鮮明なクリアカットラインをもつすれ違いビームが形成される。また第1のシェードの上側縁部を越えて上下の反射面間境界線に向かう光は、第1のシェードの外側に設けられた第2のシェードによって確実に遮光されるので、反射面間境界線での反射によるグレア光の発生もなく、対向車側からの視認性も損なわれることがない。また第1のシェードおよび第2のシェードは、いずれもアークチューブ近傍に設けられているため、シェードはコンパクトな大きさで足りる。請求項2では、アークチューブから上下の反射面間境界線に向かう光を遮光する第2のシェードは、第1のシェードによるすれ違いビームのクリアカットラインの形成を妨げないので、すれ違いビームのクリアカットラインを鮮明にすることができる。請求項3では、第1のシェードが放電バルブの紫外線遮蔽用グローブに一体に設けられているため、それだけ部品点数が少なくてすみ、しかも放電バルブをバルブ挿着孔に挿着すれば、第1のシェードが自ずと所定位置に配置されることになるので、シェードの取り付けも簡単となる。




 

 


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