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発明の名称 車輌用灯具の反射鏡及びその形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−129904
公開日 平成8年(1996)5月21日
出願番号 特願平6−287168
出願日 平成6年(1994)10月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小松 祐治
発明者 前田 正弘
要約 目的
車体形状に適合した基本面に対して多重ループ状の反射ステップ面を多数形成するにあたって面加工上の困難性を克服する。

構成
反射面の形成にあたって、先ず、車体形状に適合するように反射面の基本面1を自由曲面として用意した後、焦点距離を異にする多数の回転放物面からなる回転放物面群2を設定して、基本面1と回転放物面群2との交線である閉曲線群3、3、・・・を決定し、閉曲線群に沿って隣接する閉曲線の間に回転放物面をそれぞれ部分的に割り付けることで多数の反射ステップ5、5、・・・を、反射鏡の主光軸と反射面との交点からずれたところを中心としてループ状に形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 反射面の基本面が車体形状に適合するように自由曲面として定義され、焦点距離を異にする多数の回転放物面からなる回転放物面群と基本面との交線として得られる閉曲線群に沿って隣接する閉曲線の間にそれぞれの回転放物面を部分的に割り付けることで多数の反射ステップが形成された反射面を有する車輌用灯具の反射鏡であって、反射鏡の主光軸からずれたところを中心とした多重ループ状の反射ステップによって反射面が形成されていることを特徴とする車輌用灯具の反射鏡。
【請求項2】 請求項1に記載した車輌用灯具の反射鏡の形成方法であって、(1)車体形状に適合するように反射面の基本面を自由曲面として用意した後、(2)焦点距離を異にする多数の回転放物面からなる回転放物面群を設定し、(3)基本面と回転放物面群との交線である閉曲線群を決定し、(4)閉曲線群に沿って隣接する閉曲線の間に回転放物面をそれぞれ部分的に割り付けることで、多数の反射ステップを、反射鏡の主光軸からずれたところを中心としてループ状に形成する、ようにしたことを特徴とする車輌用灯具の反射鏡の形成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車輌用灯具の反射鏡に関し、車体形状に適合した基本面に対して多重ループ状の反射ステップ面を多数形成するにあたって面加工上の困難性を克服することができる新規な車輌用灯具の反射鏡及びその形成方法を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】近時、自動車のスタイリングに関して空力学特性やデザイン上の要請から車体形状に丸みが付けられたり流線形状に近づけるための形状設計が行われるようになり、灯具の形状を車体の外形線に合うように湾曲させたり、あるいは上下方向の傾斜をつけて設計する必要性(所謂スラント化)が生じる傾向にある。
【0003】図17は車輌用灯具の構成例aを略線的に示したものであり、反射鏡bとこれを覆うアウターレンズc、そしてこれらによって画成される灯具空間内に配置される光源dとからなっている。
【0004】eは車体のフロントノーズの一部を示しており、アウターレンズcはフロントノーズの湾曲に適合する曲率をもって形成されている。
【0005】軸f−fは前後方向に延びる光源dの軸である。
【0006】反射鏡bは、その反射面が車体形状の影響を受けることになるため、もはや単一の回転放物面を固持する訳には行かなくなり、図示するように軸f−fを含む鉛直面に関して非対称性を有する形状とされる。
【0007】また、アウターレンズcのスラント化に伴いこれまでアウターレンズcに課せられてきた配光制御機能を反射鏡b側に転嫁する必要が生じるため、複数の回転放物面の組み合わせ、あるいは微小な反射面の集合体として形成される所謂多重反射面として反射面を構成する等の改良策が講じられている。
【0008】本願出願人は特開平5−182505号において反射鏡の光軸回りに形成される多数の反射ステップにより反射面が構成された車輌用灯具の反射鏡を提案した。この反射鏡においては、反射面の基本面を自由曲面として作成し、基本面に対し反射ステップを割り付けるに際して、反射ステップ上の反射点での微小反射面における接線ベクトルが、当該反射点における微小反射面の法線ベクトルと、反射点における基本面の接平面の法線ベクトルとの外積に一致するようにステップ面を形成している。
【0009】尚、このような反射鏡の金型の作成にあたっては、先ず、車体形状に適合するように反射面の基本面を自由曲面として作った後、基本面上に基準線を設定し、それから基準線に複数の反射点を指定する。そして、光源から反射点に向かう入射光が当該点で反射した後に光軸に対して平行光線となるように、反射の法則に従って当該点での微小反射面を求めるとともに、反射点における微小反射面の法線ベクトルと、反射点における基本面の法線ベクトルとの外積として計算されるベクトルを、反射ステップの形成の向きを定める方向ベクトルとして採用して、光軸回りの複数の反射点における該方向ベクトルを接線ベクトルとするスプライン近似によって閉曲線を生成し、各反射点での微小反射面に対応した斜面をもつV字溝を閉曲線に沿って金型材上に形成する。
【0010】図16はこのような方法を応用して上記反射鏡bの反射面にステップ面を形成した例を示すものであり、光源dの軸f−f回りに形成される多重の閉曲線g、g、・・・を基準線として反射ステップがループ状に形成される。つまり、隣接する閉曲線同士は決して交わることがないように配置され、軸f−fは閉曲線群の中心部を通っている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、光源の軸(つまり、反射鏡の主光軸)が閉曲線群の中心部を常に通るという設定の下に閉曲線を光源軸の回りに波状に形成してこれに沿って反射ステップを割り付けていったのでは、反射鏡のある部分について金型を作ることができなくなり、その部分を有効な反射面として利用することができなくなってしまうという問題がある。
【0012】図18はその様子を概念的に示すものであり、上段の図が反射面の基礎となる面hの正面図を示し、その上に閉曲線i、i、・・・が設定されている。尚、「×」印は閉曲線群の中心部において光源の軸f−fが面hと交わる点の位置を示している。
【0013】下段の図は、側方からみた断面図であり、面hは説明の便宜上右上りに傾斜した平面とされている。
【0014】j1、j2に示す放物線は軸f−fを回転軸にもつ回転放物面群を構成する回転放物面をそれぞれ示すものである。上記の閉曲線群は、回転放物面群と面hと交線として形成される。
【0015】ところで、反射面の基礎となる面hは一般には自由曲面として任意に設定されるので、光源の軸f−fに一致する回転軸をもつ回転放物面群を用いたのでは、例えば、j1に示す回転放物面と面hとの間の部分(図に右下がりの斜線を付して示す。)とj2に示す回転放物面と面hとの間の部分(図に左下がりの斜線を付して示す。)との間で面加工が不能の場所(両部分の境界が閉曲線として現れない。)が生じることになる。また、この場所を無理に加工すると加工部分と面hとの関係が無くなってしまうことになる。
【0016】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明車輌用灯具の反射鏡は上記した課題を解決するために、反射面の基本面が車体形状に適合するように自由曲面として定義され、焦点距離を異にする多数の回転放物面からなる回転放物面群と基本面との交線として得られる閉曲線群に沿って隣接する閉曲線の間にそれぞれの回転放物面を部分的に割り付けることで多数の反射ステップが形成された反射面を有する車輌用灯具の反射鏡であって、反射鏡の主光軸からずれたところを中心とした多重ループ状の反射ステップによって反射面が形成されたものである。
【0017】また、本発明車輌用灯具の反射鏡の形成方法は、上記の反射鏡を以下の(1)乃至(4)の手順をもって形成するものである。
(1)車体形状に適合するように反射面の基本面を自由曲面として用意する。
(2)焦点距離を異にする多数の回転放物面からなる回転放物面群を設定する。
(3)基本面と回転放物面群との交線である閉曲線群を決定する。
(4)閉曲線群に沿って隣接する閉曲線の間に回転放物面をそれぞれ部分的に割り付けることで、多数の反射ステップを、反射鏡の主光軸からずれたところを中心としてループ状に形成する。
【0018】
【作用】本発明によれば、反射鏡の主光軸と反射面との交点を閉曲線群の中心部に位置させることなく、閉曲線群の中心部を主光軸と反射面との交点に対して位置的にずれたところに設定することにより、隣接する閉曲線間に割り付けられるステップ面の繋がりを保証して反射ステップの面加工が不能となる部分が生じないようにすることができる。
【0019】
【実施例】以下に、本発明車輌用灯具の反射鏡を図示した実施例に従って説明する。
【0020】反射鏡の形状について説明する前に、反射面の形成方法について図1乃至図5に従って説明する。
【0021】先ず、図1に示すように、反射面の基本形状を定義する曲面1を設定する。曲面1は、解析的な数式で表現することができない自由曲面によって車体形状に適合する形状としてCAD上で作成される。
【0022】次に、図2に示すように、反射面の性能を規定する曲面群2を用意する。この曲面群2は、共通の回転対称軸を有しかつ焦点距離を異にする多数の回転放物面2a、2a、・・・からなっている。尚、回転放物面2a、2a、・・・はどれも空間的に交わることがないように選ばれている。また、回転放物面2a、2a、・・・の各焦点位置は一致するとは限らない(例えば、各焦点が回転対称軸上のある範囲内に位置していても良い)。
【0023】そして、図3に示すように、上記の曲面1と曲面群2との交線3、3、・・・を決定する。これらの交線3、3、・・・は閉曲線又はその一部を構成しており、曲面上で互いに交差することはない。また、交線3、3、・・・からなる閉曲線群の中心部は曲面1が回転対称軸を有する場合には該回転対称軸と曲面との交点に位置することになるが、曲面が回転対称性を有しない場合には、回転放物面群を構成する一の回転放物面と曲面1とが接する点の位置によって決定されるため、反射面に設定される主光軸と曲面との交点が閉曲線群の中心部に位置するとは限らない。即ち、図5に示すように、回転放物面を示す放物線par1と曲面1を示す曲線c1とが点Pで接している場合には、接点Pを通って回転放物面の回転軸Lに平行に延びる軸Aと回転軸Lとは一致しない。
【0024】交線3、3、・・・が決定されると、これらに従って反射ステップを形成する。即ち、図4に示すように、隣接する交線の間に回転放物面群を部分的に埋めこんでいくことによってステップ面5、5、・・・を形成する。図6は上段に曲面1の正面図を配置し、下段に正面図のB−B線に沿って切断した場合の断面形状の概略図を配置したものである。曲面1上の交線は閉曲線群の中心部4に近いものから順に3a、3b、3c、・・・とされ、これらはステップの境界線として現れている。図に破線で示す線は回転放物面群2を示しており、ステップ5aは交線3aによって区分される内部領域に形成され、ステップ5bは交線3aと3bとの間の内部領域に形成され、ステップ5cは交線3bと3cとの間の内部領域に形成されるという具合にステップの形状が規定される。つまり、個々のステップ面は焦点距離を異にする回転放物面の一部をなすように形成され、断面で見て階段状に形成されることになる。
【0025】尚、これらのステップは回転放物面群の一部をなしていることから明らかなように共通の焦点位置に点光源を配置したとき各ステップによる反射光が反射面の主光軸L(つまり、回転放物面群の回転対称軸)に対して平行な光線となるが、図7(a)に光線6、7で示すように、ステップ毎に反射光線の狙い方向を変化させる(例えば、周辺部に行くにつれて水平方向に大きく光を拡散させる。)ことも可能である。その際、曲面の曲率に応じて交線3、3、・・・の曲率が変化し、例えば、図7(b)に示すように、交線3、3、・・・の膨らみが矢印Gに示すように大きくなったり、図7(c)に示すように、交線3、3、・・・の膨らみが矢印Sに示すように小さくなる。
【0026】また、図6では、ステップ5aの右側に位置するステップと左側に位置するステップとでは傾斜方向が逆方向に形成されている(つまり、閉曲線の中心部寄りに傾斜して逆ハの字状になっている。)が、図8に示すように、ステップ5aの右側に位置するステップ5brの傾斜方向とステップ5aの左側に位置するステップ5blの傾斜方向とが同じ方向になるように形成される場合が生じる。例えば、図9に示すように、線Par1で示す回転放物面と曲面1との交点をP1、P2とし、線Par2で示す回転放物面と曲面1との交点をP3、P4とした時、点P1と点P2とを通る閉曲線lP1と点P3と点P4とを通る閉曲線lP2との間に割り付けられるステップはこれを点P1乃至点P4及びz軸(図9の上方に延びている。)を含む面で切断したときの断面において傾斜方向が同じ方向となる。よって、図10に概念的に示すように、一のステップにおいて、ある部分では凹部となり、別の部分では凸部となっており、凹部と凸部とが互いに連続的に移行するような形状が形成される場合がある。尚、このような形状はボールエンドミルによる曲面加工によって実現することができる。
【0027】以上のようにして多重の閉曲線群に沿って形成される反射ステップを有する反射面及び該反射面をもつ反射鏡がCADを用いて作成されると、これに基づいて反射鏡の金型を作成するためにCAMデータを得ることができる。
【0028】図11乃至図13は上記の方法で作成される反射面の形状的特徴を示すものであり、曲面上の閉曲線群の配置を示したものである。尚、これらの図において設定される直交座標系X−Y−ZではX軸が主光軸、Y軸が水平軸、Z軸が鉛直軸に選ばれている。
【0029】図11に示す正面図において、主光軸と曲面との交点(「×」印で示す。)は閉曲線群の中心部に位置しておらず、その左斜め下方にややずれたところに位置している。そして、閉曲線群はそのピッチが中心部の右側において比較的大きく、中心部の左側において小さくなっている。即ち、閉曲線群の中心部から右側にいくにつれて隣接する閉曲線間のピッチが次第に大きくなり、閉曲線群の中心部の左側では隣接する閉曲線間のピッチが中心部寄りの範囲(図にCで示す。)で小さく、その外側の範囲(図にDで示す。)でやや大きくなるという傾向を有している。これは、基礎となる曲面の曲率変化が閉曲線群の中心部の左側部分に比べて右側部分の方が大きいこと、また、範囲Cと範囲Dとの間に多少の曲率変化がみられることに拠っている。
【0030】図14は本発明に係る反射面を図16の反射面と対比するために閉曲線群の配置を特徴的に例示したものであり、閉曲線の非対称性、閉曲線群の中心部の位置や閉曲線の形成ピッチに顕著な相違が見られる。
【0031】図15は閉曲線群の中心部が主光軸と曲面との交点の位置からずれたところに位置する様子を概念的に示すものであり、上段の図が反射面の基礎となる面1の正面図を示し、その上に閉曲線3、3、・・・が設定されている。尚、「×」印は閉曲線群の中心部において主光軸Lが面1と交わる点の位置である。下段の図は、側方から見た断面図であり、面1は説明の便宜上右上りに傾斜した平面とされている。
【0032】j1、j2に示す放物線は軸Lを回転軸にもつ回転放物面群を構成する回転放物面の代表をそれぞれ示すものである。上記の閉曲線群は、回転放物面群と面と交線として形成される。
【0033】j1に示す回転放物面と面1との間の部分(図に右下がりの斜線を付して示す。)とj2に示す回転放物面と面1との間の部分(図に左下がりの斜線を付して示す。)との間に閉曲線が境界線として現れ、隣接するステップ面が面1の形状を反映しながら繋がることになる。
【0034】しかして、以上のような反射面を有する反射鏡にあっては、反射ステップの形成方向を規定する閉曲線群の中心部を反射鏡の主光軸(つまり、光源の発光中心を通って前後方向に延びる軸)から外れた位置に設定するという新たな設計自由度を獲得することによって、回転放物面群と反射面の基礎となる曲面との交線として得られる閉曲線群のうち隣接する閉曲線の間に反射ステップを形成するにあたって、ステップ面同士の繋がりに支障を来さないようして面加工を可能にすることができる。そして、その際、反射面の基礎となる曲面の形状が反射ステップの形状にそのまま反映され、ステップ面の加工時に恣意的な形状補正を必要としない。
【0035】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなように、本発明車輌用灯具の反射鏡及びその形成方法によれば、車体形状に適合するように反射面の基本面を自由曲面として用意した後、焦点距離を異にする多数の回転放物面からなる回転放物面群を設定して基本面と回転放物面群との交線である閉曲線群を決定し、閉曲線群に沿って隣接する閉曲線の間に回転放物面をそれぞれ部分的に割り付けることで、多数の反射ステップを、反射鏡の主光軸と反射面との交点からずれたところを中心としてループ状に形成することによって、反射鏡の主光軸の回りに反射ステップをループ状に形成するという制約がなくなり、閉曲線群の中心部の主光軸に対する位置関係の設定によりステップ面の繋がりを保証して反射ステップの面加工が不能となる部分が生じないようにすることができる。




 

 


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