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発明の名称 ウレタン変性エポキシ樹脂
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−143639
公開日 平成8年(1996)6月4日
出願番号 特願平7−206791
出願日 平成7年(1995)7月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】本多 一郎
発明者 小倉 誠 / 秋本 耕司 / 瓜原 一弘
要約 目的


構成
分子内に平均2個以上のエポキシ基と平均0.1個以上の水酸基を有するエポキシ樹脂と、P-OH結合を少なくとも1個有するリン化合物の酸、その塩またはそのエステルをエポキシ樹脂中のエポキシ基1等量に対してリン化合物の水酸基が0.05当量以上0.8当量以下となる割合で反応せしめて得られる予備縮合物[A] 100重量部に対して、ヒドロキシ化合物と有機ポリイソシアネート化合物より得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー [B] を、[A]が含有する水酸基の当量数の方が[B]の含有するイソシアネート基の当量数よりも多くなるような配合で、5から60重量部の割合で反応せしめて得られるウレタン変性エポキシ樹脂、およびこれと活性有機硬化剤とを含む接着剤用樹脂組成物でる。
特許請求の範囲
【請求項1】 分子内に平均2個以上のエポキシ基と平均0.1個以上の水酸基を有するエポキシ樹脂と、P−OH結合を少なくとも1個有するリン化合物の酸、その塩またはそのエステルをエポキシ樹脂中のエポキシ基1等量に対してリン化合物の水酸基が0.02当量以上0.8当量以下となる割合で反応せしめて得られる予備縮合物 [A] 100重量部に対して、ヒドロキシ化合物と有機ポリイソシアネート化合物より得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー [B] を、該予備縮合物[A]が含有する水酸基の当量数の方が該ウレタンプレポリマー[B]の含有するイソシアネート基の当量数よりも多くなるような配合で、5から60重量部の割合で反応せしめて得られるウレタン変性エポキシ樹脂。
【請求項2】 請求項1記載のウレタン変性エポキシ樹脂と活性有機硬化剤とを含む接着剤用樹脂組成物。
【請求項3】 分子内に平均2個以上のエポキシ基と平均0.1個以上の水酸基を有するエポキシ樹脂に対して、ヒドロキシル化合物と有機ポリイソシアネートより得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー[B]を、該エポキシ樹脂が含有する水酸基の当量数の方が該ウレタンプレポリマー[B]の含有するイソシアネート基の当量数よりも多くなるような配合で、5から60重量部の割合で反応せしめて得られるウレタン変性エポキシ樹脂[D]を得、これにさらにP−OH結合を少なくとも1個有するリン化合物の酸、その塩またはそのエステルをエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対してリン化合物の水酸基が0.02当量以上0.6当量以下となる割合で反応せしめて得られるウレタン変性エポキシ樹脂。
【請求項4】 請求項3記載のウレタン変性エポキシ樹脂と活性有機硬化剤とを含む接着剤用樹脂組成物。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はウレタン変性エポキシ樹脂、並びに耐水性、耐薬品性および接着性に優れた接着剤用樹脂組成物に関し、詳細には、鉄および非鉄金属、とりわけアルミニウム、亜鉛、銅等の遷移金属に対して、剪断強度および剥離強度等の接着強度において優れた硬化物を与える接着剤用樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂系接着剤は、一般に金属、ガラス、コンクリート、石材等の被着材に対して、優れた接着性を示すことはよく知られているが、近年、エポキシ樹脂系接着剤の用途拡大につれ、剥離、剪断、耐熱接着性、耐水接着性、クリープ性、耐久性等について、極めて高い接着性能が要求されている。
【0003】一般的なエポキシ樹脂は、比較的高い剪断強度を有するが、例えば、構造接着等で要求される高剥離強度や可撓性を満足するには至らない。よって、これらの点を高性能化させるために、エポキシ樹脂に対して熱可塑性樹脂を化学的反応で結合させるか、あるいはブレンドまたはアロイ化する手法がとられている。
【0004】例えば、特開昭61−228015号公報では、ポリヒドロキシル化合物とポリイソシアネート化合物とから得られるウレタンプレポリマーをエポキシ樹脂に反応せしめて得られるウレタン変性エポキシ樹脂が開示されている。
【0005】また、特開昭62−53527号公報では、高分子量および低分子量ポリヒドロキシル化合物とポリイソシアネート化合物からなるウレタンプレポリマーにエポキシ基とヒドロキシル基とを含有する化合物を反応させて得られるウレタン変性エポキシ樹脂が開示されている。
【0006】さらにまた、特開昭58−63758号公報では、エポキシ樹脂にリン酸またはリン酸塩もしくはリン酸エステルとの縮合物が開示されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】上述のウレタン変成エポキシ樹脂の中には、適度な可撓性を有し、一般的な鋼板に対しては優れた接着性を示すものもあるが、非鉄金属に対してはいずれも十分な接着性を発揮し得なかった。また、含リンエポキシ樹脂は亜鉛メッキ鋼板、アルミニウム、ステンレス等の非鉄金属に対して優れた付着性を示すが、接着剤として要求される剪断強度および剥離強度は著しく低かった。
【0008】そこで本発明の目的は上記問題点を解消し、非鉄金属に対して優れた剪断強度および剥離強度を発現し得る接着剤用エポキシ樹脂組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定エポキシ樹脂に特定リン化合物の酸、その塩またはそのエステルを反応せしめて得られる縮合物に、特定ウレタンプレポリマーを反応せしめて得られるウレタン変性エポキシ樹脂が、これを活性有機硬化剤とともに樹脂組成物を構成することにより、非鉄金属に対しても接着剤として優れた効果を奏することを見出した。
【0010】また、本発明者らは、エポキシ樹脂に上記特定のウレタンプレポリマーを反応させた後、上記特定のリン化合物の酸、その塩またはそのエステルを反応せしめて得られるウレタン変性エポキシ樹脂も、上記と同様の優れた効果を奏することを見出した。以上の知見に基づき、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、分子内に平均2個以上のエポキシ基と平均0.1個以上の水酸基を有するエポキシ樹脂と、P−OH結合を少なくとも1個有するリン化合物の酸、その塩またはそのエステルをエポキシ樹脂中のエポキシ基1等量に対してリン化合物の水酸基が0.02当量以上0.8当量以下となる割合で反応せしめて得られる予備縮合物 [A] 100重量部に対して、ヒドロキシ化合物と有機ポリイソシアネート化合物より得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー [B] を、該予備縮合物[A]が含有する水酸基の当量数の方が該ウレタンプレポリマー[B]の含有するイソシアネート基の当量数よりも多くなるような配合で、5から60重量部の割合で反応せしめて得られるウレタン変性エポキシ樹脂に関する。
【0012】また、本発明は、上記ウレタン変性エポキシ樹脂と活性有機硬化剤とを含む接着剤用樹脂組成物に関する。
【0013】さらに、本発明は分子内に平均2個以上のエポキシ基と平均0.1個以上の水酸基を有するエポキシ樹脂に対して、ヒドロキシル化合物と有機ポリイソシアネートより得られる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー[B]を、該エポキシ樹脂が含有する水酸基の当量数の方が該ウレタンプレポリマー[B]の含有するイソシアネート基の当量数よりも多くなるような配合で、5から60重量部の割合で反応せしめて得られるウレタン変性エポキシ樹脂[D]を得、これにさらにP−OH結合を少なくとも1個有するリン化合物の酸、その塩またはそのエステルをエポキシ樹脂中のエポキシ基1当量に対してリン化合物の水酸基が0.02当量以上0.6当量以下となる割合で反応せしめて得られるウレタン変性エポキシ樹脂に関する。
【0014】さらにまた、本発明は上記変性エポキシ樹脂と活性有機硬化剤とを含む接着剤樹脂組成物に関する。
【0015】本発明の接着剤用エポキシ樹脂組成物は、従来の一般接着剤および構造接着剤用の樹脂組成物に比べ、特に非鉄金属の接着において、著しく優れた剥離強度および剪断強度を与える。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において使用する「分子内に平均2個以上のエポキシ基と平均0.1個以上の水酸基を有するエポキシ樹脂」は、一般式:【化1】

(式中、Rは水素原子、メチル基、エチル基を示す)で表されるグリシジルエーテル基を含有する、置換または非置換の二価フェノールとエピハロヒドリン、メチルエピハロヒドリン、エチルエピハロヒドリンおよびジハロヒドリンから選ばれた1種との反応物である。
【0017】ここで二価フェノールとは、分子内に芳香族核を1個またはそれ以上有し、かつ芳香族核に2個の水酸基が置換されているものをいい、単核二価フェノールおよび多核二価フェノールが挙げられる【0018】かかる単核二価フェノールの例としては、例えばレゾルシノール、ハイドロキノン、パイロカテコール、フロログリシノール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシアントラキノンなどが挙げられる。
【0019】かかる多核二価フェノールは、一般式:【化2】

で表される化合物である。
【0020】ここで、上記式中、X1およびX2は同一または異なっていてもよく、アルキル基、例えば、メチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ヘキシル基、好ましくは最高4個の炭素原子を持つアルキル基;ハロゲン原子、即ち、塩素、臭素、妖素または弗素原子;あるいはアルコキシ基、例えば、メトキシ基、メトキシメチル基、エトキシ基、エトキシエチル基、n−ブトキシ基、アミルオキシ基、好ましくは最高4個の炭素原子を持つアルコキシ基である。mおよびnは、0から4までの整数で、同一または異なる値であることができる。Rは、1から3個の炭素原子を持つアルキレン基またはアルキリデン基、もしくは−CO−,−O−,−S−,−SO−,−SO2−である。
【0021】かかる二価フェノールの例としては、2,2−ビス−(p−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、ビス−(4−ヒドロキシ−2,6−ジメチル−3−メトキシフェニル)−メタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、5−クロル−2,4−ジヒドロキシジフェニルスルホン等が挙げられる。
【0022】次に、エピハロヒドリン、メチルエピハロヒドリン、エチルエピハロヒドリン、ジハロヒドリンとしては、エピクロルヒドリン、エピブロモヒドリン、メチルエピクロルヒドリン、メチルエピブロモヒドリン、エチルエピクロルヒドリン、エチルエピブロモヒドリン、ジクロルヒドリン、ジブロモヒドリンなどが挙げられるが、特にエピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリンを用いるのが、好ましい。
【0023】上記二価フェノールと、エピハロヒドリン、メチルエピハロヒドリン、エチルエピハロヒドリンおよびジハロヒドリンから選ばれた1種との反応割合は、前者1モルに対して、後者が1〜20モルとなることが好ましく、特に好ましくは5〜15モルで、得られる置換または非置換グリシジルエーテル化物のエポキシ当量は120〜500であることが好ましい。
【0024】本発明に用いられる少なくとも1個のP−OH結合を有するリン化合物の酸としては、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、亜リン酸、ポリリン酸、ホスホン酸等が挙げられ、特にオルトリン酸が好ましい。
【0025】また、リン化合物の酸の塩としては、上記リン化合物の酸の塩で、例えばカリウム、ナトリウム、リチウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、スズ、バリウム等の塩が挙げられ、特にカリウム、ナトリウムの第一リン酸塩が好ましい。
【0026】また、リン化合物の酸のエステルとしては、上記リン化合物の酸のモノまたはジエステルが好ましく、またこれらの内、好ましくは炭素原子数8程度までのアルキルエステルまたはヒドロキシアルキルエステル、例えば、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−エチルヘキシル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシペンチル等の基を持つものが挙げられ、特に好ましくはエチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルのモノまたはジエステルが挙げられる。
【0027】上記エポキシ樹脂と上記リン化合物との反応は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当たりリン化合物の水酸基が0.02〜0.8当量、好ましくは0.04〜0.5当量となるような割合で行い、生成した予備縮合物(A)のエポキシ当量は1000以下とするのが好ましい。
【0028】また、上記エポキシ樹脂と上記リン化合物の酸、その塩またはそのエステルとの反応は無触媒下で行うことができるが、塩基性触媒の存在下で行ってもよく、触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類、トリエチルアミン、トリエノールアミン、ジメチルアミン等の3級アミン類、イミダゾール類、テトラメチルアンモニウムクロライドの如き4級アンモニウム塩類等が挙げられる。反応温度は、50〜100℃で、また、反応時間は1〜5時間で行うのがよい。
【0029】本発明において使用する末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(B)を構成するヒドロキシ化合物としては、二価以上のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ヒマシ油の誘導体、トール油誘導体等が挙げられる。かかるポリオールの分子量としては、500から3000が好ましい。
【0030】ポリエーテルポリオールとしては、ポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のジオール、グリセリンまたはトリメチロールプロパン等のプロピレングリコール付加物等の三価ポリエーテルポリオール等が挙げられる。
【0031】また、ポリエステルポリオールとしては、これを構成する組成のうち、多価アルコールとして、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−プロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン等が挙げられ、多塩基酸として、アジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、グルタール酸、アゼライン酸、ダイマー酸、ピロメリット酸等が挙げられ、上記以外にラクトンポリオールも好ましい。
【0032】上記ヒドロキシ化合物は、任意の割合で併用して使用することができる。
【0033】次にウレタンプレポリマー(B)の成分のうち、イソシアネート化合物としてはトルイレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、ヘキサンジイソシナネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられ、特にトルイレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートが好ましい。
【0034】上記ヒドロキシ化合物と上記イソシアネート化合物との組み合わせからなる末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(B)は、そのイソシアネート基含有量としては1〜15%、好ましくは2〜10%である。
【0035】上記エポキシ樹脂とP−OH結合を少なくとも1個有するリン化合物の酸、その塩またはそのエステルとの予備縮合物(A)と、かかるウレタンプレポリマー(B)との反応比率はその重量比で100:5〜100:60、好ましくは100:10〜100:40である。ただし、予備縮合物(A)が含有する水酸基の当量数の方が、ウレタンプレポリマー(B)の含有するイソシアネート基の当量数よりも多くなるような配合でなければならない。
【0036】かかる反応の温度条件は、好ましくは60℃〜140℃、さらに好ましくは70℃〜110℃である。この反応は無触媒で行えるが、触媒として3級アミン、オクチル酸鉛、ジブチルチンラウレート等を使用してもよい。エポキシ樹脂とウレタンプレポリマー[B]との反応比率はその重量比で、100:5〜100:60が好ましい。望ましくは、100:10〜100:40がよい。ただし、ウレタンプレポリマーを完全に反応せしめるために、エポキシ樹脂が含有する水酸基の当量数の方が、ウレタンプレポリマーの含有するイソシアネート基の当量数よりも多くなるような配合が好ましい。
【0037】かかる反応の条件としては、60℃〜140℃がよい。望ましくは70℃〜100℃が好ましい。この反応は無触媒で行えるが、触媒として3級アミン、オクチル酸スズ、ジブチルチンラウレート等を使用してもよい。
【0038】次に、特定エポキシ樹脂に上記ウレタンプレポリマー[B]を反応させ、しかる後上記特定リン化合物を反応させて本発明のウレタン変性エポキシ樹脂を得る手法について説明する。
【0039】先ず、上記エポキシ樹脂と上記ウレタンプレポリマー[B]との反応比率はその重量比で100:5〜100:60、好ましくは100:10〜100:40である。ただし、ウレタンプレポリマー[B]を完全に反応せしめるために、上記エポキシ樹脂が含有する水酸基の当量数の方が、ウレタンプレポリマー[B]の含有するイソシアネート基の当量数よりも多くなるような配合でなければならない。
【0040】かかる反応の温度条件は、好ましくは60℃〜140℃、さらに好ましくは70℃〜100℃である。この反応は無触媒で行えるが、触媒として3級アミン、オクチル酸スズ、ジブチルチンラウレート等を使用してもよい。
【0041】次に、ウレタン変性エポキシ樹脂[D]と上記リン含有化合物との反応は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1当量当たりリン含有化合物の水酸基が0.02〜0.6当量、好ましくは0.03〜0.5当量となるような割合で行う。
【0042】また、上述の反応は無触媒下で行うことができるが、塩基性触媒の存在下で行ってもよく、触媒としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ類、トリエチルアミン、トリエノールアミン、ジメチルアミン等の3級アミン類、イミダゾール類、テトラメチルアンモニウムクロライドの如き4級アンモニウム塩類等が挙げられる。反応温度は、50〜100℃で行うのがよい。
【0043】上述のようにして得られた本発明のウレタン変性エポキシ樹脂は、種々の活性有機硬化剤で架橋させることにより、鋼板および特に非鉄金属に対して優れた剥離および剪断強度を有する硬化物を与える。
【0044】本発明に使用する活性有機硬化剤としては、一般的なエポキシ樹脂硬化剤である脂肪族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミド類、酸無水物、ポリメルカプタンおよび潜在性硬化剤等が挙げられる。
【0045】かかる潜在性硬化剤としては、ジシアンジアミドおよびその誘導体、イミダゾール類、三フッ化ホウ素−アミン錯体、コハク酸ヒドラジッド等の酸ヒドラジッド類、ジアミノマレオニトリルおよびその誘導体が挙げられ、これらの硬化剤を用いて加熱硬化させることによって得た硬化物は、特に、高い剪断および剥離強度を示す。
【0046】活性有機硬化剤の配合量は、ウレタン変性エポキシ樹脂のエポキシ基の当量数に対する硬化剤の活性水素の当量数の割合が、0.90〜1.10となるような量が好ましい。
【0047】
【実施例】以下に製造例、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、例中の「部」は「重量部」を意味する。
エポキシ樹脂とリン化合物との予備縮合物(A)の製造【0048】製造例1ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(商品名「アデカレジンEP−4100」,旭電化工業(株)製、エポキシ当量190)100部にオルトリン酸3部を混合して、75℃で2時間反応を行い、予備縮合物(A−1)を得た。
【0049】製造例2〜10下記の表1に示すエポキシ樹脂とリン化合物とを同表に示す配合および反応条件にて、製造例1と同様にして合成を行い、予備縮合物(A−2〜10)を得た。
【0050】比較製造例ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(商品名「アデカレジンEP−4100」,旭電化工業(株)製、エポキシ当量190)100部にオルトリン酸15部を滴下しながら混合して65℃にて反応を行ったところ(P−OH/エポキシ基=0.85)、ゲル化を生じてしまった。
【0051】
【表1】

【0052】末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(B)の製造例製造例11トルイレンジイソシアネート35部に分子量1000のポリオキシプロピレングリコール100部を混合し、85℃で3時間反応させ、イソシアネート基含有量が6.3%であるプレポリマー(B−1)を得た。
【0053】製造例12〜17下記の表2に示すヒドロキシ化合物とイソシアネート化合物とを同表に示す配合および反応条件にて、製造例11と同様にして合成を行い、プレポリマー(B−2〜7)を得た。
【0054】
【表2】

【0055】ウレタン変性エポキシ樹脂の製造例実施例1エポキシ樹脂とリン化合物との予備縮合物(A−1)100部を80℃に保ち、これにウレタンプレポリマー(B−1)20部を滴下しながら加え、4時間反応を行い、エポキシ当量が285のウレタン変性エポキシ樹脂を得た。
【0056】実施例2〜11予備縮合物とウレタンプレポリマーとを下記の表3に示す配合および反応条件にて、実施例1と同様にして合成を行い、実施例2〜11のウレタン変性エポキシ樹脂を得た。
【0057】
【表3】

【0058】比較例1ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル(商品名「アデカレジンEP−4100」旭電化工業(株)製、エポキシ当量190)100部にウレタンプレポリマー(B−1)を20部混合し、80℃にて4時間反応し、ウレタン変性エポキシ樹脂を得た。
【0059】比較例2エポキシ樹脂とリン化合物との上記予備縮合物(A−1)100部を80℃に保ち、これに上記ウレタンプレポリマー(B−1)3部を加え、4時間反応を行い、エポキシ当量が210のウレタン変性エポキシ樹脂を得た。
【0060】比較例3エポキシ樹脂とリン化合物との上記予備縮合物(A−1)100部を80℃に保ち、これにウレタンプレポリマー(B−2)80部を加え、7時間反応を行い、エポキシ当量が210のウレタン変性エポキシ樹脂を得た。
【0061】比較例4エポキシ樹脂とリン化合物との上記予備縮合物(A−1)100部を80℃に保ち、これにウレタンプレポリマー(B−1)100部を滴下しながら加え、2時間反応を行ったが、樹脂がゲル化した。
【0062】接着性試験(I)ウレタン変性エポキシ樹脂100部、硬化剤ジシアンジアミド2〜9部および炭酸カルシウム50部を一緒に混合した後、さらに三本ロールにて混練し、熱硬化性樹脂組成物を得た。ここで、硬化剤の配合量は、その活性水素の当量数がエポキシ樹脂の当量数に対して0.9となるように配合した。
【0063】次いで、硬化条件170℃×30分にて、試験板に対して硬化を行わしめ、各々の試料について、剪断強度試験および剥離強度試験をそれぞれJIS試験規格に基づいて実施した。なお、試験板として、アルミ板(JIS A-5052P)および亜鉛メッキ鋼板を使用した。得られた結果を下記の表4に示す。
【0064】
【表4】

【0065】接着性試験(II)ウレタン変性エポキシ樹脂100部と炭酸カルシウム100部とを先に三本ロールにて混練し、次いで硬化剤12〜40を混合した。ここで用いた硬化剤は活性水素当量が115の変性ポリアミドアミン(旭電化工業(株)製)で、その配合量は、その活性水素の当量数がエポキシ樹脂の当量数に対して1.0となるように配合した。
【0066】次いで、硬化条件20℃×7日にて、実験例1と同様の条件で各々の試料について、剪断強度試験および剥離強度試験を実施した。得られた結果を下記の表5に示す。
【0067】
【表5】

【0068】次に、特定エポキシ樹脂に上記ウレタンプレポリマー[B]を反応させ、しかる後上記特定リン化合物を反応させて得たウレタン変性エポキシ樹脂について説明する。
【0069】末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマー(B)は、上記表2に示すウレタンプレポリマーNo.B−1〜B−7のものを使用した。
【0070】ウレタン変性エポキシ樹脂[D]の製造例製造例18エポキシ樹脂100部を80℃に保ち、これにウレタンプレポリマー(B−1)20部を滴下しながら加え、3時間反応を行い、エポキシ当量が230のウレタン変性エポキシ樹脂(D−1)を得た。
【0071】製造例19〜25下記の表6に示すエポキシ樹脂とウレタンプレポリマーとを同表に示す配合および反応条件にて、製造例18と同様にして合成を行い、ウレタン変性エポキシ樹脂(D−2〜D−8)を得た。
【0072】
【表6】

1)トルイジンイソシアネート2)イソホロンジイソシアネートウレタン変性エポキシ樹脂の製造例実施例12ウレタン変性エポキシ樹脂(D−1)100部にオルトリン酸3部を混合して55℃で2時間反応を行い、エポキシ当量が310の変性エポキシ樹脂を得た。
【0073】実施例13〜19ウレタン変性エポキシ樹脂とリン化合物とを下記の表7に示す配合および反応条件にて、実施例12と同様にして合成を行い、実施例13〜19の変性エポキシ樹脂を得た。
【0074】
【表7】

【0075】上記実施例12〜19のウレタン変性エポキシ樹脂に対して、上記接着性試験(I)および(II)と同様の試験を行った。得られた結果を下記の表8および表9に示す。尚、参考のために、同表に上記比較例1〜3の試験結果も併記する。
【0076】
【表8】

【0077】
【表9】

【0078】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明のウレタン変性エポキシ樹脂においては、これと活性有機硬化剤との接着剤用樹脂組成物において、鉄およびアルミニウム、亜鉛、銅等の遷移金属の非鉄金属に対して、剪断強度および剥離強度等の接着強度に優れた硬化物を得ることができる。




 

 


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