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発明の名称 炭酸ジフェニルの精製方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−198816
公開日 平成8年(1996)8月6日
出願番号 特願平7−8158
出願日 平成7年(1995)1月23日
代理人
発明者 武田 睦彦 / 水上 政道 / 平島 敦 / 大木 宏明
要約 目的
炭酸ジフェニルの精製方法を提供するものである。

構成
炭酸ジフェニルを塩基性物質の存在下に蒸留する。
特許請求の範囲
【請求項1】炭酸ジフェニルを塩基性物質の存在下に蒸留することを特徴とする炭酸ジフェニルの精製方法。
【請求項2】蒸留塔内温度少なくとも100℃で蒸留することを特徴とする請求項1記載の精製方法。
【請求項3】炭酸ジフェニルを塩基性物質と100℃以上の温度で接触させた後、蒸留することを特徴とする炭酸ジフェニルの精製方法。
【請求項4】塩基性物質が、アルカリ金属、アルカリ土類金属およびこれらの酸化物、水酸化物、炭酸塩、水素化物、アミド、アルコラート、フェノラート、または有機酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩およびこれらの誘導体、ホウ素およびアルミニウムの水素化物、四級アンモニウム水酸化物、三級アミンから選ばれる少なくとも一種である請求項1〜3記載の精製方法。
【請求項5】塩基性物質が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、トリエタノールアミンから選ばれる一種である請求項1〜3記載の精製方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は炭酸ジフェニルの精製方法に関する。更に詳しくは、炭酸ジフェニルを塩基性物質の存在下に蒸留することによる炭酸ジフェニルの精製方法に関する。本発明により精製された炭酸ジフェニルは酸性重合阻害物質を実質的に含有しなく、エステル交換法ポリカーボネート製造用のモノマーとして有用である。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネートを工業的に製造する方法としては、大別して(1)適当な塩化水素受容体の存在下でホスゲンとビスフェノール類をジクロロメタン/水2相系で界面重合させる方法(界面重合法)、(2)溶融させたビスフェノール類と炭酸ジフェニルから、エステル交換によって脱フェノールさせる方法(溶融エステル交換法)の2通りが知られているが、現在は大半が溶液中で合成する前者の方法で製造されている。
【0003】界面重合法によってポリカーボネートを製造する場合、溶媒としては、ジクロロメタン―水2相系が専ら用いられるが、これはジクロロメタンが優れた溶解力をもつことによる。しかし、最近ハロゲン化アルキルの水質汚染の問題から、ジクロロメタンを使用しない方法が求められており、溶融エステル交換法が注目を集めている。
【0004】溶融エステル交換法では、前述したようにビスフェノール類と炭酸ジフェニルから脱フェノールを行うことによってポリカーボネートが製造されるが、原料である炭酸ジフェニルの精製法が未だ確立されたものではないため、溶融エステル交換法によると得られるポリカーボネートが着色したり、高重合度の生成物が得られ難く、実用化する際の障害の一つとなっている。
【0005】炭酸ジフェニルの主な製造法としては、(1)金属フェノキシドの水溶液にホスゲンを導入し反応させることによる水溶液法、(2)有機溶媒/水2相系で同様の反応を行なう界面合成法、(3)炭酸ジアルキルとフェノールを反応させることによるエステル交換法があるが、現状ではどれが優れているとは言えず、いずれの方法も工業的に行なわれている。
【0006】これらの方法において、(1)水溶液法の場合は、炭酸ジフェニルを合成する反応が完全に進行せず、中間体であるクロロギ酸フェニルを除去する工程が必要である。(2)有機溶媒/水2相系の場合にもクロロギ酸フェニルを完全に除くことはできず、除去が必要である。またホスゲン中の不純物である有機塩素化物が残留し、これらの除去も必要である。特に溶媒としてジクロロメタンを用いた場合は、生成した炭酸ジフェニルからジクロロメタンを除く際、微量の水を含んでいるためジクロロメタンの分解が起こり、塩素化合物が生成し、装置の腐食、生成物の着色などの問題が起こる。
(3)炭酸ジメチルとフェノールからエステル交換法によって炭酸ジフェニルを製造する場合においても、炭酸ジメチルを製造する際に銅の塩化物が使用され生成する炭酸ジフェニルへの塩素の混入が避けられず、温水洗浄などの精製が必要である。
【0007】そこで、炭酸ジフェニルの精製方法として種々の方法が提案されている。たとえば、特公昭38−1373号では生成物中に残留するクロロギ酸フェニルを温水またはアルカリ性水溶液で処理する方法が開示されている。また、特公昭42−9820号では、クロロギ酸フェニルを含有する炭酸ジフェニルに少量の尿素を加えて加熱溶融する除去方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の製造法によって製造された炭酸ジフェニルをそのままポリカーボネート合成に用いた場合には、着色、重合阻害などの問題を生ずるため、モノマーとして使用する前に温水洗浄などの精製が必要であり種々の方法が行われているが、これまでの方法でも満足すべきものとは言えない。さらに、塩素に由来するとは限らない重合阻害物質が存在することが判明し、これの除去も含めて多角的に検討を行った。本発明は、着色や重合阻害の原因となる不純物を含有しない高純度な炭酸ジフェニルを得る精製方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述のような問題点を解決するために鋭意検討を行なった結果、原料となる炭酸ジフェニルを微量の塩基性物質の存在下蒸留精製することにより、重合活性が高く、かつ重合した際に、着色のない芳香族ポリカーボネートが得られることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】即ち、本発明は炭酸ジフェニルを塩基性物質の存在下、蒸留することによる炭酸ジフェニルの精製方法である。また、本発明は、炭酸ジフェニルを塩基性物質と100℃以上の温度で接触させた後、蒸留精製することによる炭酸ジフェニルの精製方法である。
【0011】本発明は、炭酸ジフェニルを高温下で塩基性物質と接触させ、蒸留する点に特徴があり、従来の炭酸ジフェニルをアルカリ水溶液で洗浄する方法とは本質的に異なるものである。
【0012】本発明によれば、市販の炭酸ジフェニルを塩基性物質の存在下で蒸留することで、ポリカーボネート製造用のモノマーとして好適な炭酸ジフェニルとすることができる。また、炭酸ジフェニルを製造する際に、最終の蒸留工程に塩基性物質を微量添加して蒸留することにより、生成物の温水洗浄を行う工程を特に必要とすることなく、高純度な炭酸ジフェニルを得ることができる。
【0013】本発明で使用される塩基性物質は、水溶液中においてそれ自身が解離し、あるいは水を解離させ水酸イオンを生じる物質、または、プロトン受容体である物質が挙げられる。これらの物質のうち、炭酸ジフェニルと反応し得るものについては、炭酸ジフェニルと反応してフェノキシドを生成することが必要である。
【0014】これらの例としては、アルカリ及びアルカリ土類金属;アルカリ及びアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、水素化物、アミド、アルコラート、フェノラート;ホウ素およびアルミウムの水素化物;アルカリ及びアルカリ土類金属の有機酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩及びこれらの誘導体;四級アンモニウム水酸化物;三級アミン、等を挙げることができる。なお、1級アミン及び2級アミンのように炭酸ジフェニルと反応するが、フェノキシドを生成しないものは好ましくない。
【0015】本発明で使用される塩基性物質の具体的な化合物は、アルカリ及びアルカリ土類金属としては、たとえば、ナトリウム、カリウム、リチウムなどであり、アルカリ及びアルカリ土類金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、水素化物、アミド、アルコラート、フェノラートとしては、たとえば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水素化ナトリウム、水素化カルシウム、リチウムジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムフェノキシド、カリウムフェノキシド、リチウムフェノキシド、カルシウムフェノキシド、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、ビスフェノールAの2カリウム塩、ビスフェノールAの2リチウム塩が例示される。
【0016】また、ホウ素およびアルミウムの水素化物としては、たとえば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチルアンモニウムボロハイドライドなどが例示される。
【0017】アルカリ及びアルカリ土類金属の有機酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩及びこれらの誘導体としては、たとえば、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、ホウ酸ナトリウムなどが例示される。
【0018】四級アンモニウム水酸化物としては、たとえば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどが例示される。
【0019】三級アミンとしては、たとえば、1―(N,N―ビス(2―ヒドロキシエチル)アミノ)―2―プロパノール、3―(N―ベンジル―N―メチルアミノ)―1,2―プロパンジオール、N,N,N’,N’―テトラキス(2―ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N―メチルジフェネチルアミン、トリエタノールアミン、トリオクチルアミン、トリフェニルアミン等を挙げることができる。
【0020】尚、使用される塩基性物質は炭酸ジフェニルに比べて高沸点である方が、炭酸ジフェニルを蒸留により精製する際に同時に分離することができ好ましい。このような点から、塩基性物質としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化カルシウム、トリエタノールアミンなどが特に好適なものとして例示される。
【0021】塩基性物質の炭酸ジフェニルへの添加形態としては、そのまま直接添加する方法、水などの不活性溶媒に希釈して添加する方法のいずれでも良い。使用される塩基性物質が常温で液体の場合、あるいは粉末の場合には直接添加しても充分な効果が得られるが、水酸化アルカリのようにペッレト状の固体であり、炭酸ジフェニルに難溶のものは、固体のまま加えても効果はあるが、分散性を高めるため溶液として添加する方が好ましい。不活性溶媒に溶解して添加した場合は、炭酸ジフェニルの蒸留に先立ち、不活性溶媒の留去が必要である。
【0022】塩基性物質の添加量は、炭酸ジフェニルの純度に依る。通常の市販の炭酸ジフェニルには、加水分解性塩素として約1〜10ppmの塩素、即ち、加水分解性塩素として約6〜60モルppmの塩素原子が含まれている。本発明の方法により除去される重合阻害物質あるいは着色原因物質は必ずしも加水分解性塩素に由来する塩素化合物のみとは限らないが、加水分解性塩素に由来する塩素化合物が一応の目安となる。たとえば、加水分解性塩素量が2.7ppm(即ち加水分解性塩素として16.3モルppmを含む)炭酸ジフェニルでは、炭酸ジフェニルに対して水酸化ナトリウム10モルppmの添加ではやや改善が見られるものの、重合性の悪い炭酸ジフェニルしか得られない。
【0023】したがって、炭酸ジフェニルに含有する加水分解性塩素に対して当モル量程度では本発明の方法の効果を十分に発揮させることはできず、加水分解性塩素に対しては数倍モル量〜数十倍モル量の添加が必要とされる。さらに、炭酸ジフェニルに含有する重合阻害物質あるいは着色原因物質は加水分解性塩素のみに依るとも言えないことから、本発明においては、塩基性物質の添加量は、一般的には炭酸ジフェニルに対して1000〜10モルppm程度の範囲であるが、実用的には予備的に精製し、重合試験を行ない重合性、着色程度などを検討して添加量を決定されるのが好ましい。
【0024】なお、本明細書中で単に「ppm」という場合は「重量/重量×106 」を意味し、「モルppm」という場合は「モル/モル×106 」を意味する。また、加水分解性塩素とは炭酸ジフェニルを溶解あるいは融解させた状態で、水で抽出可能な塩素をいい、具体的には塩化ナトリウム等の塩類、クロロギ酸フェニル等の加水分解可能な化合物に由来する塩素を指す。この塩素は炭酸ジフェニルをトルエン等に溶解させ、温水で抽出したのち、イオンクロマトグラフで測定することができる。
【0025】本発明において蒸留方法は特に制限はなく、単蒸留、多段蒸留いずれも可能であり、それぞれ回分式、連続式のいずれの形態も採ることができる。また、フラッシュ蒸留、薄膜蒸留などを例示することもできる。更に、蒸留を複数回に分けて行なうこともできる。蒸留時の減圧度も任意であるが、炭酸ジフェニルの沸点から考えて、0.01〜760mmHgの範囲で実施するのが適当である。
【0026】本発明において塩基性物質を添加する時期や蒸留工程における添加位置も任意に選択し得るが、少なくとも蒸留に付される前に炭酸ジフェニルに混合されていることが必要である。
【0027】本発明において、塩基性物質を含む炭酸ジフェニルの蒸留は、蒸留塔内の温度が少なくとも100℃以上であることが必要であり、蒸留工程で塩基性物質を含む炭酸ジフェニルが接触する少なくとも一箇所が100℃以上の温度であることが必要である。通常、減圧度1mmHg以上の圧力で蒸留する場合は、沸点が100℃以上になるのでそのまま蒸留を行なえば充分であるが、減圧度が極めて高く、蒸留塔内の温度が100℃以下になるような場合には、塩基性物質を含む炭酸ジフェニル混合物を加熱処理を行なって蒸留塔に供給することができる。また、予め混合、加熱処理を行なったものを一旦保存しておき、後に蒸留する方法も本発明の一態様である。
【0028】以上、本発明の方法で精製された炭酸ジフェニルは、温水洗浄などの精製をすることなく、そのままポリカーボネート製造用原料として使用することができ、その他化学合成反応の原料として使用できる。
【0029】
【実施例】本発明の方法について、以下の実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0030】実施例1温度計、マグネチックスターラーをセットした500mlのフラスコにビグリュー管、ト字管、空気冷却器、受器を取り付け、蒸留装置とした。この装置に、加水分解性塩素含有量2.7ppmのバイエル社製炭酸ジフェニル214.22g(1.0モル)に1規定の水酸化ナトリウム溶液1ml(炭酸ジフェニルに対して1000モルppm)を加えたのち、加熱し、沸点165℃/10mmHgで蒸留した。約6g(3%)の炭酸ジフェニルを前留として除去した後、ほぼ全量(95%)を精製炭酸ジフェニルとして回収した(回収率95%)。得られた炭酸ジフェニルは以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0031】加水分解性塩素:炭酸ジフェニルを約5g精秤し、トルエン10mlを加え、60℃の湯浴で溶かした後、内標の入った抽出液(2.8mM NaHCO3 /2.25mM Na2 CO3 の溶液に内部標準としてNaBrを加えたもの)10mlを加え、60℃の湯浴で加温を行ないながらマグネチックスターラーで6時間攪拌した。静置放冷後、水層をイオンクロマトグラフィーで分析した。
【0032】重合評価:クロムメッキされた攪拌棒にテフロン製攪拌羽根を取り付けた攪拌装置を持つ200mlのガラス製丸底フラスコを重合装置とした。ビスフェノールA(新日鉄化学製)22.83g(0.10モル)、フェニル燐酸2ナトリウムの0.42mg/ml水溶液を50μl(即ち9.6×10-8モル)、炭酸 ジフェニル21.93g(0.1024モル)を加え、窒素雰囲気下で180℃で13分放置した後、200〜210rpmで攪拌を開始した。15分後に40mmHgまで減圧し、更に2時間15分後に約0.4℃/分で昇温を開始した。昇温開始から1時間30分後に30mmHgまで減圧し、更に15分後には20mmHgまで減圧し、再び15分後に10mmHgまで減圧して反応させた後、最終的に0.1mmHg以下にして、更に1時間反応させた(最終到達温度265℃)。得られたポリカーボネートを取り出し、以下の方法で分子量、色調を評価した。
【0033】分子量(Mv):重合したサンプルを160mg秤量し、塩化メチレン80mlに溶かし、ウベローデ粘度計による粘度測定を行ない、これにより粘度平均分子量を求めた。
【0034】色調(APHA):重合したサンプルを4g秤量し、塩化メチレン25mlに溶かして標準液と比較した。
【0035】実施例20.1規定の水酸化ナトリウム溶液1ml、即ち水酸化ナトリウムの添加量を炭酸ジフェニルに対して100モルppm添加した以外は実施例1と同様な操作により蒸留し、同様にして評価を行なった。結果を表1に示す。
【0036】実施例30.01規定の水酸化ナトリウム溶液1ml、即ち水酸化ナトリウムの添加量を炭酸ジフェニルに対して10モルppm添加した以外は実施例1と同様な操作により蒸留し、同様にして評価を行なった。結果を表1に示す。
【0037】実施例4水酸化ナトリウム溶液の代わりに、炭酸ナトリウム粉末0.0106g(100モルppm)を添加した以外は実施例1と同様な操作により蒸留し、同様にして評価を行なった。結果を表1に示す。
【0038】比較例1水酸化ナトリウム溶液を添加しなかった以外は実施例1と同様な操作により蒸留し、同様にして評価を行なった。結果を表1に示す。加水分解性塩素はかなり低くなっているが、重合性は殆ど改善されない。
【0039】比較例2実施例1で用いたと同様の炭酸ジフェニル214.22gに、0.01規定の水酸化ナトリウム水溶液100mlに超純水を加えて214.22gとしたアルカリ水溶液(アルカリ濃度1000モルppm)を加え、90℃で30分攪拌した。放冷後、得られた固体を吸引濾過し、真空乾燥した後、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0040】比較例2市販品の蒸留精製を行うことなくそのまま使用して実施例1と同様な評価を行った。
【0041】
【表1】
表 1 ───────────────────────────────── 処理/添加量 Mv APHA 加水分解性塩素 ───────────────────────────────── 実施例1 NaOH 1000(モル ppm) 19500 5 0.2ppm 実施例2 NaOH 100(モル ppm) 16300 5 0.3ppm 実施例3 NaOH 10(モル ppm) 8500 5 0.4ppm 実施例4 Na2CO3 100(モル ppm) 18300 5 0.1ppm 比較例1 蒸留のみ 2200 5-10 0.7ppm 比較例2 温水洗浄 3500 10-15 0.5ppm 比較例3 未処理 1400 10-15 2.7ppm ─────────────────────────────────【0042】実施例5内径25mm、高さ150cmで、上部に還流装置、中央に原料導入部のついた連続蒸留塔の濃縮部および回収部にそれぞれスルザーラボパッキング(住友重工製、1個当たり高さ55mm)を5個づつ詰め、理論段数16段の蒸留塔を使用した。炭酸ジフェニル(バイエル製、加水分解性塩素を1.0ppm含有)に、トリエタノールアミンを100モルppm加えた後、融解し、200g/hの速度でポンプで蒸留塔中央に導入し、塔頂より190g/hの炭酸ジフェニルが得られるように釜温度を調節しながら、還流比1、塔頂圧力は10mmHgに設定して連続蒸留を行なった。安定した状態で、釜部圧力は17.5mmHg、釜部液温度は183℃、塔頂温度は168℃となった。この状態で5時間蒸留を継続し、最後の1時間に得られた炭酸ジフェニルを実施例1と同様な方法で評価した。結果を表2に示す。
【0043】比較例4炭酸ジフェニルにトリエタノールアミンを加えなかった以外は実施例4と同様の方法で蒸留精製を行なった。結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
表 2 ───────────────────────────────── 処理 Mv APHA 加水分解性塩素 ───────────────────────────────── 実施例5 トリエタノールアミン 添加 18500 5-10 0.2ppm 比較例4 連続蒸留のみ 4000 5-10 0.4ppm ─────────────────────────────────【0045】
【発明の効果】本発明の方法によれば簡単な手段により高純度炭酸ジフェニルを容易に得ることができ、この炭酸ジフェニルを原料として用いることより、着色の心配がなく重合度の高いポリカーボネートを容易に得ることができる。




 

 


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