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発明の名称 p−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルの製造法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−3116
公開日 平成8年(1996)1月9日
出願番号 特願平6−137221
出願日 平成6年(1994)6月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】前田 純博
発明者 樋田 幸三 / 佐藤 和広 / 隅谷 浩二 / 青柳 三仁
要約 目的
p−ホルミル安息香酸メチルエステルを穏和な条件下で還元してp−ヒドロキシメチル安息香酸を製造する技術の開発。

構成
p−ホルミル安息香酸メチルエステルをルテニウムを含む触媒存在下にアルキルアルコール、シクロヘキサン及び低級脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少くとも1種の溶媒を用いて、室温〜200℃、常圧〜30kg/cm2Gの圧力下で水素を作用させ、p−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルを製造するもの。
特許請求の範囲
【請求項1】 p−ホルミル安息香酸メチルエステルをルテニウムを含む触媒の存在下にアルキルアルコール、シクロヘキサン及び低級脂肪酸エステルからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を用いて室温〜200℃、常圧〜30Kg/cm2Gの圧力下で水素を作用させることによるp−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルの製造法。
【請求項2】 アルキルアルコールの炭素数が1〜4である請求項1に記載の製造法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はp−ホルミル安息香酸メチルエステル(以後MFBと略する)を水素化し、p−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステル(以後MHMBと略する)を穏和な条件で収率良く合成する方法に関するものである。
【0002】MHMBは重縮合生成物への出発原料となり得るため、合成繊維及び合成樹脂の原料として使用されると共に、医薬品等の原料としても利用され得る。
【0003】
【従来の技術】従来からp−ヒドロキシメチル安息香酸エステルはp−トルイル酸をハロゲン化、加水分解し、引き続きエステル化する方法、テレフタル酸ジメチルエステルを電気化学的還元する方法(西ドイツ国特許公開公報第2428878号明細書)によって製造されうるが、これらの方法は、前者の場合には収率が低いために、また、後者の場合には製造コストが高くなるために効率的ではない。
【0004】接触水素化による合成法としては、テレフタル酸を、水溶媒中で酸化レニウムを触媒に用いて160℃で反応させる方法(米国特許4448987号明細書)が報告されているが、これは反応圧力が100Kg/cm2Gと高い上に、転化率が20%であり、選択率も85%と低いことから、工業的には用いられない。
【0005】一方、p−ホルミル安息香酸エステルの選択的水素化による方法では、アルデヒド基のメチル基への還元が問題となっていた。この問題点に対し、低温低圧にて、触媒にパラジウムを、あるいは、銅クロマイト触媒を用いることによって解決しようとする方法(特公昭55ー395号公報)が報告されているが、パラジウムを用いた場合には実際上、十分な低温低圧下でもアルデヒドからヒドロキシル基で止まらずにメチル基にまで還元される反応が、かなりの割合で進行する。(比較例1、2を参照) また、銅クロマイト触媒を用いた場合には、逆にかなりの高温高圧を要し、さらに、高温による副生成物の増加も見られる。
【0006】その他、いろいろと研究されているが、一般に芳香族アルデヒドの水素還元においては副反応を抑制するために銅やクロムを含む触媒、酸化ジルコニウムを含む触媒を用いて高温、高圧で反応させる例が多い。
【0007】しかし、高温高圧での反応は、耐圧反応容器、並びに高圧用水素ブースターが必要となるなど運転費用、設備費用が大きくなり効率的な製造方法とは言えない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】接触水素化反応を用いる場合、パラジウム触媒を用いた場合には反応温度、反応圧力ともにかなり低い条件で反応を行うことが可能であるが、上記のようにアルデヒドのメチル基への還元も併発してしまう。パラジウムの代わりにロジウムや、レニウムを持ちいても、パラジウムを用いたときと同じようにメチル基を持つ副生成物が存在すると同時に、反応収率の低下が起こる。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これらの課題を解決するために鋭意検討を行い、ルテニウムを触媒に用いることにより、副反応を抑制しながら接触水素化反応によってアルデヒドのアルコールへの還元を行う方法を見いだし、本発明を完成した。
【0010】本発明に於ける水素添加反応は、他の芳香族アルデヒドの水素還元反応に関しても有効である。
【0011】即ち、本発明は、ルテニウムを含む触媒の存在下に、p−ホルミル安息香酸メチルエステルに、C1〜C4のアルコール、低級脂肪酸及びシクロヘキサンのいずれかを溶媒に用いて、室温〜200℃、常圧〜30Kg/cm2Gの圧力下で水素を作用させることを特徴とするp−ヒドロキシメチル安息香酸メチルエステルの製造法である。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。
【0013】本発明に於いて用いる触媒ルテニウムを支持する担体は一般的に用いられる活性炭、珪藻土、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア及びゼオライト等であり、担体としてはなんら限定されていないが、比較的表面積の大きい活性炭が好ましい。
【0014】本発明に於いて、MFBを水素化させる際の反応温度は、MFB自身が分解する温度を超えなければ特に制限はないが、通常は室温〜200℃が好ましく、30〜150℃が特に好ましい。
【0015】本発明で用いる溶媒は重要であり、水素化反応に不活性なものでなければならず、また、使用した溶媒によって発生する副生成物が異なってくるため、注意しなければならない。特に、溶媒にメタノールを用いると、アルデヒド基とメタノールが反応したジメチルアセタールが生成し、温度によってその生成割合が著しく異なってくる。第3ブタノールが、反応速度、転化率、選択率が比較的高く好ましい。
【0016】本発明に於いてMFBを水素化させる際の水素圧力はあまり重要ではなく、およそ60Kg/cm2G以下であれば特に副生成物の増加や、不純物の増加が起こることはないが、通常は常圧〜30Kg/cm2Gで水素を作用させるのが好ましい。反応回収物の組成は圧力によって左右されず、また反応速度は圧力が高いほど大きいため、工業的には10〜30Kg/cm2Gが最適である。
【0017】本発明に於けるMFBと溶媒との重量比はMFBが少なくとも部分的に可溶である状態がよく、原料合計重量/溶媒合計重量比=0.01〜1.0の範囲で実施するのが好ましい。
【0018】本発明で触媒とMFBとの重量比は特に制限されないが、例えば活性炭にルテニウムを5重量%含む触媒を用いる場合には、担体を含めた触媒合計重量(ドライ)/原料合計重量比=0.005〜0.1の範囲で実施するのが好ましい。
【0019】本発明の水素化方法としては、水素化触媒を溶液中に懸濁させて行う所謂懸濁床による方法、あるいは、水素化触媒を固定してこれに溶液を流す所謂固定床による通常の方法が採用できる。さらに例えば懸濁床に於いては、耐圧容器に水素化触媒、原料及び溶媒を仕込み、空間を水素で置換した後、所定の温度で所定の時間撹拌する方法、又は水素ガスを反応溶液中に吹き込む方法がある。また、例えば、固定床に於いては水素化触媒を充填した層(例えば充填塔)に、原料のMFBを完全に溶解した溶液と水素ガスとを並流で通じる方法などがあり、本発明方法に於いてはこれらの如何なる方法を用いても結果に差異は殆ど生じない。
【0020】本発明方法で水素化して得られたMHMBの組成物は、触媒を濾過により除去した後、蒸留を経て完全に触媒、溶媒を除去し、さらに蒸留、再結晶によって精製することができる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例を用いてさらに詳しく説明する。尚、以下の実施例の転化率、選択率は下記の式に基づいて算出したものである。
【0022】
【数1】

【0023】[実施例1]15gの原料MFBを内容積500ccの撹拌機つきハステロイ製オートクレーブの中に、市販のルテニウムを活性炭に担持せしめた触媒(5%Ru−C)1g、140gの第3ブタノールと共に入れた。次にオートクレーブ内の空気を窒素と置換し、さらに窒素を水素に置き換えた後に撹拌機を起動し、回転速度を1000rpmに調節し約40分かけて80℃まで温度を上げた後、オートクレーブ内圧を20Kg/cm2Gにまで上げ水素の吸収に伴い水素圧を補充しながらその状態を0.5時間保った。そこで水素の吸収がなくなったが、さらに0.5時間その状態を保った後、オートクレーブを冷却し水素を放出した。オートクレーブから取り出した生成物をNo.5Cの濾紙を用いて濾過し、約30gの第3ブタノールで濾紙上の触媒を洗浄した。この生成物の分離濾液と洗浄濾液を合わせた後、溶媒の第3ブタノールをエバポレーターを用いて除去し、約15.1gの組成生物を得た。その組成を分析した結果、残存原料及び、テレフタル酸モノメチルエステルなどを含む不純物を全て合わせた量で約6.0重量%含まれている以外は目的物MHMBのみであった。このMHMB選択率は94.4%であった。
【0024】[実施例2]反応温度が110℃であること以外は実施例1の方法を繰り返した。その結果を表1に示した。
【0025】[実施例3]反応圧力が40Kg/cm2Gであること以外は実施例1の方法を繰り返した。その結果を表1に記載した。
【0026】[実施例4]反応溶媒が酢酸エチルであること以外は実施例1の方法を繰り返した。その結果を表1に記載した。
【0027】
【表1】

【0028】[実施例5〜8]反応溶媒がメタノールであること及び反応温度以外は実施例1の方法を繰り返した。その結果を表2に記載した。
【0029】
【表2】

【0030】[比較例1]触媒がパラジウムを活性炭に担持せしめた触媒(5%Pd−C)であること以外は実施例1の方法を繰り返した。その結果を表3に記載した。
【0031】[比較例2]触媒がパラジウムを活性炭に担持せしめた触媒(5%Pd−C)であること及び反応温度が45℃であること以外は実施例1の方法を繰り返した。その結果を表3に記載した。
【0032】
【表3】

【0033】
【発明の効果】本発明によれば、従来の方法に対して、目的とするMHMBをより選択的に製造することを可能とすると共に、水素化反応圧力を低下させることができ、製造する際の効率、安全性が格段に向上する。また、反応条件がかなり広いことから製造する際の運転の非常に容易となると共に、不純物量が少ないために容易に精製ができる。




 

 


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