| 発明の名称 |
吸水性架橋重合体およびその製造方法 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−27215 |
| 公開日 |
平成8年(1996)1月30日 |
| 出願番号 |
特願平6−167926 |
| 出願日 |
平成6年(1994)7月20日 |
| 代理人 |
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| 発明者 |
石▲崎▼ 邦彦 / 原田 信幸 / 高木 雅人 |
| 要約 |
目的 吸水速度,ゲル強度,表面架橋効果などを何等損なうことなく、多量の塩類や有機溶剤を含んだ水性液に対しても高吸水倍率を示す吸水性架橋重合体を提供する。
構成 主鎖中の官能基として、α−グリコール基とカルボキシル基を併せ持った特定の構造を有する新規な吸水性架橋重合体を製造する。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 一般式(1)で表されるα−グリコール構造単位(A)および、一般式(2)で表されるカルボン酸系構造単位(B)を有し、吸水倍率が少なくとも10g/gである吸水性架橋重合体。 【化1】
(式(1)および式(2)において、R1は水素,メチル基または塩素を表し、R2は−COOM2,水素またはメチル基を表し、R3は水素またはメチル基を表し、M1およびM2は水素,一価金属,二価金属,三価金属,アンモニウム基または有機アミン基を表す。) 【請求項2】 構造単位(A)および(B)の合計量が全重合体中で50重量%以上である請求項1記載の吸水性架橋重合体。 【請求項3】 カルボン酸系構造単位(B)が、(メタ)アクリル酸,マレイン酸およびフマル酸からなる群の中から選ばれた少なくとも1種のカルボン酸系単量体に由来するものである請求項1または2に記載の架橋重合体。 【請求項4】 構造単位(B)において、M1の50〜95モル%がナトリウム塩である請求項1〜3の何れかに記載の架橋重合体。 【請求項5】 一般式(3)で表される共役ジエン系単量体(a)および一般式(4)で表されるカルボン酸系単量体(b)とを有する単量体成分を共重合させて、重合後に得られた共重合体もしくはその中和物に由来する二重結合部分を酸化剤を用いて酸化した後、該共重合体を架橋することを特徴とする吸水性架橋重合体の製造方法。 【化2】
(式(3)および式(4)において、R1は水素,メチル基または塩素を表し、R2は−COOM2,水素またはメチル基を表し、R3は水素またはメチル基を表し、M1およびM2は水素,一価金属,二価金属,三価金属,アンモニウム基または有機アミン基を表す。) 【請求項6】 一般式(3)で表される共役ジエン系単量体(a)および一般式(4)で表されるカルボン酸系単量体(b)とを有する単量体成分を共重合させると同時に架橋重合させ、重合後に得られた共重合体もしくはその中和物に由来する二重結合部分を酸化剤を用いて酸化することを特徴とする吸水性架橋重合体の製造方法。 【化3】
(式(3)および式(4)において、R1は水素,メチル基または塩素を表し、R2は−COOM2,水素またはメチル基を表し、R3は水素またはメチル基を表し、M1およびM2は水素,一価金属,二価金属,三価金属,アンモニウム基または有機アミン基を表す。) 【請求項7】 酸化後の該共重合体に対して、カルボキシル基および/または水酸基と反応しうる反応性架橋剤によって架橋反応を行う請求項5記載の製造方法。 【請求項8】 反応性架橋剤が、多価アミン、多価アルコール、多価エポキシ化合物、多価アミンとエピハロヒドリンの反応物から選ばれる少なくとも1種である請求項7記載の製造方法。 【請求項9】 該共重合体を架橋する工程が、酸化後の該共重合体の濃度0.5〜90重量%の水溶液中で行われる請求項5記載の製造方法。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、吸水性架橋重合体およびその製造方法に関するものである。更に詳しくは、多量の塩類や有機溶剤を含んだ水性液に対しても安定的に高倍率を示す吸水性架橋重合体およびその製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、多量の水を吸ってゲル化する吸水性樹脂が開発され、紙オムツ、生理用ナプキンなどの衛材分野をはじめとして、農林業分野、食品分野、医療分野、土木分野などに幅広く利用されている。 【0003】これら吸水性樹脂として、現在まで多くが開発されており、例えば、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物(米国特許3661815号)、澱粉−アクリル酸グラフト重合体(米国特許4076663号)、ポリアクリル酸部分中和物架橋体(米国特許4654039号,同4286082号)、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体の鹸化物(米国特許4124748号)、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体(米国特許4389513号)、アクリロニトリル共重合体の加水分解物(米国特許3935099号)、アクリルアミド重合体あるいは共重合体の加水分解物(米国特許3959569号)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸との共重合架橋体(欧州特許068189号)、カチオン性モノマーの架橋(共)重合体(米国特許4906717号,同5075399号,欧州特許0304143号)、2−スルホメチルメタクリレートの架橋体のなどの各種・重合系吸水性樹脂や、カルボキシメチルセルロース塩架橋体(米国特許4650716号,同4689408号,欧州特許0538904号)、カルボキシアルキルスターチ架橋体(米国特許5079354号)、澱粉架橋体(英国特許1550614号,米国特許4483950号)などの各種・天然物後架橋系吸水性架橋重合体が知られているが、優れた諸物性などの面から、アクリル酸などを用いたカルボキシル基含有の重合系吸水性樹脂が主流である。 【0004】現在、これら吸水性樹脂における大きな問題として、吸水性樹脂への耐塩性の付与に注目が置かれている。即ち、吸水性樹脂は一般に自重の数10倍以上の純水を吸水することができるが、その吸水倍率は被吸収液中に存在する金属塩や有機溶媒の影響を強く受け、金属塩を多く含む尿や土中水、有機溶剤を多く含む蓄冷剤水溶液や産業・医療廃水を従来の吸水性樹脂で吸収しゲル化させようとしても、純水に比べて大幅に吸水倍率が低下するという大きな問題があり、特に、高濃度の有機溶剤水溶液では殆ど吸水倍率を示さないことすらあった。 【0005】そこで、多量の塩類や有機溶媒を含んだ溶液に対しても高吸水倍率を示す耐塩性の吸水性樹脂が種々提案され、例えば、アクリルアミドやポリエチレンオキシドなどのノニオン性単量体を用いる方法(特開昭56−22378号)、スルホン酸系などの強酸性単量体を用いる方法(特開昭56−161412号,特開昭62−144748号)、4級アンモニウム塩などのカチオン性単量体を用いる方法(特開昭64−15130号,特開平2−119934号,特開平2−242809号)などが報告されている。 【0006】しかし、ノニオン性の吸水性樹脂はゲル強度が弱く、しかも、その吸水速度が遅く飽和吸水倍率に達するのに数時間〜数10時間を必要とするため、実使用には不適である。また、強酸性単量体やカチオン性単量体から得られた吸水性樹脂の多くもゲル強度が低く、また、その単量体自身が極めて高価で衛材などの使い捨て分野では不適な上、単量体の重合性も悪く生産性や残存モノマーによる安全性の問題があった。また、通常、吸水性樹脂は重合体内部の架橋に加えて、ゲル強度や加圧下吸水倍率の向上を目的として、重合後更に表面架橋が行われているが、かかるノニオン系やカチオン系や強酸系の吸水性樹脂はその官能基と表面架橋剤との反応性が低いため、従来のカルボキシル基含有吸水性樹脂に比べ表面架橋効果が低く、表面架橋後の諸物性が大きく劣るのが現状であった。 【0007】なお、これら吸水性樹脂の表面架橋やその類似の技術は、詳しくは、米国特許4043952号,同4051086号,同4340706号,同4497930号,同4507438号,同4541871号,同4558091号,同4587308号,同4666983号,同4727097号,同4735987号,同4734478号,同4755560号,同4771105号,同4783510号,同4798861号,同4806578号,同4973632号,同5026800号,同5115011号,同5140076号,同5164459号,同5244735号などの各種米国特許や、欧州特許0317106号,同0514724号,同0536128号,同0555692号など多くの文献に記載されている。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記現状に鑑みなされたものである。即ち、本発明の目的は、吸水速度,ゲル強度,表面架橋効果などを何等損なうことなく、多量の塩類や有機溶剤を含んだ水性液に対しても高吸水倍率を示す吸水性架橋重合体を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段および作用】本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、主鎖中の官能基として、α−グリコール基とカルボキシル基を併せ持った特定の構造を有する吸水性樹脂が、他の物性を何等損なうことなく、多量の塩類や有機溶剤を含んだ水性液に対しても高吸水倍率を示すことを見い出し、本発明を完成するに至った。 【0010】即ち、本発明は第1の発明として、「一般式(1)で表されるα−グリコール構造単位(A)および、一般式(2)で表されるカルボン酸系構造単位(B)を有すし、吸水倍率が少なくとも10g/gである吸水性架橋重合体。」に関するものである。 【0011】 【化4】
【0012】(式(1)および式(2)において、R1は水素,メチル基または塩素を表し、R2は−COOM2,水素またはメチル基を表し、R3は水素またはメチル基を表し、M1およびM2は水素,一価金属,二価金属,三価金属,アンモニウム基または有機アミン基を表す。) 更に、本発明は第2の発明として、「一般式(3)で表される共役ジエン系単量体(a)および一般式(4)で表されるカルボン酸系単量体(b)とを有する単量体成分を共重合させて、重合後に得られた共重合体もしくはその中和物に由来する二重結合部分を酸化剤を用いて酸化した後、該共重合体を架橋することを特徴とする吸水性架橋重合体の製造方法。」に関するものである。 【0013】 【化5】
【0014】(式(3)および式(4)において、R1は水素,メチル基または塩素を表し、R2は−COOM2,水素またはメチル基を表し、R3は水素またはメチル基を表し、M1およびM2は水素,一価金属,二価金属,三価金属,アンモニウム基または有機アミン基を表す。) 更に、本発明は第3の発明として、「一般式(3)で表される共役ジエン系単量体(a)および一般式(4)で表されるカルボン酸系単量体(b)とを有する単量体成分を共重合させると同時に架橋重合させ、重合後に得られた共重合体もしくはその中和物に由来する二重結合部分を酸化剤を用いて酸化することを特徴とする吸水性架橋重合体の製造方法。」に関するものである。 【0015】以下、本発明を更に詳しく説明する。 【0016】本発明の吸水性架橋重合体はその主鎖中の官能基として、α−グリコール基とカルボキシル基を併せ持つことが必須であり、その構造として、α−グリコール構造単位(A)およびカルボン酸系構造単位(B)を必須に含むものである。 【0017】本発明において、上記構造単位(A)および(B)の合計量は、好ましくは50重量%以上、より好ましくは80重量%以上であり、構造単位(A)および(B)の合計量が50重量%未満では、得られた吸水性架橋重合体の吸水速度,ゲル強度,表面架橋効果などが低下したり、多量の塩類や有機溶剤を含んだ水性液に対して大幅に吸水倍率が低下したりすることがある。 【0018】また、本発明の吸水性架橋重合体は、必須にイオン交換水を飽和時に少なくとも10g/g、好ましくは20〜1000g/g吸水し、且つ水膨潤性・水不溶性であることが必要である。吸水倍率が10g/g未満ではコスト面で不利であり、1000g/gを越えるとゲル強度などの低下が著しく、何れも実用性に乏しい。 【0019】なお、本発明の吸水性架橋重合体は、α−グリコール構造単位(A)およびカルボン酸系構造単位(B)を含むことが必要であるが、製造工程において重合体主鎖中に残存ないし副成するかもしれない、二重結合やラクトン環は構造単位(A)および(B)の総量には含まない。 【0020】即ち、本発明の吸水性架橋重合体の製造方法では、共役ジエン系単量体に由来する二重結合部分が酸化してα−グリコール構造単位(A)を導入するのだが、このとき、二重結合の一部が酸化されずに残ることがある。また、前記酸化後、系のpHが低い場合には、構造単位(A)中の水酸基と、これと隣接する構造単位(B)中のカルボキシル基とが反応して5員環のラクトンを形成することがある。このラクトン部分と前記酸化されずに残った二重結合部分(酸化未反応部分)とは、吸水性架橋重合体中のα−グリコール構造単位(A)およびカルボン酸系構造単位(B)の合計量を算出するときには、これら構造単位(A)および(B)以外の部分として、上記他の単量体に由来する部分がある場合には、これと併せて計算されることになる。 【0021】また、本発明において、α−グリコール構造単位(A)およびカルボン酸系構造単位(B)とのモル比は特に限定させるわけではないが、本発明の目的をより達成するため、構造単位(B):構造単位(A)のモル比が好ましくは80:20〜10:90の範囲であり、より好ましくは75:25〜40:60の範囲である。また、カルボン酸系構造単位としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸およびフマル酸からなる群の中から選ばれた少なくとも1種のカルボン酸系単量体が好ましく、マレイン酸に由来することがより好ましい。 【0022】本発明の吸水性架橋重合体は上記構造を有するものであり、その好適な製造方法は以下に示す本発明の吸水性架橋重合体の製造方法である。 【0023】本発明の吸水性架橋重合体の製造方法は、重合工程、該重合工程の次の酸化工程、および架橋工程の3工程を含むものであり、この内、架橋工程は重合工程と同時に行ってもよいし、別途行ってもよい。 【0024】即ち、本発明の製造方法において、先ず重合工程として、共役ジエン系単量体(a)とカルボン酸系単量体(b)を他の単量体や架橋剤の存在下あるいは不存在下で共重合し、その後、酸化工程として、得られた共重合体を酸化剤を用いて酸化し、更に架橋工程として、重合時または重合後に該共重合体を必須に架橋すればよい。なお、重合工程や酸化工程に関しては、特開平5−214015号や特開平5−214016号に記載された水溶性分散剤や水溶性ビルダーの製造方法を参照してもよいが、かかる技術は架橋体や吸水性樹脂を何等示唆せず、且つ、本発明の特定構造の吸水性樹脂が多量の塩類や有機溶剤を含んだ水性液に対しても高吸水倍率を示す事実を何等示唆しない。 【0025】以下、先ず重合工程を説明する。 【0026】本発明の製造方法において、必須の工程の1つとして、主鎖内に2重結合およびカルボキシル基を有する重合体を得るため、前記一般式化(3)で表される共役ジエン系単量体(a)と前記一般式化(4)で表されるカルボン酸系単量体(b)とを必須成分として含む単量体成分を共重合させる工程が行われる。 【0027】本発明で用いられる共役ジエン系単量体(a)として、例えば、ブタジエン,イソプレン,クロロプレン等が例示される。また、用いられるカルボン酸系単量体(b)として、例えば、アクリル酸,メタクリル酸,クロトン酸,イタコン酸,β−アクリロイルオキシプロピオン酸などの不飽和モノカルボン酸や、マレイン酸,無水マレイン酸,フマル酸などの不飽和ジカルボン酸や、これらカルボン酸の塩が挙げられる。これら共役ジエン系単量体(a)およびカルボン酸系単量体(b)は、それぞれにおいて、1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、カルボン酸系単量体(b)を塩として用いる場合、その塩としては、ナトリウム塩,カリウム塩,リチウム塩,アンモニウム塩,アルカノールアミン塩が好適に例示されるが、ナトリウム塩がより好ましい。 【0028】本発明において、構造単位(A)および(B)の合計量は、得られた吸水性架橋重合体の主鎖中で好ましくは50重量%以上含むものであり、よって、最終の重合体中では50重量%未満範囲で他の構造単位を有していてもよい。 【0029】他の構造単位を吸水性樹脂架橋重合体に導入する方法としては、(I)重合時に他の官能基を有する親水性不飽和単量体および/または疎水性不飽和単量体を第3の不飽和単量体を共重合して導入してもよいし、(II)他の官能基を有するポリマーの存在下で本発明の単量体をグラフト共重合して導入してもよいし、(III)本発明の単量体を重合させて得られた共重合体に、他の官能基を有する親水性不飽和単量体および/または疎水性不飽和単量体をグラフト重合させて導入してもよい。 【0030】本発明において、上記(I)や(III)の方法で併用される第3の不飽和単量体としては、その重合によって吸水性が損なわれない単量体ならば特に制限はなく、例えば、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸、スルホエトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどのスルホン酸基含有の親水性不飽和単量体およびその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジンなどのノニオン性の親水性不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびその四級塩などのカチオン性の親水性不飽和単量体;スチレン、塩化ビニル、ブタジエン、イソブテン、エチレン、プロピレン、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートなどの疎水性不飽和単量体が挙げられ、これらの群から選ばれる1種あるいは2種以上を使用できる。また、親水性不飽和単量体として、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニルなどの様に重合体形成後の官能基の加水分解によって、親水性重合体を形成する親水性不飽和単量体を用いてもよい。 【0031】これら必要に応じて併用する親水性不飽和単量体の中では諸物性の面などから、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸(塩)、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、アクリルアミドから選ばれた1種または2種以上が好ましい。 【0032】また、得られる吸水性架橋重合体の吸水倍率や吸水速度の点から、本発明で必須に用いられるカルボン酸系単量体(b)および必要に応じて用いられるその他の酸基含有の親水性不飽和単量体は、重合前または重合後に中和されることが好ましい。酸基を中和する場合、その一部または全部が中和されるが、吸水特性の向上や本発明の目的を達成をより達成するためには、部分中和されることがより好ましい。かかる共重合体の酸基の中和率としては30〜100モル%、好ましくは40〜95モル%、更に好ましくは50〜90モル%である。 【0033】本発明の吸水性架橋重合体の製造方法において、重合時あるいは重合後の共重合体を架橋する工程を必須に含むものであるが、用いられる架橋方法としては吸水性架橋重合体となるような方法ならば特に制限はない。重合時に架橋させる場合、重合時の■ラジカル重合開始剤によるラジカル架橋,■電子線やガンマー線などによる放射線重合による架橋,■予め所定量の架橋剤を親水性不飽和単量体に添加しての重合による架橋などが例示される。また、重合後架橋させる方法としては、本発明の親水性不飽和単量体を重合させることで水溶性樹脂を得た後、更に■架橋剤不存在下での加熱による後架橋,■電子線やガンマー線などの放射線での後架橋,および■重合後に反応性架橋剤を添加して後架橋する方法などが挙げられる。また、架橋はこれら■〜■の架橋方法を互いに併用してもよいし、重合時に架橋を行った後更に重合後に再び架橋を行ってもよい。 【0034】これら架橋は重合時あるいは重合後に行われるが、重合時に行う場合には、物性面から、重合時に所定量の架橋剤を添加する■の方法が好ましい。■の方法において重合時に用いられる架橋剤としては、従来公知の架橋剤が挙げられ、N,N´−メチレンビスアクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジβ−アクリロイルオキシプロピオネート、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、グリセリンアクリレートメタクリレート、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリシジルアクリレート、ポリ(エチ)レングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミンなどが例示される。また、もし、■の方法を用いる場合、架橋剤の使用量としては、親水性不飽和単量体に対して、通常0.001〜20モル%、好ましくは0.005〜10モル%、より好ましくは0.01〜5モル%の範囲である。 【0035】なお、重合後架橋させる■〜■の方法については、本発明の製造方法における重合工程と酸化工程の説明の後更に述べる。重合後に架橋させる場合、本発明の酸化工程の前に行う方法と、酸化工程の後に行う方法の2通りがあるが、より好ましくは、酸化工程の後に架橋工程が行われる。 【0036】本発明で上記した共役ジエン系単量体(a)およびカルボン酸系単量体(b)とを、必要に応じて架橋剤の存在下で行われる共重合は、バルク重合や沈澱重合でも可能であるが、通常、溶媒を用いて単量体を溶液して重合することが好ましい。 【0037】用いられる溶媒としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;クロロフォルム、四塩化炭素などのハロゲン化炭化水素類;アセトン、シクロヘキノン、メチルエチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸イソプロピルなどのエステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール;ジメチルスルホキシド;ジメチルホルムアミド;ガンマブチロラクトン;水などが挙げられる。また、単量体の濃度としては飽和濃度を越えることも特に制限ないが、通常、5重量%〜飽和濃度、好ましくは10〜50重量%の範囲である。 【0038】なお、重合に際して、各種親水性高分子や界面活性剤、連鎖移動剤などを、重合前や重合途中の単量体に添加してもよい。これらの添加物は、米国特許4076663号,同4286082号,同4320040号,同4833222号,同5149750号,同5264495号や、欧州特許03729831号,同0496594号などに記載されている。 【0039】本発明において、上記単量体を重合する方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤による重合、放射線重合、電子線重合、光増感剤による紫外線重合など公知の重合方法が特に制限なく用いられが、性能の優れた吸水性架橋重合体を得るためには、ラジカル重合開始剤によるラジカル重合が好ましい。かかるラジカル重合法としては、各種溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの公知の重合方法が広く用いられるが、懸濁重合または溶液重合が特に好ましい。尚、重合の際、連続重合,半回分式重合,回分式重合の区別や、減圧,加圧,常圧の区別は特に問わないし、更に、重合時に繊維基材などを共存させてもよい。 【0040】本発明で重合に用いられるラジカル重合開始剤としては、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキシド、過酸化水素、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩などの水溶性ラジカル重合開始剤や、過酸化ベンゾイル、過酸化ジラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1´−アゾビスシクロヘキサノンー1ーカルボニトリルなどの油溶性ラジカル重合開始剤が広く用いられる。また、これら重合開始剤と亜硫酸(水素)塩やL−アスコルビン酸などの還元剤の併用や、重合時の紫外線,放射線などの併用も制限はない。尚、これらラジカル重合開始剤は重合系に一括添加してもよいし、逐次添加してもよいが、その使用量は全単量体に対して、通常0.001〜2モル%、好ましくは0.01〜1モル%の範囲である。 【0041】本発明の吸水性架橋重合体の製造方法において、以上の重合工程で得られた共重合体は、次いで、重合後に得られた共重合体もしくはその中和物に由来する二重結合部分を酸化剤を用いて酸化しα−グリコール構造単位(A)とする工程を経る。以下、酸化工程について説明する。 【0042】上記重合工程で得られた共重合体はそのまま、或は、必要に応じて水を加えて、酸化剤によって酸化すると、共重合体内の共役ジエン系単量体に由来する二重結合部分が酸化されてα−グリコール構造単位(A)が生成される。なお、更に必要により、上記酸化工程と同時や、酸化工程の前および/または後で共重合体を塩基性物質で中和することにより、共重合体中のカルボキシル基を塩形にすることもできる。 【0043】二重結合のα−グリコール化は、酸化剤による直接グリコール化させる方法と、一旦エポキシドを生成させた後に加水分解してα−グリコールを生成させる方法の2通りがある。なお、本発明で用いられる酸化剤としては特に制限ないが、特に過マンガン酸塩,有機過酸化物が好ましい。 【0044】酸化剤として過マンガン酸塩を用いる場合、ケトールやジケトンの生成、ジエンの開裂などの二重結合のグリコール化以外の副反応を防止するため、系中のpHは好ましくは7〜13、より好ましくは12〜13に維持される。 【0045】また、酸化剤として有機過酸化物を用いる場合、有機過酸化物を直接用いる方法と、系中に過酸化水素を有機酸と併せて加えてこの組合せにより、有機過酸化物として作用させる方法がある。この様に、酸化剤は単独種をそのまま用いてもよいし、2種以上の物質の組併せでもよい。過酸化水素と有機酸を組み合わせて用いる場合、有機酸としては、蟻酸,酢酸,安息香酸,フタル酸,ポリアクリル酸などが挙げられ、これら有機酸と共に、必要により酸触媒を用いることができる。用いられる酸触媒としては、エポキシ化技術で普通行われている様な強鉱酸または強有機酸を挙げることができる。好ましい鉱酸は硫酸および燐酸であり、好ましい有機酸はトリクロル酢酸の如きトリハロゲン酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、または硫酸陽イオン交換樹脂である。 【0046】酸化反応は0〜100℃の温度で行うことができる。反応速度や好ましくない副反応の抑制等を考慮すると、好ましい反応温度は20〜90℃である。このようにして得られた酸化後の共重合体は、酸化後のpHが低い場合には共重合体中の一部の水酸基とカルボキシル基が5員環のラクトンを形成することがある。従って、後者の場合は、ラクトン環を開環するために、或はラクトン環の生成を防ぐために、必要に応じて、系をアルカリ性物質で中和してもよい。このようなアルカリ性物質としては、一価金属,二価金属または三価金属の水酸化物,塩化物もしくは炭酸塩,アンモニア,有機アミン等が好ましいものとして挙げられる。ラクトン環の開環は常温でも行われるが、必要に応じて加熱することもできる。 【0047】本発明の吸水性架橋重合体の製造方法において、重合時あるいは重合後の共重合体を架橋する工程を必須に含むものであるが、重合時に架橋させる方法は前述したが、以下、架橋工程の内、重合後架橋させる方法について説明する。 【0048】重合後に後架橋させる場合、本発明の酸化工程の前に行う方法と、酸化工程の後に行う方法の2通りがあるが、より好ましくは、酸化工程の後に架橋工程が行われる。また、架橋に用いられる共重合体としては、少なくとも一部は架橋構造を有し水不溶性の共重合体であってもよいし、完全に水溶性の共重合体でもよい。また、水溶性の共重合体を用いる場合、得られる吸水性架橋重合体の物性面から、その分子量は重量平均で好ましくは5000〜6000000、より好ましくは50000〜5000000の範囲である。なお、架橋後の共重合体の分子量は水不溶性であるため、測定不能(無限大)である。 【0049】先にも述べたが、重合後架橋架橋する方法としては、本発明の親水性不飽和単量体を重合させることで水溶性樹脂を得た後、更に■架橋剤不存在下での加熱による後架橋,■電子線やガンマー線などの活性エネルギー照射線での後架橋,■重合後に反応性架橋剤を添加して後架橋する方法,などが挙げられる。そして、これらの手法やその細部の条件は、目的とする吸水性樹脂架橋重合体の物性や架橋密度に合わせて適宜決定すればよいが、諸物性面から、■の方法がより好ましい。 【0050】上記架橋方法の内、■架橋剤不存在下での加熱による後架橋による場合、酸化前または酸化後、好ましくは、酸化後の該共重合体に対して加熱処理が行われる。かかる加熱処理によって架橋が起こる理由は定かではないが、主鎖のα水素引き抜きによる分子間架橋やカルボキシル基と水酸基同士の分子間エステル化などが考えられる。加熱処理は、溶媒存在下あるいは不存在下で行われ、その加熱処理温度としては60〜320℃、より好ましくは100〜300℃の範囲、加熱処理時間は1分〜20時間、好ましくは5分〜10時間の範囲である。また、得られた吸水性架橋重合体の物性面から、加熱処理時の共重合体の中和率は50〜95モル%が好ましい。 【0051】また、上記架橋方法の内、■活性エネルギー照射線での後架橋による場合、用いられる活性エネルギー線としては、電子線やガンマー線などが例示され、物性面から、その照射線量としては0.1〜300Mrad,好ましくは0.5〜200Mradの範囲である。なお、共重合体への活性エネルギーの照射は実質乾燥状態で行ってもよいが、濃度0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%の水溶液として行われることが好ましい。 【0052】更に、上記架橋方法の内、■重合後に反応性架橋剤を添加して後架橋する方法の場合、酸化前または酸化後、好ましくは、酸化後の該共重合体に対して反応性架橋剤の添加が行われる。該共重合体を架橋する工程は、有機溶媒中や溶媒不存在下で行ってもよいが、物性面から、酸化後の該共重合体を好ましくは濃度0.1〜95重量%、より好ましくは0.5〜90重量%の水溶液として架橋される。用いられる反応性架橋剤としては、カルボキシル基および/または水酸基と反応しうる反応性架橋剤が広く例示される。 【0053】即ち、■の方法で用いられる反応性架橋剤としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの各種多価アルコール類;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルなどの各種多価エポキシ化合物;エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ポリアミドアミン、ポリビニルアミン、リシン、アルギニンなどの各種多価アミン化合物;2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス(3−(1−アジリジニル)プロピオネート)などの多価アジリジン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1.3−ジオキソラン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オンなどの各種アルキレンカーボネート化合物;グリオキサールなどの各種多価アルデヒド化合物;2,4−トリレンジイソシアネートなどの多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリンなどの多価オキサゾリン化合物;エピクロロヒドリンなどのハロエポキシ化合物;ポリアミドアミン−エピクロロヒドリン縮合物、ポリアルキレンポリアミン−エピクロロヒドリン縮合物などのアミンとエピハロヒドリンの反応物;クエン酸、酒石酸、琥珀酸、ポリアクリル酸などの多価アルホン酸;アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物及び塩化物などの多価金属塩;硼酸;その他、これらの官能基を合わせ持ったグリシドールやモノエタノールアミンなどの化合物も例示することができる。 【0054】これら反応性架橋剤の中では、多価アミン,多価アルコール,多価エポキシ化合物,多価アミンとエピハロヒドリンの反応物から選ばれた少なくとも1種の反応性架橋剤が好ましい。なお、アミンとエピハロヒドリンの反応物の一例であるポリアミドアミン−エピクルヒドリン縮合物は常法に従って合成しても良いし、商品名・ハイモロックSC−50(協立有機工業製),カイメン557H(デック・ハーキュレス製),エピノックP−130(デック・ハーキュレス製),スミレッズレジン650(住友化学工業製)などの市販品をそのまま使用してもよい。 【0055】また、かかる反応性架橋剤の使用量としては、酸化後の該共重合体100重量部に対して、0.005〜50重量%、0.01〜30重量部の範囲であり、また、反応温度としては用いられる架橋剤の反応性などに応じて、0〜300℃、好ましくは室温〜250℃の範囲で架橋反応が行われる。 【0056】以上の様にして、共役ジエン系単量体(a)およびカルボン酸系単量体(b)とを、必要に応じて架橋剤の存在下で共重合させる工程、二重結合部分を酸化剤を用いて酸化しα−グリコール構造単位(A)とする工程、重合時または重合後の該共重合体を架橋する工程を経て得られた本発明の吸水性架橋重合体は、溶液状,ゲル状,塊状などでそのまま用いてもよいが、得られた吸水性架橋重合体は架橋後最終的に乾燥することが好ましい。 【0057】本発明における架橋後の乾燥とは、架橋反応時の加熱処理によって乾燥と架橋を同時に行う方法も含み、また、架橋反応後別の乾燥方法を用いてもよい。本発明で用いられる乾燥方法としては、熱風乾燥、特定水蒸気による乾燥(米国特許4920202号)、赤外線乾燥、凍結乾燥、マイクロ波乾燥(米国特許5075344号)、減圧乾燥、ドラムドライヤー乾燥、疎水性有機溶剤中での共沸脱水などが適用可能である。なお、乾燥に先だって、欧州特許497623号などの方法でゲル状重合体を予め粉砕してもよいし、米国特許5229487号などの方法で乾燥器への供給をコントールしてもよい。 【0058】本発明ではこれらの乾燥方法によって、実質乾燥状態、即ち、固形分80%以上、更には90%以上まで加熱乾燥することが好ましい。乾燥温度としては、室温以下であってもよいが、好ましくは70〜300℃、より好ましくは100〜250℃の範囲である。 【0059】本発明の吸水性架橋重合体は、溶液状,ゲル状,塊状など得られれた形態そのまま用いてもよいが、必要により、パルプ,水,バインダーなどの他の基材を併用することで、シート状,繊維状,フィルム状,ブロック状,ペレット状などに成形加工してもよい。本発明の吸水性架橋重合体はその特定の構造故に容易に成形でき、特に物性面や取扱性から、粉末状,シート状,繊維状の何れかに成形することが好ましい。 【0060】本発明の吸水性架橋重合体を粉末状で用いる場合、その形状は不定型,球状,棒状など特に問わないが、好ましくは球状または不定型であり、また、更に粉砕や造粒、分級などを行ってその粒度を調整してもよい。その際、本発明の吸水性架橋重合体の粒度は、粒子の90重量%以上が粒度100〜2000μm、更に好ましくは125〜1400μm、最も好ましくは150〜1000μmの範囲に調製される。なお、吸水性架橋重合体の造粒方法は、米国特許4732968号,同4734478号,同5002986号,同5112902号,同5248709号や、欧州特許0450922号,同0480031号などに例示されている。 【0061】更に、本発明の吸水性架橋重合体に対して、還元剤、不活性無機物、酸化剤、酸化防止剤、界面活性剤、可塑剤、消臭剤などの各種添加剤を添加してたり、表面架橋を施したりして、その諸物性を改善してもよい。なお、かかる吸水性架橋重合体への表面架橋は本願明細書の従来の技術の欄に例示しており、また、かかる吸水性架橋重合体への添加剤は、米国特許4066583号,同4179367号,同4190563号,同4500670号,同4693713号,同4812486号,同4929717号,同4959060号,同4972019号,同5078992号,同5087656号,同5229488号や、欧州特許0009977号などに例示されている。 【0062】以上、本発明の吸水性架橋重合体は、多量の塩類や有機溶剤を含んだ水性液に対しても高吸水倍率を示すため、紙おむつ,生理用ナプキン,タンポンなどの各種衛材分野、包帯,湿布剤,医療廃液処理剤などの医療分野、鮮度保持シートなどの食品分野、結露防止シート,油中水分除去剤などの産業分野,その他、農園芸用保水剤などに広く使用できる。 【0063】 【発明の効果】本発明の吸水性架橋重合体およびその製造方法は、以下の利点を有する。 【0064】(1)従来の吸水性樹脂が吸収できなかった高濃度の有機溶媒水溶液に対して、極めて高い吸収能を示す。 【0065】(2)多量の塩類を含んだ水性液に対しても高吸水倍率を示し、また、塩濃度による吸収倍率の変化が少ない。 【0066】(3)モノマーは安価で、その重合性も高く、安全性に優れている。 【0067】(4)吸水速度やゲル強度などにも優れている。 【0068】(5)主鎖官能基としてカルボキシル基を有するため表面架橋に好適であり、表面架橋でより優れた物性を示す。 【0069】 【実施例】以下、実施例によって本発明を説明するが、本発明の範囲がこれらの実施例にのみ限定されるものではない。尚、実施例に記載の吸水性架橋重合体の諸物性は、下記の試験方法によって測定した値を示す。 【0070】(1)吸収倍率吸水性架橋重合体0.2gを不織布製のティーバッグ式袋(40*150mm)に均一に入れ、所定濃度の水溶液120ml中に浸漬した。2時間後、ティーバッグ式袋を引き上げ、一定時間水切りを行った後、ティーバッグ式袋の重量を測定し、以下の式で吸水倍率を算出した。 【0071】 【数1】
【0072】なお、吸収倍率を測定する水溶液としては、(a)40重量%イソプロパノール水溶液,(b)塩化ナトリウム0.9重量%の生理食塩水,(c)塩化ナトリウム20重量%水溶液,(d)人工尿(尿素1.8重量%,塩化ナトリウム0.8重量%,塩化カルシウム0.1重量%,硫酸マグネシウム0.1重量%を含むイオン交換水)の4通りで行った。なお、得られた吸水性樹脂架橋体はイオン交換水中では何れも30倍以上の吸収倍率を示した。 【0073】(実施例1)先ず、重合工程として、攪拌装置、温度計、圧力計および2本のガス導入管を備えたスチール製オートクレーブに、無水マレイン酸157.6g、アゾビスイソブチロニトリル1.9g、およびシクロヘキサノン482.6gを取り、オートクレーブ内を攪拌しながら、窒素で5Kg/cm2の加圧と脱圧を数回繰り返し、十分空気と置換し、70℃まで加熱した。次いで、ブタジエン96.6g、シクロヘキサン96.6gからなる混合溶液を120分かけて添加し、添加完了後、引続き70℃で60分間保持し、重合反応を完了した。得られたポリマー溶液を大過剰のジエチルエーテル中に再沈澱させ沈澱物を濾過後、60℃で減圧乾燥し、ブタジエン−マレイン酸コポリマー(1)を得た。 【0074】次いで、酸化工程として、攪拌装置、温度計、ガス導入管を備えたガラス製反応容器に、ブタジエン−マレイン酸共重合体(1)18.7g、蟻酸24.5g、水31.3gをとり、容器内を窒素置換した。 【0075】次に室温で30%過酸化水素水15.3gを10分間かけて添加した。添加終了後、攪拌を続け、内温が70℃以上にならないように冷却し、6時間攪拌した。内容物を濾過し、粉砕して60℃で減圧乾燥した後、得られたポリマー6.5gに48重量%水酸化ナトリウム水溶液6.07g、水76.2gを加え、攪拌して97℃で260分保持して、共重合体(1)を得た。 【0076】この共重合体(1)を、プロトン核磁気共鳴スペクトル、赤外線吸収スペクトル、紫外線吸収スペクトル、ゲル浸透クロマトグラフィーなどで構造解析した所、中和率100モル%の水溶性ポリマーであり、重合体中に、ブタジエンに由来するブテン構造単位は殆ど含まず、該ブテン構造単位の酸化物であるα−グリコール構造単位(A)を49:マレイン酸に由来するカルボン酸系構造単位(B)を50のモル比で含み、その重量平均分子量は140000であった。 【0077】最後に架橋行程として、該共重合体(1)の8.2重量%水溶液12.19gに、1N塩酸4.09gを加えその中和率を75モル%とした後、水1.2gおよび、反応性架橋剤としてポリアミドポリアミン−エピクロロヒドリン縮合物の2%水溶液2.5gを混合することで、共重合体(1)濃度5重量%で100重量部当たり5部の反応性架橋剤を含む水溶液を得た。得られた水溶液をシャーレに入れ、120℃の熱風乾燥器中で1時間加熱し、固形分90重量%以上まで乾燥した後、乾燥物を粉砕し、JIS標準篩850〜150μmを分級することで不定形白色粉末の吸水性架橋重合体(1)を得た。 【0078】(実施例2)実施例1において、最後に架橋行程として、用いるポリアミドポリアミン−エピクロロヒドリン縮合物の濃度を2重量%から0.4重量%に変更することで、共重合体(1)濃度5重量%で100重量部当たり1部の反応性架橋剤を含む水溶液を得た。以下、実施例1と同様に加熱乾燥、粉砕、分級することで、不定形白色粉末の吸水性架橋重合体(2)を得た。 【0079】(実施例3)実施例1において、最後に架橋行程として、反応性架橋剤としてポリアミドポリアミン−エピクロロヒドリン縮合物の2%水溶液2.5gに代えて、エチレングリコールジグリシジルエーテル(長瀬化成製,デナコールEX−810)の2%水溶液2.5gを用いる以外は実施例1と同様に行い、共重合体(1)濃度5重量%で100重量部当たり5部の反応性架橋剤を含む水溶液を得た。以下、実施例1と同様に加熱乾燥、粉砕、分級することで、不定形白色粉末の吸水性架橋重合体(3)を得た。 【0080】(実施例4)実施例1において、最後の架橋行程として、該共重合体(1)の8.2重量%水溶液12.19gに1N塩酸2.05gを加えその中和率を87.5モル%とした後、反応性架橋剤を加えることなく、シャーレ中で100℃の熱風乾燥器で12時間加熱し更に120℃で2時間加熱した。以下、得られた乾燥物を実施例1と同様に粉砕、分級することで、不定形白色粉末の吸水性架橋重合体(4)を得た。 【0081】(比較例1)中和率75モル%で濃度38重量%の部分中和アクリル酸ナトリウム塩水溶液に200gに、架橋剤としてN、N’−メチレンビスアクリルアミド0.5モル%(対モノマー)を溶解させた後、攪拌装置、温度計、ガス導入管を備えたガラス製反応容器に窒素気流下挿入した。次いで、モノマーの液温を30℃とした後、重合開始剤として過硫酸ナトリウム0.1モル%とL−アスコルビン酸0.01モル%を添加した所、重合は即座に開始しゲル化した。更に1時間重合を行った後に得られた含水ゲルを約1〜5mmに細分化した後、150℃の熱風乾燥器中で1時間、固形分90重量%以上まで乾燥した。得られた乾燥物を粉砕し、JIS標準篩850〜150μmを分級することで不定形白色粉末の比較吸水性架橋重合体(1)を得た。 【0082】以下、実施例および比較例で得られた吸水性架橋重合体の性能を表1に示す。 【0083】表1から明らかな様に、本発明の吸水性架橋重合体は、従来の吸水性樹脂が吸収出来なかった40重量%イソプロパノール水溶液などの高濃度の有機溶媒水溶液を多量に吸収する。 【0084】また、従来の吸水性樹脂は、たとえイオン交換水や生理食塩水では比較的高い吸水能を示しても、実使用に適した人工尿や20重量%食塩水など高濃度の塩類を含んだ水溶液ではその吸水能が1/6〜1/10以下と大幅に低下してしまい、塩濃度の影響を大きく受ける。それに対して、本発明の吸水性架橋重合体では、実使用に適した人工尿や20重量%食塩水などで高い吸水能を示し、しかも、塩濃度による吸水倍率の変化が1/2以下と小さいため、多くの水溶液に対して安定的に高い吸水能を示す。 【0085】 【表1】
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