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発明の名称 熱可塑性エラストマー組成物及びその射出成形体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−27353
公開日 平成8年(1996)1月30日
出願番号 特願平6−164251
出願日 平成6年(1994)7月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外2名)
発明者 高 橋 英 樹
要約 目的
ゴム弾性、柔軟性、耐熱性、耐オゾン性及び成形加工性に優れ、かつ、パラフィン系オイルのブリードが少なく、その上、加硫ゴムに近い性質を有する熱可塑性エラストマー組成物及びそれからなる射出成形体を提供する。

構成
スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物(成分A)、パラフィン系オイル(成分B)、結晶性ブテン−1樹脂(成分C)及びポリエチレン樹脂(成分D)の各成分から構成されており、上記各構成成分の配合割合が、成分A:成分Bの配合比(重量比)が3:7〜8:2であり、かつ成分A、成分B及び成分Cの合計量100重量部に対して成分Aと成分Bの合計量が40〜97重量部で、成分Cが3〜60重量部、及び、成分Dが3〜50重量部であることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物、及び、それより形成された射出成形体。
特許請求の範囲
【請求項1】スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物(成分A)、パラフィン系オイル(成分B)、結晶性ブテン−1樹脂(成分C)及びポリエチレン樹脂(成分D)の各成分から構成されており、上記各構成成分の配合割合が、成分A:成分Bの配合比(重量比)が3:7〜8:2であり、かつ成分A、成分B及び成分Cの合計量100重量部に対して成分Aと成分Bの合計量が40〜97重量部で、成分Cが3〜60重量部、及び、成分Dが3〜50重量部であることを特徴とする熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項2】パラフィン系オイル(成分B)が、40℃動粘度20〜800cst、流動点0〜−40℃、引火点200〜400℃の物性を示すオイルである、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項3】結晶性ブテン−1樹脂(成分C)が、密度0.890〜0.925g/cm3、重量平均分子量10,000〜3,000,000の物性を示す樹脂である、請求項1に記載の熱可塑性エラストマー組成物。
【請求項4】スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物(成分A)、パラフィン系オイル(成分B)、結晶性ブテン−1樹脂(成分C)及びポリエチレン樹脂(成分D)の各成分から構成されており、上記各構成成分の配合割合が、成分A:成分Bの配合比(重量比)が3:7〜8:2であり、かつ成分A、成分B及び成分Cの合計量100重量部に対して成分Aと成分Bの合計量が40〜97重量部、成分Cが3〜60重量部、及び、成分Dが3〜50重量部である熱可塑性エラストマー組成物により形成された射出成形体。
【請求項5】パラフィン系オイル(成分B)が、40℃動粘度20〜800cst、流動点0〜−40℃、引火点200〜400℃の物性を示すオイルである、請求項4に記載の射出成形体。
【請求項6】結晶性ブテン−1樹脂(成分C)が、密度0.890〜0.925g/cm3、重量平均分子量10,000〜3,000,000の物性を示す樹脂である、請求項4に記載の射出成形体。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴム弾性、柔軟性、耐熱性、耐オゾン性及び成形加工性に優れ、かつ、パラフィン系オイルのブリードが少なく、その上、加硫ゴムに近い性質を有する熱可塑性エラストマー組成物及びそれからなる射出成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、加硫工程を要さないゴム弾性を有する軟質材料であって、熱可塑性樹脂同様の成形加工性を有する熱可塑性エラストマー(以下、単に「TPE」と略記することがある。)組成物が、自動車部品、家電部品、医療器具部品、食品用機器部品、電線、雑貨等の種々の分野で使用され、また、注目されている。この様なTPEとして、現在、オレフィン系、ウレタン系、エステル系、スチレン系等の種々の構成成分系のものが開発され、市販されている。しかしながら、これらのTPEは、品質において、広く用いられている加硫ゴムの水準には達していない。
【0003】例えば、オレフィン系TPEは、比較的安価で、耐熱性や耐候性に優れている反面、柔軟性に劣り、最も柔軟なものでもJIS−A硬度(JIS−K6301)が55程度であって、加硫ゴムの物性であるJIS−A硬度45以上の値を示すものに比べて、未だ硬すぎるといった欠点を有している。同様に、エステル系TPEやウレタン系TPEにおいては、市販されているものの中で最も柔軟なものでもJIS−A硬度が70程度であり、加硫ゴムの用途に未だ適さないものである。また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)やスチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体(SIS)等のスチレン系TPEは、他のTPEに比べて優れた柔軟性を有しているが、重合体中に二重結合を有しているために、耐熱老化性(熱安定性)、耐候性、耐オゾン性等に問題を有している。この様な共重合体中の二重結合を減少又は無くしたスチレン系エラストマーとして、スチレンと共役ジエンとのブロック共重合体を水素添加して得られた耐熱性、耐候性、耐オゾン性の向上した誘導体が知られており、これにポリプロピレン樹脂、オイル、無機フィラー等を配合したスチレン系TPE組成物よりなる成形材料は、加硫ゴムに比べてゴム弾性及び耐熱性の点で未だ劣っていると同時に、パラフィン系オイルのブリードが生じるとの欠点がある。この様な欠点は、特に射出成形体の成形時において顕著に現れる。
【0004】しかし、一般に、結晶性ブテン−1樹脂の融点は130℃前後で、又、ポリエチレン樹脂の融点は110〜140℃であるが、ポリプロピレンの融点は160℃前後と高いことや、曲げ弾性率もポリプロピレンの方が高いことから、これまではポリプロピレンを添加することによって、耐熱性、ゴム弾性のあるTPE組成物が得られると考えられ、スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物をベースとしたTPEは、硬度と成形加工性を向上させるためにポリプロピレンを添加しようとするのが一般的な考えであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スチレン系TPEの優れた柔軟性、耐候性、耐オゾン性、射出成形性等の物性を損なうことなく、加硫ゴムに近いゴム弾性及び耐熱性、耐傷付き性を有し、かつ、パラフィン系オイルのブリードが少ないスチレン系TPE組成物及び特にそれからなる射出成形体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
[発明の概要]本発明者は、上記課題を解決するために種々の研究を重ねた結果、ポリプロピレンでなく、結晶性ブテン−1樹脂とポリエチレン樹脂を併用することにより、TPE組成物のゴム弾性、耐熱性を大幅に改善することができ、その上、そのTPE射出成形体を成形する際にもパラフィン系オイルのブリードを少なくすることができることを見いだして、本発明を完成するに至ったものである。この様な効果が得られることは全く予想外のことで、意外なことである。すなわち、本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物(成分A)、パラフィン系オイル(成分B)、結晶性ブテン−1樹脂(成分C)及びポリエチレン樹脂(成分D)の各成分から構成されており、上記各構成成分の配合割合が、成分A:成分Bの配合比(重量比)が3:7〜8:2であり、かつ成分A、成分B及び成分Cの合計量100重量部に対して成分Aと成分Bの合計量が40〜97重量部で、成分Cが3〜60重量部、及び、成分Dが3〜50重量部であることを特徴とするものである。また、本発明のもう一方の発明である射出成形体は、スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物(成分A)、パラフィン系オイル(成分B)、結晶性ブテン−1樹脂(成分C)及びポリエチレン樹脂(成分D)の各成分から構成されており、上記各構成成分の配合割合が、成分A:成分Bの配合比(重量比)が3:7〜8:2であり、かつ成分A、成分B及び成分Cの合計量100重量部に対して成分Aと成分Bの合計量が40〜97重量部、成分Cが3〜60重量部、及び、成分Dが3〜50重量部である熱可塑性エラストマー組成物により形成されたものである。
【0007】[発明の具体的説明]
[I] 熱可塑性エラストマー組成物(1) 構成成分(a) 成分A:スチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物本発明の熱可塑性エラストマー組成物の構成成分であるスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物としては、スチレンと共役ジエンとのブロック共重合体を水素添加して得られたものであり、ここで好適な共役ジエンはブタジエン、イソプレン又はこれらの混合物であり、例えば、スチレン・ブタジエンブロック共重合体の水素添加物(スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重合体(以下、単に「SEBS」と略記することがある。)、或いは、スチレン・イソプレンブロック共重合体の水素添加物(スチレン・エチレン・プロピレン・スチレン共重合体(以下、単に「SEPS」と略記することがある。)、スチレン・ブタジエン・イソプレンブロック共重合体の水素添加物又はこれらの混合物を好適に使用することができる。これらスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物は、重量平均分子量10,000〜800,000、好ましくは30,000〜500,000、特に好ましくは100,000〜400,000の範囲であるものが耐熱性及び射出成形性の点から好ましく、また、スチレン含有量が5〜50重量%、好ましくは10〜45重量%、水素添加率が95%以上のものが耐候性の点から好ましい。
【0008】ここで「重量平均分子量」は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により次の条件で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量である。
(条件)機器 :150C ALC/GPC(MILLIPORE社製)
カラム:AD80M/S(昭和電工(株)製)3本溶媒 :o−ジクロロベンゼン温度 :140℃流速 :1ml/分注入量:200μl濃度 :2mg/ml(酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−フェノールを0.2重量%添加。濃度検出はFOXBORO社製赤外分光光度計MIRAN 1Aにより波長3.42μmで測定。)
【0009】これらスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物の製造方法としては、例えば、特公昭40−23798号公報に記載された方法により、リチウム触媒等を用いて不活性溶媒中でスチレン・ブタジエンブロック共重合体を合成し、次いで、例えば、特公昭42−8704号、特公昭43−6636号、特開昭59−133203号、特開昭60−79005号各公報に記載された方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に水素添加する方法等を挙げることができる。
【0010】(b) 成分B:パラフィン系オイル本発明の熱可塑性エラストマー組成物の構成成分であるパラフィン系オイルとしては、40℃動粘度が20〜800cst、好ましくは50〜600cst、流動度が0〜−40℃、好ましくは0〜−30℃、及び、引火点(COC)が200〜400℃、好ましくは250〜350℃のオイルが好適に使用される。オイルは、一般に、芳香族環、ナフテン環及びパラフィン環の三者を組み合わせた混合物であって、パラフィン鎖炭素数が全炭素中の50%以上を占めるものがパラフィン系オイルと呼ばれ、ナフテン環炭素数が30〜45%のものがナフテン系オイルと呼ばれ、芳香族炭素数が30%より多いものが芳香族系オイルと呼ばれて区分されている。これら各種オイルの中でもパラフィン系オイル以外のオイルを本発明において使用した場合は、耐候性に劣り不適である。
【0011】(c) 成分C:結晶性ブテン−1樹脂(必須成分)
本発明の熱可塑性エラストマー組成物の構成成分である結晶性ブテン−1樹脂としては、エチレン、プロピレン等の他のコモノマーを少量(20重量%以下)含有していても良いブテン−1モノマーから合成された結晶性樹脂で、密度が0.890〜0.925g/cm3 、好ましくは0.893〜0.923g/cm3 、特に好ましくは0.900〜0.920g/cm3 、メルトフローレート(MFR:190℃、2.16kg荷重)が0.01〜1,000g/10分、好ましくは0.05〜500g/10分、特に好ましくは0.1〜100g/10分、結晶化度が30%以上、好ましくは30〜70%、重量平均分子量が10,000〜3,000,000、好ましくは50,000〜2,500,000のものが好適に使用される。
【0012】(d) 成分D:ポリエチレン樹脂本発明の熱可塑性エラストマー組成物の構成成分であるポリエチレン樹脂としては、低密度ポリエチレン(分岐状エチレン重合体)や中密度又は高密度ポリエチレン(直鎖状エチレン重合体)を挙げることができる。特に中密度又は高密度ポリエチレン(直鎖状エチレン重合体)が好ましい。
【0013】(e) その他の成分(任意成分)
本発明のTPE組成物には、上記必須成分に加えて、本発明の効果を著しく損なわない範囲で各種目的に応じ他の任意の配合成分を配合することができる。任意成分としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、分散剤、着色剤、難燃剤、帯電防止剤、導電性付与剤、架橋剤、架橋助剤、金属不活性化剤、分子量調整剤、防菌剤、蛍光増白剤等の各種添加物、上記必須成分以外の熱可塑性樹脂、上記必須成分以外のエラストマー、フィラー等を挙げることができ、これらの中から任意のものを単独で又は併用して用いることができる。
【0014】ここで必須成分以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の様なエチレン・α−オレフィン共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリオキシメチレンホモポリマー、ポリオキシメチレンコポリマー等のポリオキシメチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂等を挙げることができる。なお、高温圧縮永久歪の点ではポリプロピレン、ポリスチレン系樹脂を用いない方が好ましい。
【0015】また、任意のエラストマーとしては、例えば、エチレン・プロピレン共重合ゴム(EPM)、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合ゴム(EPDM)、エチレン・ブテン共重合ゴム、エチレン・プロピレン・ブテン共重合ゴム等のエチレン系エラストマー、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合体ゴム等のスチレン系エラストマー、ポリブタジエン等を挙げることができる。
【0016】更に、フィラーとしては、ガラス繊維、中空ガラス球、炭素繊維、タルク、炭酸カルシウム、マイカ、チタン酸カリウム繊維、シリカ、二酸化チタン、カーボンブラック等を挙げることができる。
【0017】(2) 組 成(配合比)
本発明の熱可塑性エラストマー組成物にて使用する上記必須の構成成分の組成(配合比(重量比))は次に示す通りである。すなわち、成分Aのスチレン・共役ジエンブロック共重合体の水素添加物、成分Bのパラフィン系オイル、成分Cの結晶性ブテン−1樹脂及び成分Dのポリエチレン樹脂の配合比は、成分A:成分Bの配合比(重量比)が3:7〜8:2、好ましくは3.5:6.5〜8:2であり、かつ成分A、成分B及び成分Cの合計量100重量部に対して成分Aと成分Bの合計量が40〜97重量部、好ましくは45〜96重量部、特に好ましくは50〜95重量部、成分Cが3〜60重量部、好ましくは4〜55重量部、特に好ましくは5〜50重量部、及び、成分Dが3〜50重量部、好ましくは4〜45重量部、特に好ましくは5〜40重量部である。
【0018】成分Aの配合比が少なすぎる(すなわち、成分Bが多すぎる)と熱可塑性エラストマーのゴム弾性及び耐熱性が劣ると共にパラフィン系オイルがブリードし易くなる。一方、成分Aの配合比が多すぎる(すなわち、成分Bが少なすぎる)と熱可塑性エラストマーの柔軟性及び射出成形性が不満足となる。特に成分Bが配合されない場合は、射出成形性が極めて悪く、その上、ゴム弾性、柔軟性、耐熱性にも劣った熱可塑性エラストマーしか得られない。また、成分Cの配合比が少なすぎると熱可塑性エラストマーの射出成形性が劣り、成分Cの配合比が多すぎると熱可塑性エラストマーの柔軟性が失われる。また、成分Dの配合比が少なすぎると熱可塑性エラストマーの耐熱性が劣り、成分Dの配合比が多すぎると熱可塑性エラストマーの柔軟性が失われると共にパラフィン系オイルがブリードし易くなる。
【0019】[II] 熱可塑性エラストマー組成物の製造本発明の熱可塑性エラストマー組成物(TPE組成物)の製造においては、上記各成分を機械的溶融混練する通常の方法によって製造することができる。該機械的溶融混練において用いられる溶融混練機としては、例えば、単軸押出機、二軸押出機、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ロール等を挙げることができる。得られた熱可塑性エラストマー組成物はJIS−A硬度が、好ましくは20〜98、特に好ましくは30〜95のものである。
【0020】[III] 成 形上記熱可塑性エラストマー組成物は、射出成形(インサート成形法、二色成形法、サンドイッチ成形法、ガスインジェクション成形法等)、押出成形、ブロー成形等の成形に供して成形体に加工する。成形体のうち、特に射出成形体において本発明の効果が著しく奏される。射出成形条件は通常の射出成形条件で行なうことができる。一般的な射出成形条件としては、100〜300℃、好ましくは130〜280℃、特に好ましくは150〜250℃の成形温度、50〜1,000kg/cm2 、好ましくは100〜800kg/cm2 の射出圧力で成形される。このようにして得られた成形品の用途としては、自動車部品、家電部品等の工業部品、食品包装材、医療機器部品、汁器部品、日用雑貨品等を挙げることができる。
【0021】
【実施例】以下に示す実験例によって、本発明を更に具体的に説明する。これら比較例及び実施例は、以下に示す原材料を用い、以下に示す評価方法によって評価を行なった。
[I] 原材料TPE−1: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 32重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 48重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)20重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 10重量部【0022】
TPE−2: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 32重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 48重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)20重量部 ■ 密度0.926g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の中密度ポリエチレン 10重量部【0023】
TPE−3: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 32重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 48重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)20重量部 ■ 密度0.919g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)9g/10分の低密度ポリエチレン 10重量部【0024】
TPE−4: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 32重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 48重量部 ■ 密度0.915g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分、結晶化度が55%、重量平均分子量200,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)55のポリブテン−1(ポリブチレン)
20重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 10重量部【0025】
TPE−5: ■ 重量平均分子量238,000、スチレン含量35重量%のSEPS 32重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 48重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)20重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 10重量部【0026】
TPE−6: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 24重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 36重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)40重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 10重量部【0027】
TPE−7: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 36重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 54重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)10重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 10重量部【0028】
TPE−8: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 32重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 48重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)20重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 20重量部【0029】
TPE−9: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 32重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 48重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)20重量部【0030】
TPE−10: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 32重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 48重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)20重量部 ■ 曲げ弾性率(JIS−K7203)13,000kg/cm2 、MFR(230℃、2.16kg荷重)25g/10分のホモポリプロピレン 10重量部【0031】
TPE−11: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 80重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)20重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 10重量部【0032】
TPE−12: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 24重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 56重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)20重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 10重量部【0033】
TPE−13: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 40重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 60重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 30重量部【0034】
TPE−14: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 12重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 18重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)70重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 10重量部【0035】
TPE−15: ■ 重量平均分子量246,000、スチレン含量33重量%のSEBS 32重量部 ■ 40℃動粘度381.6cst、流動点−15℃、引火点300℃、重量平均分子量746、環分析0%のパラフィン系オイル 48重量部 ■ 密度0.908g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)4g/10分、結晶化度が45%、重量平均分子量330,000、ショア−D硬度(ASTM−D2240)50のポリブテン−1(ポリブチレン)20重量部 ■ 密度0.958g/cm3 、MFR(190℃、2.16kg荷重)20g/10分の高密度ポリエチレン 60重量部【0036】[II]評価方法以下に示す実施例及び比較例にて用いた測定試料は、全てインラインスクリュータイプ射出成形機(東芝機械(株)製小型射出成形機:IS90B)にて、射出圧力500kg/cm2 、射出温度210℃、金型温度40℃の条件下にて成形し、120mm×80mm×2mm厚シートの横方向打ち抜きにより得たものである。
(1)JIS−A硬度[−] :JIS−K−6301(2)MFR [g/10分] :JIS−K−6758条件:230℃×2.16kg荷重(3)300%応力 [kg/cm2 ]:JIS−K−6301(4)圧縮永久歪 [%] :JIS−K−6301条件:70℃×22時間、100℃×22時間(5)パラフィン系オイルのブリード :試料を常温下で30日間静置した後に表面のべたつきの有無を目視にて評価した。
(6)射出成形性 :測定試料用シートの成形時にショートショットのない場合、及び、シートにフローマーク等の著しい外観不良がない場合に良好と評価した。
【0037】[III] 実験例実施例1〜8及び比較例1〜7表1〜表4に示す配合量(重量部)にて配合した組成物の合計量100重量部に対して、フェノール系酸化防止剤(商品名「イルガノックス 1010」)0.1重量部を添加し、L/D=33、シリンダー径45mmの二軸押出機を用いて190℃の温度に設定して溶融混練させて熱可塑性エラストマー組成物のペレットを得た。このペレットを上記の通り射出成形してシートとし、この得られたシートを上記の評価に供した。その評価結果を表1〜表4に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
【表3】

【0041】
【表4】

【0042】
【発明の効果】このような本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、ゴム弾性、柔軟性、耐熱性、耐オゾン性及び成形加工性に優れ、かつ、パラフィン系オイルのブリードが少なく、その上、加硫ゴムに近い性質を有する熱可塑性エラストマー組成物及びそれからなる射出成形体であることから、自動車部品、家電部品等の工業部品、食品包装材、医療機器部品、汁器部品、日用雑貨品等として利用でき、産業上極めて有用な材料である。


 

 


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