米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 車両 -> 富士重工業株式会社

発明の名称 エンジン駆動の振子式鉄道車両
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−282483
公開日 平成8年(1996)10月29日
出願番号 特願平7−89748
出願日 平成7年(1995)4月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
発明者 箕 輪 行 雄 / 田 中 裕 輔
要約 目的
1台のエンジンのみを有する車輌であっても、このエンジンの反トルクによる車体傾斜への影響無く振子機構を組み込むことができ、しかも、簡易な構造により如何なるディーゼル動車にも適用できることにある。

構成
エンジンが一対のリンクにより車体に懸架され、反力軸がプロペラシャフトと平行に車長方向に延ばされ、両端がユニバーサルジョイントを介して上記エンジンのケース及び減速機のケースに固着されている。また、一対の駆動ギヤに各々等速ジョイントを介してプロペラシャフトが連結され、反力軸が一対の反転ギヤに各々等速ジョイントを介して連結されている。
特許請求の範囲
【請求項1】エンジンにより減速機を介して駆動される輪軸を備えた台車上に、車体が自然振子式車体傾斜装置を介して支持されたエンジン駆動の振子式鉄道車両において、上記車体の下部の2個の枢着点と上記エンジンの2個の枢着点とを、車体側の2個の枢着点の間隔の方がエンジン側の2個の枢着点の間隔より広くなるように、各々連結して上記エンジンを懸架する1懸架部当り2個のリンクと、車長方向に延ばされて上記エンジンからの駆動力を上記減速機に伝達し、エンジンの出力軸及び減速機の入力軸との連結部に各々ユニバーサルジョイントが介装されたプロペラシャフトと、このプロペラシャフトと平行に車長方向に延ばされ、両端がユニバーサルジョイントを介して上記エンジンのケース及び減速機のケースに固着された反力軸と、を具備することを特徴とするエンジン駆動の振子式鉄道車両。
【請求項2】エンジンにより減速機を介して駆動される輪軸を備えた台車上に、車体が自然振子式車体傾斜装置を介して支持されたエンジン駆動の振子式鉄道車両において、上記エンジンの出力軸と上記減速機の入力軸との各々に装着された一対の駆動ギヤと、これら一対の駆動ギヤに各々噛合するように配設され、回転数が駆動ギヤの回転数と同一である一対の反転ギヤと、車長方向に延ばされて上記エンジンからの駆動力を上記減速機に伝達し、上記一対の駆動ギヤに各々等速ジョイントを介して連結されたプロペラシャフトと、このプロペラシャフトと平行に車長方向に延ばされ、上記一対の反転ギヤに各々等速ジョイントを介して連結された反力軸と、を具備することを特徴とするエンジン駆動の振子式鉄道車両。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄道車両の曲線路通過速度を向上するためのエンジン駆動の振子式鉄道車両に関し、例えば、小型のディーゼル動車、又は、床下利用可能スペースが少ないディーゼル動車に適用できるエンジン駆動の振子式鉄道車両に関する。
【0002】
【従来の技術】電車、ディーゼル動車等にあっては、曲線路における列車の通過速度を向上するために、遠心力を利用した自然振子方式の振子機構を組み込んだ車両が国内各地で運用されている。
【0003】この振子機構では、図5に示すように、輪軸1を軸ばね2を介して支持する台車3の両端に、各々、一対のコロ4,4が設けられている。これらのコロ4,4の上に、下側が円弧状に形成された振子梁5が揺動自在に載置されている。この振子梁5の上に、枕ばね(空気ばね)6を介して車体7が支持されている。さらに、曲線路では、列車が内傾できるように、線路面が内方に傾斜されたカント8が形成されている。
【0004】このような振子機構を有する車両が曲線路を通過する際には、先ず、カント8の働きにより車両は台車3も含めて内傾し、車両の曲線通過速度が車体7の重心GB に作用する遠心力とバランスする。しかし、この曲線通過速度がこのバランス速度を超過すると、車体7の重心GB に超過遠心力が作用し、その結果、車体7及び振子梁5は、この振子梁5の曲率中心Oを中心としてコロ4,4の上を揺動し(即ち、振子運動を行う)、これにより、超過遠心力がキャンセルされる。この時の車体7と台車3との相対傾斜角を振子角θとする。
【0005】一方、ディーゼル動車にあっては、その駆動装置に直角カルダン駆動方式が用いられることが一般的になっている。即ち、この直角カルダン駆動方式では、ディーゼル機関が車両の床下に装備され、このディーゼル機関からの動力がプロペラシャフトを介して輪軸に直角に伝達されるように構成されている。
【0006】このような直角カルダン駆動方式のディーゼル動車では、ディーゼル機関の出力軸心の方向が車両の長手方向に向けて配置されているため、ディーゼル機関により発生する駆動トルクの反トルクによって、車体が強制的に傾斜されること、即ち、車体が機関の回転出力の逆方向に振られることがある。そのため、上述した振子機構をディーゼル動車に組み込むと、反トルクにより不用意な振子運動の虞れがあった。
【0007】このような虞れなく、直角カルダン駆動方式のディーゼル動車に振子機構を組み込んだものとして、特公平6−29022号公報に開示されたものがある。この公報に開示された振子機構付車両では、一対の内燃機関が1台の車両の床下にその駆動軸(プロペラシャフト)を互いに対向するように配置され、一方の内燃機関の反トルクが他方の内燃機関の反トルクにより打ち消し合うように構成され、その結果、車両が振れることが防止されている。これにより、振子機構の振子運動が内燃機関の反トルクにより阻害されることがないようにされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、国内の狭軌鉄道では、1台の車両の最大長さは、曲線通過の都合上20.8mが一般的であり、車両の長さが20.8mよりも短く構成されているところの通勤車両や簡易車両においては、上記公報に開示された反トルクの影響防止の構造では、内燃機関及びこれのプロペラシャフトが各々一対設けられる必要があることから、上記公報のような反トルクの影響防止構造を組み込むことは困難であった。しかも、車両の床下スペースが機器で混雑し、メンテナンス作業が煩雑であるといったこともあった。
【0009】また、近年の鉄道車両におけるスピードアップの社会的要望は著しく、到達時間短縮に大きな効果のある振子機構の採用の要望は、特に曲線路の多い国内の在来線においては、長大な(20.8m長さの)特急車両だけでなく通勤車両や短小な簡易車両においても例外ではなく、むしろスピードアップの不可欠な要件ともなりつつある。従って、どのようなタイプのディーゼル動車にも簡易に適用できる振子方式の鉄道車輌の開発が要望されている。
【0010】本発明の目的は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、1台のエンジンしか搭載出来ない短小な車輌であっても、このエンジンの反トルクによる車体傾斜への影響無く振子機構を組み込むことができ、しかも、簡易な構造により如何なるディーゼル動車にも適用できるエンジン駆動の振子式鉄道車両を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、本発明の請求項1に係るエンジン駆動の振子式鉄道車両は、エンジンにより減速機を介して駆動される輪軸を備えた台車上に、車体が自然振子式車体傾斜装置を介して支持されたエンジン駆動の振子式鉄道車両において、上記車体の下部の2個の枢着点と上記エンジンの2個の枢着点とを、車体側の2個の枢着点の間隔の方がエンジン側の2個の枢着点の間隔より広くなるように、各々連結して上記エンジンを懸架する1懸架部当り2個のリンクと、車長方向に延ばされて上記エンジンからの駆動力を上記減速機に伝達し、エンジンの出力軸及び減速機の入力軸との連結部に各々ユニバーサルジョイントが介装されたプロペラシャフトと、このプロペラシャフトと平行に車長方向に延ばされ、両端がユニバーサルジョイントを介して上記エンジンのケース及び減速機のケースに固着された反力軸と、を具備することを特徴としている。
【0012】また、請求項2に係るエンジン駆動の振子式鉄道車両は、エンジンにより減速機を介して駆動される輪軸を備えた台車上に、車体が自然振子式車体傾斜装置を介して支持されたエンジン駆動の振子式鉄道車両において、上記エンジンの出力軸と上記減速機の入力軸との各々に装着された一対の駆動ギヤと、これら一対の駆動ギヤに各々噛合するように配設され、回転数が駆動ギヤの回転数と同一である一対の反転ギヤと、車長方向に延ばされて上記エンジンからの駆動力を上記減速機に伝達し、上記一対の駆動ギヤに各々等速ジョイントを介して連結されたプロペラシャフトと、このプロペラシャフトと平行に車長方向に延ばされ、上記一対の反転ギヤに各々等速ジョイントを介して連結された反力軸と、を具備することを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1によれば、エンジンと減速機との関係として、先ず、両端がエンジンのケース及び減速機のケースに固着された反力軸が設けられている。そのため、エンジンは、この反力軸とプロペラシャフトとの2つの軸により減速機に対して回動されることはなく、即ち、減速機に対して角変位を有することはない。その結果、エンジンから生起される反トルクは、反力軸により打ち消される。さらに、プロペラシャフト及び反力軸に各々ユニバーサルジョイントが介装されているため、エンジンは、減速機に対して回動されることなく、両者の角度に関する位置関係が常時一定に維持されながら、上下・左右にのみ平行移動することができる。従って、エンジンと減速機との関係としては、反力軸によりエンジンの反トルクが打ち消された状態で、エンジンは、減速機に対して、回転することなく上下・左右にのみ平行移動できるように構成されている。
【0014】次に、車体は、自然振子式車体傾斜装置を介して支持されているため、振子運動(揺動)される一方、エンジンは、上記のように、回転されることなく上下・左右に平行移動される。そのため、車体の揺動(回転)成分がエンジンに伝達されないように構成されている必要がある。そのため、請求項1では、エンジンと車体との関係として、エンジンは、車体側の2個の枢着点の間隔の方がエンジン側の2個の枢着点の間隔より広くなるようにこれらの枢着点が各々連結された2個のリンクによって懸架されている。これにより、エンジンは、車体の回転成分の影響を受けることはなく、車体の上下・左右方向の変位成分のみを受け、その結果、車体が揺動した場合、エンジンは、車体の上下・左右方向の変位成分に対応して、上下・左右方向に変位し、車体に追随して回転されることがない。
【0015】従って、請求項1では、ユニバーサルジョイントが介装された反力軸により、エンジンの反トルクが打ち消された状態で、エンジンは、減速機に対して回転することなく上下・左右にのみ平行移動できる。さらに、2個のリンクにより、エンジンは車体の上下・左右方向の変位成分のみを受け、車体の回転成分の影響がエンジンに伝達されることはない。そのため、車体が振子機構により揺動された場合であっても、エンジンの反力が車体に伝達されることがなく、しかも、エンジンは、車体の上下・左右方向の変位成分にのみ対応して上下・左右方向に変位し、車体の回転成分に追随して回転されることはない。従って、1台のエンジンのみを有する車輌であっても、このエンジンの反トルクによる車体傾斜への影響無く振子機構を組み込むことができる。
【0016】請求項2によれば、エンジンと減速機の関係として、一対の駆動ギヤがエンジンの出力軸と上記減速機の入力軸との各々に装着され、回転数が駆動ギヤの回転数と同一である一対の反転ギヤが一対の駆動ギヤに各々噛合され、さらに、一対の駆動ギヤにプロペラシャフトが装着され、一対の反転ギヤに反力軸が装着されている。そのため、エンジンが駆動されてプロペラシャフトが回転されると、一対の駆動ギヤから一対の反転ギヤに回転力が伝達され、反力軸がプロペラシャフトに逆に回転される。このプロペラシャフトの正回転と反力軸の反回転とにより、エンジンに生起される反トルクが打ち消され、駆動時にエンジンが振られることがなくなり、反トルクによる車体への影響もない。
【0017】次に、請求項2では、エンジンは車体側に懸架されているため、車体が自然振子式車体傾斜装置により振子運動(揺動)されると、エンジンは、車体と共に揺動する。そのため、台車側の減速機と、車体側のエンジンとには、相対角変位(回転成分)が生じ、プロペラシャフトと、反力軸とは、平行にはなり得ず、相互にひねられた状態になる。
【0018】このような場合に、若し、プロペラシャフトと反力軸とに、各々、2個の不等速ジョイントが用いられていると、これら2個の不等速ジョイント同士には、回転位相のずれがあり、同時期の回転角速度も異なるため、2個の不等速ジョイント同士には、相対角変位が生じる。そのため、回転に無理が生じ、エンジンには異常な振動が生じることになる。
【0019】そこで、請求項2では、プロペラシャフトと反力軸とに、各々、2個の等速ジョイントが用いられ、これにより、車体側のエンジンと台車側の減速機との間に相対角変位があっても無理なく回転することができ、車体に、不用意な回転成分が伝達されることがない。
【0020】従って、請求項2では、プロペラシャフトと逆に回転する反力軸により、エンジンの反トルクの車体への影響が除去されている。加えて、等速ジョイントにより、車体側のエンジンと台車側の減速機との間に相対角変位があっても無理なく回転することができ、車体が揺動した場合にも、不用意な回転成分が車体に伝達されることがない。よって、1台のエンジンのみを有する車輌であっても、このエンジンの反トルクによる車体傾斜への影響無く振子機構を組み込むことができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例に係るエンジン駆動の振子式鉄道車両を図面を参照しつつ説明する。
【0022】図1は、本発明の第1実施例に係るエンジン駆動の振子式鉄道車両の模式的平面図であり、図2は、図1に示す振子式鉄道車両の正位状態での模式的正面図であり、図3は、図1に示す振子式鉄道車両の傾斜状態での模式的正面図である。
【0023】第1実施例では、図2に示すように、輪軸1を軸ばね2を介して支持する台車3の両端に、各々、一対のコロ4,4が設けられている。これらのコロ4,4の上に、下側が円弧状に形成された振子梁5が揺動自在に載置されている。この振子梁5の上に、枕ばね(空気ばね)6を介して車体7が支持されている。さらに、曲線路では、列車が内傾できるように、線路面が内方に傾斜されたカント8が形成されている。この振子機構を有する車両が曲線路を通過する際には、先ず、カント8の働きにより車両は台車3も含めて内傾し、車両の曲線通過速度が車体7の重心GB に作用する遠心力とバランスするが、この曲線通過速度がこのバランス速度を超過すると、車体7の重心GB に超過遠心力が作用し、その結果、車体7及び振子梁5は、この振子梁5の曲率中心Oを中心としてコロ4,4の上を揺動し(即ち、振子運動を行い)、これにより、超過遠心力がキャンセルされる。
【0024】さらに、本実施例では、図1に示すように、床下に配置されたエンジン10の出力軸10aに、ユニバーサルジョイント15を介してプロペラシャフト13が装着されている。このプロペラシャフト13の他側も、ユニバーサルジョイント15を介して減速機11の入力軸11aに接続されている。さらに、エンジン10のケースと、減速機11のケースとには、反力軸14の両端が固着されており、この反力軸の両側に、各々、ユニバーサルジョイント16,16が介装されている。なお、図1では、二軸駆動の場合が示され、減速機11から延びる第2プロペラシャフト12aが第2減速機12に接続されているが、車両は、一軸駆動であってもよく、この場合には、第2プロペラシャフト12a及び第2減速機12は、不要である。
【0025】さらに、本実施例では、図2に示すように、エンジン10は、左右対称に配置された一対のリンク20,20(逆ハの字リンク)により車体7に懸架されている。この一対のリンク20,20は、車体側の2個の枢着点21,21の間隔の方がエンジン側の2個の枢着点22,22の間隔より広くなるように構成されている。これらのリンク20,20の仮想上の延長線は、エンジン10の重心GEで交差するようになされている。なお、本実施例でも、一対のリンク20,20のピン支持部に、防振ゴム等が設けられ、エンジンの回転機能付与と同時に振動吸収作用を与えるように構成されていてもよい。
【0026】本実施例は、このように構成されているため、その作用は以下のとおりである。
【0027】反力軸14の両端がエンジン10のケース及び減速機11のケースに固着されているため、エンジン10は、反力軸14とプロペラシャフト13との2つの軸により減速機11に対して回動されることはない。即ち、エンジン10は、減速機11に対して角変位を有することはない。その結果、エンジン10から生起される反トルクは、反力軸により打ち消される。さらに、プロペラシャフト13及び反力軸14に各々ユニバーサルジョイント15,15,16,16が介装されているため、エンジン10は、減速機11に対して回動されることなく、両者の角度に関する位置関係が常時一定に維持されながら、上下・左右にのみ平行移動することができる。従って、エンジン10と減速機11との関係としては、反力軸14によりエンジン10の反トルクが打ち消された状態で、エンジン10は、減速機11に対して、回転することなく上下・左右にのみ平行移動できる。
【0028】さらに、車体7は、自然振子式車体傾斜装置を介して支持されているため、振子運動(揺動)される一方、エンジン10は、回転されることなく上下・左右に平行移動される。そのため、車体7の回転成分がエンジン10に伝達されないように構成されている必要があり、本実施例では、エンジン10と車体7との関係として、エンジン10を懸架するリンク20,20は、車体側の2個の枢着点21,21の間隔の方がエンジン側の2個の枢着点22,22の間隔より広くなるように構成されている。さらに、これらのリンク20,20の交点は、エンジン10の重心GE に一致され、この重心GE がエンジン10の回転中心にされている。そのため、エンジン10は、車体7の回転成分の影響を受けることはなく、車体7の上下・左右方向の変位成分のみを受け、その結果、車体7が揺動した場合、エンジン10は、車体7の上下・左右方向の変位成分に対応して、上下・左右方向に変位し、車体7に追随して回転されることがない。
【0029】以上から、本実施例では、ユニバーサルジョイント16,16が介装された反力軸14により、エンジン10の反トルクが打ち消された状態で、エンジン10は、減速機11に対して回転することなく上下・左右にのみ平行移動できる。さらに、2個のリンク20,20により、エンジン10は車体7の上下・左右方向の変位成分のみを受け、車体7の回転成分の影響がエンジン10に伝達されることはない。従って、車体7が振子機構により揺動された場合であっても、エンジン10の反力が車体に伝達されることがなく、しかも、エンジン10は、車体の上下・左右方向の変位成分にのみ対応して上下・左右方向に変位し、車体の回転成分に追随して回転されることはない。従って、1台のエンジンのみを有する車輌であっても、このエンジン10の反トルクによる車体傾斜への影響無く振子機構を組み込むことができる。
【0030】次に、本発明の第2実施例に係るエンジン駆動の振子式鉄道車両を図4を参照しつつ説明する。
【0031】図4は、本発明の第2実施例に係るエンジン駆動の振子式鉄道車両の模式的平面図である。本実施例では、エンジン10は、特に図示しないが、上記の一対のリンク20,20により車体に懸架されているのではなく、通常の車両と同じ手段により車体床下に懸架されている。
【0032】さらに、本実施例では、一対の駆動ギヤ32,32がエンジン10の出力軸10aと減速機11の入力軸11aとの各々に装着されている。これら一対の駆動ギヤ32,32に各々噛合し且つ回転数が駆動ギヤ32,32の回転数と同一である一対の反転ギヤ34,34が設けられている。
【0033】さらに、プロペラシャフト13には、エンジン側及び減速機側に、各々、等速ジョイント33,33が介装されている。この等速ジョイント33,33は、例えば、プロペラシャフト13と出力軸10aとの交角が如何であっても、両者は、等角速度で回転される。さらに、プロペラシャフト13と平行に車長方向に延ばされた反力軸31にも、エンジン側及び減速機側に、各々、等速ジョイント35,35が介装されている。なお、反力軸31は、この等速ジョイント35,35を介して一対の反転ギヤ34,34に装着されている。
【0034】本実施例は、このように構成されているため、その作用は以下のとおりである。
【0035】一対の駆動ギヤ32,32がエンジン10の出力軸10aと減速機11の入力軸11aとの各々に装着され、一対の反転ギヤ34,34が一対の駆動ギヤ32,32に各々噛合されて反力軸31に装着されている。そのため、エンジン10が駆動されてプロペラシャフト13が回転されると、一対の駆動ギヤ32,32から一対の反転ギヤ34,34に回転力が伝達され、反力軸31がプロペラシャフト13に逆に回転される。このプロペラシャフト13の正回転と反力軸31の反回転とにより、エンジン10に生起される反トルクが打ち消され、駆動時にエンジン10が振られることがなくなり、反トルクによる車体7への影響もなくなる。
【0036】さらに、本実施例では、エンジン10は車体側に懸架されているため、車体7が自然振子式車体傾斜装置により揺動されると、エンジン10は、車体7と共に揺動する。そのため、台車側の減速機11と、車体側のエンジン10とには、相対角変位(回転成分)が生じ、プロペラシャフト13と、反力軸31とは、平行ににはなり得ず、相互にひねられた状態になる。
【0037】本実施例では、上記のように、プロペラシャフト13と反力軸31とに、各々、等速ジョイント33,35が用いられているが、仮りに、不等速ジョイントが用いられていると仮定すると、これら2個の不等速ジョイント同士には、回転位相のずれがあり、同時期の回転角速度も異なるため、2個の不等速ジョイント同士には、相対角変位が生じる。その結果、回転に無理が生じ、エンジンには異常な振動が生じることになる。
【0038】このような点から本実施例では、プロペラシャフト13と反力軸31とに、各々、2個の等速ジョイント33,33,35,35が用いられ、これにより、車体側のエンジン10と台車側の減速機11との間に相対角変位があっても無理なく回転することができ、車体7に不用意な回転成分が伝達されることがないように構成されている。
【0039】以上から、本実施例では、プロペラシャフト13と逆に回転する反力軸31により、エンジン10の反トルクの車体7への影響が除去され、加えて、等速ジョイント33,35により、車体側のエンジン10と台車側の減速機11との間に相対角変位があっても無理なく回転することができ、車体7が揺動した場合にも、不用意な回転成分が車体に伝達されることがない。よって、1台のエンジン10のみを有する車輌であっても、このエンジン10の反トルクによる車体傾斜への影響無く振子機構を組み込むことができる。
【0040】なお、本発明は、上述した実施例に限定されず、種々変形可能である。
【0041】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1では、ニバーサルジョイントが介装された反力軸により、エンジンの反トルクが打ち消された状態で、エンジンは、減速機に対して回転することなく上下・左右にのみ平行移動できる。さらに、2個のリンクにより、エンジンは車体の上下・左右方向の変位成分のみを受け、車体の回転成分の影響がエンジンに伝達されることはない。そのため、車体が振子機構により揺動された場合であっても、エンジンの反力が車体に伝達されることがなく、しかも、エンジンは、車体の上下・左右方向の変位成分にのみ対応して上下・左右方向に変位し、車体の回転成分に追随して回転されることはない。従って、1台のエンジンのみを有する車輌であっても、このエンジンの反トルクによる車体傾斜への影響無く振子機構を組み込むことができる。
【0042】また、請求項2では、プロペラシャフトと逆に回転する反力軸により、エンジンの反トルクの車体への影響が除去されている。加えて、等速ジョイントにより、車体側のエンジンと台車側の減速機との間に相対角変位があっても無理なく回転することができ、車体が揺動した場合にも、不用意な回転成分が車体に伝達されることがない。よって、1台のエンジンのみを有する車輌であっても、このエンジンの反トルクによる車体傾斜への影響無く振子機構を組み込むことができる。
【0043】このような点から、本発明では、直角カルダン式駆動にならざるを得ない一般的なディーゼル動車において、比較的短い車両のもの又は簡易な車両においても、従来より特別に機器搭載用のスペースを増やすことなく、単純、安価にエンジンの反トルクの影響のない振子式鉄道車両を達成することができ、鉄道運用上、曲線路通過速度をより一層向上することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013