| 発明の名称 |
液体輸送用コンテナ用被覆布の製造方法及び被覆布 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−132562 |
| 公開日 |
平成8年(1996)5月28日 |
| 出願番号 |
特願平6−301463 |
| 出願日 |
平成6年(1994)11月10日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小島 隆司
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| 発明者 |
梁取 和人 / 海老原 文隆 / 吉田 武男 |
| 要約 |
目的 液密性及び気密性に優れた、牛乳,醤油等の食品用液体や、油及び薬品等の工業用液体等を輸送する液体用コンテナバックを構成する液体輸送用コンテナ用被覆布及び上記液体輸送用コンテナ用被覆布を安価に製造できる製造方法を得る。
構成 連続的に搬送される織布基材の一方の面上にシリコーン可溶性溶剤で希釈された付加硬化型低粘度シリコーンエラストマー溶液を吐出コ−ティングしてオーブン中で乾燥し硬化を行い、次いで織布基材の他方の面に同様の操作を行う液体輸送用コンテナ用被覆布の製造方法において、上記オーブンに乾燥ゾーンと加熱硬化ゾーンを設け、織布基材に塗布された付加硬化型低粘度シリコーンエラストマー溶液が硬化開始時間(T0)に入るまでに上記シリコーン可溶性溶剤を少なくとも95%以上除去することを特徴とする液体輸送用コンテナ用被覆布の製造方法。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 連続的に搬送される織布基材の一方の面上にシリコーン可溶性溶剤で希釈された付加硬化型シリコーンエラストマー組成物溶液を吐出、コ−ティングし、オーブン中で乾燥し硬化を行い、次いで織布基材の他方の面に同様の操作を行う液体輸送用コンテナ用被覆布の製造方法において、上記オーブンに乾燥ゾーンと加熱硬化ゾーンを設け、織布基材に塗布された付加硬化型シリコーンエラストマー組成物溶液が硬化開始時間(T0)に入るまでに上記シリコーン可溶性溶剤を95重量%以上除去することを特徴とする液体輸送用コンテナ用被覆布の製造方法。 【請求項2】 付加硬化性シリコーンエラストマー組成物が、(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン100重量部、(B)一分子中に珪素原子に直接結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを構成成分(A)の全アルケニル基量に対して珪素原子に直接結合した水素原子量0.5〜3.0倍モルの量、(C)補強性シリカ充填剤10〜80重量部、(D)白金もしくは白金化合物を触媒量の(A)乃至(D)成分を含有し、その硬化物が引張強さ60kgf/cm2以上、引裂強さ25kgf/cm以上である付加硬化性液状シリコーンエラストマー組成物である請求項1記載の液体輸送用コンテナ用被覆布の製造方法。 【請求項3】 シリコーン可溶性溶剤が炭化水素類溶剤もしくはシロキサン化合物であり、その沸点が50〜150℃である請求項1または2記載の液体輸送用コンテナ用被覆布の製造方法。 【請求項4】 請求項1乃至3記載のいずれかの製造方法によって得られる液体輸送用コンテナ用被覆布。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、液密性及び気密性に優れ、牛乳,醤油等の食品用液体や、油及び薬品等の工業用液体などを輸送する液体用コンテナバックを構成する液体輸送用コンテナ用被覆布を安価に製造できる製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、食品用液体や工業用液体等を封入して輸送するコンテナバック用の被覆布は、折り畳み可能で可撓性を有するようにポリエステルやポリアミド製織布を基材としてその両面にシリコーンゴム等のエラストマーで挟み込むような状態で構成されている。上記被覆布の製造方法としては、例えば、織布基材の表裏面にエラストマーまたは樹脂をコ−ティングするコ−ティング法、織布基材を低粘度液状のエラストマーまたは樹脂に浸して含浸させる含浸法(ディップ法)、織布基材をカレンダーロールに通しながらエラストマーまたは樹脂を被覆するカレンダー法等が知られており、コ−ティング法は、含浸法やカレンダー法と比較して、安価な設備と簡単な工程で被覆布を製造できるという特徴を有しており、特に被覆材料としてエラストマー等の流動性の高い材料を使用する場合に好適に採用されている。 【0003】液体輸送用コンテナ用被覆布の場合、織布基材に被覆されるシリコーンエラストマーは、用途上、耐磨耗性、耐損傷性が要求され、少なくともその硬化物特性の引張強さが60kgf/cm2以上、且つ引裂強さが25kgf/cm2以上の高強度シリコーンゴムが必要とされている。また、この高強度シリコーンゴムは液状シリコーンポリマーをベースとした液状シリコーンエラストマー組成物であっても通常その粘度は1000ポイズから100000ポイズであり、タテ糸とヨコ糸からなる織布のような表面凹凸の大きい材料にコ−ティングする場合、コートむら等の欠陥部が発生しやすいので、可溶性の溶剤を用いて希釈して低粘度溶液、特に、100センチポイズ以上30000センチポイズ以下に希釈してコ−ティング層を形成する必要がある。 【0004】しかしながら、常法によって上述の材料を使用して得られた液体輸送用コンテナ用被覆布は、ピンホールによる欠陥部を発生しやすく、この欠陥部から液体の滲みが発生して織布の耐久性や強度を低下させるという問題や、製品不良を起こしたり、また、製品の外観を損なうという問題を生じている。 【0005】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、ピンホール等の欠陥部の発生を減少させ、製品不良や製品の外観不良を有効に防止すると共に、液密性及び気密性に優れた液体輸送用コンテナ用被覆布の製造方法を提供する。 【0006】 【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、連続的に搬送される織布基材の一方の面上にシリコーン可溶性溶剤で希釈された付加硬化型シリコーンエラストマー組成物溶液を吐出、コ−ティングしてオーブン中で乾燥し、硬化を行い、次いで織布基材の他方の面に同様の操作を行う液体輸送用コンテナ用被覆布の製造方法において、上記オーブンに乾燥ゾーン(第1工程)と加熱硬化ゾーン(第2工程)を設け、織布基材に塗布された付加硬化型シリコーンエラストマー組成物溶液が乾燥ゾーン(第1工程)において硬化開始時間(T0)に入るまでに上記シリコーン可溶性溶剤を95重量%以上除去することによって、ピンホール等の欠陥部の発生を減少させ、製品不良や製品の外観不良を有効に防止すると共に、液密性及び気密性に優れた液体輸送用コンテナ用被覆布を得ることができることを知見し、本発明をなすに至った。 【0007】以下、本発明につき更に詳しく説明すると、本発明の液体輸送用コンテナ用の被覆布の製造方法は、連続的に搬送される織布基材の一方の面上に、シリコーン可溶性溶剤で希釈された付加硬化型シリコーンエラストマー溶液を乾燥及び硬化する工程と、次いで、織布基材の他方の面に第1工程と同様の操作、つまりシリコーン可溶性溶剤で希釈された付加硬化型シリコーンエラストマー組成物溶液を吐出、コーティングし、オーブン中に通して該シリコーンエラストマー溶液を乾燥及び硬化する工程により、連続的に長尺の液体輸送用コンテナ用被覆布を得るものである。 【0008】ここで、上記織布基材は特に制限されるものではないが、本発明においてはポリエステル織布、ポリアミド織布等が好適に使用され、また織り方としては、通常平織物が用いられる。 【0009】また、コ−ティング剤の付加硬化型シリコーンエラストマー組成物としては、公知のものを使用することができるが、特に、(A)一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン100重量部、(B)一分子中に珪素原子に直接結合した水素原子を少なくとも3個有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを(A)成分の全アルケニル基量に対して珪素原子に直接結合した水素原子量が0.5〜3.0モル倍の量(C)補強性シリカ充填剤10〜80重量部、(D)触媒量の白金もしくは白金化合物の(A)乃至(D)成分を含有し、その硬化物が引張強さ60kgf/cm2以上、引裂強さ25kgf/cm以上である付加硬化性液状シリコーンエラストマー組成物を好適に使用することができる。 【0010】上述の構成成分(A)は基本的に直鎖状のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンであり、実質的に主鎖部分がR2SiO単位(Rは同一又は異種の炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基を示す)の繰り返しからなり、分子鎖末端は通常、R3SiO1/2単位(Rは前記に同じ)で示されるトリオルガノシロキシ基で封鎖されてなるもので、粘度については特に制限されるものではないが、通常は室温(25℃)において液状のものが好ましく、硬化後の強度を発現させるには25℃で1000〜100000センチポイズ、特に、3000〜50000センチポイズ程度の粘度を有するものを使用することが好ましい。また、上記したR基のうち、含有するアルケニル基としては、ビニル基,アリル基,プロペニル基,イソプロペニル基,ブテニル基,イソブテニル基,ヘキセニル基,シクロヘキセニル基等を挙げることができ、分子鎖末端の珪素原子に結合しても、分子鎖途中の珪素原子に結合したものであってもよく、またこれらの中で特にビニル基が好適に採用される。上述のオルガノポリシロキサンは、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するものであれば、硬化物の弾性体を得る範囲内で他の非置換又は置換の一価炭化水素基を有することができ、上記したR基のうちこのアルケニル基以外の非置換又は置換の一価炭化水素基には、メチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基,イソブチル基,ter−ブチル基,ペンチル基,ネオペンチル基,ヘキシル基,シクロヘキシル基,オクチル基,デシル基等のアルキル基、フェニル基,トリル基,キシリル基,ナフチル基等のアリール基、ベンジル基,フェニルエチル基等のアラルキル基及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素,臭素,塩素等のハロゲン原子やシアノ基等で置換した、クロロメチル基,クロロプロピル基,ブロモエチル基,3,3,3−トリフルオロプロピル基,シアノエチル基等の、置換もしくは非置換の炭素数1〜10、特に1〜8の一価炭化水素基を挙げることができる。構成成分(A)のオルガノポリシロキサンとして、具体的には下記式で示されるものを挙げることができる。これらは1種を単独でもしくは2種以上を混合して使用してもよい。なお、このオルガノポリシロキサンは、線状構造であるのが通常であるが、一部を分岐させたものを使用することもできる。 【0011】 【化1】
【0012】次いで、上記構成成分(B)のハイドロジェンポリシロキサンは、上述の構成成分(A)と反応し、硬化して弾性体を得る架橋剤として作用するものであり、直鎖状、分岐状、環状、三次元網状のいずれの構造でもよく、良好な硬化及び弾性を示す付加硬化型シリコーンエラストマーを得るために珪素原子に直接結合した水素原子を一分子中に少なくとも平均3個以上有することが必要である。R1aHbSiO(4-a-b)/2(但し、R1は上記Rと同様の炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、特に脂肪族不飽和基を含まないものであることが好ましい。aは1.6≦a≦2.2の正数、bは0.002≦b≦1.0の正数で、a+bは1.6<a+b≦3.0である)で示されるものが使用し得る。なお、このハイドロジェンポリシロキサンの粘度は25℃において1〜1000cp、特に10〜500cpであることが好ましい。このようなハイドロジェンポリシロキサンとしては具体的には下記のものを使用することができ、これらは1種を単独でもしくは2種以上を混合して使用してもよい。 【0013】 【化2】
【0014】上記ハイドロジェンポリシロキサンの使用量は、上記構成成分(A)のオルガノポリシロキサン中の全アルケニル基に対して、珪素原子に直接結合した水素原子量がモル比で0.5〜3倍、特に1〜2倍の量であることが好ましい。 【0015】構成成分(C)の補強性シリカ充填剤については、通常のシリコーンエラストマーに用いられるものであれば特に制限されず、例えば、ヒュームドシリカ,沈降性シリカ,珪藻土,石英分等を挙げることができる。補強性シリカ充填剤の使用量は、上記構成成分(A)100重量部に対し10〜80重量部、好ましくは20〜60重量部の範囲内であるのがよい。 【0016】構成成分(D)の白金もしくは白金化合物は一般に付加反応触媒として公知のものを挙げることができるが、分散性を加味して、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸とオレフィンとの錯体、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体等の使用が好ましい。上述の白金もしくは白金化合物の添加量は触媒量であり、硬化開始時間(T0)を考慮し、適宜選択することが好ましく、上記構成成分(A)に対し白金換算で5〜500ppm、好ましくは10〜200ppmの範囲内での添加が望ましい。また、場合によっては付加反応制御剤(アセチレンアルコール類等)を適宜配合することもできる。 【0017】更に、上記付加硬化型シリコーンエラストマー組成物には、必要に応じてカーボン、着色剤、酸化鉄や酸化セリウム等の耐熱向上剤を添加することもできる。 【0018】(A)乃至(D)成分からなる付加硬化型シリコーンエラストマー組成物は、液体輸送用コンテナ用被覆布のコ−ティングエラストマー素材として使用するため、耐磨耗性及び耐損傷性が要求され、少なくとも、その硬化物が引張強さ60kgf/cm2以上、引裂強さ25kgf/cm以上であるものを使用する。ここで、引張強さ及び引裂強さが上記値以下であると、製造した液体輸送用コンテナ用被覆布に十分な耐磨耗性及び耐損傷性が望めず、輸送中の振動や繰返し使用等の実用的耐久性を得ることができない場合が生じる。 【0019】上述の付加硬化型シリコーンエラストマー組成物を織布基材に吐出、コ−ティング用する場合、コートむら等の欠陥部の発生を防止するため、可溶性の溶剤を用いて好ましくは100センチポイズ以上30000センチポイズ以下に希釈して付加硬化型低粘度溶液シリコーンエラストマー組成物溶液を得ることが好ましく、これを用いてコ−ティング層を形成する。この場合希釈溶剤としては、ノルマルヘキサン,トルエン,キシレン等の炭化水素系の有機溶剤、オクタメチルシクロテトラシロキサン,オイル状のジメチルポリシロキサン(25℃で0.65センチポイズ)等のシロキサン等、沸点が50〜150℃の希釈溶剤を使用することができる。 【0020】本発明の液体輸送用コンテナ用被覆布を製造するには、上述の材料を用い、連続的に搬送される織布基材の一方の及び他方の面上に順次シリコーン可溶性溶剤で希釈された付加硬化型シリコーンエラストマー組成物溶液を吐出、コ−ティングし、乾燥ゾーンと加熱硬化ゾーンを設けたオーブン中を通過させ、乾燥及び硬化を行うことによって得ることができる。 【0021】ここで、上述の方法に従い乾燥を行う際、本発明に於ては、塗布された付加硬化型シリコーンエラストマー組成物の特定の乾燥温度における硬化開始時間(T0)以内に該エラストマー組成物溶液中のシリコーン可溶性溶剤を少なくとも95重量%以上除去するように設定するものである。この場合、硬化開始時間以内にシリコーン可溶性溶剤の除去が95重量%より少ないとシリコーンエラストマー組成物が硬化する際に溶剤が多量に残存することになり、組成物が増粘した半硬化条件を経て硬化する過程で溶剤が揮散するため、これにより硬化物表面に脱泡によりピンホールが生ずるものであり十分な効果を期待できない。なお、好ましくは95〜100重量%、より好ましくは97〜99重量%の除去量がよい。 【0022】ここで、上記硬化開始時間は、乾燥ゾーンの設定温度における上記付加硬化型シリコーンエラストマー組成物のレオメーターにて測定した硬化開示時間T0を意味し、この時間T0以内で上述したようにこの組成物の希釈に用いた溶剤量の95重量%以上を除去する乾燥条件とするものである。 【0023】この場合、上述の乾燥ゾーンは、硬化開始時間以内に上記シリコーン可溶性溶剤を少なくとも95重量%以上除去するように設定されるものであれば特に制限されるものではなく、具体的には、熱風供給口,熱風排気口,ファン等を有する乾燥オーブン等を好適に使用することができ、乾燥オーブンは1基または必要に応じて複数基設置することができる。また、乾燥ゾーンの設定温度及びその通過時間は特に制限されないが、好ましくは40〜120℃で60〜1200秒、特に60〜100℃で90〜600秒の範囲内での設定が望ましい。この場合、乾燥ゾーン(第1工程)の滞留時間が各設定温度における硬化開始時間T0より長くなると溶剤は充分揮散、除去するが被覆布にピンホールによる欠陥が生じる場合があるので、乾燥ゾーンの滞留時間(通過時間)は各設定温度における硬化開始時間T0以内であることが好ましい。 【0024】また、上述の加熱硬化ゾーンは、乾燥ゾーンで乾燥された付加硬化型シリコーンエラストマー組成物でコ−ティングされた織布基材が、加熱硬化ゾーン通過終了時に硬化コ−ティング層を形成させるものであれば特に制限はないが、具体的には硬化オーブン等を好適に使用することができ、硬化オーブンは1基または必要に応じて複数基を設置することができる。上記加熱硬化ゾーンの設定温度及び通過時間は、上述したように、加熱硬化ゾーン終了時に織布基材に硬化コ−ティング層を形成する温度時間であればよく、通常は乾燥ゾーンの設定温度より高く設定し、具体的には100〜170℃で40〜1500秒、特に130〜150℃で100〜500秒の範囲内での設定が好ましい。 【0025】上記乾燥、硬化方法の一例を図1により説明すると、図に於て、11は連続的に搬送される基材を示しており、基材11はコーティングロール13上に設けられた塗布装置によって溶剤で希釈された付加硬化型シリコーンエラストマー組成物溶液12が均質に塗布され、搬送ロールで乾燥オーブン16内へと搬送される。シリコーンエラストマー組成物溶液12がコーティングされた基材11が乾燥オーブン16中に通されることによりシリコーンエラストマー組成物溶液12が乾燥される。オーブン16は熱風オーブンに構成されており、入口側にオーブン16内に供給する熱風供給口14が、出口側に熱風排気口15が設けられている。この場合、本発明に係る乾燥ゾーンの設定温度における付加硬化型シリコーンエラストマー組成物のレオメーターにて測定した硬化開示時間(T0)以内の時間で、且つ付加硬化型シリコーンエラストマー組成物の希釈に用いた溶剤量の少なくとも95重量%以上除去する条件で乾燥ゾーンを通過させるために、熱風供給口14、熱風排気口15の双方に或いは一方にファンを設けてもよい。次に、第1工程に当たる乾燥オーブン16を通過した被覆布は、第2工程の硬化オーブン17に連続的に搬送され、コーティングされた付加硬化型シリコーンエラストマー組成物12が硬化コーティング層を形成するものである。 【0026】尚、織布基材を連続的に搬送する方法、付加硬化型シリコーンエラストマー組成物溶液の塗布方法などについては特に制限されるものではなく、常法を採用することができる。 【0027】以上のようにして得られる被覆布は、図2に示したように、縦糸1aと横糸1bとからなる織布基材1の表面2aと裏面2bとにシリコーンエラストマー層3a,3bが形成されてなるものであり、この輸送液体用コンテナ用被覆布は液密性及び気密性に優れるため、牛乳,醤油等の食品用液体や、油及び薬品等の工業用液体等を輸送する液体用コンテナバックを構成する液体輸送用コンテナ用被覆布として使用することができる。 【0028】 【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。 【0029】まず、下記処方の付加硬化型シリコーンエラストマー組成物を調製した。 【0030】 【化3】
【0031】この組成物のレオメーター(東洋精機社製)で測定した硬化特性を図3及び表1に示し、また硬化後の特性を表2に示す。 【0032】 【表1】
【0033】 【表2】
【0034】次に、付加硬化型シリコーンエラストマー組成物100重量部に対し、トルエンを70重量部加え、25℃の粘度が250センチポイズの57重量%希釈溶液を作成した。この溶液を用い、図1に示した装置により表3に示す製造条件で連続的に搬送されるポリエステル織布(平織物)基材の表裏両面に硬化コーティング層を形成した。本例では、各々炉長150cmのオーブン2基、計4基を並列し、液体輸送用コンテナ用被覆布を得た。得られた被覆布のコート性の良し悪しを測定した結果を表3に示した。 【0035】ここで、滲み数(ピンホールの数)の測定は、青色顔料入りMEK(メチルエチルケトン)溶液で被覆布をぬらした後、表面を拭き取ると、ピンホール欠陥部が着色斑点となるので、その数をカウントし、1m3あたりの個数で判定した。また、残存トルエン量は、乾燥オーブンを通過したシリコーンゴムを採取し、これを150℃のオーブンに30分入れて、減量重量%を測定した。 【0036】 【表3】
【0037】以上の結果より、乾燥ゾーンの設定温度における付加硬化型シリコーンエラストマー組成物のレオメーターにて測定した硬化開始時間(T0)以内の時間で、上記シリコーン可溶性溶剤を少なくとも95重量%以上除去する条件で乾燥ゾーンを通過することによって、ピンホール等の欠陥部のない液体輸送用コンテナ用被覆布が得られることが認められた。 【0038】 【発明の効果】本発明によれば、ピンホール等の欠陥部が実質的になく、外観良好で、耐久性、強度等の低下のおそれのない液体輸送用コンテナ用被覆布を確実に得ることができる。
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