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発明の名称 加圧ピン装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−168866
公開日 平成8年(1996)7月2日
出願番号 特願平6−319093
出願日 平成6年(1994)11月29日
代理人
発明者 黒川 幸夫
要約 目的
加圧鋳造時のストローク値を制御し鉱巣を減少または解消するダイカストの局部的加圧ピン装置の提供。

構成
固定ダイプレ−ト1には加圧ピンを作動させる油圧シリンダ2を装着し、油圧シリンダのロッド2aの先端に押出プレ−ト3を固定し、押出プレ−トに少なくとも2本のガイドバ−を固定して固定ダイプレ−トに設けたブッシュ3aを介して案内されるように支持されている。一対の金型6を固定ダイプレ−トと移動ダイプレ−ト4に装着し、金型の背面には凹部を形成し、金型と加圧プレ−ト8との間にスプリングを介在して、局部加圧用の加圧ピン7を固定した加圧プレ−トを金型のキャビィティ6aに向けて進退自在に設け、さらに加圧プレ−トが金型側より離脱することを防止するストッパ10を金型側に設け、押出プレ−トと加圧プレ−トが当接するように構成した。
特許請求の範囲
【請求項1】 金型を用いた加圧鋳造中の成形品に対して、油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで鋳巣を減少または解消するようにした加圧ピン装置において、固定ダイプレ−ト側には、前記加圧ピンを作動させる油圧シリンダを装着し、かつ前記油圧シリンダのロッド先端に押出プレ−トを固定し、同押出プレ−トに少なくとも2本のガイドバ−を固定して前記固定ダイプレ−トに案内されるように支持し、金型側には前記金型と前記加圧プレ−トとの間にスプリングを介在して局部加圧用の加圧ピンを固定した加圧プレ−トを金型のキャビィに向けて進退自在に設け、さらに前記加圧プレ−トが前記金型側より離脱することを防止するストッパを前記金型側に設け、前記押出プレ−トと前記加圧プレ−トが当接するように構成したことを特徴とする加圧ピン装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加圧鋳造時のストロ−ク値を制御し鋳巣を減少または解消する局部加圧ピン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金型を用いた加圧鋳造法により鋳物を製造する場合、金型のキャビティに注入した溶湯が冷却されて凝固するときその容積が収縮することから、内引けを生ずる。
【0003】また、溶湯を高速で射出するため、溶湯に空気を巻き込み鋳物の内部に鋳巣を生ずることになる。これらのは内引け、鋳巣の発生などの欠陥をなくすため、キャビティ内の溶湯が凝固する直前に加圧ピンをキャビティ内に突出させる方法がとられている。
【0004】一例として実開昭61−167258公報(甲公報という)、実開平1−299753公報(乙公報という)は従来のダイカストマシンの加圧ピン装置を示す。甲公報は縦型のダイカストマシンの加圧ピン装置で、乙公報は横型のダイカストマシンの加圧ピン装置をそれぞれ開示している。そして、甲公報、乙公報いずれも、移動ダイプレ−ト側の金型に油圧シリンダを含む加圧ピン装置を装着している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によれば以下に述べる技術的課題があった。
【0006】甲公報、乙公報いずれも、移動ダイプレ−ト側の金型にアクチュエ−タを含む加圧ピン装置を装着しているので、金型交換時に金型から油圧シリンダを人手により取り外さなければならなかった。
【0007】また、金型ごとに油圧シリンダと加圧装置を内臓した場合には、加圧ピン装置の費用が割高になる。さらに、移動ダイプレ−ト側の金型に油圧シリンダを取り付けるので、油圧シリンダのストロ−クに制限があるので、加圧ピンの数が制限されるばかりでなく、メンテナンス上も問題があった。
【0008】また、移動ダイプレ−ト側の金型にアクチュエ−タを含む加圧ピン装置を装着すると、油圧装置から移動ダイプレ−ト側の金型までの配管の長さが長くなり、圧力損失を招くばかりでなく、コストアップになる等の課題があった。
【0009】本発明は、金型を用いた加圧鋳造中の成形品に対して油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで、鋳巣を減少または解消するため、加圧ピンを作動させる油圧装置を固定ダイプレ−トに装着し、加圧ピン装置を金型側に分離して設けることにより金型段取時間を短縮して、生産性の向上を可能とした加圧ピン装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の加圧ピン装置は下記の手段を有する。
【0011】金型を用いた加圧鋳造中の成形品に対して、油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで鋳巣を減少または解消するようにした加圧ピン装置において、固定ダイプレ−ト側には、前記加圧ピンを作動させる油圧シリンダを装着し、かつ前記油圧シリンダのロッド先端に押出プレ−トを固定し、同押出プレ−トに少なくとも2本のガイドバ−を固定して前記固定ダイプレ−トに案内されるように支持し、金型側には前記金型と前記加圧プレ−トとの間にスプリングを介在して局部加圧用の加圧ピンを固定した加圧プレ−トを金型のキャビィに向けて進退自在に設け、さらに前記加圧プレ−トが前記金型側より離脱することを防止するストッパを前記金型側に設け、前記押出プレ−トと前記加圧プレ−トが当接するように構成した。
【0012】
【作用】上記のように構成した本発明の加圧ピン装置の作用について、以下説明する。
【0013】鋳巣を減少または解消するために、金型を用いた加圧鋳造中の成形品に対して、油圧シリンダにより、押出プレ−トを押して、2本のガイドバ−に案内された押出プレ−トを加圧プレ−トに押圧し、加圧プレ−トに固定した加圧ピンを凝固直前に押込む。
【0014】次に、加圧ピンによる加圧工程が終了後、油圧シリンダを後退すると、これに連れてスプリングにより加圧プレ−トが戻され、ストッパに衝合して停止しする。
【0015】したがって、加圧鋳造中の成形品に対して、油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで局部加圧を行うので、鋳巣を減少または解消する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の1実施例について図面を基に説明する。
【0017】図1は、横型締縦射出ダイカストマシンを側面から見た型締部を表わす部分断面図で、金型装着前の状態を示す。図2は、同じく型締部を表わす部分断面図で、金型装着後の状態を示す。
【0018】図1において、固定ダイプレ−ト1には加圧ピンを作動させる油圧シリンダ2を装着している。油圧シリンダ2のロッド2a先端に押出プレ−ト3を固定し、同押出プレ−ト3に少なくとも2本のガイドバ−5を固定して固定ダイプレ−ト1に設けたブッシュ3a介して案内されるように支持されている。
【0019】一対の金型6を固定ダイプレ−ト1と移動ダイプレ−ト4にそれぞれ金型装着した状態を図2に示す。同図において、金型6の背面には凹部を形成し、金型6側には金型6と加圧プレ−ト8との間にスプリング9を介在して、局部加圧用の加圧ピン7を固定した加圧プレ−ト8を金型6のキャビィ6aに向けて進退自在に設け、さらに加圧プレ−ト8が金型6側より離脱することを防止するストッパ10を金型6側に設け、押出プレ−ト3と加圧プレ−ト8が当接するように構成した。
【0020】また、スプリング9が加圧プレ−ト8により、必要以上に圧縮されないように金型6側にストッパ22を設けた。
【0021】本発明の加圧ピン装置の作用について説明する。
【0022】まず、作業の開始にあたり、図1の金型装着前の状態から、図2に示すように、一対の金型6を固定ダイプレ−ト1と移動ダイプレ−ト4にそれぞれ金型6を装着する。
【0023】プランジャチップ20aを射出スリ−ブ21に挿入し、図示省略した給湯装置から給湯し、射出シリンダ20を作動して、金型6のキャビティ6aに射出して加圧鋳造する。
【0024】次に、金型6を用いた加圧鋳造中の成形品に対して、局部加圧する場合には、油圧シリンダ2により、2本のガイドバ−5に案内された押出プレ−ト3を加圧プレ−ト8に押圧し、加圧プレ−ト8に固定した加圧ピン7を凝固直前に押込んで鋳巣を減少または解消する。このとき、加圧プレ−ト8をストッパ22に衝合し、スプリング9を必要以上に圧縮されないように、ストッパ22によりスプリング9を保護する。
【0025】加圧ピン7による局部加圧が終了後、油圧シリンダ2を後退すると、これに連れてスプリング9により、加圧プレ−ト8が戻される。このとき、加圧プレ−ト8とストッパ10が衝合して停止する。
【0026】本実施例の加圧ピン装置は固定ダイプレ−トに装着し、金型側に加圧ピンを固定した加圧プレ−ト8を装着すればよいので、金型形状の制約に囚われずに、金型に合せて所望の位置に加圧ピンを装着できるので、従来の技術に比べて金型段取時間を短縮して、生産性の向上を可能にすることができる。
【0027】また、アクチュエ−タ一つで複数の加圧ピンを同時に操作できるので、安価に製作できる。
【0028】
【発明の効果】本発明の加圧ピン装置は固定ダイプレ−トに装着し、金型側に加圧ピンを固定した加圧プレ−トを装着すればよいので、金型形状の制約に囚われずに、金型に合せて所望の位置に加圧ピンを装着できるので、従来の技術に比べて金型段取時間を短縮して、生産性の向上を可能にすることができる。
 

 
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