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発明の名称 アルミホットチャンバ型ダイカストマシン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−168864
公開日 平成8年(1996)7月2日
出願番号 特願平6−333243
出願日 平成6年(1994)12月15日
代理人
発明者 望月 善一 / 丸山 龍吉
要約 目的
加圧鋳造中に、射出ポンプ構造体から溶湯が外に漏れることがないので生産性が高く、高品質の加圧鋳造品が製造できるアルミホットチャンバ型ダイカストマシンを提供することにある。

構成
射出ポンプ構造体1の主な構造は射出用の油圧シリンダ11と、油圧シリンダ11にカップリング11aを介して同心上に接続されたプランジャ12と、プランジャ12に篏合されたスリ−ブ13と、スリ−ブ13を保持するハウジング14からなる。さらに、油圧シリンダ11は、上フレ−ム15に固定されている。溶湯室28に給湯された溶湯を射出ポンプの加圧室27に流下する通路28の平面形状は、図3に示すように、放射状に配列した半円形の溝とし、縦断面形状は矩形で底部のコ−ナ部を球形の一部とした。上フレ−ム15は四隅4本のタイロッド17を介して、下フレ−ム16と締結され、ハウジング14を挟持するように配設されている。
特許請求の範囲
【請求項1】 射出ポンプを介して溶湯を金型に供給するように構成したアルミホットチャンバ型ダイカストマシンにおいて、射出ポンプを介して溶湯を金型に供給するように構成した射出ポンプ構造体は射出用の油圧シリンダと、前記油圧シリンダに接続されたプランジャと、前記プランジャに篏合されたスリ−ブと、同スリ−ブを保持するハウジングからなり、油圧シリンダは、インロ−部を介して同心に支持されて上フレ−ムに固定され、上フレ−ムはタイロッドを介して、ハウジングを挟持するようにハウジングの下部に配設された下フレ−ムと締結され、タイロッドの上部には、上フレ−ムでスプリングを狭持し、ボス部を介してボルトにより締結し、前記スリ−ブ下端部とハウジング湯路をマウスピ−スに接続し、ハウジング内部を鋳鉄で鋳包み、さらに、ハウジングの外壁を加熱するヒ−タを備えたことを特徴とするアルミホットチャンバ型ダイカストマシン。
【請求項2】 スリ−ブ下端面とハウジング湯路の接続面に黒鉛シ−トを介在させ、外側に黒鉛リングを篏合し、さらにスリ−ブ下端面に黒鉛リングを篏合し黒鉛リングの外側にさらに低融点金属リングを篏合し、前記黒鉛シ−トを大気から遮断するように構成したことを特徴とする請求項1に記載のアルミホットチャンバ型ダイカストマシン。
【請求項3】 射出ポンプを介して溶湯を金型に供給するように構成したアルミホットチャンバ型ダイカストマシンにおいて、射出ポンプと溶解炉は給湯管を介して接続され、溶湯室に給湯された溶湯を射出ポンプの加圧室に流下する通路の平面形状は、放射状に配列した半円形の溝とし、縦断面形状は矩形で底部のコ−ナ部を球形の一部としたことを特徴とする請求項1に記載のアルミホットチャンバ型ダイカストマシン。
【請求項4】 射出ポンプ構造体の射出ポンプに接続する給湯管は、同芯上に保持したポットリングに接続され、同ポットリングと同心上に篏合する断熱リングにより上フレ−ム側への熱の伝達を押さえたことを特徴とする請求項1に記載のアルミホットチャンバ型ダイカストマシン。
【請求項5】 黒鉛リングを金属複合体リングとしたことを特徴とする請求項2に記載のアルミホットチャンバ型ダイカストマシン。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアルミホットチャンバ型ダイカストマシンに関し、特に射出ポンプの構成に係る。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミホットチャンバ型ダイカストマシンとしては実公平2−11965、実公平2−24515等、種々の機械が提案されている。アルミホットチャンバ型ダイカストマシンは周知の通り、射出ポンプを介して溶湯を金型に供給し、型打ち仕手製品を加圧鋳造するように構成されている。
【0003】また、射出ポンプと溶解炉は給湯管を介しては接続され、溶湯室に給湯された溶湯を射出ポンプの加圧室に流下する通路の形状は、矩形であった。このため、通路に湯が残留することがあった。
【0004】さらに、射出ポンプ構造体の射出ポンプに接続する給湯管は、同芯上に保持したポットリングに直接接続されていたため、上フレ−ム側の締結手段への熱による締結の不具合いがあつた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によれば以下に述べる技術的課題があった。
【0006】アルミホットチャンバ型ダイカストマシンはこのマシンのアルミニウムの加圧鋳造圧力は210kg/cm2であるため、射出ポンプ構造体から溶湯が外に漏れることが一番の課題である。特に、射出ポンプのスリ−ブとハウジング湯路の繋ぎ目からの溶湯の漏れは致命的であった。
【0007】このため、セラミックス、黒鉛などの材料を使用して構造的にも多種の工夫がなされてきた。中でも対アルミニウムに対してはスリ−ブとハウジング湯路の繋ぎ目に黒鉛シ−トを挟んで締結する構成が良好な成績を治めている。
【0008】しかしながら、黒鉛は大気中で400度(C)を越えると、酸化が始まり劣化するため、数週間連続使用すると溶湯が漏れ始め、ダイカストマシン側の金型キャビッティに十分に加圧できなくなり、漏れた溶湯は鋳鉄を浸蝕し、射出ポンプのダメ−ジはさらに拡大することになる。
【0009】また、射出ポンプと溶解炉は給湯管を介しては接続され、溶湯室に給湯された溶湯を射出ポンプの加圧室に流下する通路の形状は、矩形であったため、溶湯の流動性が悪く、湯が残留することがあり、作業後のスリ−ブのメンテナンスに手間が係ることがあった。
【0010】さらに、ポットリングから上フレ−ム側の締結手段への熱による影響のために締結手段の劣化を押さえる必要があった。
【0011】本発明の第一の目的は、加圧鋳造中に、射出ポンプ構造体から溶湯が外に漏れることがないので生産性が高く、高品質の加圧鋳造品が製造できるアルミホットチャンバ型ダイカストマシンを提供することにある。
【0012】本発明の第二の目的は、溶湯室に給湯された溶湯が射出ポンプの加圧室に流下する通路を流動しやすい通路形状としたスリ−ブを提供することにある。
【0013】本発明の第三の目的は、溶湯室のポットリングからの熱を上フレ−ム側の締結手段に伝達し難くする射出ポンプ構造を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の装置は下記の手段を有する。
【0015】射出ポンプを介して溶湯を金型に供給するように構成したアルミホットチャンバ型ダイカストマシンにおいて、射出ポンプを介して溶湯を金型に供給するように構成した射出ポンプ構造体は射出用の油圧シリンダと、前記油圧シリンダに接続されたプランジャと、前記プランジャに篏合されたスリ−ブと、同スリ−ブを保持するハウジングからなり、油圧シリンダは、インロ−部を介して同心に支持されて上フレ−ムに固定され、上フレ−ムはタイロッドを介して、ハウジングを挟持するようにハウジングの下部に配設された下フレ−ムと締結され、タイロッドの上部には、上フレ−ムでスプリングを狭持し、ボス部を介してボルトにより締結し、前記スリ−ブ下端部とハウジング湯路をマウスピ−スに接続し、ハウジング内部を鋳鉄を鋳包み、さらに、ハウジングの外壁を加熱するヒ−タを備えた。 また、スリ−ブ下端面とハウジング湯路の接続面に黒鉛シ−トを介在させ、外側に黒鉛リングを篏合し、さらにスリ−ブ下端面に黒鉛リングを篏合し黒鉛リングの外側にさらに低融点金属リングを篏合し、前記黒鉛シ−トを大気から遮断するように構成した。
【0016】スリ−ブ下端面とハウジング湯路の接続面に黒鉛シ−トを介在させ、外側に黒鉛リングを篏合し、さらにスリ−ブ下端面に黒鉛リングを篏合した。
【0017】射出ポンプと溶解炉は給湯管を介しては接続され、溶湯室に給湯された溶湯を射出ポンプの加圧室に流下する通路の平面形状は、放射状に配列した半円形の溝とし、縦断面形状は矩形で底部のコ−ナ部を球形の一部とした。
【0018】射出ポンプ構造体の射出ポンプに接続する給湯管は、同芯上に保持したポットリングに接続され、同ポットリングと同心上に篏合する断熱リングにより上フレ−ム側への熱の伝達を押さえた上断熱リングにより構成されている。
【0019】なお、黒鉛リングを金属複合体として使用することもできる。
【0020】
【作用】上記のように構成した本発明の装置の作用について、以下説明する。
【0021】溶解炉で溶解された溶湯は、射出ポンプ構造体の給湯管を介してスリ−ブとポットリングで囲まれた溶湯室に導入され、溶湯室に給湯された溶湯は通路を経て、射出ポンプの加圧室に流下する。加圧室入った溶湯は、ハウジング湯路に入り、溶解炉と同じ湯面まで上昇する。
【0022】この状態で、射出用の油圧シリンダを動作し、プランジャを押し下げると、ハウジング湯路内の溶湯は、マウスピ−スを介して金型のキャビティに導入され加圧鋳造が行われる。
【0023】また、溶湯室に給湯された溶湯が放射状に配列した半円形で縦断面形状は矩形で底部のコ−ナ部を球形の通路を通過し、射出ポンプの加圧室に流下する。
【0024】さらに、溶湯室のポットリングからの熱はポットリングと同心上に篏合する断熱リングにより、上フレ−ム側への熱の伝達を押さえ、上フレ−ム側の締結手段に伝達しにくくなる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の1実施例について図面を基に説明する。
【0026】図1はアルミホットチャンバ型ダイカストマシンの射出ポンプおよびダイカストマシンの部分断面図を表わす。
【0027】同図において、1は射出ポンプ構造体、2は溶解炉で、3はダイカストマシンを示す。固定ダイプレ−ト4、移動ダイプレ−ト5には一対の金型6をそれぞれ装着されている。マウスピ−ス20を介して射出ポンプ構造体1のハウジング湯路7と金型6が接続され、射出ポンプ構造体1の溶湯室28と溶解炉2は給湯管8を介しては接続されている。
【0028】射出ポンプ構造体1の主な構造は射出用の油圧シリンダ11と、油圧シリンダ11にカップリング11aを介して同心上に接続されたピストンリング12aを備えたプランジャ12と、プランジャ12に篏合されたスリ−ブ13と、スリ−ブ13を保持するハウジング14からなる。さらに、油圧シリンダ11は、インロ−部を介して同心に支持された上フレ−ム15に固定されている。溶湯室28に給湯された溶湯を射出ポンプの加圧室27に流下する通路13aの平面形状は、図2、図3に示すように、放射状に配列した半円形の通路13aとし、縦断面形状は矩形で底部のコ−ナ部を球形の一部とした。上フレ−ム15は四隅4本のタイロッド17によりボス部17aを篏合し、ボルト21により締結され、下フレ−ム16とハウジング14と断熱材27を挟持するように配設されている。
【0029】上フレ−ム15は上フレ−ム15に篏合する8等配に穴明けされた穴部25にスプリング26を挿入したバネホルダ24に締結されている。バネホルダ24と断熱リング23とはインロ−部を介して同心上に篏合されている。
【0030】射出ポンプ10の溶湯室28に接続する給湯管8は、断熱リング23と同芯上に保持したポットリング22に支持されている。タイロッド17の上部には、上フレ−ム15上にスプリング17を狭持し、ボス部17aを介してボルト18により締結される。したがって、各構成部品の熱膨脹率の違いからくる温度変化による寸法変化はスプリング26により、吸収される構成になっている。。
【0031】図2に示すように、スリ−ブ13下端面とハウジング湯路7の接続面には黒鉛シ−ト34を介在させ、外側に黒鉛リング31を篏合し、さらにスリ−ブ下端側面に黒鉛リング32を篏合している。黒鉛リング32の外周にはさらに、600度(C)以下で溶融する低融点金属リング33が篏合し、大気と遮断するように構成しかつ、空間部36を設けている。この低融点金属リングとしては、アルミ合金、亜鉛合金等を使用することができる。
【0032】なお、図4に示すように、低融点金属リングの気化を防ぐために、その外側をさらに黒鉛リング35でシ−ルすれば、溶湯温度650度(C)では低融点金属リング33が気化しても、パッキン35により大気と遮断するので効果的である。
【0033】黒鉛リング31は若干の空気は吸収して処理することができ、黒鉛リング32は回りの部材の熱膨張による寸法変化の吸収をおこなうものである。
【0034】なお、黒鉛リング32の代わりに気孔率が40〜60%のセラミックスに低融点金属リングを含浸させた材料を用いてもよい。
【0035】本発明の装置の作用について説明する。
【0036】溶解炉2で溶解された溶湯は、射出ポンプ構造体1の給湯管8を介してスリ−ブ13とポットリング22で囲まれた溶湯室28に導入され、溶湯室28に給湯された溶湯は通路13aを経て、射出ポンプの加圧室27に流下する。加圧室27入った溶湯は、ハウジング湯路7に入り、溶解炉2と同じ湯面まで上昇する。
【0037】この状態で、射出用の油圧シリンダ11を動作し、プランジャ12を押し下げると、ハウジング湯路7内の溶湯は、マウスピ−ス20を介して金型6のキャビティに導入され加圧鋳造が行われる。
【0038】また、図2に示すように、射出ポンプ付近のシ−ル構造はスリ−ブ13下端面とハウジング湯路7の接続面に黒鉛シ−ト34を介在させ、外側に黒鉛リング31を篏合し、さらにスリ−ブ下端面に黒鉛リング32を篏合し、黒鉛リング32の外周にさらに、400〜650度(C)で溶融する低融点金属リング33が篏合している。溶湯の温度により低融点金属リング33が溶けて、黒鉛リング32を包み大気と遮断するので、黒鉛リング32の劣化を防ぐことができる。
【0039】なお、図4に示すように、大形機械のスリ−ブの場合には、スリ−ブ13の底面に段部を形成すればより経済的で効果も上がる。この場合、低融点金属リングの気化を防ぐために、その外側をさらにパッキン35でシ−ルすれば、溶湯温度650度(C)では低融点金属リング33が気化しても、パッキン35により大気と遮断するので効果的である。
【0040】黒鉛リング31は若干の空気は吸収して処理することができ、黒鉛リング32は回りの部材の熱膨張による寸法変化の吸収をおこなうものである。
【0041】なお、黒鉛リング32の代わりに気孔率が5〜15%のセラミックスに低融点金属を含浸させた材料を用いてもよい。
【0042】さらに、上フレ−ム15はバネホルダ24の穴部25にスプリング26を挿入し、ポットリング22と断熱リング23とはタイロッド17を介して、予め仮にり締めボルト18を締めた状態で、下フレ−ム16と締結しているので、ボルト18を緩めてバネホルダ24と断熱リング23とハウジング14を確実に挟持することができる。
【0043】また、射出ポンプの分解が生じたときでもボルト18を閉めて、スプリング26を撓ませた後、ボルト21を緩め分解できる。
【0044】本実施例によれば、射出ポンプ構造体を前述したように構成したので、加圧鋳造中に、射出ポンプ構造体から溶湯が外に漏れることがないので生産性が高く、高品質の加圧鋳造が製造できる。
【0045】また、溶湯室に給湯された溶湯が放射状に配列した半円形で縦断面形状は矩形で底部のコ−ナ部を滞留することなく球形の通路を通過し、射出ポンプの加圧室bに流下することができるので、メンテナンスが容易となる。
【0046】さらに、溶湯室のポットリングからの熱はポットリングと同心上に篏合する断熱リングにより、上フレ−ム側への熱の伝達を押さえ、上フレ−ム側の締結手段に伝達しにくくなるため、締結手段の劣化が防止される。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、射出ポンプ構造体を前述したように構成したので、加圧鋳造中に、射出ポンプ構造体から溶湯が外に漏れることがないので生産性が高く、高品質の加圧鋳造が製造できる。
【0048】さらに、溶湯室のポットリングからの熱はポットリングと同心上に篏合する断熱リングにより、上フレ−ム側への熱の伝達を押さえ、上フレ−ム側の締結手段に伝達しにくくなるため、締結手段の劣化が防止される。
 

 
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