| 発明の名称 |
NC動作監視システム |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−155786 |
| 公開日 |
平成8年(1996)6月18日 |
| 出願番号 |
特願平6−302270 |
| 出願日 |
平成6年(1994)12月6日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】三好 秀和 (外3名)
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| 発明者 |
渡辺 力 / 萩原 弘 / 河野 真 |
| 要約 |
目的 加工物の図面データを必要とすることなく工具の侵入禁止領域を、的確に、しかもオペレータに大きい負担を掛けることなく設定し、複雑な演算を必要とすることなく工具が侵入禁止領域に侵入したか否かを的確に判別すること。
構成 NC加工プログラムの実行により送り動作が行われるNC工作機械において予め設定された侵入禁止領域に工具が侵入したことの有無を監視するNC動作監視システムのための侵入禁止領域設定方法において、NC加工プログラムより工具通過軌跡の座標データを取得し、当該座標データが示す工具通過軌跡によって画定される実加工形状に対して工具の侵入禁止領域を設定し、侵入禁止領域を画定する境界線のうち、工具の刃先中心位置に最も近い位置に存在する境界線を選択し、この境界線と直交する方向における当該境界線と刃先中心位置との間の距離と刃先中心半径との比較により前記侵入禁止領域に工具が侵入したか否かの判別する。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 NC加工プログラムの実行により送り動作が行われるNC工作機械において予め設定された侵入禁止領域に工具が侵入したことの有無を監視するNC動作監視システムにおいて、NC加工プログラムより工具通過軌跡の座標データを取得し、当該座標データが示す工具通過軌跡によって画定される実加工形状に対して工具の侵入禁止領域を設定することを特徴とするNC動作監視システム。 【請求項2】 前記座標データにより工具通過軌跡を画面表示し、画面表示された工具通過軌跡に対して領域指定し、指定された領域内に存在する工具通過軌跡によって画定される実加工形状に対して工具の侵入禁止領域を設定することを特徴とする請求項1に記載のNC動作監視システム。 【請求項3】 NC加工プログラムの実行により送り動作が行われるNC工作機械において予め設定された侵入禁止領域に工具が侵入したことの有無を監視するNC動作監視システムにおいて、前記侵入禁止領域を画定する境界線のうち、工具の刃先中心位置あるいは工具全体を含む所定半径の仮想円の中心位置に最も近い位置に存在する境界線を選択し、この境界線と直交する方向における当該境界線と前記中心位置との間の距離と刃先中心半径あるいは前記仮想円の半径との比較により前記侵入禁止領域に工具が侵入したか否かの判別することを特徴とするNC動作監視システム。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、NC工作機械におけるNC動作監視システムに関し、特にNC工作機械の誤動作により加工ミスが発生することを回避するために実行されるNC動作監視システムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】NC工作機械において、NC工作機械の誤動作により加工ミスが発生することを回避するために、コンピュータなどを使用し、NC加工プログラムの実行によるNC工作機械の実加工運転下で、予め設定された侵入禁止領域に工具が侵入したことを監視するNC動作監視システムは、特公平5−16977号公報に示されている。 【0003】このNC動作監視システムにおいては、加工物の図面データにより定義される加工物の形状に対して工具の侵入禁止領域を設定し、工具の刃先に所定寸法を付加した位置を仮想の刃先点とし、この仮想刃先点が侵入禁止領域に侵入したか否かを監視している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加工物の図面データによって定義される加工物形状の座標データとNC加工プログラムによる工具通過軌跡の座標データとは、工具形状、工具オフセットなどにより一致していないから、加工物の図面データにより定義される加工物形状に対して工具の侵入禁止領域を設定する場合、コンピュータは侵入禁止領域の設定に際して工具形状、工具オフセットなどのデータを取り込み、これらデータによって補正演算して侵入禁止領域を設定しなければならず、侵入禁止領域の設定に手間が掛かる。また工具形状、工具オフセットなどのデータの入力ミスにより侵入禁止領域が誤設定される可能性が生じる。このため侵入禁止領域が正しく設定されているか否かをチェックする必要も生じる。 【0005】また、この場合には、NC加工プログラム以外に加工物の図面データが必要であり、加工物の図面データをCADなどによって作成する必要がある。 【0006】また工具の刃先に所定寸法を付加した位置を仮想の刃先点とし、この仮想刃先点が侵入禁止領域に侵入したか否かを監視する場合には、刃先方向によって所定寸法を付加する方向を選択しなければならず、仮想刃先点の設定のための演算が複雑なものになる。 【0007】本発明は、上述の如き問題点に着目してなされたものであり、工具形状、工具オフセットなどのデータによって補正演算することなく、また加工物の図面データを必要とすることなく工具の侵入禁止領域を、的確に、しかもオペレータに大きい負担を掛けることなく設定し、またこの設定時にNC加工プログラムのチッェクも行えるようにし、更には複雑な演算を必要とすることなく工具が侵入禁止領域に侵入したか否かを的確に判別することができるNC動作監視システムを提供することを目的としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するために、本発明によるNC動作監視システムは、NC加工プログラムの実行により送り動作が行われるNC工作機械において予め設定された侵入禁止領域に工具が侵入したことの有無を監視するNC動作監視システムにおいて、NC加工プログラムより工具通過軌跡の座標データを取得し、当該座標データが示す工具通過軌跡によって画定される実加工形状に対して工具の侵入禁止領域を設定することを特徴としている。 【0009】また本発明によるNC動作監視システムは、前記座標データにより工具通過軌跡を画面表示し、画面表示された工具通過軌跡に対して領域指定し、指定された領域内に存在する工具通過軌跡によって画定される実加工形状に対して工具の侵入禁止領域を設定することを詳細な特徴としている。 【0010】また本発明によるNC動作監視システムは、NC加工プログラムの実行により送り動作が行われるNC工作機械において予め設定された侵入禁止領域に工具が侵入したことの有無を監視するNC動作監視システムにおいて、前記侵入禁止領域を画定する境界線のうち、工具の刃先中心位置あるいは工具全体を含む所定半径の仮想円の中心位置に最も近い位置に存在する境界線を選択し、この境界線と直交する方向における当該境界線と前記中心位置との間の距離と刃先中心半径あるいは前記仮想円の半径との比較により前記侵入禁止領域に工具が侵入したか否かの判別することをもう一つの特徴としている。 【0011】 【作用】上述の如き構成によれば、NC加工プログラムより工具通過軌跡の座標データを取得し、この座標データが示す工具通過軌跡によって画定される実加工形状に対して工具の侵入禁止領域を直接的に設定することが行われる。 【0012】またNC加工プログラムより取得した工具通過軌跡の座標データによって工具通過軌跡を画面表示し、画面表示された工具通過軌跡に対して領域指定することにより、指定された領域内に存在する工具通過軌跡によって画定される実加工形状に対して工具の侵入禁止領域を設定することが行われる。これにより特定の箇所にのみ部分的に工具の侵入禁止領域を設定することができ、また工具通過軌跡が画面表示されることにより、この画面表示をもってNC加工プログラムのチェックが行われ得るようになる。 【0013】工具が侵入禁止領域に侵入したか否かの判別は、侵入禁止領域を画定する境界線のうち、工具の刃先中心位置あるいは工具全体を含む所定半径の仮想円の中心位置に最も近い位置に存在する境界線を選択し、この境界線と直交する方向における当該境界線と前記中心位置との間の距離と刃先中心半径あるいは前記仮想円の半径とを比較することにより行われる。 【0014】 【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。 【0015】図1は本発明によるNC動作監視システムが適用されるNC工作機械の一実施例を示している。この実施例では、NC工作機械としてNC旋盤1が使用される。NC旋盤1は、Z軸ガイド3に案内されてZ軸サーボモータ5によってZ軸方向へ駆動されるZ軸移動台7と、Z軸移動台7に設けられたX軸ガイド9に案内されてX軸サーボモータ11によってX軸方向へ駆動されるX軸移動台(刃物台)13とを有している。X軸移動台13にはバイト15が取り付けられており、バイト15は、Z軸移動台7のZ軸方向移動とX軸移動台13のX軸方向移動のもとに、即ち送り動作のもとに、主軸中心軸線S周りに回転している被加工物Wの切削加工を行う。 【0016】NC装置17は、NC加工プログラムを実行し、NC加工プログラムの実行によりZ軸サーボモータ5とX軸サーボモータ11の各々に軸指令を出力する。この軸指令によってZ軸サーボモータ5が駆動されることによりZ軸移動台7がZ軸方向へ移動し、またX軸サーボモータ11が駆動されることによりX軸移動台13がX軸方向へ移動し、この両軸移動によってバイト15の通過軌跡、即ち工具通過軌跡が決まり、この工具通過軌跡によって被加工物Wの実加工形状が決まる。 【0017】NC動作監視装置19は、汎用パーソナルコンピュータなどにより構成され、キーボード21、マウス23などの入力手段と、CRTなどによるディスプレイ装置25とを接続されている。 【0018】NC動作監視装置19は、NC装置17によるNC旋盤1の実加工運転時に、Z軸サーボモータ5とX軸サーボモータ11の各々に接続されたロータリエンコーダ27、29よりZ軸移動台7のZ軸位置情報とX軸移動台13のX軸位置情報とを逐次入力し、この位置情報とNC装置17あるいはキーボード21より予め入力したバイト15の工具情報、オフセット情報によりバイト15の刃先中心座標(現在位置座標)を取得し、予め設定された侵入禁止領域を画定する境界線のうち、刃先中心座標位置に最も近い位置に存在する境界線を選択し、この境界線と直交する方向における当該境界線と刃先中心座標位置との間の距離と刃先中心半径とを比較することにより、バイト15が侵入禁止領域に侵入したか否かを監視する。 【0019】この侵入監視において、バイト15が侵入禁止領域に侵入した場合、NC動作監視装置19は、強制緊急停止指令をNC装置17へ出力する。 【0020】NC動作監視装置19は、工具の侵入禁止領域の設定に際し、シーケンサ(PLC)31を介してNC装置17へマシンロック、M,S,T機能ロック信号とサイクリックスタート信号とを送信する。これによりNC装置17は、マシンロツク状態でNC加工プログラムを実行し、工具通過軌跡の座標データ、この場合、加工開始点START・P 、各ブロックの終点P1 、P2 …、加工終了点END・P の座標値をNC動作監視装置19へ送信する。 【0021】NC動作監視装置19は、加工開始点START・P 、各ブロックの終点P1 、P2…、加工終了点END・P 座標値を図2に示されているようなデータ表形式でメモリに格納し、加工開始点START・P 、各ブロックの終点P1 、P2 …、加工終了点END・P 座標値を順次結ぶ線分によってSTART・P →P1 →P2 …P10→P11→END・Pによる工具通過軌跡をディスプレイ表示するための描画処理を行う。 【0022】この描画処理により、ディスプレイ装置25に、図3に示されているように、START・P →P1 →P2 …P10→P11→END・P による工具通過軌跡が画面表示される。 【0023】この工具通過軌跡はNC加工プログラムの実行により得られるから、工具が実際に通過する経路を忠実にシュミレーションしたものになる。 【0024】この工具通過軌跡の画面表示により、オペレータは加工図面などとの対照によりNC加工プログラムにデータ設定ミスがあるか否かのチェックを行うことができる。 【0025】次にオペレータはマウスあるいはキーボードのカーソルキーを使用し、画面表示された工具通過軌跡に対して領域指定し、指定された領域内に存在する工具通過軌跡によって画定される実加工形状に対して工具の侵入禁止領域を設定する。 【0026】ここでは、マウス23によってA点をクリックし、クリック状態でマウス23を動かしてC点でクリックを解放することにより、A点とC点とを対角点とする矩形領域A→B→C→Dが画定される。A点、B点、C点、D点の各座標値も図4に示されているようなデータ表形式でNC動作監視装置19のメモリに格納される。 【0027】この場合の侵入禁止領域の設定は、A点の座標値を開始点として番号1に登録し、次に線分A→Bに交わる線分の有無を判別する。線分A→Bに交わる線分はないので、B点の座標値を番号2に登録する。 【0028】次に線分B→Cに交わる線分の有無を判別する。線分B→Cに交わる線分として線分START・P →P1 と線分P11→END・P と線分P4 →P5 とが存在するので、線分B→Cと線分START・P →P1 との交点と、線分B→Cと線分P11→END・P と、線分B→Cと線分P4 →P5 との交点を各々算出し、B点に近いほうの交点、この場合、線分B→Cと線分START・P →P1 との交点をX1 とし、その交点X1の座標値を番号3に登録する。 【0029】次に線分X1 →P1 に交わる線分の有無を判別する。線分X1 →P1 に交わる線分として線分P11→END・P が存在するので、線分X1 →P1 と線分P11→END・P との交点をX2 とし、その交点X2 の座標値を番号4に登録する。 【0030】以下、同様の処理により、図5に示されているように、各点の座標値を番号5〜15として登録とし、最後にA点に戻り、番号16にA点の座標値を登録する。 【0031】図5に示されているように、番号1〜16に登録された座標値により定義される連続線分(境界線)によって図6に示されているような侵入禁止領域NAが画定され、ここに侵入禁止領域NAが設定される。 【0032】この侵入禁止領域NAは上述の連続線分を描画することにより図6に示されているようにディスプレイ装置25に画面表示される。この侵入禁止領域NAの画面表示によって、オペレータはその侵入禁止領域NAの設定の適否を確認できる。 【0033】バイト15が侵入禁止領域NAに侵入したか否かの判別は、ロータリエンコーダ27、29よりZ軸移動台7のZ軸位置情報とX軸移動台13のX軸位置情報とによる機械座標に対してZ軸方向とX軸方向のオフセット量を加えることにより、バイト刃先の中心点Q(図6参照)の現在位置座標値(Zq,Xq)を求め、侵入禁止領域NAを画定する境界線のうち、この現在位置、即ちバイト刃先中心の現在座標位置に最も近い位置に存在する境界線、図6では線分P2 →X4 による境界線より中心点Qへ垂線をおろし、中心点Qを中心とした刃先アール部の半径をR、侵入誤差補正値rとして、下式により行う。S≦R−r【0034】ここで、Sは線分P2 →X4 より中心点Qへおろした垂線の長さであり、換言すれば、線分P2 →X4 と直交する方向における線分P2 →Xと刃先中心座標位置との間の距離である。なお、侵入誤差補正値rはNC旋盤1の位置制御の誤差を補償するために設定されるものであり、必須項ではない。 【0035】S≦R−rであれば、バイト15が侵入禁止領域NAに侵入したと判別し、NC動作監視装置19は直ちに強制緊急停止指令をNC装置17へ出力する。 【0036】これにより刃先方向に応じて異なる演算式により工具位置を定義する必要がなくなり、複雑な演算を必要とすることなくバイト15が侵入禁止領域NAに侵入したか否かの判別が的確に行われるようになる。 【0037】なお、この実施例では、工具の形状を半径Rの刃先アール部の形状をもって定義したが、これは、図6に仮想線により示されているように、工具全体を内包する円の中心点Q’の座標値を使用し、工具全体を内包する円をもって工具の形状を定義することもできる。 【0038】以上に於ては、本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。 【0039】 【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明によるNC動作監視システムによれば、NC加工プログラムより工具通過軌跡の座標データを取得し、この座標データが示す工具通過軌跡によって画定される実加工形状に対して工具の侵入禁止領域を直接的に設定することが行われるから、工具形状、工具オフセットなどのデータによって補正演算することなく、また加工物の図面データを必要とすることなく工具の侵入禁止領域を、的確に、しかもオペレータに大きい負担を掛けることなく設定することができる。 【0040】またNC加工プログラムより取得した工具通過軌跡の座標データによって工具通過軌跡を画面表示し、画面表示された工具通過軌跡に対して領域指定することにより、指定された領域内に存在する工具通過軌跡によって画定される実加工形状に対して工具の侵入禁止領域を設定することが行われるから、特定の箇所にのみ部分的に工具の侵入禁止領域を設定することができ、また工具通過軌跡が画面表示されることにより、この画面表示をもってNC加工プログラムのチェックが行われ得るようになる。 【0041】工具が侵入禁止領域に侵入したか否かの判別は、侵入禁止領域を画定する境界線のうち、工具の刃先中心位置あるいは工具全体を含む所定半径の仮想円の中心位置に最も近い位置に存在する境界線を選択し、この境界線と直交する方向における当該境界線と前記中心位置との間の距離と刃先中心半径あるいは前記仮想円の半径とを比較することにより行われるから、刃先方向に応じて異なる演算式により工具位置を定義する必要がなくなり、複雑な演算を必要とすることなく工具が侵入禁止領域に侵入したか否かの判別が的確に行われるようになる。
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