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発明の名称 局部加圧装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−155622
公開日 平成8年(1996)6月18日
出願番号 特願平6−329922
出願日 平成6年(1994)12月5日
代理人
発明者 高村 昌幸 / 久保木 勲 / 阿部 裕治
要約 目的
金型を用いた加圧鋳造中の成形品に対して油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで、鋳巣を減少または解消するため、加圧ピンを作動させる油圧回路を独立して制御すると共に、加圧ピンの圧力を直接計測し、加圧ピンの位置を制御し、高品質のダイカスト製品を生産を可能とした局部加圧装置を提供する。

構成
加圧ピン装置は、油圧シリンダ14のピストンの一側にリニアスケ−ル19を設け、ロッド14bの先端位置を計測するように構成し、他側のにロッド14b先端にはネジ14cを形成し、保持ナット16およびナット17を螺合してダブルナットを構成し、保持ナット16にはフランジ部13a付加圧ピン13を移動自在に遊合せしめ、フランジ部13aにより、加圧ピン13が保持ナット16から離脱するのを係止し、ロッド14bと加圧ピン13のフランジ部13aとの間には圧電素子20を挟持し、加圧ピン13のスラスト力を圧力検知できるように構成した。
特許請求の範囲
【請求項1】 金型を用いた加圧鋳造中の成形品に対して、油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで鋳巣を減少または解消するようにした加圧鋳造装置において、油圧供給源と、同油圧供給源からの作動油の圧力を調整する圧力調整部と、同圧力調整部で圧力調整された作動油の圧力を補償する圧力補償部と、前記圧力補償部で圧力調整された作動油の流量を調整する流量調整部と、同流量調整部で流量を調整された作動油の方向を切換える方向切換弁と、加圧ピンとシリンダロッドの端部間に圧力センサを狭持し、加圧ピンの進退動作を行う油圧シリンダと、シリンダロッドに設けられ、加圧ピンの位置を直接的に計測する位置検出センサと、前記油圧シリンダの発進および動作時間を制御する制御装置とによって構成したことを特徴とする局部加圧装置。
【請求項2】 油圧シリンダのピストンの一側にリニアスケ−ルを設け、ロッドの先端位置を計測するように構成し、他側のにロッド先端にはネジを形成し、ナットを螺合し、保持ナットにはフランジ部付加圧ピンを移動自在に遊合せしめ、フランジ部により、加圧ピンが保持ナットから離脱するのを係止し、フランジ部とロッドの間には圧電素子を挟持し、加圧ピンのスラスト力を圧力検知できるように構成したことを特徴とする加圧ピン装置。
【請求項3】 加圧ピンのフランジ部にリング状のストッパを設け、このストッパの中に圧電素子を入れ、ストッパ端面とロッドを当接させ、圧電素子が作動する範囲以上に圧縮して、圧電素子が破壊するのを防止することを特徴とする請求項3項記載のピン装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加圧鋳造時のストロ−ク値を制御し鋳巣を減少または解消する局部加圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、局部加圧方法により鋳物を製造する場合、金型のキャビティに注入した溶湯が冷却されて凝固するときその容積が収縮することから、内引けを生ずる。また、溶湯を高速で射出するため、溶湯に空気を巻き込み鋳物の内部に鋳巣を生ずることになる。これらのは内引け、鋳巣の発生などの欠陥をなくすため、キャビティ内の溶湯が凝固する直前に加圧ピンをキャビティ内に突出させる方法がとられている。この種の加圧ピンの動作はダイカストマシンの中子ポ−トを作動させる油圧回路を改良または機能を向上するための回路を付加することなく使用していた。
【0003】特公昭59−156560号の公報によれば、加圧ピンの加圧タイミングをタイマ−により一定に制御するものであり、特開昭58−9758の公報によれば、金型温度をセンサ−で検出し、この検出温度により、加圧ピンの動作を制御するものであった。特開平4−118167は加圧ピンの位置を直接計測でき、金型ごとにこれらのセンサを取付けなければならなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来技術によれば以下に述べる技術的課題があった。
【0005】特公昭59−156560号の公報の技術においては、鋳込み開始の金型温度と型温安定時に凝固温度が異なるため、製品の品質にバラツキを生じることがあった。特開昭58−9758の公報の技術においては、金型温度または溶湯温度と加圧タイミングの関係が明確でないと、把握しにくいという問題があり、さらに、金型温度、溶湯温度と射出圧力の関係を一定にすることが困難であった。
【0006】特開平4−118167は加圧ピンの位置を直接計測できるものの、金型ごとにこれらのセンサを取付けなければならないとういう煩わしさがあった。
【0007】本発明は前記技術的課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、金型を用いた加圧鋳造中の成形品に対して油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで、鋳巣を減少または解消するため、加圧ピンを作動させる油圧回路を独立して制御すると共に、加圧ピンの圧力を直接計測し、加圧ピンの位置を制御し、高品質のダイカスト製品を生産を可能とした局部加圧装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本発明の局部加圧装置は下記の手段を設けた。
【0009】本発明の局部加圧装置は金型を用いた加圧鋳造中の成形品に対して、油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで鋳巣を減少または解消するようにした加圧鋳造装置において、油圧供給源と、同油圧供給源からの作動油の圧力を調整する圧力調整部と、同圧力調整部で圧力調整された作動油の圧力を補償する圧力補償部と、前記圧力補償部で圧力調整された作動油の流量を調整する流量調整部と、同流量調整部で流量を調整された作動油の方向を切換える方向切換弁と、加圧ピンとシリンダロッドの端部間に圧力センサを狭持し、加圧ピンの進退動作を行う油圧シリンダと、シリンダロッドに設けられ、加圧ピンの位置を直接的に計測する位置検出センサと、前記油圧シリンダの発進および動作時間を制御する制御装置とによって構成した。
【0010】本発明の加圧ピン装置は、油圧シリンダのピストンの一側にリニアスケ−ルを設け、ロッドの先端位置を計測するように構成し、他側のにロッド先端にはネジを形成し、ナットを螺合し、保持ナットにはフランジ部付加圧ピンを移動自在に遊合せしめ、フランジ部により、加圧ピンが保持ナットから離脱するのを係止し、フランジ部とロッドの間には圧電素子を挟持し、加圧ピンのスラスト力を圧力検知できるように構成した。
【0011】加圧ピンは、加圧ピンのフランジ部にリング状のストッパを設け、このストッパの中に圧電素子を入れ、ストッパ端面とロッドを当接させ、圧電素子が破壊するのを防止した。
【0012】加圧ピンの位置決め制御は油圧シリンダのピストンの左右にロッドおよびリニアスケ−ルを固定し、位置センサ−により位置を計測し、制御装置で制御してもよい。
【0013】
【作用】上記のように構成した本発明の装置の作用について、以下説明する。
【0014】油圧シリンダのロッドに加圧ピンを接続し、前記ロッドと前記加圧ピンの間に圧電素子を挟み、前記圧力センサを介して直接圧力を計測し、同加圧ピンの位置を位置センサを介して直接計測し、圧力センサによって得られた圧力を基に、油圧シリンダの位置および動作時間を制御装置によって制御する。
【0015】加圧ピンは、ストッパの中に圧電素子を入れ、ストッパ端面とロッドを当接させ、圧電素子が作動する範囲以上に圧縮して、圧電素子が破壊するのを防止した。 さらに、局部加圧は加圧鋳造時のストロ−ク値がフルストロ−ク値より少ない位置で停止し後退するようにするように加圧ピンのストロ−ク値を制御する。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を基に説明する。
【0017】本発明の加圧鋳造装置は加圧ピンは金型を用いた加圧鋳造中の成形品に対して、油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで鋳巣を減少または解消するためのものである。
【0018】図1は本発明に使用されるダイカストマシンの加圧ピンを動作させる油圧回路を示す。
【0019】以下に述べる油圧回路の説明において、主要構成についてのみ説明し、細部については一般的な技術のため説明を省略する。
【0020】図1において、1は油圧供給装置で、油圧供給装置1は油圧ポンプ2、モ−タ3、リリ−フ弁4、タンク5等からなる。油圧供給源1から供給される圧油はアキュムレ−タACCでさらに加圧され、油圧供給源1からの作動油の圧力を調整する圧力調整部圧部としての逃し弁6、比例電磁式リリ−フ弁7と、作動油の流量を調整する流量調整部としての比例電磁式方向流量弁8、圧力補償部としてのシリ−ズ型圧力補償弁9、減圧弁10、および流量調整部で流量を調整された作動油の方向を切換える方向切換弁12、方向切換弁12に接続され加圧ピン13の進退動作を行う油圧シリンダ14と、加圧ピン13の位置を制御し、油圧シリンダ14の発進および動作時間を制御する制御装置15とによって構成した。
【0021】なお、加圧ピン13の位置決め制御は方向切換弁14を通過した作動油の流量を所定の単位でカウントする流量カウンタ11によって位置を間接的に計測し、制御装置15によって制御することもできる。
【0022】次に、加圧ピン13の詳細な構成を図2の断面図を用いて説明する。
【0023】同図において、加圧ピン13の位置決め制御は油圧シリンダのピストン14aの右側にリニアスケ−ル19を設け、ロッド14bの先端位置を計測するように構成し、ロッド14bの先端にはネジ14cを形成し、保持ナット16およびナット16aが螺合してダブルナットを構成している。保持ナット16にはフランジ部13a付加圧ピン13が移動自在に遊合し、フランジ部13aにより、加圧ピン13が保持ナット16から離脱するのを係止する。フランジ部13aとロッド14bの間には圧力センサとしての圧電素子20が挟持され、加圧ピン13のスラスト力を圧力検知できるように構成している。
【0024】なお、圧電素子20を保護するために、加圧ピン13のフランジ部13aにリング状のストッパ21を設け、このストッパ21の中に圧電素子20を入れ、ストッパ21端面とロッド14bを当接させ、圧電素子20が作動する範囲以上に圧縮して、圧電素子20が破壊するのを防止している。
【0025】なお、制御装置15は油圧シリンダ14の発進および動作時間を制御する。
【0026】本発明の加圧鋳造装置の作用について説明する。
【0027】まず、溶湯を射出スリ−ブに入れて射出すると、溶湯がキャビティに充填される。その時、射出シリンダ−の圧力が上昇し、これをシリ−ズ型圧力補償弁9で検知し、制御装置15へ送る。制御装置15は予め設定された時間T、流量Q、圧力Pに基づいて、タイマ−T1、T2、比例電磁式方向流量弁8、比例電磁式リリ−弁7を制御する。この流量Q、圧力Pは個々に独立して制御しても、また相互に制御しても目的は達成される。
【0028】射出スリ−ブが高速射出のリミットスイッチを踏むと、シリ−ズ型圧力補償弁9、減圧弁10の設定圧力に達した時点でタイマ−時間T1後に、加圧ピン作動する。タイマ−T1のタイムアウト後、比例電磁式方向流量弁8は比例電磁式リリ−フ弁7を介して作動し、流量Qを微細に制御し、成形品に対して加圧ピン13によるスクイズを行う。
【0029】スクイズは、油圧シリンダ14の発進およびスクイズ動作時間およびスクイズ圧力を制御する制御装置15により制御される。
【0030】スクイズ時、スケ−ル15、センサ25でスクイズストロ−クが計測されているので、このカウント値から、凝固直前に押込んだスクイズストロ−クの移動距離を直接的に計測できる。
【0031】次に、この計測スクイズ圧力と設定スクイズ圧力を比較し、設定スクイズ圧力の所定の範囲になるまで、油圧シリンダ14を作動し、成形品を加圧し、加圧鋳造時のストロ−ク値がフルストロ−ク値より少ない位置で停止する。加圧ピン13の保持時間のタイムアウトT2後、方向切換弁12を非励磁とすると、油圧シリンダ14は前進状態に復帰し、次の射出開始を待つ。油圧シリンダ14の先端に圧力センサとしての圧電素子20を介して、加圧ピン13を動作させ、加圧ピン13の位置を圧電素子20を介して直接的に計測し、圧電素子20によって得られた圧力を基に、制油圧シリンダの位置および動作時間を御装置とによって制御する。
【0032】さらに、局部加圧は加圧鋳造時のストロ−ク値がフルストロ−ク値より少ない位置で停止し後退するようにするように加圧ピン13のストロ−ク値を制御する。 さらに、加圧鋳造時のストロ−ク値がフルストロ−ク値より少ない位置で停止し後退するようにするように加圧ピン13のストロ−ク値を制御する。
【0033】加圧ピン13は、ストッパ21の中に圧電素子20を入れ、ストッパ21端面と加圧ピン13を当接させ、圧電素子20が作動する範囲以上に圧縮して、圧電素子が破壊するのを防止した。
【0034】このとき、比例電磁式方向流量弁8は中立状態にあるので、圧油は通過できずに、アキュムレ−タACC側に流れ、アキュムレ−タACCに圧力を蓄積する。
【0035】余剰の圧油はリリ−フ弁7を介してタンク5に回収される。
【0036】なお、圧電素子20からの信号は、発信器22を用いて外部の受信器(図示省略)で受信し、制御装置15で制御し、油圧シリンダ14を制御するように構成する。
【0037】以上述べたように、本実施例によれば、油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで、加圧ピンの圧力を検知しながら、鋳造中の成形状態にあった圧力で、流量、時間をそれぞれ制御しながら、加圧ピンを凝固直前に押込むので、成形品に合った局部加圧ができ、鋳巣減少または解消を行うことができる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、油圧シリンダにより加圧ピンを凝固直前に押込んで、加圧ピンの圧力を検知しながら、鋳造中の成形状態にあった圧力で、流量、時間をそれぞれ制御しながら、加圧ピンを凝固直前に押込むので、成形品に合ったスクイズができ、鋳巣を減少または解消を行うことができる。
 

 
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