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発明の名称 門型工作機械のクロスレールバランス装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−150528
公開日 平成8年(1996)6月11日
出願番号 特願平6−296563
出願日 平成6年(1994)11月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
発明者 落 合▲あきら▼ / 渡 辺 力
要約 目的
門型工作機械のクロスレールバランス装置において消費エネルギを低減し得る装置を得ること。

構成
門型工作機械のクロスレールを左右の油圧バランスシリンダによってバランスさせるようにしたクロスレールバランス装置において、上記油圧バランスシリンダ5a,5bにそれぞれ圧油を供給する各油圧ポンプ6a,6bの吐出側に、対応する油圧バランスシリンダ内の圧力を主軸頭3の位置に応じたバランス圧力に設定するクロスレールバランス圧用の比例制御弁7a,7bを設けるとともに、上記油圧ポンプ6a,6bの吸入側に、上記油圧ポンプの吐出圧が上記バランス圧力により所定量だけ高い圧力に制御する元圧調整用の比例制御弁9a,9bを設けた。
特許請求の範囲
【請求項1】門型工作機械のクロスレールを左右の油圧バランスシリンダによってバランスさせるようにしたクロスレールバランス装置において、上記油圧バランスシリンダにそれぞれ圧油を供給する各油圧ポンプの吐出側に、対応する油圧バランスシリンダ内の圧力を主軸頭の位置に応じたバランス圧に設定するクロスレールバランス圧用の比例制御弁を設けるとともに、上記油圧ポンプの吸入側に、上記油圧ポンプの吐出圧が上記バランス圧より所定量だけ高い圧力に制御する元圧調整用の比例制御弁を設けたことを特徴とする、門型工作機械のクロスレールバランス装置。
【請求項2】各比例制御弁は、主軸頭の位置信号によってそれぞれその設定圧が制御されることを特徴とする、請求項1記載の門型工作機械のクロスレールバランス装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、門型工作機械におけるクロスレールのバランス装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、門型工作機械においては、図4に示すように、左右に立設されたコラム1,1間にクロスレール2が水平状に懸架され、そのクロスレール2に主軸頭3が横行可能に装着されている。上記クロスレール2は切削送り機能をもっており、主軸頭3におけるラムのくり出しによる切削と同時に上記クロスレール2の昇降による切削を行なうことができる。
【0003】したがって、上記主軸頭3の横行に際しては、主軸頭3が図4の線Aに示すように水平な移動軌跡をとることが必要である。しかるに、クロスレール2のたわみによって主軸頭3はその位置に応じて曲線Bに示すような軌跡をとる傾向があり、また主軸頭3の位置により、左右のボールねじ4に作用するスラストが大きく変動し、ボールネジ4に伸縮が生じ、その大きさがクロスレールの高さによっても影響を受け、曲線Cに示すように主軸頭左右運動の真直精度が変動する傾向がある。
【0004】そこで、左右のコラム1の上部にそれぞれ油圧バランスシリンダ5a,5bが設けられ、左右の油圧バランスシリンダ5a,5bの圧力を主軸頭3の位置に応じて自動的に調整し、クロスレールをバランスさせるとともに、ボールねじ4に作用するスラストの変動をなくし、クロスレールの位置とは無関係に、高精度な主軸頭の真直度を保持するようにしてある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような装置においては各油圧バランスシリンダ5a,5bに圧油を供給する油圧ポンプと各油圧バランスシリンダ5a,5bとの間にそれぞれクロスレールバランス圧用の比例電磁式リリーフ弁が設けられ、その比例電磁式リリーフ弁の制御によって、各油圧バランスシリンダ5a,5bの圧力が主軸頭の位置に対応した圧力に制御されるようにしてある。すなわち、上記油圧ポンプは常に一定圧の圧油を供給し、その圧油が上記比例電磁式リリーフ弁によって所定圧に制御され、各油圧バランスシリンダ5a,5bの圧力がそれぞれ設定値を保つようにしてある。
【0006】したがって、各比例電磁式リリーフ弁は、主軸頭の移動位置に対応したバランス圧を得るための所定開度に制御されるため、油圧ポンプから吐出される圧油の大半は上記比例電磁式リリーフ弁を介して系外に放出されており、その分エネルギーのロスを生じている等の問題がある。
【0007】本発明はこのような点に鑑み、上述の如き系外に放出される圧油を減少させ油圧ポンプを駆動するためのエネルギを低減し得るようにしたクロスレールバランス装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、門型工作機械のクロスレールを左右の油圧バランスシリンダによってバランスさせるようにしたクロスレールバランス装置において、上記油圧バランスシリンダにそれぞれ圧油を供給する各油圧ポンプの吐出側に、対応する油圧バランスシリンダ内の圧力を主軸頭の位置に応じたバランス圧力に設定するクロスレールバランス圧用の比例制御弁を設けるとともに、上記油圧ポンプの吸入側に、上記油圧ポンプの吐出圧が上記バランス圧より所定量だけ高い圧力に制御する元圧調整用の比例制御弁を設けたことを特徴とする。
【0009】
【作用】油圧ポンプによる吐出圧油が、元圧調整用の比例制御弁によって油圧バランスシリンダに必要な所定のバランス圧より所定量だけ高い圧力に制御され、その吐出油圧がクロスレールバランス圧用の比例電磁式リリーフ弁により所定のバランス圧に制御されて油圧バランスシリンダに供給される。
【0010】したがって、油圧ポンプを駆動するモータ出力が、バランス圧に対応して制御される元圧調整用の比例制御弁の開度によって自動的に調整される。そのため従来のように常に一定出力に保持されるものに比し、所用動力を削減することができる。
【0011】
【実施例】以下、図1乃至図3を参照して本発明の実施例について説明する。
【0012】図1において、符号5a,5bはクロスレール2のバランス用の油圧バランスシリンダであって、左右の各油圧バランスシリンダ5a,5bにそれぞれ接続された可変ピストンポンプ6a,6bの吐出側には、従来と同様にクロスレールバランス圧用の比例電磁式リリーフ弁7a,7bが設けられており、各可変ピストンポンプ6a,6bはそれぞれモータ8a,8bによって駆動される。
【0013】ところで、本発明においては、上記各可変ピストンポンプ6a,6bの吸入側に、バランス元圧調整用の比例制御弁9a,9bがそれぞれ設けられている。そして、上記両比例電磁式リリーフ弁7a,7bには、それぞれ主軸頭3の位置に対応したバランス圧設定信号が入力され、比例電磁式リリーフ弁7a,7bにより油圧バランスシリンダ5a,5bが上記主軸頭3の位置に対応するバランス圧になるように制御される。一方、上記比例制御弁9a,9bには、上記バランス圧よりわずかに高い圧力設定信号が入力され、各比例制御弁9a,9bの開度が各可変ピストンポンプ6a,6bの吐出圧が上記圧力設定信号に対応した設定圧力になるように制御される。
【0014】すなわち、図2の実線に示すように、左側のバランスシリンダ5a内のバランス圧は比例電磁式リリーフ弁7aによって主軸頭3が右側に移動するにしたがって次第に減少するように制御され、一方右側の油圧バランスシリンダ5b内のバランス圧は比例電磁式リリーフ弁7bによって主軸頭3が左側に移動するにしたがって次第に減少するように制御される。一方、各可変ピストンポンプ6a,6bの吐出圧は、図2の点線で示すように、比例制御弁9a或は9bによってそれぞれ油圧バランスシリンダ5a或は5b内のバランス圧よりわずかに高い圧力に制御される。
【0015】しかして、左右の油圧バランスシリンダ5a,5b内のバランス圧がそれぞれ主軸頭3の移動位置に対応した圧力に制御され、クロスレールのバランスが保持され、高精度な主軸頭3の運動の真直度が保持される。
【0016】一方、油圧ポンプを駆動するモータ出力は図3に示すように負荷に応じて変化する。したがって、前述のように各比例制御弁9a,9bが各油圧バランスシリンダ5a,5b内のバランス圧よりわずかに高い圧力に対応する開度にそれぞれ制御されることによって、各可変ピストンポンプ6a,6bを駆動するモータ8a,8bの負荷圧力が変化し、それに応じモータ出力も変化する。
【0017】また、各可変ピストンポンプ6a,6bの吐出圧は比例電磁式リリーフ弁7a,7bにより制御される圧力よりもわずかに高くしてあるため、比例電磁式リリーフ弁7a,7bの開度は若干絞られた状態であり、系外に排出される圧油すなわちドレン量は少量となる。
【0018】このように、本発明においては、従来のようにポンプ駆動用のモータが常に一定出力で運転される必要がなく、バランス圧に対応してその出力が制御されるとともに、そのドレン量も少ないことにより、消費エネルギを減少でき、省エネ化を図ることができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は油圧ポンプの吸入側に比例制御弁を付加し、ポンプからの吐出圧をバランス圧より若干高くなるように制御するようにしたので、その構成を複雑にすることなく省エネ化を図ることができる。
 

 
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