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発明の名称 静圧軸受油圧シリンダ装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−150527
公開日 平成8年(1996)6月11日
出願番号 特願平6−293128
出願日 平成6年(1994)11月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
発明者 落 合▲あきら▼
要約 目的
鏡面加工面に送りマークが付くことがないように移動テーブルを駆動し得るようにした油圧送り装置を得ること。

構成
サドル5上に移動可能に配設された移動テーブル6に、油圧シリンダ1のピストンロッド4を静圧カップリングを介して連結するとともに、ピストンロッド4を支持するロッドカバー支持部8の内面に静圧ポケット9a,9b,10a,10bを形成し、その静圧ポケットに対向形定比弁17,18を介して圧油を供給するようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】サドル上に移動可能に配設された移動テーブルに、油圧シリンダのピストンロッドを静圧カップリングを介して連結するとともに、上記ピストンロッドを支持するロッドカバー支持部内面に静圧ポケットを形成し、その静圧ポケットに対向形定比弁を介して圧油を供給するようにしたことを特徴とする、静圧軸受油圧シリンダ装置。
【請求項2】対向形定比弁の代りに、圧油供給ラインに固定絞りまたは流量制御弁が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の静圧軸受油圧シリンダ装置。
【請求項3】静圧ポケットの左右には少なくとも一つの排油孔が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の静圧軸受油圧シリンダ装置。
【請求項4】静圧ポケットに圧油を供給するための油タンクには、圧油の温度をコントロールする油温制御装置が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の静圧軸受油圧シリンダ装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超精密工作機械における移動テーブル等の駆動を行なうための静圧軸受油圧シリンダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、工作機械における移動テーブルの駆動装置としては、電機サーボ送り装置或はボールネジが使用されているが、超精密加工の分野においては鏡面加工を行なう場合、指令値による送りマークが加工面に転写されてしまい、鏡面加工の面としては著しく評価の低いものになってしまうことがある等の問題がある。
【0003】本発明はこのような点に鑑み、鏡面加工面にギザギザ状の送りマークが付くことがないように移動テーブルを駆動し得る静圧軸受油圧シリンダ装置を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、サドル状に移動可能に配設された移動テーブルに、油圧シリンダのピストンロッドを静圧カップリングを介して連結するとともに、上記ピストンロッドを支持するロッドカバー支持部内面に静圧ポケットを形成し、その静圧ポケットに対向形定比弁或は固定絞り、流量制御弁を介して圧油を供給するようにしたことを特徴とする。
【0005】また、本発明は、油タンクに圧油の温度コントロールする油温制御装置が設けられていることを特徴とする。
【0006】
【作用】油圧シリンダのピストンロッドが、ロッドカバー支持部内面に形成されている静圧ポケットに供給される油圧により支持保持される。したがって、ロッド部の剛性が高まり、送り動作時にふらつきが発生することがなく、しかも油圧の脈動も静圧カップリングによってその影響が防止される。
【0007】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0008】図1において符号1は基盤2上に設置された油圧シリンダであって、その油圧シリンダ1内に摺動可能に設けられているピストン3に一体的に連結されているピストンロッド4が、上記油圧シリンダ1の端部から突出されている。そして、上記ピストンロッド4の先端が、固定サドル5上に移動可能に載置されている移動テーブル6に静圧カップリング7を介して連結されている。
【0009】ところで、上記油圧シリンダ1の一端部内周面には、ピストンロッド4が貫通するロッドカバー支持部8が設けられており、そのロッドカバー支持部8の内面には互いに対向する複数対の静圧ポケット9a,9b,10a,10bが形成され、各静圧ポケット9a,9b,10a,10bに所定圧の圧油が供給されるようにしてある。
【0010】上記ロッドカバー支持部8の内周面には、静圧ポケット9a,…の軸線方向左右両側に周方向に延びる排油孔11a,11bが形成されており、その排油孔11a,11bが回収ポンプ12を有する回収ライン13に接続されている。また、上記外端側の排油孔11bの外側部には、周方向に延びるエアシール供給溝14が設けられ、シール用空気が供給され、シリンダロッド4とロッドカバー支持部材8の間の環状間隙から油が外部に洩出しないようにしてある。
【0011】図2は、上記油圧シリンダ1及び静圧軸受部の圧油供給系統を示す図であり、ポンプ15によって汲み上げられ加圧された圧油は、切換弁16を介して図1に示す油圧シリンダ1に供給され、そのピストン3の駆動が行なわれる。上記ポンプ15で加圧された圧油の一部は対向形定比弁17を介して上下の静圧ポケット9a,9bに供給され、また他の対向形定比弁18を介して左右の静圧ポケット10a,10bに供給される。
【0012】また、上記油圧シリンダ1等に供給する油を貯留する油タンク19内には、油温制御用熱交換器20が配設されており、冷却器21から上記油温制御用熱交換器20に冷却流体が供給され、それによって油タンク19内の油温が一定になり、油の粘性が一定になるようにしてある。なお図中、符号22はリリーフ弁である。
【0013】しかして、移動テーブル6上に載置されたワークWの加工時においては、切換弁16の切換によって、ポンプ15で加圧された圧油が油圧シリンダ1に供給され、ピストン3が所定方向に移動され、ピストンロッド4及び静圧カップリング7を介して上記移動テーブル6が図1において左右方向に所定速度で移動される。一方、圧油が対向形定比弁17,18を介して上下の静圧ポケット9a,9b及び左右の静圧ポケット10a,10bに供給されているので、その静圧によってピストンロッド4の中間部が常に同一軸線上にあるように固定保持され、ピストンロッド部の剛性が高められる。
【0014】したがって、ピストンロッド4の移動時にピストンロッド4がふらつくようなことがなく、またポンプによる圧油の脈動も上記静圧カップリング7によってその影響が除去され、上記油圧送り装置による移動テーブルの送りによってワークWに対して希望の面を加工でき理想に近い鏡面とすることができる。また、このとき、油タンク19内の油温が油温制御用熱交換器20によって制御されているため、油の粘性が一定におさえられており、温度変化による送りむらが発生するようなことが確実に防止される。
【0015】さらに、静圧ポケットの両側には排油孔11a,11bが設けられているため、上記静圧ポケット9a,9b,10a,10bからピストンロッド4に沿って洩れ出た油は、上記排油孔11a,11bによって捕獲され、回収ライン13を介して回収されるとともに、エアシール供給溝14にシール用エアーを供給することによって油が外部に流出することが確実に阻止される。
【0016】なお、上記実施例においては対向形低比弁を設けたものを示したが、この代りに固定絞り或は流量調整弁を設けてもよい。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明はサドル上に移動可能に配設された移動テーブルに油圧シリンダのピストンロッドを静圧カップリングを介して連結するとともに、ピストンロッドを支持するロッドカバー支持部内面に静圧ポケットを形成し、その静圧ポケットに対向形低比弁、或は固定絞りまたは流量制御弁を介して圧油を供給するようにしたので、ピストンロッドのふらつきを防止するとともに、油圧の脈動の影響を防止でき、加工面にぎざぎざ状の送りマークが付かない鏡面仕上げが可能となる等の効果を奏する。
 

 
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