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発明の名称 丸駒バイトホルダ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−150501
公開日 平成8年(1996)6月11日
出願番号 特願平6−293302
出願日 平成6年(1994)11月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
発明者 荒 木 正 文 / 森 三知雄
要約 目的
被削材の加工態様に応じてチップを取付けた首部の角度を調整できるようにすることによって、容易に切れ屑の流れ方向を調整することができ、仕上がり面精度の向上、工具寿命の延長を図る。

構成
ホルダ本体をシャンク部11と、先端部に丸駒形チップ13が固着された首部12に分割するとともに、首部12を送り方向とホルダ軸方向に直角な軸回りに回動可能に連結し、首部の回転角を調整する角度調整部を設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】刃部に丸駒形のチップを一体に固定したスローアウェイ式の丸駒バイトホルダにおいて、ホルダ本体をシャンク部と、先端部に丸駒形チップが固着された首部に分割するとともに、前記首部を送り方向とホルダ軸方向に直角な軸回りに回動可能に連結し、前記首部の回転角を調整する角度調整部を設けたことを特徴とする丸駒バイトホルダ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、丸駒バイトホルダに係り、特に、丸駒形のチップが固定された首部の角度調整機能を備えた丸駒バイトホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】スローアウェィ式の一体形バイトホルダは、バイトホルダ先端に切削用チップを固定したもので、広く工作機械に使用されている。このバイトホルダは、チップが磨耗して切削に使えなくなると、ホルダごと交換して使用するものである。
【0003】この種のバイトホルダでは、取り付けられるチップの種類もいろいろとあるが、その中で、丸駒バイトとして知られている円柱状のバイトが知られている。
【0004】図6は、従来の一般的なスローアウェィ式丸駒バイトホルダを示す図である。この丸駒バイトホルダ2は、シャンク3の先端に丸駒チップ4が固定されており、この丸駒チップ4の一端面がすくい面でその円周に切刃5が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、金属を切削するときに流れ出る切屑は、削られるときに大きな力で変形され、その出方はバイトの切刃角度、切削速度、被削材の種類等いろいろな要因によって変るが、特に、切屑の流れ方向にはすくい角などの切刃角度が大きく影響する。スローアウェィ式の丸駒バイトホルダでは、切刃角度が固定されていることによって、加工の形態によって切屑の流れがまちまちとなり、仕上げ面に流れ出た切屑が接触して傷がつくという問題がある。また、異なる形状の被削材を加工する場合、その被削材に応じてバイトホルダ、チップを用意しなければならない。しかも加工ごとに切屑の流れ方向がまちまちで安定して流れず、高精度の仕上がり面が要求されるような場合に、満足な結果が得られない。
【0006】そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、被削材の加工態様に応じてチップを取付けた首部の角度を調整できるようにすることによって、容易に切れ屑の流れ方向を調整することができ、仕上がり面精度の向上、工具寿命の延長を達成できるようにした丸駒バイトホルダを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、本発明は、刃部に丸駒形のチップを一体に固定したスローアウェイ式の丸駒バイトホルダにおいて、ホルダ本体をシャンク部と、先端部に丸駒形チップが固着された首部に分割するとともに、前記首部を送り方向とホルダ軸方向に直角な軸回りに回動可能に連結し、前記首部の回転角を調整する角度調整部を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明によれば、首部の軸線がシャンク部の軸線と角度をなすように角度調整部を操作してチュップのすくい角を加工形態に応じて簡単に調整することができる。このすくい角の調整によって、切屑の流れ方向が一定の方向に安定して流れるようになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明による丸駒バイトホルダの一実施例について添付の図面を参照して説明する。図1は、実施例による丸駒バイトの構成を示す分解図であり、図2は丸駒バイトホルダの側面を表した図である。この実施例による丸駒バイトホルダ10は、シャンク部11と、刃部として丸駒形のチップ13が固着された首部12の二つの部分から構成されている。チップ13は、首部12の軸線に対して直交するように取り付けられ、チップ13の端面の円周には円形状に切刃14が形成されている。
【0010】シャンク部11と、首部12には、それぞれ相手方が嵌合し合うよう切り欠かれることによって、連結部15、16が形成されている。この場合、首部12は、ホルダ本体の軸線とワークの送り方向にともに直交する軸を回動軸とするように連結ボルト22によってシャンク部11に対して回動自在に連結されている。
【0011】この実施例では、このような首部12の回転を許容するように首部12の連結部15の端面は所定の曲率のRのついた凸曲面17が形成され、これに対応するようにシャンク部11には凹曲面18が形成されている。
【0012】凹曲面18からは、首部12の角度を調整する角度調整部を構成するウォームねじ19が露呈するようになっている。図3に示すように、このウォームねじ19に噛み合うウォーム歯車20が首部12側の連結部15に組みこまれており、このウォーム歯車20の歯は連結部15の凸曲面17に沿って形成されているので、ウォーム19を回転することで、首部12の回転角度を任意に調整することができる。調整した後で角度を固定する場合、固定ナット21を締め付けることによってウォーム19をロックすることができる。なお、この角度の固定には、ノックピンを用いるようにしてもよい。
【0013】また、図4に示すように、連結ボルト22を締め付ける場合、皿ばね25、25を介装することで、より強固に首部12はシャンク部11に対して固定されるので、ウォーム機構により調整した首部12の角度を加工中にも強固に保持できる構造となっている。
【0014】以上のような実施例の構成において、ウォーム19を回すことによって、首部12の軸線がシャンク部11の軸線と任意の角度をなす首振り運動をさせることができるので、チュップ13のすくい角をワークの加工形態に応じて簡単に調整することができる。
【0015】このすくい角の調整によって、丸駒形のチップ13では、切屑の流れを一定の方向に安定して流れるようにできる。
【0016】図5は、実施例の丸駒バイトホルダを使用して行った一般的な切削加工事例について、すくい角の変化によって切屑の流出方向がどうなるかを示した図である。このうち、図5(a)は、すくい角を0°に設定した場合を示している。このすくい角で切削すると、一般には、切屑30の流れ方向は、ワークWの加工面に対して上方向に放出されるが、すぐに切屑がホルダ本体の首部にからみつき、最終的には仕上がり面31に触れ、チップ13とかじり、仕上がり面31に傷が生じる場合がある。
【0017】次に、図5(b)は、すくい角をネガティブの角度に調整した場合で、加工態様に応じて所定のすくい角(−15゜)を設けることによって、チップ13で切削された切屑30は、送り方向右側に安定して放出されるので、仕上がり面31に触れることなく、また、ホルダ本体に切屑30が巻き付くことがないので、良好な仕上がり面を得ることができる。
【0018】このマイナスのすくい角では、無理な切削抵抗も作用せず安定した切削を行えるので、従って、チップ13においては、みかけ上の切刃14の刃先強度が強くなるので、切刃14の欠損や破損が減少し、工具寿命にも良い影響を及ぼす。
【0019】図5(c)は、逆にすくい角をポジティブな角度に調整した場合(+15゜)である。このポジティブなすくい角では、仕上がり面31上に向かって切屑30が流れやすくなる。
【0020】以上のようなすくい角による切屑30の流れ方向は、一つの例であり、ワークの形状、材質等加工条件に応じて、切屑の流れは様々である。
【0021】しかし、加工態様がどのようであっても、バイトホルダ先端の首部12の角度を調整することによって、簡単にかつ迅速に切屑が仕上がり面を傷つけることのない方向に安定して流れるように調整できる。
【0022】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、ホルダ本体をシャンク部と、先端部に丸駒形チップが固着された首部に分割するとともに、前記首部を送り方向とホルダ軸方向に直角な軸回りに回動可能に連結し、前記首部の回転角を調整する角度調整部を設けているので、すくい角を任意に調整して切屑の流れが一定の方向に安定して流れるように調整でき、良好な仕上がり面を得ることができる。
【0023】また、切削抵抗を緩和させてみかけの刃部強度を大きくすることによって、チップの欠陥や破損が大幅に減少し、工具寿命を大幅に延ばすことが可能となる。
 

 
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