| 発明の名称 |
複合式型締装置の型締方法 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−132217 |
| 公開日 |
平成8年(1996)5月28日 |
| 出願番号 |
特願平6−274980 |
| 出願日 |
平成6年(1994)11月9日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】浜田 治雄
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| 発明者 |
伊東 克雄 |
| 要約 |
目的 可動金型および固定金型の型閉じおよび型締め動作を確実に達成すると同時に、前記両金型の間に侵入する異物を的確に検出し、しかも簡単に構成することができる複合式型締装置の型締方法を提供する。
構成 可動板10上の可動金型12を固定板14上の固定金型16に対して、移動開始位置L0 から型閉じ開始位置L4 および型閉じ終了位置L5 の方向へ移動する型閉じ動作を型開閉シリンダ18で行った後に、この型閉じ位置上の前記両金型12、16を所定圧に保持する型締め動作を型締シリンダ24で行う型締装置の油圧回路において、この型締装置の稼動時における型開閉シリンダ18の型閉じ圧力Pを検出する圧力センサ40を設け、型締シリンダ24の型締め動作の発動信号(ハーフナット28bのタイバー駆動ねじ部30aに対する閉じ信号)42を、圧力センサ40による検出圧力が型閉じ終了圧力P3 へ上昇する際に、発動するように構成する。なお、回路には、さらに型締装置の稼動時における型閉じ開始位置L4 を検出する位置センサL4を設けることもがきる。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 可動板上の可動金型を固定板上の固定金型に対して型閉じ位置へ移動する型閉じ動作を型開閉シリンダで行った後に、前記型閉じ位置上の前記可動金型および固定金型を所定圧に保持する型締め動作を型締シリンダで行う複合式型締装置の型締方法において、型締装置に、この型締装置の稼動時における型開閉シリンダの型閉じ圧力を検出する圧力センサを設け、型締シリンダの型締め動作は、前記圧力センサによる検出圧力が型閉じ終了圧力へ上昇する際に発動するように構成することを特徴とする複合式型締装置の型締方法。 【請求項2】 可動板上の可動金型を固定板上の固定金型に対して型閉じ位置へ移動する型閉じ動作を型開閉シリンダで行った後に、前記型閉じ位置上の前記可動金型および固定金型を所定圧に保持する型締め動作を型締シリンダで行う複合式型締装置の型締方法において、型締装置に、この型締装置の稼動時における可動金型の型閉じ開始位置および型開閉シリンダの型閉じ圧力をそれぞれ検出する位置および圧力センサをそれぞれ設け、型締シリンダの型締め動作は、前記位置センサが型閉じ開始位置を検出した後に、前記圧力センサによる検出圧力が型閉じ終了圧力へ上昇する際に発動するように構成することを特徴とする複合式型締装置の型締方法。 【請求項3】 可動金型の稼動時の型閉じ開始位置センサの取付位置は、可動金型の装着時の型閉じ開始位置に対して、可動金型および固定金型の稼動時の温度上昇に伴う金型厚さの増加分だけ補正した位置に設定してなる請求項2記載の複合式型締装置の型締方法。 【請求項4】 可動金型の稼動時の型閉じ開始位置センサの取付位置は、さらに型締装置の稼動時の実際型閉じ開始位置を介して再補正してなる請求項3記載の複合式型締装置の型締方法。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、金型の型閉じおよび型締めをそれぞれ型開閉シリンダおよび型締シリンダを介して行う、いわゆる複合式型締装置における型締方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に、複合式型締装置は、図5および図6に示すように、基本的には、可動板10上の可動金型12を、固定板14上の固定金型16に対して、移動開始位置L0 から中間位置L1 を経て、型閉じ開始位置L2 および型閉じ終了位置L3方向へ移動する型閉じ動作を型開閉シリンダ18で行った後に、この型閉じ位置上の可動金型12および固定金型16を所定圧に保持する型締め動作を、型締シリンダ24で行うよう構成されている。さらに詳細には、図6において、型閉じ工程は、高速移動領域(L0 −L1 )、低速移動領域(L1 −L2 )および型閉じ領域(L2 −L3 )に分割されている。なお、ここで型閉じ領域は、その範囲が極めて狭いので、図においては理解を容易にするため、その位置L方向を誇張的に拡大して示している。そして、この型閉じ工程中における型閉じ圧力Pは、高速移動領域内の比較的高圧の起動圧力P1 から低速移動領域内の比較的低圧の平準圧力P2 へ下降した後、型閉じ領域内の比較的高圧の型閉じ終了圧力P3 へと上昇される。また、図5において、型開閉シリンダ18は、シリンダ本体20内を油圧を介して進退するピストンロッド22からなり、型締シリンダ24はシリンダ本体26内を油圧ハーフナット装置28を介して進退されるタイバー30からなり、前記ピストンロッド22およびハーフナット駆動手段28aはそれぞれ油圧駆動制御装置31を介して適宜駆動制御されるように構成されている。なお、型締シリンダ24は、ハーフナット28bがタイバー駆動ねじ部30aに係合締結された上で進退動作する。また、前記型開閉シリンダ18および型締シリンダ24は、それぞれ上記とは別の構造に構成され得ることは勿論である。 【0003】従って、このような複合式型締装置によれば、型閉じ工程が高速移動領域を含むことから稼動効率が向上し、また構成が比較的簡単なことから稼動状態が安定する等の利点が発揮される。しかるに、この種の型締装置においては、一般に、金型間に異物が介在すると、型締め中に金型の合せ面が損傷するので、好適には通常、前記損傷を防止する金型保護装置が設けられている。すなわち、一般には図5に示すように、型閉じ開始位置L2 を設け、異物が介在することによりL2を検出できない場合には、型閉じを停止するよう構成されている。また、図5に示すように、異物が介在した場合でも、それを金型で挾み込む力を最小にするため、圧力センサ32を設け、型閉じ中に圧力センサ32によって検出される圧力に対し、わずかに高く、型閉じ移動圧力を設定することで、必要最低限の型閉じ移動圧力で型を閉じる方法もとられている。また、ハーフナット28bは、型閉じ開始位置L2 を検出する位置センサ36(型開閉スケール34上に設置されている)からの型締め発動信号38を介して閉じられることにより、タイバー駆動ねじ部30aに的確にねじ係合されるよう予め調整されている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従来の複合式型締装置の型締方法は、なお以下に述べるような難点を有していた。 【0005】すなわち、前記従来の型締方法においては、型閉じ動作に続く型締め動作は、前述したように、型閉じ開始位置を検出してハーフナットをタイバー駆動ねじ部に係合させることにより発動される。しかるに、ここで前記型閉じ開始位置L2は、金型装着時における型閉じ開始位置に設定されているので、型締装置の稼動時には、金型の熱膨張により、位置センサ36に対しては、見掛上において図示の右側の位置L2 ′(図5)へシフトされている。このため、前記従来の型締方法においては、先ず第1に、型閉じ開始位置L2 が位置センサ36によって検出されず、型締動作が発動されなくなる難点が発生していた。次に、この難点を克服すべく、位置センサ36を予め左側へシフトしておくと、この場合には型閉じ開始位置L2 と型閉じ終了位置L3 との間の間隙が増大するので、前記両金型12、16の間に侵入する異物の検出が困難となり、金型が損傷すると共に、ハーフナット28bのタイバー駆動ねじ部30aに対するねじ係合が的確に達成されなくなる難点が発生していた。なお、前記ねじ係合の解決には、ハーフナットの係合自由度を増大する等の面倒な対策が必要となる。 【0006】そこで、本発明の目的は、可動金型および固定金型の型閉じおよび型締め動作を確実に達成すると同時に、型閉じ開始位置(L2 およびL4 )と型閉じ終了位置(L3 およびL5 )の距離を常に最小に保つようにして、前記両金型の間に侵入する異物を的確に検出し、しかも簡単に構成することができる複合式型締装置の型締方法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】先の目的を達成するために、本発明に係る複合式型締装置の型締方法は、可動板上の可動金型を固定板上の固定金型に対して型閉じ位置へ移動する型閉じ動作を型開閉シリンダで行った後に、前記型閉じ位置上の前記可動金型および固定金型を所定圧に保持する型締め動作を型締シリンダで行う複合式型締装置の型締方法において、型締装置に、この型締装置の稼動時における型開閉シリンダの型閉じ圧力を検出する圧力センサを設け、型締シリンダの型締め動作は、前記圧力センサによる検出圧力が型閉じ終了圧力へ上昇する際に発動するように構成することを特徴とする。 【0008】また、本発明に係る複合式型締装置の型締方法は、可動板上の可動金型を固定板上の固定金型に対して型閉じ位置へ移動する型閉じ動作を型開閉シリンダで行った後に、前記型閉じ位置上の前記可動金型および固定金型を所定圧に保持する型締め動作を型締シリンダで行う複合式型締装置の型締方法において、型締装置に、この型締装置の稼動時における可動金型の型閉じ開始位置および型開閉シリンダの型閉じ圧力をそれぞれ検出する位置および圧力センサをそれぞれ設け、型締シリンダの型締め動作は、前記位置センサが型閉じ開始位置を検出した後に、前記圧力センサによる検出圧力が型閉じ終了圧力へ上昇する際に発動するように構成することを特徴とする。 【0009】この場合、前記可動金型の稼動時の型閉じ開始位置センサの取付位置は、可動金型の装着時の型閉じ開始位置に対して、可動金型および固定金型の稼動時の温度上昇に伴う金型厚さの増加分だけ補正した位置に設定することができる。また、前記可動金型の稼動時の型閉じ開始位置センサの取付位置は、さらに型締装置の稼動時の実際型閉じ開始位置を介して再補正することができる。 【0010】 【作用】本発明の型締方法においては、型閉じ動作に続く型締め動作の発動信号(ハーフナットの閉じ信号)は、型締装置の稼動時における圧力センサの検出圧力が型閉じ終了圧力へ上昇する時に、すなわち可動金型および固定金型の型閉じ終了が確認された後に発生する。従って、型締動作が確実に達成されることは明らかである。また、稼動時の型閉じ開始位置を検出する位置センサの取付位置は、装着時の型閉じ開始位置に対して、稼動時の温度上昇に伴う金型厚さの増加分だけ補正した位置に設定される。従って、型締め動作の発動信号は、前記両金型の閉じ間隙が十分狭くなった状態で発生するので、両金型の間に侵入する異物の検出およびハーフナットのタイバー駆動ねじ部に対するねじ係合が的確に達成することができる。さらに、圧力および位置センサは、通常この種の型締装置には設けられているので、装置全体を比較的簡単に構成することができる。 【0011】 【実施例】次に、本発明に係る複合式型締装置の型締方法の実施例につき、この方法を実施する型締装置との関係において、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図5および図6に示す従来の構造と同一の構成部分には同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。 【0012】図1(および図4)において、先ず本発明に係る型締方法を実施する複合式型締装置の基本的構成は、前記従来の構成と同一である。従って、重複するが、理解を容易にするため再び簡単に説明すると、複合式型締装置は、基本的には、可動板10上の可動金型12を固定板14上の固定金型16に対して、移動開始位置L0 から中間位置L1 を経て型閉じ開始位置L4 (これについては、後述する図2および図3において詳述される)および型閉じ終了位置L5 の方向へ移動する型閉じ動作を型開閉シリンダ18で行った後に、この型閉じ位置上の可動金型12および固定金型16を所定圧に保持する型締め動作を、型締シリンダ24で行うように構成されている。なお、型開閉シリンダ18は、シリンダ本体20内を油圧を介して進退動作するピストンロッド22により構成され、型締シリンダ24はシリンダ本体26内を油圧ハーフナット装置28を介して進退動作するタイバー30から構成される。そして、ピストンロッド22およびハーフナット28bの駆動手段28aは、それぞれ油圧駆動制御装置31を介して適宜駆動制御されるように構成される。 【0013】しかるに、本発明においては、前記構成において、型締装置の油圧回路に、この型締装置の稼動時における型開閉シリンダ18の型閉じ圧力P(図4参照)を検出する圧力センサ40を設け、型締シリンダ24の型締め動作の発動信号(ハーフナット28bのタイバー駆動ねじ部30aに対する閉じ信号)42は、圧力センサ40による検出圧力が型閉じ終了圧力P3 へ上昇する際(すなわち型閉じ圧力Pが、例えばP5 乃至P6 間のP′に達した時)に、発動するように構成する。 【0014】従って、このような構成によれば、型締め動作の発動信号(ハーフナット閉じ信号)は、前述のように、型閉じ終了が確認された後に発生することになるので、型締動作が確実に達成されることは明らかである。すなわち、従来のこの種の型締装置における型締め動作の非発動を防止することができる。 【0015】次に、図2に、本発明に係る型締方法の別の実施例を示す。本実施例は、先の実施例において、さらに金型の型閉じ開始位置L4 を検出する位置センサ44を型開閉スケール34上に設け、そしてその取付け位置を、装着時の型閉じ開始位置L2 (図5参照)に対して、金型の稼動時の温度上昇に伴う金型厚さの増加分だけ(増加分の範囲内において)予め補正(シフト)して設定する。そして、型締シリンダ24の型締め動作の発動信号42を、位置センサ44が型閉じ開始位置L4 を検出した後に、圧力センサ40の検出圧力Pが所定の上昇圧力P′に達した際に、発動するように構成したものである。 【0016】従って、このような構成によれば、型締め動作の発動信号は、前記両金型の閉じ間隙が十分狭くなった状態で発生することになるので、両金型の間に侵入する異物の検出およびハーフナットのタイバー駆動ねじ部に対する係合が的確に達成されることは明らかである。すなわち、従来のこの種の型締装置における金型の損傷およびハーフナット構造の複雑化を回避することができる。 【0017】次に、図3は、図2に示す実施例において、位置センサ44の前記補正された取付位置L4 を、さらに型締装置の稼動時における実際の型閉じ開始位置L4 ′を介して再補正するように構成したものである。因みに、熱膨張による金型厚さの増加は大型機では1mm程度に達するが、前述のように再補正することにより、前述した効果を更に一層確実に達成することができる。 【0018】すなわち、型締装置には、リセット回路50が設けられており、位置センサ44の検出値L4 、L4 ′からショット毎の位置ずれL=L4 −L4 ′を演算し、そのショット間の誤差ΔL=Li −(L4 −L4 ′)が安定した時点で、この誤差を加算して、新設定値L″=ΔL+L4 をリセット状態52にするように構成されている。例えば、位置ずれLの初期値が0.5mmである場合に、5ショットに亘って0.2mmの誤差ΔLが発生すると、新設定値L″は両者を加算した0.7mmに自動的にリセットされる。従って、本実施例においては、圧力センサ40の検出上昇圧力P′(図4参照)は、先の実施例(図2)においては起動圧力P1 よりも高い圧力P6 に設定されるのに対して、可及的に低い圧力P5 に設定することができ、この結果、型締め動作の発動信号は、前記両金型の閉じ間隙がさらに狭くなった状態で発生するので、上述したように前記効果をさらに一層確実に達成することが可能となる。 【0019】以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更が可能である。 【0020】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る複合式型締装置の型締方法は、可動板上の可動金型を固定板上の固定金型に対して型閉じ位置へ移動する型閉じ動作を型開閉シリンダで行った後に、前記型閉じ位置上の前記可動金型および固定金型を所定圧に保持する型締め動作を型締シリンダで行う複合式型締装置の型締方法において、型締装置に、この型締装置の稼動時における型開閉シリンダの型閉じ圧力を検出する圧力センサを設け、型締シリンダの型締め動作は、前記圧力センサによる検出圧力が型閉じ終了圧力へ上昇する際に発動するように構成したことにより、型締動作を確実に達成することができる。 【0021】また、本発明に係る複合式型締装置の型締方法は、前記構成において、さらに型締装置に、この型締装置の稼動時における可動金型の型閉じ開始位置および型開閉シリンダの型閉じ圧力をそれぞれ検出する位置および圧力センサをそれぞれ設け、型締シリンダの型締め動作は、前記位置センサが型閉じ開始位置を検出した後に、前記圧力センサによる検出圧力が型閉じ終了圧力へ上昇する時に発動するよう構成することもでき、これにより型閉じ開始位置を検出する位置センサの取付位置を、装着時の型閉じ開始位置に対して稼動時の温度上昇に伴う金型厚さの増加分だけ補正した位置に設定することができ、型締め動作の発動信号を、前記両金型の閉じ間隙が十分狭くなった状態で発生するように構成することもでき、金型間に侵入する異物の検出およびハーフナットのタイバー駆動ねじ部に対するねじ係合を的確に達成することができる。 【0022】さらに、本発明に係る複合式型締装置の型締方法は、その圧力および位置センサは、通常この種の型締装置に設けられているものを使用できるので、比較的簡単に構成し得る利点を有する。
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