| 発明の名称 |
射出成形機の射出装置 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−127053 |
| 公開日 |
平成8年(1996)5月21日 |
| 出願番号 |
特願平6−267028 |
| 出願日 |
平成6年(1994)10月31日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】浜田 治雄
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| 発明者 |
▲高▼橋 孝夫 |
| 要約 |
目的 稼動中および/または標準的な射出成形機に対して、射出速度変更装置および計量圧高精度設定装置を容易に装着することができる、構造が比較的簡単にして低コストに製造することができる射出成形機の射出装置を提供する。
構成 油圧回路14内に、ピストン50cの両側受圧面積S1、S2が異なる(換言すれば、大、小受圧面積の油室50a、50bからなる)圧油油量/油圧変換シリンダ50および油路切換電磁弁52、54を含む作動圧油油量/油圧変換装置56を設ける。油量/油圧変換シリンダ50は、流路を切換えることにより増速シリンダ(この場合は圧力が減圧される)としても、昇圧シリンダ(この場合は速度が減速される)としても適用され、しかも好適には1つの単段シリンダから形成し、また必要に応じてこのシリンダ50の全体もしくはそのピストン50cを別の増速率(昇圧率)のものと交換するよう構成することができる。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 圧油切換電磁弁およびこれに連動する圧力調整弁を含む油圧回路を有し、射出工程時には前記圧油切換電磁弁を介して油圧ポンプからの吐出圧油を作動圧油として射出シリンダへ供給すると共に、計量混練工程時には前記圧力調整弁を介して前記射出シリンダからの戻り油圧力を所定の計量圧に設定する射出成形機の射出装置において、前記油圧回路内に、ピストンの両側受圧面積が異なる圧油油量/油圧変換シリンダおよび油路切換電磁弁を含む作動圧油油量/油圧変換装置を設け、射出工程時の射出シリンダに対する前記作動圧油供給量をポンプ吐出流量より増大すると共に、計量工程時の圧力調整弁に対する前記計量圧を実際圧力より増幅上昇するよう構成することを特徴とする射出成形機の射出装置。 【請求項2】 作動圧油油量/油圧変換装置の変換シリンダは、1つもしくは複数の単段シリンダからなり、それぞれシリンダ全体および/またはそのピストンを相互に交換可能に構成してなる請求項1記載の射出成形機の射出装置。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、合成樹脂の射出成形機に係り、特に射出成形機の射出装置の改良に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般に、射出成形機の射出装置は、図4に示すように、圧油切換電磁弁10およびこれに連動する圧力調整弁(リリーフ弁)12を含む油圧回路14を有する。そして、射出工程時においては、圧油切換電磁弁10の一方のソレノイド10aを励磁することにより、この電磁弁10を介して(P→B)、油圧ポンプ16からの吐出圧油を作動圧油として、これを射出成形機20の射出シリンダ22の一方の油室22aへ供給し、これによりピストン22cを介してスクリュー20aを図において左方へ前進させ、加熱シリンダ20b内の溶融樹脂を金型28のキャビティ28a内へ射出充填するよう構成されている。この時、油室22b内の圧油は、電磁弁10を通り(A→T)、タンク30へ放出される。 【0003】一方、計量混練工程時においては、スクリユー20aがモータ(図示せず)により回転して、ホッパ20c内の原料樹脂24を、その先端部26において溶融し、また電磁弁10の両方のソレノイドが非励磁とされることにより、油室22aからの戻り油の圧力は、圧力調整弁12のリリーフ圧を介して、所定の計量圧となるように設定される。また、油室22bへの油は、タンク30より電磁弁10(T→A)を通り供給される。 【0004】なお、図5は、射出シリンダ22の変形例(ダブルシリンダ型)を示し、両シリンダ部22A、22Bのそれぞれの油室22a、22bを共通のピストン22cで連結している。 【0005】しかるに、このような射出装置において、成形品の品質を向上すると共に成形機の構造を簡略化し、運転コストを低減するために、近来特に、射出保圧工程においては、前段の射出工程では後段の保圧工程に比較してスクリュー抵抗が小さいこと等の理由により、射出速度を変更することが提案され、また計量混練工程においては、特に品質向上のために計量圧を高精度に設定することが提唱されている。 【0006】すなわち、射出速度の変更装置は、一般には、図2(前述した図4に対応している)に示すように、本来の射出シリンダ22(図4)を、射出シリンダ部34に油量/油圧変換シリンダ部36を付設した複合シリンダ32として形成すると共に、油圧回路14(図4)に、作動圧油を前記複合シリンダ32の各油室38a、38b、38cに対して選択的に供給する回路切替装置40を設けた構成としている。従って、このような構成によれば、油室38b、38cの受圧面積比をs1/s2=nとすると、スクリュー20aの高速射出速度は、通常(ポンプ吐出流量)の場合のn倍となり、一方射出圧力は逆に1/n倍となることは明らかである。なおこの場合、鎖線で示すように、油量/油圧変換シリンダ36の油室を多段に形成すると、射出速度(および射出圧力)も多段に変更することができる。 【0007】また、図3(前述した図4に対応する)は、複合シリンダ32の変形例(ダブルシリンダ型)を示し、両シリンダ部32A、32Bが共通のピストン32Cで連結されているが、その動作は同一である。なお、計量圧の高精度設定は、通常は、圧力調整弁12(図4)に対してその分解能を向上する特定の追加装置を付設することにより達成することができる。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述した従来の射出成形機の射出装置は、以下に述べるような難点を有していた。 【0009】すなわち、先ず初めに、射出速度変更装置において、従来はその油量/油圧変換シリンダ部36(図2)が、一般には前述したように、射出成形機20の射出シリンダ部34に付設されて複合シリンダ32として形成されているため、先ず第1に、射出成形機20の本体を改造しなければならない基本的な難点があった。そして、この難点(改造作業)は、交換部品点数が多いため、多大な費用と工期(休止期間)とを必要とし、しかもこのことは射出速度の変更の度毎に必要であった。なお、これらの難点は、ダブルシリンダ型射出速度変更装置(図3)の場合に顕著である。次に、第2として、シングルシリンダ型射出速度変更装置(図2)の場合には、射出成形機20の全体の長さが(特に、多段速度変更の場合に)長くなり、一方ダブルシリンダ型射出速度変更装置(図3)の場合には、操作が不便となる等、さらに別の難点があった。さらに、計量圧の高精度設定に関しては、従来は前述したように特定の追加装置を付設するものであるため、製造コストが上昇する難点を有している。 【0010】そこで、本発明の目的は、稼動中および/または標準的な射出成形機に対して、射出速度変更装置および計量圧高精度設定装置を容易に装着することができる、構造が比較的簡単にして低コストに製造することができる射出成形機の射出装置を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】先の目的を達成するために、本発明に係る射出成形機の射出装置は、圧油切換電磁弁およびこれに連動する圧力調整弁を含む油圧回路を有し、射出工程時には前記圧油切換電磁弁を介して油圧ポンプからの吐出圧油を作動圧油として射出シリンダへ供給すると共に、計量混練工程時には前記圧力調整弁を介して前記射出シリンダからの戻り油圧力を所定の計量圧に設定する射出成形機の射出装置において、前記油圧回路内に、ピストンの両側受圧面積が異なる圧油油量/油圧変換シリンダおよび油路切換電磁弁を含む作動圧油油量/油圧変換装置を設け、射出工程時の射出シリンダに対する前記作動圧油供給量をポンプ吐出流量より増大すると共に、計量工程時の圧力調整弁に対する前記計量圧を実際圧力より増幅上昇するよう構成することを特徴とする。 【0012】この場合、作動圧油油量/油圧変換装置の変換シリンダは、1つもしくは複数の単段シリンダから形成し、そしてこれらシリンダ全体および/またはそのピストンを相互に交換可能に構成することができる。 【0013】 【作用】本発明によれば、射出成形機の射出装置油圧回路内に、油量/油圧変換シリンダおよび油路切換電磁弁を含む作動圧油油量/油圧変換装置を組込むことにより、射出速度変更および計量圧高精度設定を容易に達成することができる。しかも、前記油量/油圧変換装置は、その油量/油圧変換シリンダを単段かつ交換可能に形成することにより、簡単な構成にして低コストに製造することができる。換言すれば、本発明の射出成形機の射出装置は、稼動中および/または標準的な射出成形機に対して、射出速度変更装置および計量圧高精度設定装置を容易に装着することができると共に、これらの構成を比較的簡単になし得ると共に低コストに提供することが可能となる。 【0014】 【実施例】次に、本発明に係る射出成形機の射出装置の実施例につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、説明の便宜上、図2乃至図5に示す従来の構造と同一の構成部分には同一の参照符号を付し、詳細な説明は省略する。 【0015】先ず初めに、本発明の射出成形機の射出装置の基本的構成は、前記従来のもの(図4)と同一である。従って、重複するが簡単に説明すると、図1(なお本実施例では、射出シリンダはダブルシリンダ型に形成されている)において、射出装置は、圧油切換電磁弁10およびこれに連動する圧力調整弁12を含む油圧回路14を有し、射出保圧工程時には、圧油切換電磁弁10を介して油圧ポンプ16からの吐出圧油を作動圧油として射出成形機20の射出シリンダ22へ供給すると共に、計量混練工程時には、圧力調整弁12を介して射出シリンダ22からの戻り油の圧力が所定の計量圧となるよう設定するようにそれぞれ構成されている。なお、図中の参照符号20aおよび20bは、射出成形機20のスクリューおよび加熱シリンダを示し、22a、22bおよび22cは射出シリンダ22の第1、第2油室およびピストンを示し、また28および30は金型およびタンクをそれぞれ示す。 【0016】しかるに、本発明においては、前記構成において、油圧回路14内に、ピストン50cの両側受圧面積S1、S2が異なる(換言すれば、大、小受圧面積の油室50a、50bからなる)圧油油量/油圧変換シリンダ50および油路切換電磁弁52、54を含む作動圧油油量/油圧変換装置56を設ける。なお、ここで油量/油圧変換シリンダ50について、さらに説明すると、このシリンダ50は、流路を切換えることにより、増速シリンダ(この場合は圧力が減圧される)としても、昇圧シリンダ(この場合は速度が減速される)としても適用される。 【0017】そして、本発明においては、一般の射出装置は、その増速率(本発明においては昇圧率を含む)N=S1/S2が1.4〜2倍の比較的狭い範囲で対応可能であることから、前記シリンダ50は、通常は図示するように、1つの単段シリンダから形成し、必要に応じてこのシリンダ50の全体もしくはそのピストン50cを別の増速率(昇圧率)のものと交換するように構成する。なお、図中の参照符号58a、58bは交換用の継手をそれぞれ示す。 【0018】従って、本発明によれば、以下に順次説明するように、射出工程(射出充填工程)時の射出シリンダ22に対する作動圧油供給量を、ポンプ吐出流量より増大すると共に、計量工程時の圧力調整弁12に対する計量圧を、実際圧力より増幅上昇することができる。 【0019】すなわち、射出工程において、先ずその前段の射出充填工程時には、圧油切換電磁弁10の一方のソレノイド10aおよび油路切換電磁弁54を励磁することにより、油圧ポンプ16からの吐出圧油を両電磁弁10(P→B)、54(P→B)を介して油量/油圧変換シリンダ50の小受圧面積の油室50bへ供給し、そして大受圧面積の油室50aから吐出される前記N倍に増量された圧油を作動圧油として油路切換電磁弁52(P→A)を介して射出シリンダ22の一方の油室22aへ供給する。従って、スクリュー20aの射出速度をN倍に増速することができる。 【0020】次いで、後段の保圧工程時には、電磁弁54の励磁を解除し、電磁弁52を新たに励磁することにより、油圧ポンプ16からの吐出圧油を両電磁弁10(P→B)、54(P→A)を介して直接(変換シリンダ50を介することなく)油室22aへ供給する。すなわち、スクリュー20aの保圧力を正規の大きさまで復帰(減速)することができる。なお、この間においては、射出シリンダ22の他方の油室22bからの圧油は、前述したように電磁弁10(A→T)を介してタンク30へ放出されている。 【0021】一方、計量混練工程時(なお、この間はスクリユー20aは、前述したようにモータで回転され、原料樹脂を溶融すると同時にそれ自体で後退する)には、油圧回路14内では電磁弁54のみが励磁されていて、射出シリンダの油室22aからの戻り油(この戻り油の圧力が、前述したように計量圧を設定する)は電磁弁52(A→P)を介して変換シリンダ50の一方の大受圧面積の油室50a内へ流入されるので、圧力調整弁12には、他方の小受圧面積の油室50bからの、前記計量圧をN倍に増圧した圧油圧力が、電磁弁54(B→P)を介して負荷される。すなわち、圧力調整弁12は、この昇圧によって分解能が向上されるので、計量圧の高精度設定が可能となる。因みに、圧力調整弁12は、この場合、そのドレンポートが電磁弁10のタンクポートに接続されてリリーフ弁として作動し、前記戻り油を、前記増圧計量圧に設定した後タンク30へ解放する。また、この戻り油は、油室50a内へ流入した際にピストン50cを射出工程前の基準位置へ復帰させるが、この復帰が不十分な場合には、各電磁弁10(10b)、52、54を励磁してポンプ16からの圧油を油室50aへ供給すると共に、油室50b内の圧油をタンク30へ戻すことにより、前記復帰を簡単に完了することができる。 【0022】このように、本発明によれば、射出成形機の射出装置の油圧回路内に、油量/油圧変換シリンダからなる作動圧油油量/油圧変換装置を組込むことにより、射出速度変更および計量圧高精度設定の双方を容易に達成することができる。しかも、前記油量/油圧変換シリンダを単段かつ交換可能に形成することにより、前記装置を簡単かつ低コストに構成することができる。従って、本発明の射出成形機の射出装置は、稼動中および/または標準的な射出成形機に対して、射出速度変更装置および計量圧高精度設定装置を容易に装着することができると共に、簡単な構成で低コストに製造することができる利点を有する。 【0023】以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内において多くの設計変更が可能である。例えば、射出装置の油圧回路内には、必要に応じて変更ないし修飾的な回路部品を追加装備することができる。 【0024】 【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る射出成形機の射出装置は、圧油切換電磁弁およびこれに連動する圧力調整弁を含む油圧回路を有し、射出工程時には前記圧油切換電磁弁を介して油圧ポンプからの吐出圧油を作動圧油として射出シリンダへ供給すると共に、計量混練工程時には前記圧力調整弁を介して前記射出シリンダからの戻り油圧力を所定の計量圧に設定する射出成形機の射出装置において、前記油圧回路内に、ピストンの両側受圧面積が異なる圧油油量/油圧変換シリンダおよび油路切換電磁弁を含む作動圧油油量/油圧変換装置を設け、射出工程時の射出シリンダに対する前記作動圧油供給量をポンプ吐出流量より増大すると共に、計量工程時の圧力調整弁に対する前記計量圧を実際圧力より増幅上昇する構成としたことにより、射出成形機の射出装置油圧回路内に、油量/油圧変換シリンダからなる作動圧油油量/油圧変換装置を組込んで、射出速度変更および計量圧高精度設定の双方を容易に達成することができ、稼動中および/または標準的な射出成形機に対して、射出速度変更装置および計量圧高精度設定装置を容易に装着することができる。 【0025】また、本発明の射出成形機の射出装置は、その油量/油圧変換シリンダを単段かつ交換可能に形成することができるので、比較的簡単な構成で低コストに製造し得る利点を有する。
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