| 発明の名称 |
射出成形機の作動油昇温方法 |
|
| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−118444 |
| 公開日 |
平成8年(1996)5月14日 |
| 出願番号 |
特願平5−338854 |
| 出願日 |
平成5年(1993)12月2日 |
| 代理人 |
|
| 発明者 |
菅野 寛 / 山崎 富美男 / 広沢 政男 |
| 要約 |
目的 成形運転開始時から安定した製品が成形が出来るような射出成形機の成形運転前の作動油の昇温方法を提供する。
構成 成形運転前の作動油の昇温に際し、少なくとも型締シリンダ等の複数個あるアクチュエータの内の1以上のアクチュエータの作動とポンプの負荷運転を組合わせて作動油の昇温を行うことを特徴とする射出成形機の作動油昇温方法とした。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 成形運転前の作動油の昇温に際し、少なくとも型締シリンダ等の複数個あるアクチュエータの内の1以上のアクチュエータの作動とポンプの負荷運転を組合わせて作動油の昇温を行うことを特徴とする射出成形機の作動油昇温方法。
|
発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、射出成形機の成形運転前の作動油の昇温方法に関する。 【0002】 【従来技術】射出成形機の成形運転中の作動油の温度は、運転開始時には低く、時間の経過とともに徐々に上昇し、一定時間経過すると一定温度となる。この作動油が一定温度に安定するまではシリンダ等の動きが安定せず、この間に成形された成形品の品質にバラツキが発生しやすい。 【0003】この欠点を解消するため、従来から作動油の温度を成形運転開始前に昇温させる方法が行われている。 【0004】従来から作動油の昇温方法を図1の油圧回路図および図4のフローチャートにより説明すると、1および2は夫々小容量ポンプ、大容量ポンプで、モータ3により駆動されていて、タンク4から吸上げた作動油をリリーフ弁5および6に設定した設定圧力まで昇圧させ、同作動油が設定圧力以上となると、リリーフ弁5および6を介してタンク4へ戻るようにしている。 【0005】7および8は夫々前記リリーフ弁5および6を制御する電磁切換弁で、そのソレノイドを励磁したとき前記小容量ポンプ1および大容量ポンプ2が負荷運転されるようになっている。 【0006】以上のように構成されているので、図4のフローチャートによりその作用を説明すると、作動油の温度を成形運転開始前に昇温させるに際し、まず1stで大容量ポンプ2を駆動し、次いで2stで電磁切換弁8を励磁すると、ポンプ2は負荷状態になり、タンク4より吸上げた作動油はリリーフ弁6に設定した圧力まで上昇し、それ以上の圧力となるとリリーフ弁6を経てタンク4へ戻るようになっていて、この間に発生したエネルギにより作動油は温度上昇する。この負荷運転を一定時間続けた後、3stで電磁切換弁8を非励磁とし,4stで温度検出装置10でタンク4内の油温を測定し、予め設定してある設定温度と比較し、YESの場合、即ち測定値が予め設定してある設定温度に達したら昇温運転を停止し、NO、即ち測定値が予め設定してある設定温度に達しない場合は検出温度が設定温度になるまで電磁切換弁8の励磁、非励磁を繰返すようになっている。 【0007】 【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、前述の従来作動油の昇温方法はポンプの負荷運転のみによって行っていたので、配管内に残存する作動油や型締シリンダ11等のアクチュエータまでは昇温することが出来なかった。従って、この方法で作動油の昇温をした後、成形運転を行うと作動油の温度は再び下がってしまい、作動油温度が再度上昇するまでは安定した製品が成形できなかった。 【0008】本発明の目的は前述の欠点を取除き、成形運転開始時から安定した製品が成形が出来るような射出成形機の成形運転前の作動油の昇温方法を提供することである。 【0009】 【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するため本発明は成形運転前の作動油の昇温に際し、少なくとも型締シリンダ等の複数個あるアクチュエータの内の1以上のアクチュエータの作動とポンプの負荷運転を組合わせて作動油の昇温を行うことを特徴とする射出成形機の作動油昇温方法とした。 【0010】 【作用】ポンプの負荷運転に加えアクチュエータが作動するので装置全体に作動油が行き渡り、装置全体のに作動油の温度を昇温させることが出来る。 【0011】 【実施例】次に本発明の1実施例を図1および図2のフローチャートにより説明する。説明に当たり、構成は従来方法と変わらないため各部材に付す番号は同一番号とし、その説明を省き、本発明で新たに使用する部材のみ新番号を付してて説明する。1STで大容量ポンプ2を駆動し、次いで2STで電磁切換弁8を一定時間励磁し、3STで電磁切換弁8を一定時間非励磁にして、4STで温度検出装置10でタンク4内の作動湯温度を測り、予め設定してある設定温度と比較することは従来方法と同一であるが,本発明においては、次に型締シリンダ11内の作動油温度を上げるための工程を行うにしてある。 【0012】即ち、4STでYESのときは5STで小容量ポンプ1を駆動し、次いで6STで電磁切換弁7および9aを励磁させると、ポンプ1および2から吐出された作動油は型締シリンダ11にあるブーストシリンダ12に作用し、型締シリンダ11に進退可能に嵌着されている移動ダイプレート13が位置検出装置14を検知するまで同移動ダイプレート13を前進(図中右方向)させる。続いて、7STで電磁切換弁9bを励磁させると、ポンプ1および2から吐出された作動油は型締シリンダ11にある後退用油室15に作用し、移動ダイプレート13は今度は位置検出装置16を検知するまで後退(図中左方向)する。 【0013】この様に電磁切換弁9の位置a,bの切換えを繰返すことにより移動ダイプレート13の進退動作を一定時間繰返し行い、8STでは一定時間前記進退動作を行ったか否かを判定する。判定結果YESの場合、9STおよび10STなり、再び前記2ST、3STの電磁切換弁8の励磁、非励磁を作動油の温度が設定温度になるまで繰返し行う。そして、11STでYESの場合、昇温運転を中止する。 【0014】前述の実施例は、先ず大容量ポンプ2により作動油の温度を設定値まで上げた後に型締シリンダ11内の作動油を昇温させた例を説明したが、これに限らず、図3に示すように1STで大容量ポンプ2の駆動を行い、2STで電磁切換弁8を励磁し、ポンプ2を負荷状態にし、リリーフ弁6に設定した圧力以上のポンプ2から吐出された作動油をリリーフ弁6を経てタンク4へ戻るようになし、この間に発生したエネルギにより作動油を温度上昇させる。 【0015】次に3STで小容量ポンプ1を作動させ、4ST、5STでは電磁切換弁7を励磁させるとともに電磁切換弁9aおよび9bの切換えを行い、移動ダイプレート13の進退動作を一定時間繰返し行い、6STで作動油の温度が設定値に達したか否かを判定させても良い。 【0016】本発明は前述の実施例に限らず、ポンプの負荷運転と型締シリンダ等のアクチュエータとの組合わせや、或いアクチュエータの進退運転との組合わせ順序、方法は種々取り得ることができ,例へば、型締シリンダばかりでなく、射出装置17のアクチュエータであっても良い。 【0017】 【発明の効果】本発明によれば、ポンプの負荷運転に加えアクチュエータが作動するので装置全体に作動油が行き渡り、装置全体のに作動油の温度を昇温させることが出来、従来からあった成形運転開始時の作動油の温度の変動による成形不良や、不安定運転の発生がなくなるため生産効率が向上する。
|
|