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発明の名称 力制御ロボット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−118278
公開日 平成8年(1996)5月14日
出願番号 特願平6−260153
出願日 平成6年(1994)10月25日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
発明者 吉 見 卓 / 神 野 誠 / 尾 崎 文 夫 / 玉 田 保 彦
要約 目的
作業の種類や作業対象物の形状に応じて適する力制御を容易に指定し実行できるようにした力制御ロボットを提供する。

構成
ロボット手先部にある力覚センサ(4)を用いてエンドエフェクタ(5)を作業対象物(W)の表面へ指定押し付け力で押し付けるように力制御し、この表面に沿ってエンドエフェクタ(5)を移動させて作業を行う力制御ロボットにおいて、所望作業を選択し実行するために必要な複数のパラメータを解釈するロボット言語解釈装置(10)を備え、ロボット言語解釈装置(10)は、指定押し付け力の押し付け方向を指定する押し付け方向テーブル(12)と、力覚センサ(4)で検出する検出力のうち力制御に使用する力成分を指定する検出力テーブル(13)と、押し付け方向テーブル(12)および検出力テーブル(13)の各々のパラメータを指定するパラメータ指定手段(11)とを備えることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】ロボット手先部にある力覚センサを用いてエンドエフェクタを作業対象物の表面へ指定押し付け力で押し付けるように力制御し、この表面に沿って前記エンドエフェクタを移動させて作業を行う力制御ロボットにおいて、所望作業を選択し実行するために必要な複数のパラメータを解釈するロボット言語解釈装置を備え、前記ロボット言語解釈装置は、前記指定押し付け力の押し付け方向を指定する押し付け方向テーブルと、前記力覚センサで検出する検出力のうち前記力制御に使用する力成分を指定する検出力テーブルと、前記押し付け方向テーブルおよび前記検出力テーブルの各々のパラメータを指定するパラメータ指定手段とを備えることを特徴とする力制御ロボット。
【請求項2】前記押し付け方向テーブルは、押し付け方向を指定するために、採用する座標系を指定する座標系パラメータと、この座標系における押し付け方向を指定する指定方向パラメータと、押し付け方向の指定方法を指定する指定方法パラメータとを有することを特徴とする請求項1に記載の力制御ロボット。
【請求項3】前記指定方法パラメータは、採用された座標系におけるいずれかの座標軸方向を指定する直接指定方法、前記エンドエフェクタの移動方向と作業空間内に所望に選択した選択方向とのベクトル外積で指定するベクトル外積指定方法、あるいは円弧の中心向きか外向きかを指定する円弧指定方法のいずれかの指定方法で指定されることを特徴とする請求項2に記載の力制御ロボット。
【請求項4】前記検出力テーブルは、前記力制御に使用する力成分を指定するために、採用する座標系を指定する検出座標系パラメータと、検出する力成分の方向を指定する検出方向パラメータと、検出する力成分の種類を指定する検出力パラメータとを有することを特徴とする請求項1に記載の力制御ロボット。
【請求項5】前記検出力パラメータは、採用された座標系のいずれかの座標軸方向に作用する並進力、複数の力成分が合成された合成力、あるいは前記エンドエフェクタの重心回りに作用するモーメント力と作用点までの距離とから演算して求める力のいずれかで指定されることを特徴とする請求項4に記載の力制御ロボット。
【請求項6】前記検出力パラメータは、検出する力成分の大きさのみを指定するパラメータであることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の力制御ロボット。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、力制御ロボットに係り、特に力覚センサを用いてエンドエフェクタを作業対象物の表面へ指定押し付け力で押し付けるように力制御し、作業を行う力制御ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】力制御ロボットを用い、作業対象物のバリ取り等の種々の作業が行われている。これらの場合、力制御ロボットにおいては、ロボット手先部にあるエンドエフェクタを作業対象物の表面へ指定押し付け力で押し付けるように力制御し、この表面に沿ってエンドエフェクタを移動させることによって作業を行う。
【0003】エンドエフェクタが作業対象物を押し付ける力は、ロボット手先部におけるエンドエフェクタの近傍にある力覚センサによって検出される。力覚センサによる検出結果は、エンドエフェクタを作業対象物の表面へ指定押し付け力で押し付けるように力制御に用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ロボット手先部の作業空間内における移動には、一般に加速度による慣性力が作用し、また振動を伴うことが多い。また、力覚センサはロボットの手先部の先端部等に装着されている。このため、力覚センサはロボット手先部の運動に伴い、加速度を受けたりあるいは手先部の基部を基準にした振動を受けたりする。力覚センサによって実際に検出される力はエンドエフェクタが作業対象物から受ける反力のみとは限らず、力制御に使用するために必要な力の他に種々のノイズ的な力が混在している。
【0005】エンドエフェクタを作業対象物に対して押し付ける方向と力覚センサによって検出される力の方向とは必ずしも一致せず、従って、力覚センサによって検出される力方向の逆方向にエンドエフェクタを押し付けさえすればよいということにはならない。
【0006】力制御ロボットを用いて種々の作業を選択して実行する場合、エンドエフェクタを作業対象物の表面へ指定押し付け力で押し付けるように力制御するためには、選択された作業種類や作業対象物の形状等に応じて、力覚センサで検出した力のうちの適する力成分を力制御に使用する必要がある。
【0007】このために、エンドエフェクタを作業対象物に対して押し付ける方向や力制御に使用する力成分を十分に検討し、この検討結果を基にしてロボット動作プログラムを作成する。力制御に使用する力成分を指定するためには、座標系やエンドエフェクタの押し付け方向や力の種類等を指定する必要がある。
【0008】従来は、力制御ロボットによる作業を行う毎に、エンドエフェクタを作業対象物に対して押し付ける方向や力制御に使用する力成分等を検討しロボット動作プログラムを作成していた。また、作業の途中で指定を変更する必要がある場合も存在し、この場合には即座の変更は困難であった。
【0009】このように、作業にとりかかる毎にあるいは作業の途中で、エンドエフェクタを作業対象物に対して押し付ける方向や力制御に使用する力成分を検討しロボット動作プログラムを作成したり、あるいは作業の途中で繁雑な手続きにより設定を変更したりすることは作業効率的に好ましくない。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記従来技術の有する問題を解消し、作業の種類や作業対象物の形状に応じて適する力制御を容易に指定し実行できるようにした力制御ロボットを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明による力制御ロボットは、ロボット手先部にある力覚センサを用いてエンドエフェクタを作業対象物の表面へ指定押し付け力で押し付けるように力制御し、この表面に沿って前記エンドエフェクタを移動させて作業を行う力制御ロボットにおいて、所望作業を選択し実行するために必要な複数のパラメータを解釈するロボット言語解釈装置を備え、前記ロボット言語解釈装置は、前記指定押し付け力の押し付け方向を指定する押し付け方向テーブルと、前記力覚センサで検出する検出力のうち前記力制御に使用する力成分を指定する検出力テーブルと、前記押し付け方向テーブルおよび前記検出力テーブルの各々のパラメータを指定するパラメータ指定手段とを備えることを特徴とする。
【0012】また、好適には、前記押し付け方向テーブルは、押し付け方向を指定するために、採用する座標系を指定する座標系パラメータと、この座標系における押し付け方向を指定する指定方向パラメータと、押し付け方向の指定方法を指定する指定方法パラメータとを有することを特徴とする。
【0013】また、好適には、前記指定方法パラメータは、採用された座標系におけるいずれかの座標軸方向を指定する直接指定方法、前記エンドエフェクタの移動方向と作業空間内に所望に選択した選択方向とのベクトル外積で指定するベクトル外積指定方法、あるいは円弧の中心向きか外向きかを指定する円弧指定方法のいずれかの指定方法で指定されることを特徴とする。
【0014】また、好適には、前記検出力テーブルは、前記力制御に使用する力成分を指定するために、採用する座標系を指定する検出座標系パラメータと、検出する力成分の方向を指定する検出方向パラメータと、検出する力成分の種類を指定する検出力パラメータとを有することを特徴とする。
【0015】また、好適には、前記検出力パラメータは、採用された座標系のいずれかの座標軸方向に作用する並進力、複数の力成分が合成された合成力、あるいは前記エンドエフェクタの重心回りに作用するモーメント力と作用点までの距離とから演算して求めるのいずれかで指定されることを特徴とする。
【0016】また、好適には、前記検出力パラメータは、検出する力成分の大きさのみを指定するパラメータであることを特徴とする。
【0017】
【作用】エンドエフェクタを作業対象物に対して押し付ける方向と力覚センサによって検出される力の方向とは必ずしも一致せず、力覚センサによって検出される力方向の逆方向にエンドエフェクタを押し付けさえすればよいということにはならない。そこで、選択された作業種類や作業対象物の形状等に応じて力覚センサで検出した力のうちの力制御に適する力成分を選択し、この選択した力成分とは別個に、エンドエフェクタが作業対象物を押し付ける指定押し付け力の押し付け方向を指定する。
【0018】エンドエフェクタが作業対象物を押し付ける指定押し付け力の押し付け方向と、力覚センサで検出する検出力のうち力制御に使用するために指定する力成分とを、パラメータ指定手段により指定する。
【0019】ロボット言語解釈装置は、押し付け方向テーブルおよび検出力テーブルのパラメータを解釈し、作業の種類や作業対象物の形状に応じて適する力制御を実行させるようにする。作業の種類等に応じた力制御に必要なパラメータは、押し付け方向テーブルおよび検出力テーブルとしてテーブル形式で与えられているので、適する力制御を容易に指定し実行することができる。
【0020】
【実施例】以下に本発明による力制御ロボットの実施例について図面を参照して説明する。図2は、本発明の力制御ロボットの全体構成を示す図である。図2において、力制御ロボットは、ロボット本体1と、ロボット本体1の制御装置2と、制御装置2へ指示を送るティーチペンダント3とを備えている。ロボット本体1の手先部の先端には、作業対象物(ワーク)Wに研削等の作業を行うエンドエフェクタ5が装着されている。ロボット本体1の手先部には、エンドエフェクタ5の近傍に6軸の力覚センサ4が設けられている。
【0021】力制御ロボットを用いて作業を実行する場合、力覚センサ4を用いてエンドエフェクタを作業対象物の表面へ指定押し付け力で押し付けるように制御装置2内部に設けられたアーム制御装置6では、力制御法として、例えば、式(1)に従って力制御される。
Vd = Kf(Fd−F) (1)
ここで、Fdは目標の指定押し付け力、Fは力覚センサ4で検出した検出力のうちの力制御に使用する力成分、Kfは力制御ゲイン、Vdはエンドエフェクタ5の押し付け方向の速度を示す速度指令値である。式(1)中の検出力の力成分F、および、速度指令値Vdを与える押し付け方向は、ロボット言語解釈装置10の押し付け方向テーブル12と検出力テーブル13において指定される。
【0022】図1に示すように、制御装置2には、所望作業を選択し実行するために必要な複数のパラメータを解釈するロボット言語解釈装置10が設けられている。
【0023】ロボット言語解釈装置10は、エンドエフェクタ5が作業対象物Wの表面を指定押し付け力で押し付ける押し付け方向を指定する押し付け方向テーブル12と、力覚センサ4で検出する検出力のうち力制御に使用する力成分を指定する検出力テーブル13と、押し付け方向テーブル12および検出力テーブル13の各々のパラメータを指定するパラメータ指定手段11とを備えている。
【0024】押し付け方向テーブル12は、図4あるいは図7に示すように、採用する座標系を指定する座標系パラメータと、この座標系における押し付け方向を指定する指定方向パラメータと、押し付け方向の指定方法を指定する指定方法パラメータとを有する。
【0025】座標系パラメータとしては、例えば作業対象物Wに座標系を設定したワーク座標系ΣWやエンドエフェクタ5に座標系を設定したツール座標系ΣTがある。指定方向パラメータとしては、座標系パラメータで設定された座標系におけるいずれかの座標軸方向がある。
【0026】指定方法パラメータとしては、例えば、直接指定方法、ベクトル外積指定方法、あるいは円弧指定方法がある。直接指定方法は、座標系パラメータで設定された座標系におけるいずれかの座標軸方向を直接指定する方法であり、作業対象物の形状が単純な場合に有効である。ベクトル外積指定方法は、エンドエフェクタ5の移動方向と作業空間内に所望に選択した選択方向とのベクトル外積で指定する方法である。所望に選択した選択方向としては、例えば、作業対象物W表面の法線方向がある。ベクトル外積指定方法は、曲面の研磨作業や作業対象物の周囲の凹凸のある端部の面取り作業などのように、作業中に作業対象物の形状に応じてエンドエフェクタ5の押し付け方向を変化させる必要がある作業の場合でも、作業の最初から最後までエンドエフェクタの押し付け方向の指定を変更する必要がなくなり、動作プログラムの生成を非常に容易に行うことができるという効果を有する。円弧指定方法は、円弧の中心向きか外向きかを指定する方法であり、作業対象物Wに円弧状の形状の個所が多くある場合に有効である。
【0027】検出力テーブル13は、図5あるいは図8に示すように、採用する座標系に関する検出座標系パラメータと、検出する力成分の方向を指定する検出方向パラメータと、検出する力成分の種類を指定する検出力パラメータとを有する。
【0028】検出座標系パラメータとしては、例えば作業対象物Wに座標系を設定したワーク座標系ΣWやエンドエフェクタ5に座標系を設定したツール座標系ΣTがある。検出方向パラメータとしては、検出座標系パラメータで設定された座標系におけるいずれかの座標軸方向がある。
【0029】検出力パラメータとしては、例えば、並進力、合成力、あるいはモーメントから演算して求める力のいずれかで指定される。これらの力成分は、符号を正負を問わず単に大きさのみを指定すればよい。
【0030】ここで、並進力の指定は、採用された座標系のいずれかの座標軸方向に作用する力として指定することであり、作業対象物Wの形状が単純な場合等においてエンドエフェクタ5が作業対象物Wから受ける反力方向が容易に判断できる場合に有効である。合成力の指定は、複数の力成分が合成された力として指定することであり、単一の並進力では指定できないような形状を作業対象物Wが有する場合等に有効である。モーメントから演算して求める力の指定は、エンドエフェクタ5の重心回りに作用するモーメント力と作用点までの距離とから演算して求める力を指定することである。エンドエフェクタ5重心まわりのモーメント力をMGXとし、重心位置からエンドエフェクタ5の作用点までのFに垂直な方向の距離をLとすると、モーメントから演算して求める力Fは F = MGX / L (2)
として得られる。エンドエフェクタ5が加速度運動したりして慣性力を受ける場合等、外部からのノイズの影響をうけにくい信頼性高い力信号を検出することができる(特開平4−164585号公報参照)。
【0031】次に、以下に本発明の具体的実施例について説明する。まず、図3乃至図5を参照して本発明の第1実施例について説明する。ロボット本体1は、エンドエフェクタ5としての円筒状のロータリーグラインダを備えている。作業対象物W1は、長手方向に平板状の平表面15と、短手方向に互いに平行な平表面16、17とを有する。また、平表面15の法線方向と平表面16の法線方向とは直交する関係にある。ロータリーグラインダ5の円筒側面が平表面15へ指定押し付け力で押し付けられるように力制御され、かつ図3に表示した移動方向ベクトルV1の方向(ワーク座標系ΣWにおける−Y方向)へ移動して、研磨作業が行われる。
【0032】図4に、本実施例において指定する押し付け方向テーブル12を示す。テーブル番号を指定することにより、対応する押し付け方向テーブル12が指定される。図4においては、座標系パラメータとしてワーク座標系ΣWが指定され、指定方向パラメータとして−Z方向が指定され、指定方法パラメータとして直接指定方法が指定されている。
【0033】ロボット言語解釈装置10には種々の押し付け方向テーブル12が予め備えられているので、これらの3個のパラメータを各々指定しなくとも、テーブル番号を1と指定するだけで、所望のパラメータを設定したことに等価となる。
【0034】図5に、本実施例において指定する検出力テーブル13を示す。テーブル番号を指定することにより、検出力テーブル13の具体的な内容が設定される。図5においては、検出座標系パラメータとしてツール座標系ΣTが指定され、検出力パラメータとして並進力が指定され、検出方向パラメータとしてY方向が指定されている。ここで、ワーク座標系ΣWのZ軸方向が平表面15の法線方向に、Y軸方向が作業対象物W1の長手方向に設定されている。ツール座標系ΣTのZ軸は、ロータリーグラインダ5の回転軸方向に設定されている。
【0035】平面の研磨作業の場合、エンドエフェクタ5は作業対象物W1の平表面15へ押し付けられる。この場合、エンドエフェクタ5は平表面15に鉛直に押し付けられることが確かであるので、力制御に使用する力成分としてはエンドエフェクタ5が平表面15から受ける反力を使用することが適当である。従って、力制御に使用する力成分の検出方向は、ツール座標系ΣTのY方向に設定され、エンドエフェクタ5が平表面15の法線方向に押し付けられることから指定方向パラメータとして−Z方向が指定されている。
【0036】なお、検出力パラメータとして並進力を指定したが、モーメントから演算して求める力F = MGX / L を指定してもよい。また、押し付け方向テーブル12において、押し付け方向はワーク座標系ΣWの−Z方向と符号を含めて指定されている。このため、力覚センサ4で検出した検出力のうちの力制御に使用する力成分の大きさを目標押し付け力と比較し、どの程度ずれているかについて大きさのみがわかればよく、力成分の正負の符号を考慮する必要がない。これにより、検出力テーブル13の設定時に検出力の方向を気にする必要はなくなり、設定を容易に行うことができる。
【0037】次に、図6乃至図8を参照して本発明の第2実施例について説明する。ロボット本体1はエンドエフェクタ5として円錐型カッターを備えている。作業対象物W2は平表面18と曲表面19とを有し、平表面18と曲表面19との交線としてワーク端部20が形成されている。ワーク端部20は同一平面上にある曲線を形成している。また、平表面18の法線方向と曲表面19の法線方向とは直交する関係にある。円錐型カッター5の円錐面がワーク端部20へ目標押し付け力で押し付けられるように力制御され、かつ移動方向ベクトルV2の方向へ移動し、ワーク端部20の面取り作業が行われる。
【0038】図7に、本実施例において指定する押し付け方向テーブル12を示す。本実施例においてはテーブル番号2を指定することにより、押し付け方向テーブル12が指定される。
【0039】図7においては、座標系パラメータとしてワーク座標系ΣWが指定され、指定方向パラメータとして+Z方向が指定され、指定方法パラメータとしてベクトル外積指定方法が指定されている。
【0040】ロボット言語解釈装置10には種々の押し付け方向テーブル12が予め備えられているので、これらの3個のパラメータを各々指定しなくとも、テーブル番号を2と指定するだけで、所望のパラメータを設定したことに等価となる。
【0041】図8に、本実施例において指定する検出力テーブル13を示す。テーブル番号2を指定することにより、検出力テーブル13の具体的な内容が設定される。図8においては、検出座標系パラメータとしてツール座標系ΣTが指定され、検出力パラメータとして合成力が指定され、検出方向パラメータとしてXY平面の方向が指定されている。本実施例では、ワーク座標系ΣWにおいてZ方向は平表面18の法線方向に設定されており、ツール座標系ΣTのZ方向は円錐型カッターの回転軸方向に設定されている。
【0042】本実施例では、指定方法パラメータとして指定したベクトル外積指定方法においては、作業空間内の選択方向は平表面18の表面法線方向ベクトルN2の方向に選択されている。エンドエフェクタ5の所定押し付け方向を、式(3)で表される押し付け方向ベクトルF2の方向に設定する。押し付け方向ベクトルF2は、ベクトルV2とベクトルN2の外積として、 F2= V2 × N2 (3)
で与えられる。
【0043】ワーク端部20の面取り作業の場合は、作業の進行状況に応じて作業対象物W2から受ける反力の向きが変化する。このため、エンドエフェクタ5で検出する力の方向もそれに合わせて変化させる必要がある。しかしながら、ワーク端部20の形状が予めわかっていない場合、作業の進行状況に応じて検出力の指定を変更することは困難である。そこで本実施例の場合では、力覚センサ4により検出した検出力のうちの力制御に使用する力成分として、ツール座標系ΣTのXY平面内の合成力を指定しているのである。これにより、作業の進行状況に応じて作業対象物W2から受ける反力の方向が変化しても、それを気にする必要がなくなる。
【0044】さらに、エンドエフェクタ5の押し付け方向の指定についても、エンドエフェクタ5がワーク端部20の周囲を一周するとエンドエフェクタ5の押し付け方向も変化し得る。しかしながら、エンドエフェクタ5の押し付け方向が変化した場合においても、ベクトル外積指定方法に従えば、押し付け方向をエンドエフェクタ5の進行方向ベクトルと作業空間内に設定した方向ベクトル(ここでは、平表面18の法線方向N2であるワーク座標系ΣWにおける+Z方向)との双方に直交する方向として指定することで、作業の最初から最後まで押し付け方向の指定を変更せずに作業を実行することができる。この結果、作業中に作業対象物W2のワーク端部20の曲線形状に応じてエンドエフェクタ5の押し付け方向を変化させる必要がある面取り作業において、作業の最初から最後までエンドエフェクタ5の押し付け方向の指定を変更する必要がなくなり、動作プログラムの生成を非常に容易に行うことができる。
【0045】以上説明したように、第1あるいは第2の実施例の構成によれば、押し付け方向テーブル12および検出力テーブル13に適当な値を設定することにより、研磨作業やワーク端部20の面取り作業のような種々の異なる作業を実行する場合に、それぞれの作業に適した力制御方法を容易に設定するができる。この結果、異なる作業に適した力制御を容易に行うことができる。
【0046】なお、上述の実施例の説明において、ロボット言語解釈装置10は制御装置2に設けられているとしたが、ティーチペンダント3に設けてもよく、あるいは、制御装置2とティーチペンダント3との両方にまたがって設けてもよい。
【0047】また、ロボット本体1の軸構成は6軸円筒座標型である必要はなく、多関節型、極座標型あるいは直交座標型などいかなる構成であってもかまわない。また手先部の力覚センサは、6軸力覚センサ4に限らずエンドエフェクタ5に作用する力を検出できるものであれば他の構成でもよい。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によれば、ロボット言語解釈装置は、指定押し付け力の押し付け方向を指定する押し付け方向テーブルと、力覚センサで検出する検出力のうち力制御に使用する力成分を指定する検出力テーブルと、押し付け方向テーブルおよび検出力テーブルの各々のパラメータを指定するパラメータ指定手段を備えているので、作業の種類や作業対象物の形状に応じて適する力制御を容易に指定し実行することができる。
 

 
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