| 発明の名称 |
力制御ロボット |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−118277 |
| 公開日 |
平成8年(1996)5月14日 |
| 出願番号 |
特願平6−258455 |
| 出願日 |
平成6年(1994)10月24日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
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| 発明者 |
吉 見 卓 / 神 野 誠 / 尾 崎 文 夫 / 永 滝 真太郎 |
| 要約 |
目的 曲面の研磨作業や作業対象物周囲の凹凸のある端部の面取り作業などのように、作業中に作業対象物の形状に応じてエンドエフェクタの押し付け方向を変化させる必要がある作業の場合でも、作業の最初から最後までエンドエフェクタの押し付け方向の指定を変更する必要をなくする力制御ロボットを提供する。
構成 エンドエフェクタ(5)を作業対象物(W1)の表面(15)に目標押し付け力で押し付けるように制御しながらこの表面(15)に沿ってエンドエフェクタ(5)を移動させる力制御ロボットにおいて、作業空間で所望に選択した選択方向(N1)とエンドエフェクタの移動方向(V1)とで規定される所定押し付け方向(F1)に、エンドエフェクタ(5)の押し付け方向を設定する方向設定手段(10)を備えることを特徴とする。 |
特許請求の範囲
【請求項1】エンドエフェクタを作業対象物の表面に目標押し付け力で押し付けるように制御しながらこの表面に沿って前記エンドエフェクタを移動させる力制御ロボットにおいて、作業空間で所望に選択した選択方向と前記エンドエフェクタの移動方向とで規定される所定押し付け方向に、前記エンドエフェクタの押し付け方向を設定する方向設定手段を備えることを特徴とする力制御ロボット。 【請求項2】前記所定押し付け方向は、前記選択方向と前記エンドエフェクタの移動方向とに直交する方向であることを特徴とする請求項1に記載の力制御ロボット。 【請求項3】前記選択方向は前記作業対象物の表面法線方向であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の力制御ロボット。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は力制御ロボットに係り、特にエンドエフェクタを作業対象物の表面に目標押し付け力で押し付けるように制御しながらこの表面に沿って移動させる力制御ロボットに関する。 【0002】 【従来の技術】力制御ロボットは、エンドエフェクタを作業対象物の表面に目標押し付け力で押し付けるように制御するとともに作業対象物の表面に沿ってエンドエフェクタを移動させて作業を行う。 【0003】力制御ロボットにおける目標押し付け力の方向や大きさを指定する方法として、力制御プログラム内部で目標押し付け力の大きさおよび方向を直接指定する方法が主に用いられている。例えば、押し付け力の大きさは、2.0kgf 、3.0kgf といった数値で指定され、また、押し付け方向は、ワールド座標系、ロボットのベースに固定されたロボットベース座標系あるいは作業対象ワーク上に固定されたワーク座標系等におけるカーテシアン座標系のX+方向やY−方向というように座標系と座標軸方向で指定される。 【0004】目標押し付け力の大きさや方向のこれらの指定方法は、平面の研磨作業などのように、作業の最初から最後までエンドエフェクタの押し付け方向が変化しない場合には便利である。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、曲面の研磨作業や作業対象物周囲の凹凸のある端部の面取り作業などのように、作業中に作業対象物の形状変化に応じてエンドエフェクタの押し付け方向を変化させる必要がある作業の場合には、エンドエフェクタの押し付け方向の指定を作業対象物の形状変化に応じて変更する必要がある。このため、力制御ロボットの動作プログラムの生成が非常に煩雑であるという問題があった。 【0006】そこで本発明の目的は、上記従来技術の有する問題を解消し、曲面の研磨作業や作業対象物周囲の凹凸のある端部の面取り作業などのように、作業中に作業対象物の形状変化に応じてエンドエフェクタの押し付け方向を変化させる必要がある作業の場合でも、エンドエフェクタの押し付け方向を容易に指定できる力制御ロボットを提供することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明による力制御ロボットは、エンドエフェクタを作業対象物の表面に目標押し付け力で押し付けるように制御しながらこの表面に沿って前記エンドエフェクタを移動させる力制御ロボットにおいて、作業空間で所望に選択した選択方向と前記エンドエフェクタの移動方向とで規定される所定押し付け方向に、前記エンドエフェクタの押し付け方向を設定する方向設定手段を備えることを特徴とする。 【0008】好適には、前記所定押し付け方向は、前記選択方向と前記エンドエフェクタの移動方向とに直交する方向である。 【0009】また、好適には、前記選択方向は前記作業対象物の表面法線方向である。 【0010】 【作用】作業対象物の形状の特徴や作業対象物に行う作業の特性を考慮し、適する選択方向を作業空間に選択する。例えば、選択方向として作業対象物の表面法線方向に選択する。エンドエフェクタは動作プログラムに従って作業対象物の表面に沿って移動する。エンドエフェクタの移動方向は、エンドエフェクタの位置座標データあるいは動作プログラムに記載された移動方向に関するデータにより知ることができる。エンドエフェクタが作業対象物の表面を押し付ける所定押し付け方向は、選択した選択方向とエンドエフェクタの移動方向とで規定される方向、例えばこれらの両方向に直交する方向となる。 【0011】選択方向を一度指定すれば、エンドエフェクタを作業対象物の表面へ押し付ける方向は、エンドエフェクタの移動方向と一定の関係で自動的に指定することが可能になる。 【0012】この結果、曲面の研磨作業や作業対象物周囲の凹凸のある端部の面取り作業などのように、作業中に作業対象物の形状に応じてエンドエフェクタの押し付け方向を変化させる必要がある作業の場合でも、作業の最初から最後までエンドエフェクタの押し付け方向の指定を変更する必要がなくなり、動作プログラムの生成を非常に容易に行うことができる。 【0013】 【実施例】以下に本発明による力制御ロボットの実施例について図面を参照して説明する。図1に、本実施例の力制御ロボットの全体構成を示す。図1において、力制御ロボットはロボット本体1と、ロボット本体1のコントローラ2と、操作ペンダント3とを備えている。ロボット本体1は6軸円筒座標型ロボットであり、ロボット本体1の手先部には6軸力覚センサ4と、エンドエフェクタ5としてのディスクグラインダが設けられている。エンドエフェクタ5は、目標押し付け力で作業対象物Wの表面に押し付けるように力制御されながらこの表面に沿って移動し、作業が行われる。 【0014】コントローラ2には、エンドエフェクタ5が作業対象物Wを押し付ける方向を所定押し付け方向として設定するための方向設定手段10が設けられている。方向設定手段10は、操作ペンダント3から入力された選択方向を指定するデータと、エンドエフェクタ5の位置座標データから求めた移動方向に関するデータとを参照し、エンドエフェクタ5が移動する際に所定押し付け方向を演算する。なお、エンドエフェクタ5の移動方向に関するデータとして、作業計画に基づく動作プログラムに記載されたエンドエフェクタ5の移動方向のデータを参照してもよい。 【0015】図2および図3を参照して、本発明の第1実施例を説明する。ロボット本体1は、エンドエフェクタ5としての円筒状のロータリーグラインダを備えている。作業対象物W1は、長手方向に帯波状のうねりを有する曲表面15と、短手方向に互いに平行な平表面16、17とを有する。また、曲表面15の法線方向と平表面16の法線方向とは直交する関係にある。エンドエフェクタ5の円筒側面が曲表面15へ目標押し付け力で押し付けられるように力制御され、かつ図2に表示した移動方向ベクトルV1の方向へ移動して、研磨作業が行われる。 【0016】本実施例では、作業空間内の選択方向は平表面16の表面法線方向ベクトルN1の方向に選択されている。表面法線方向ベクトルN1の方向は、平表面16が平面であるので、エンドエフェクタ5の移動方向によらず一定の方向である。方向選択手段10は、エンドエフェクタ5の所定押し付け方向を、式(1)で表される押し付け方向ベクトルF1の方向に設定する。押し付け方向ベクトルF1は、ベクトルV1とベクトルN1の外積として、 F1= V1 × N1 (1) で与えられる。 【0017】図3は、表面法線方向ベクトルN1に向かって平表面16を見た図である。エンドエフェクタ5が曲表面15上の各位置A,B,Cを移動するときの各位置A,B,Cにおける押し付け方向ベクトルF1が示されている。図3において、エンドエフェクタ5は、帯波状のうねりを有する曲表面15上を移動する場合においても、力制御またはあらかじめ作成された動作プログラムにより、移動方向ベクトルV1が常に曲平面に沿った方向に設定されるので、その結果、各位置A,B,Cにおいて常に曲表面15の法線方向に近い方向に向かって押し付けられていることが認められる。 【0018】以上説明したように、本実施例の構成によれば、方向設定手段10を備えるので、作業中に作業対象物W1の曲表面15の表面形状に応じてエンドエフェクタ5の押し付け方向を変化させる必要がある研磨作業において、作業の最初から最後までエンドエフェクタ5の押し付け方向の指定を変更する必要がなくなり、動作プログラムの生成を非常に容易に行うことができる。 【0019】次に、図4及び図5を参照して、本発明の第2実施例について説明する。ロボット本体1はエンドエフェクタ5として円錐型カッターを備えている。作業対象物W2は平表面18と曲表面19とを有し、平表面18と曲表面19との交線としてワーク端部20が形成されている。ワーク端部20は同一平面上にある曲線を形成している。また、平表面18の法線方向と曲表面19の法線方向とは直交する関係にある。円錐型カッター5の円錐面がワーク端部20へ目標押し付け力で押し付けられるように力制御され、かつ移動方向ベクトルV2の方向へ移動し、ワーク端部20の面取り作業が行われる。 【0020】本実施例では、作業空間内の選択方向は平表面18の表面法線方向ベクトルN2の方向に選択されている。方向選択手段10は、エンドエフェクタ5の所定押し付け方向を、式(2)で表される押し付け方向ベクトルF2の方向に設定する。押し付け方向ベクトルF2は、ベクトルV2とベクトルN2の外積として、 F2= V2 × N2 (2) で与えられる。 【0021】図5は、表面法線方向ベクトルN2に向かって平表面18を見た図である。エンドエフェクタ5がワーク端部20上の各位置A,B,Cを移動するときの各位置A,B,Cにおける押し付け方向ベクトルF2が示されている。図5において、エンドエフェクタ5は、曲線状のワーク端部20上を移動する場合においても、力制御またはあらかじめ作成された動作プログラムにより、移動方向ベクトルV2が常に曲線状のワーク端部に沿った方向に設定されるので、その結果、各位置A,B,Cにおいて常に曲表面19の法線方向に向かって押し付けられていることが認められる。 【0022】以上説明したように、本実施例の構成によれば、方向設定手段10を備えるので、作業中に作業対象物W2のワーク端部20の曲線形状に応じてエンドエフェクタ5の押し付け方向を変化させる必要がある面取り作業において、作業の最初から最後までエンドエフェクタ5の押し付け方向の指定を変更する必要がなくなり、動作プログラムの生成を非常に容易に行うことができる。 【0023】なお、上述の実施例の説明において、選択方向を作業対象物の表面法線方向に選択した場合を例に示したが、本発明はこれに限らず、選択方向はエンドエフェクタ5の移動方向によらず一定に定まればよく作業対象物の形状に応じて適宜選択すればよい。また、選択方向は、エンドエフェクタ5の移動方向と直交する方向に選択した例を示したが、必ずしもこれに限らず、作業対象物の形状に応じて選択すればよい。 【0024】また、所定押し付け方向を、選択方向とエンドエフェクタ5の移動方向との両方向に直交する方向とする例を示したが、これに限らず、選択方向とエンドエフェクタ5の移動方向とで定まる平面に対して90度以外の角度をなす方向に設定することも、作業対象物の形状によっては可能である。 【0025】また、ロボット本体1の軸構成は6軸円筒座標型である必要はなく、多関節型、極座標型あるいは直交座標型などいかなる構成であってもかまわない。また手先部の力覚センサは、6軸力覚センサ4に限らずエンドエフェクタ5に作用する力を検出できるものであれば他の構成でもよい。 【0026】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の構成によれば、方向設定手段を設けたので、曲面の研磨作業や作業対象物周囲の凹凸のある端部の面取り作業などのように、作業中に作業対象物の形状に応じてエンドエフェクタの押し付け方向を変化させる必要がある作業の場合でも、作業の最初から最後までエンドエフェクタの押し付け方向の指定を変更する必要がなくなり、動作プログラムの生成を非常に容易に行うことができる。
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