| 発明の名称 |
工作機械における位置決め誤差補正方法および位置決め誤差補正装置 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−118204 |
| 公開日 |
平成8年(1996)5月14日 |
| 出願番号 |
特願平6−258510 |
| 出願日 |
平成6年(1994)10月24日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
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| 発明者 |
後 藤 猛 / 菊 池 幸 一 / 林 智 夫 |
| 要約 |
目的 位置決め方向にかかわらず、正確な位置決め誤差補正が可能な位置決め誤差補正方法および装置を提供する。
構成 位置決め補正方法は、工作機械の1つ以上の直線移動軸又は回転移動軸に対する制御を行う際、位置決め誤差を補正するための位置決め座標値に対する補正量の関係データを正逆両位置決め方向についてあらかじめ準備しておき、移動方向に応じた前記補正量を用いて位置決めを行う。これを実現する位置決め誤差補正装置は、数値制御装置10からの指令値に基づきモータの制御を行う制御装置20を有しており、この制御装置は補正曲線記憶部24中の第1の記憶領域24Aに移動方向が正方向の場合の補正曲線を、第2の記憶領域24Bに移動方向が逆方向の場合の補正曲線を記憶する。 |
特許請求の範囲
【請求項1】工作機械の1つ以上の直線移動軸又は回転移動軸に対する制御を行う際、位置決め誤差を補正するための位置決め座標値に対する補正量の関係データを正逆両位置決め方向についてあらかじめ準備しておき、移動方向に応じた前記補正量を用いて位置決めを行う位置決め誤差補正方法。 【請求項2】前記位置決め座標値に対する補正量の関係データを位置決め精度特性が変化する条件に応じて複数組備えたことを特徴とする請求項1に記載の位置決め誤差補正方法。 【請求項3】工作機械の1つ以上の直線移動軸又は回転移動軸に対する制御を行う際の位置決め補正を行う位置決め補正装置であって、位置決め誤差を補正するための位置決め座標値に対する補正量の関係データを正逆両位置決め方向についてあらかじめ記憶する記憶手段と、位置決め方向検出手段と、この位置決め方向検出手段で検出された位置決め方向に基づいて前記記憶手段から位置決め座標値に対する補正量を読み出して補正点座標値における前記直線移動軸又は回転移動軸に対する補正量を計算し、この補正量にしたがって駆動制御を行う制御手段とを備えた位置決め補正装置。 【請求項4】前記位置決め座標値に対する補正量の関係データを位置決め精度特性が変化する条件に応じて複数組備えたことを特徴とする請求項3に記載の位置決め誤差補正方法。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、工作機械の位置決め誤差補正装置に関し、特に位置決め精度の向上に関するものである。 【0002】 【従来の技術】工作機械における位置決め誤差を補正する手法の一つとして、図7に示す単一の補正曲線に従って位置決めを補正する方法が一般に知られている。この補正曲線は座標値とその座標値における補正量との関係を示しており、指定された座標値に対する最終的な指令値は数値制御装置から出力された指令値にこの曲線に従って適当な補間計算を行って求めた補正量を加えたものとして求められる。 【0003】このような補正方法では、機械の各軸の位置決め方向が1方向の場合には比較的正確に誤差補正を行えるが、逆の方向に位置決め動作を行った場合には、誤差を有効に補正できないことがある。これは一般に工作機械の軸にはバックラッシュが存在するためである。 【0004】このため、逆方向に位置決めを行う際には正方向として求められた補正量に定数であるバックラッシュ量を加算して補正量とする方法が知られている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなバックラッシュ補正を行っても、必ずしも正確な位置決め補正は行えない。これは、軸送り装置のバックラッシュが必ずしも一定値ではなく、しかも軸の剛性あるいは機械上の特性等により、位置決め方向の違いにより位置決め誤差の特性が異なるからである。 【0006】図8はこのような位置決め方向による実際の誤差の状況を示したものであり、2点鎖線は正方向位置決めの場合、実線は負方向位置決めの場合をそれぞれ示している。なお、これらの差は見かけ上のバックラッシュとなって表われることになる。しかし、図8から明らかなようにその見かけ上のバックラッシュである両曲線の差は必ずしも一定値ではない。 【0007】このため、従来の位置決め誤差補正装置では、上述した正逆2方向の誤差特性を平均化した補正曲線を求めて、これに基づいた補正を行う手法などにより補正を行っていた。しかし、このような手法では、正逆いずれの位置決め方向に対しても、充分な補正ができず、期待する位置決め精度が得られないという問題があった。 【0008】本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、位置決め方向にかかわらず、正確な位置決め誤差補正が可能な位置決め誤差補正装置を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明にかかる位置決め誤差補正方法によれば、工作機械の1つ以上の直線移動軸又は回転移動軸に対する制御を行う際、位置決め誤差を補正するための位置決め座標値に対する補正量の関係データを正逆両位置決め方向についてあらかじめ準備しておき、移動方向に応じた前記補正量を用いて位置決めを行うことを特徴とする。 【0010】また、本発明によれば、工作機械の1つ以上の直線移動軸又は回転移動軸に対する制御を行う際の位置決め補正を行う位置決め補正装置であって、位置決め誤差を補正するための位置決め座標値に対する補正量の関係データを正逆両位置決め方向についてあらかじめ記憶する記憶手段と、位置決め方向検出手段と、この位置決め方向検出手段で検出された位置決め方向に基づいて前記記憶手段から位置決め座標値に対する補正量を読み出して補正点座標値における前記直線移動軸又は回転移動軸に対する補正量を計算し、この補正量にしたがって駆動制御を行う制御手段とを備えた位置決め補正装置が提供される。 【0011】位置決め座標値に対する補正量の関係データを位置決め精度特性が変化する条件に応じて複数組備えると良い。 【0012】 【作用】この位置決め補正方法および補正装置では座標位置に対する誤差補正量が軸移動の正逆両方向について予め記憶されており、検出された軸移動方向に応じた誤差補正量を取り出して所望の座標値に対する補正量を決定するようにしているので、正確な位置決め補正が可能となり、バックラッシュ補正も不要となる。 【0013】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。 【0014】図1は本発明にかかる工作機械の制御軸の位置決め誤差補正装置の構成を示すブロック図である。 【0015】ここでは移動対象物42を所定ピッチで一方向に移動させるため、モータ30で駆動されるスクリュー軸41を備えており、このモータの制御は制御装置20により行われる。この制御装置20は速度制御部21、移動量換算部22、補正量演算部23を備えている。また、この制御装置20には数値制御装置10からの指令値およびモータ軸に連結されたエンコーダ31から出力されたモータの回転数に応じた信号が入力されるようになっている。さらに、制御装置内には補正曲線記憶部24が設けられており、この補正曲線記憶部24は移動方向が正方向の場合の補正曲線を記憶する第1の記憶領域24Aと移動方向が逆方向の場合の補正曲線を記憶する第2の記憶領域24Bとを備えている。 【0016】これらの記憶領域に記憶されるべき補正曲線の例を図2に示す。 【0017】従来と異なり、補正曲線として正方向の位置決め時の補正量に対応する2点鎖線で示す第1の補正曲線と、負方向の位置決め時の補正量に対応する実線で示す第2の補正曲線とが別個に規定されている。そして、第1の曲線のサンプリングされた座標値(例えば50mm毎)と補正量との対応関係がテーブルの形で記憶装置の第1の記憶領域に記憶され、第2の曲線についても同様に第2の記憶領域に記憶されている。 【0018】このような補正曲線は対象軸ごとに実際にレーザ測長器等で計測された結果として得られるものであり、記憶装置としては不揮発性メモリが好ましい。 【0019】図3は、工作機械の制御軸の位置決め誤差補正方法の一例として、ピッチ誤差補正を行う場合のシーケンスを示す説明図である。 【0020】数値制御装置10から与えられた指令値に基づいて速度制御指令が生成され、モータ30に与えられる。この結果、このモータに接続されたボールスクリュー41が回転され、制御対象物42が移動される。一方、モータ軸の回転状況はエンコーダ31によりモニタされており、このエンコーダ出力信号に基づいて移動量への換算が行われ、フィードバックデータとなる。この移動量換算値にはピッチ誤差補正量が重畳され、これにより補正された移動量が指令値から減算され、その偏差が新たな速度指令値となる。 【0021】図4は図1におけるピッチ誤差補正の詳細を示すフローチャートである。 【0022】ピッチ誤差の補正の開始にあたって、まず最初に補正を行うべき目標座標値を計算し、登録する(ステップS100)。これは、補正曲線として得られているデータの座標は所定の距離、例えば50mmごととなっているのに対し、ボールスクリューなどの実際に補正が必要なピッチに対応した座標値(例えば、24.5mmの倍数)とは一致していないため、補正を行う座標値を予め求めておく必要があるためである。 【0023】次に補正を行う軸移動方向が正方向のみであるのか、正逆両方向であるのかを決定する(ステップS110)。正方向のみの場合には従来行われている通常のピッチ誤差勾配補正量を計算する(ステップS111)。 【0024】両方向補正を選択したときには、軸移動方向に応じて適切な補正を行うために、軸移動方向フラグを設定する(ステップS120)。このフラグは各計算結果等に付加されて移動方向を明示する。 【0025】次に補正曲線記憶部24から補正データを読み出す(ステップS130)。この際、移動方向が正であるか、逆であるかにかかわらず、補正曲線記憶部24の第1の記憶領域24Aから正方向移動の場合の補正曲線データを取り出し、第2の記憶領域24Bから逆方向移動の場合の補正曲線データを読出す。 【0026】次に、これらのデータを用いて正方向および逆方向のピッチ誤差補正量を計算する(ステップS140)。この補正量の計算は、ステップS130で読み出されたデータをステップS100で登録された目標座標値に対応した補正量を得るための補間演算である。また、正逆両方向の補正値を求めるのは、移動方向がいつ逆転しても適切な誤差補正を可能とするためである。 【0027】補間演算終了後、必要な移動方向はいずれであるかを確認し(ステップS150)、正方向の場合には正方向補正量をレジスタに仮セットし(ステップS151)、逆方向の場合には逆方向補正量をレジスタに仮セットする(ステップS152)。 【0028】このようにして、あらゆる場合の補正量が出揃ったところで、最終的な補正量をレジスタセットする(ステップS160)。この補正量は前述したように、指令値に対する補正量として用いられる。 【0029】その後、全軸の補正が終了したかが判定され(ステップS170)、未終了の軸がある場合には軸を変更し(ステップS180)、その軸についてもステップS100からステップS160までのステップを繰り返し、全軸の補正が終了した時点で終了となる。 【0030】図5は本実施例による移動軸の座標値と補正量の関係を示すグラフである。例えばA点に位置決めを行う時、正方向に位置決めを行う時の補正量はaであり、負方向に位置決めを行う時にはbの量をそれぞれ位置決め座標値に加味して位置決めを行うものである。このときのaとbの値の差が見かけ上のバックラッシュとなる。 【0031】なお、この図のA点で正方向にに位置決めした後、補正なしで(a−b)量を負方向に軸移動させても、見かけ上のバックラッシュに吸収されて、機械は停止した状態のままである。 【0032】このように本発明によれば、バックラッシュ補正が不要となり、軸移動の制御装置を簡素化できる効果もある。 【0033】図6に本発明の他の実施例を示す。この実施例では、機械の特性上、軸移動速度や負荷の有無により、位置決め精度特性が変化する場合があることを考慮して、条件に応じた誤差補正曲線を準備することとしたものである。すなわち、図6の場合には早送りの場合と切削送りの双方について正方向および逆方向移動に対する補正曲線を準備するようにしている。 【0034】このようにすることにより、あらゆる条件下で常に最適な位置決め補正を行うことが可能となる。 【0035】 【発明の効果】以上のように、本発明にかかる位置決め誤差補正方法によれば、移動軸の位置決め方向に応じた補正曲線を予め設定しておき、これを用いて補正量を求めるようにしているので、位置決め精度を向上させることができる。 【0036】また、位置決め誤差補正装置によれば、移動軸の位置決め方向に応じた補正曲線データを記憶した記憶装置およびこのデータを用いて補正量を演算する演算手段を有しているので、精度の良い位置決め補正を簡単に実現することができる。
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