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発明の名称 立形工作機械
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−118173
公開日 平成8年(1996)5月14日
出願番号 特願平6−255558
出願日 平成6年(1994)10月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外3名)
発明者 尾張谷 栄
要約 目的
吊り下げ荷役装置によって被加工物をワークテーブル上に載置する段取り作業の作業性を考慮し、フックなどが主軸ヘッドに干渉することなく段取り作業が行われるようにすること。

構成
主軸ヘッド13に主軸15が垂直方向に設けられ、主軸ヘッド13とワークテーブル7、9とが水平方向へ少なくとも前後に相対的に変位し、この相対変位によりワークテーブル7、9上の被加工物Wの位置決めが行われ、主軸15に装着される工具によりワークテーブル7、9上の被加工物Wの加工を行う立形工作機械において、主軸ヘッドと前記ワークテーブルとの機械手前側のストロークエンド位置を、ワークテーブル7、9の機械奥側の外縁部7aを主軸15の中心位置Cより機械手前側に所定ストロークSaだけ離した位置とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 主軸ヘッドに主軸が垂直方向に設けられ、前記主軸ヘッドとワークテーブルとが水平方向へ少なくとも前後に相対的に変位し、この相対変位により前記ワークテーブル上の被加工物の位置決めが行われ、前記主軸に装着される工具により前記ワークテーブル上の被加工物の加工を行う立形工作機械において、前記主軸ヘッドと前記ワークテーブルとの機械手前側のストロークエンド位置が、前記ワークテーブルの機械奥側の外縁部を前記主軸の中心位置より機械手前側に所定ストロークだけ離した位置であることを特徴とする立形工作機械。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立形工作機械に関し、特に立形マシニングセンタ、立形フランス盤など、主軸ヘッドに主軸が垂直方向に設けられた形式の工作機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】立形マシニングセンタ、立形フランス盤などの立形工作機械は、主軸ヘッドに主軸が垂直方向に設けられ、前記主軸ヘッドとワークテーブルとが水平方向へ相対的に変位可能に有している。例えばコラム固定方式の立形マシニングセンタは、固定コラムに装着されて垂直方向(Z軸方向)に移動可能な主軸ヘッドに対してワークテーブルを機械正面より見て左右水平方向(X軸方向)と前後水平方向(Y軸方向)の各々に軸移動可能に有している。
【0003】この立形マシニングセンタにおいては、ワークテーブルのX軸方向とY軸方向の軸移動によってワークテーブル上の被加工物の位置決めが行われ、主軸ヘッドの主軸に装着される工具によりワークテーブル上の被加工物の加工が行われる。
【0004】従来、この種の立形工作機械におけるワークテーブルの各軸移動のストロークエンド位置は、ワークテーブルの最大移動量をワークテーブル上の被加工物の加工に必要な最小限に設定すべく、最大でもワークテーブルの外縁部が主軸ヘッドの主軸の中心位置に整合する位置に設定されており、ワークテーブルを支持するベットなどの大きさをワークテーブル上の被加工物の加工に関して必要最小限の大きさに設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のような立形工作機械において、機械前方にてクレーン、ホイストなどの吊り下げ荷役装置によって被加工物をワークテーブル上に載置する段取り作業は、ワークテーブルをY軸方向の機械手前側のストロークエンド位置に位置させ、吊り下げ荷役装置のフックを降下させることにより行われるが、従来、そのストロークエンド位置は、上述のように最大でもワークテーブルの外縁部が主軸ヘッドの主軸の中心位置に整合する位置であるから、フックなどが主軸ヘッドに干渉することがある。このため、この段取り作業時には、作業者はフックなどが主軸ヘッドに干渉しないように、細心の注意を払って慎重に作業しなければならず、段取り作業に時間が掛かることになる。
【0006】本発明は、上述の如き問題点に着目してなされたものであり、吊り下げ荷役装置によって被加工物をワークテーブル上に載置する段取り作業の作業性を考慮し、フックなどが主軸ヘッドに干渉することなく段取り作業が行われるように改良された立形工作機械を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的を達成するために、本発明による立形工作機械は、主軸ヘッドに主軸が垂直方向に設けられ、前記主軸ヘッドとワークテーブルとが水平方向へ少なくとも前後に相対的に変位し、この相対変位により前記ワークテーブル上の被加工物の位置決めが行われ、前記主軸に装着される工具により前記ワークテーブル上の被加工物の加工を行う工作機械において、前記主軸ヘッドと前記ワークテーブルとの機械手前側のストロークエンド位置が、前記ワークテーブルの機械奥側の外縁部を前記主軸の中心位置より機械手前側に所定ストロークだけ離した位置であることを特徴としている。
【0008】
【作用】上述の如き構成によれば、ワークテーブルは、機械手前側のストロークエンド位置では、機械奥側の外縁部が主軸ヘッドの主軸の中心位置より所定ストロークだけ機械手前側に離れる位置に位置することになり、このことにより平面で見てワークテーブルの主軸ヘッドより機械前方に対するはみ出し量が増え、機械前方にて吊り下げ荷役装置によって被加工物をワークテーブル上に載置する段取り作業時にフックなどが主軸ヘッドに干渉することがなくなる。
【0009】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0010】図1は本発明による立形工作機械を立形マシニングセンタに適用した一実施例を示している。立形マシニングセンタは、ベット1と固定コラム3とを一体に有している。
【0011】ベット1にはY軸方向のテーブルガイド部5が形成されており、テーブルガイド部5にY軸テーブル7がY軸方向に水平移動可能に係合している。Y軸テーブル7上にはX軸テーブル9がX軸方向に水平移動可能に設けられており、X軸テーブル上に被加工物Wが載置される。
【0012】固定コラム3にはZ軸方向にヘッドガイド部11が形成されており、ヘッドガイド部11に主軸ヘッド13がZ軸方向に垂直移動可能に係合している。主軸ヘッド13には主軸15が設けられており、主軸15には、ツールマガジン(図示省略)に格納されている工具が、図示されていない周知の自動工具交換装置により交換可能に装着される。
【0013】Y軸テーブル7の機械手前側のストロークエンド位置は、図1にて実線により示されているように、Y軸テーブル7の機械奥側の外縁部7aが主軸ヘッド13の主軸15の中心位置Cより所定ストロークSaだけ機械手前側へ離れる位置に設定されている。
【0014】このストロークSaは、100〜200mm程度であってよく、このストロークSaは段取りストロークである。
【0015】これに対しY軸テーブル7の機械奥側の外縁部7aが主軸ヘッド13の主軸15の中心位置Cに整合する位置とY軸テーブル7の機械奥側のストロークエンド位置との間のストロークSbは、X軸テーブル9上の被加工物Wの加工に必要な最小限のストロークであり、これは加工用ストロークと呼ばれるものである。
【0016】従って、この立形マシニングセンタにおいては、ベット1に形成されるY軸方向のテーブルガイド部5の長さおよび図示されていないY軸テーブル7の軸送り装置の全長は従来のものより、段取りストロークSaだけ長く設定される。
【0017】なお、Y軸テーブル7が段取りストロークSaの領域に移動すると、安全性のために、インタロック機構によって主軸15の回転が禁止され、またY軸テーブル7の移動速度が、例えば5m/分程度に制限される。
【0018】上述の構成により、Y軸テーブル7は、機械手前側のストロークエンド位置では、機械奥側の外縁部7aが主軸ヘッド13の主軸15の中心位置Cより段取りストロークSaだけ機械前方へ離れる位置に位置することになる。
【0019】これにより機械前方にて吊り下げ荷役装置によって被加工物WをX軸テーブル9上に載置、あるいはX軸テーブル9上の被加工物Wを取り除く段取り作業時には、Y軸テーブル7が機械手前側のストロークエンド位置に移動されることにより、平面で見てY軸テーブル7、X軸テーブル9の主軸ヘッド13に対する機械手前側へのはみ出し量が段取りストロークSa分だけ増え、吊り下げ荷役装置のフックFなどが主軸ヘッド13に干渉することなく段取り作業が行われるようになる。
【0020】これにより吊り下げ荷役装置を使用しての段取り作業性が改善され、段取り作業時間が短縮される。
【0021】なお、本発明による立形工作機械は、上述のような固定コラム方式の立形マシニングセンタに限定されるものではなく、可動コラム方式の立形マシニングセンタ、その他、立形フライス盤などにも同様に適用されるものである。
【0022】以上に於ては、本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0023】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明による立形工作機械によれば、ワークテーブルが機械手前側のストロークエンド位置では、そのワークテーブルの機械奥側の外縁部が主軸ヘッドの主軸の中心位置より所定ストロークだけ機械手前側へ離れる位置に位置し、平面で見てワークテーブルの主軸ヘッドに対する機械手前側へのはみ出し量が増えることにより、吊り下げ荷役装置によって被加工物をワークテーブル上に載置する段取り作業時にフックなどが主軸ヘッドに干渉することがなくなるから、吊り下げ荷役装置を使用しての機械前方にての段取り作業性が改善され、段取り作業時間が短縮される。
 

 
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