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発明の名称 作業ロボット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−112790
公開日 平成8年(1996)5月7日
出願番号 特願平6−247973
出願日 平成6年(1994)10月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
発明者 尾 崎 文 夫 / 神 野 誠 / 吉 見 卓 / 辰 野 恭 市 / 玉 田 保 彦
要約 目的
作業ロボットに作業を行わせようとしたときに必要であったパラメータの設定、例えば研磨作業であれば工具を押し付ける方向、工具の作用点の位置、制御ゲインなどの設定を行うことなく、作業ロボットに行わせたい作業、使用する工具、使用する作用点の名称を指定する作業テーブル等を参照してこれらのパラメータを自動的に設定する作業ロボットを提供する。

構成
所望作業を選択し実行するために必要な複数のパラメータを解釈するロボット言語解釈装置10を備える作業ロボットであって、ロボット言語解釈装置3は、作業種類と工具種類とをパラメータとして有する作業テーブル12と、工具種類と工具使用条件とをパラメータとする工具テーブル13と、工具制御条件をパラメータとする動作テーブル14と、作業テーブル12、工具テーブル13および動作テーブル14におけるパラメータを指定するパラメータ指定手段11とを備えることを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】所望作業を選択し実行するために必要な複数のパラメータを解釈するロボット言語解釈装置を備える作業ロボットであって、前記ロボット言語解釈装置は、作業種類と工具種類とをパラメータとして有する作業テーブルと、工具種類と工具使用条件とをパラメータとする工具テーブルと、工具制御条件をパラメータとする動作テーブルと、前記作業テーブル、前記工具テーブルおよび前記動作テーブルにおけるパラメータを指定するパラメータ指定手段とを備えることを特徴とする作業ロボット。
【請求項2】前記作業テーブルは、研磨、研削あるいはバリ取り等の作業種類と、グラインダ、ファイバディスクあるいは円筒やすり等の工具種類とをパラメータとして有することを特徴とする請求項1に記載の作業ロボット。
【請求項3】工具テーブルは、グラインダ、ファイバディスクあるいは円筒やすり等の工具種類と、工具の質量や作用点等の工具使用条件とをパラメータとすることを特徴とする請求項1に記載の作業ロボット。
【請求項4】動作テーブルは、押し付け方向、制御則あるいは制御ゲイン等の工具制御条件をパラメータとすることを特徴とする請求項1に記載の作業ロボット。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、作業ロボットに係り、特に研磨、研削、バリ取り等の作業を行う作業ロボットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の作業ロボットは、例えば研磨作業を行う場合を例にとると、ゲインの設定、押し付け力の設定、押し付け方向の設定、力の検出方向の設定などと、種々のパラメータをそれぞれ個々に指定する必要があった。例えば工具を1kgで加工対象物の面へ垂直方向に押し付ける場合には、力を1kgと設定し、さらに、現在、使用中の工具に応じて工具の作用点と押し付け方向や力の検出方向などを適当な座標系で設定する必要があった。
【0003】また、作業種類に応じて最適なPID等の制御則や制御ゲインを選ぶことができることが望ましい。しかし、従来の作業ロボットでは、制御則や制御ゲインの選択方法が容易でなかったり、できたとしてもゲインを数値で直接入力するような煩雑な作業を必要としていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の作業ロボットは、特定する作業種類毎に、種々のパラメータを個々に指定する必要があり、設定が煩雑であった。例えば、ディスクグラインダのような工具を使用する場合を例にとると、ディスクの先端を使うのか、あるいは右端または左端を使うのかによって工具作用点の位置が大きく変動する。また、同じディスクグラインダを使うときでも対象とする作業が平面磨き作業なのか切削作業なのかによって制御則が変わってくる。また、同じ作業を行う場合でも、使用する工具が違えば制御ゲインが変わってくる。
【0005】このように、従来の作業ロボットにおいては、さまざまに変化するパラメータをユーザが使用工具、作業種類、作用点などに応じて設定する必要があるという問題点があった。このことは、ユーザによって作業ロボットが十分には利用されにくい状況を生じさせていた。
【0006】そこで本発明の目的は、上記従来技術の有する問題を解消し、作業種類毎に種々のパラメータを個々に指定する必要がない作業ロボットを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明による作業ロボットは、所望作業を選択し実行するために必要な複数のパラメータを解釈するロボット言語解釈装置を備える作業ロボットであって、前記ロボット言語解釈装置は、作業種類と工具種類とをパラメータとして有する作業テーブルと、工具種類と工具使用条件とをパラメータとする工具テーブルと、工具制御条件をパラメータとする動作テーブルと、前記作業テーブル、前記工具テーブルおよび前記動作テーブルにおけるパラメータを指定するパラメータ指定手段とを備えることを特徴とする。
【0008】また、前記作業テーブルは、研磨、研削あるいはバリ取り等の作業種類と、グラインダ、ファイバディスクあるいは円筒やすり等の工具種類とをパラメータとして有することが好適である。
【0009】また、工具テーブルは、グラインダ、ファイバディスクあるいは円筒やすり等の工具種類と、工具の質量や作用点等の工具使用条件とをパラメータとすることが好適である。
【0010】また、動作テーブルは、押し付け方向、制御則あるいは制御ゲイン等の工具制御条件をパラメータとすることが好適である。
【0011】本発明では、作業、工具、作用点などに応じて、自動的に上記で示したような変動するパラメータ(作業による制御則、工具による制御ゲイン、作用点)を決定するようになっている。そのために、作業、工具、作用点などの変動する要因の組み合わせと、対応する制御則、制御ゲインなどの動作用パラメータテーブルとの間を結び付ける作業テーブルが内蔵され、また、工具毎に工具テーブルを持ち、このテーブルに工具の質量や工具の作用点の座標値が収められている。ユーザが作業、工具、作用点などを指定すれば、この作業テーブルから制御則、制御ゲイン、押し付け方向、作用点の座標値、工具の質量など動作に必要なパラメータが割り出されるようになっている。
【0012】
【作用】パラメータ指定手段により、作業種類と工具種類とを指定して作業テーブルから作業を特定し、工具制御条件を指定して動作テーブルから制御条件を特定し、工具種類と工具使用条件とを指定して工具テーブルから使用する工具および使用条件を特定する。作業ロボットに所望作業を行わせるために設定する必要のあるパラメータは、作業テーブル、動作テーブルおよび工具テーブルに分類されているので、作業種類毎に種々のパラメータを個々に指定する必要がなくなり、ユーザはこのように限られた少ない個数のパラメータを指定するだけで、作業ロボットに所望作業を行わせることができる。
【0013】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して以下に説明する。図2は、本発明の作業ロボットの全体構成を示す図である。図2において、作業ロボットは、ロボット本体1と、ロボット本体1の制御装置2と、制御装置2へ指示を送るティーチペンダント3とを備えている。ロボット本体1の手先部には、作業対象物(ワーク)5に研削等の作業を行うエンドエフェクタ4が装着されている。
【0014】図1に示すように、ティーチペンダント3には、所望作業を選択し実行するために必要な複数のパラメータを解釈するロボット言語解釈装置10が設けられている。
【0015】ロボット言語解釈装置10は、作業テーブル12と、工具テーブル13と、動作テーブル14と、パラメータ指定手段11とを備えている。作業テーブル12は、研磨、研削あるいはバリ取り等の作業種類と、グラインダ、ファイバディスクあるいは円筒やすり等の工具種類とをパラメータとして有する。工具テーブル13は、グラインダ、ファイバディスクあるいは円筒やすり等の工具種類と、工具の質量や作用点等の工具使用条件とをパラメータとする。動作テーブル14は、押し付け方向、制御則あるいは制御ゲイン等の工具制御条件をパラメータとする。パラメータ指定手段11は、作業テーブル12、工具テーブル13および動作テーブル14におけるパラメータを指定するものであり、作業スイッチ11a、工具スイッチ11b、作用点スイッチ11cからなる3個の指示スイッチを有する。
【0016】図3に作業テーブル12の一例を示す。図3において、作業、工具、作用点、および動作テーブルの番号の4個のパラメータの組として、1行毎に作業セットが記載されている。作業セットの特定は、例えば作業スイッチ11a、工具スイッチ11bおよび作用点スイッチ11cの各スイッチを適当な回数だけ押して行われるが、ロボット言語による指定を行っても良い。
【0017】図4に動作テーブル14の一例を示す。図4において、押し付け方向、制御則の種類を指定する番号、制御ゲインの3個のパラメータの組として、動作テーブルの番号が対応づけられている。動作テーブルの特定は、作業テーブル12において作業セットが特定されると、自動的に動作テーブルの番号が特定され、特定された動作テーブルの番号に対応して、具体的内容が動作テーブル14で特定される。図5に工具テーブル13の一例を示す。図5において、工具名、質量、複数個の作用点の数個のパラメータの組として工具テーブルが構成されている。工具テーブルの特定は、例えば工具スイッチ11bおよび作用点スイッチ11cの各スイッチを適当な回数だけ押して行われるが、ロボット言語による指定を行っても良い。
【0018】なお、ここには記述していないが作業対象物5の属性、例えば硬さに応じても制御則や制御ゲインなどを変更する必要が有る可能性もある。このような変動する要因が他にも有れば、それらについてもテーブルを作成し、そのテーブルを参照することで簡単に作業対象物5の属性に応じた制御則あるいは制御ゲインの変更ができるようになる。
【0019】次に図7に、作業ロボットの操作手順をフローチャートで示す。ユーザが作業、工具、作用点を指定すると作業テーブル12から動作テーブル14が決まり、これより対応する動作テーブル14を参照すれば押し付け方向、制御則、制御ゲインなどが決定される。また指定された工具と作用点より工具テーブル13を参照して、質量や作用点の座標値が得られる。
【0020】具体的には、図7において、ST1において、作業スイッチ11a、工具スイッチ11bおよび作用点スイッチ11cの各スイッチを用いて作業種類、工具種類、作用点が指示される。これにより、作業テーブル12から特定の作業セットが特定される。次にST2において、特定された作業セットにおける動作テーブルの番号に対応して、動作テーブル14におけるパラメータが特定される。次に、ST3において、特定された動作テーブルのパラメータの読み込みが行われ、制御装置2へ指示される。同様に、ST4において、ST1における指示に基づき、工具テーブル13からパラメータが読み込まれ、制御装置2へ指示される。次に、ST5において、作業指示を待って、制御装置2へ指示したパラメータに基づいて、エンドエフェクタ4が作業対象物(ワーク)5に対して作業を行う。
【0021】次に、具体的な作業の一例について、図2、図6および図8を参照して説明する。いま、作業対象物5上の位置P1からP2までをグラインダで研磨し、続けてファイバディスクを用いて仕上げの研磨を行う作業を例にして説明する。本実施例の作業を説明を解りやすくするために、まず、このような作業を従来の作業ロボットが行う場合に必要としたプログラムについて図8を参照して説明する。従来の場合は、図8において、工具を選択(1)した後、ゲイン(2)、作用点(3)を設定し、押し付ける方向を定義(4)し、工具を動作させて(5)、P1へ向かう(6)。その後、押し付け力を1kgとしてP2まで向かう(7)。次に、P3へ待避(8)した後、工具を停止(9)し、ファイバディスクに持ち替える(10、11)。ここでグラインダでの作業とファイバディスクでの作業では制御ゲインが異なるのでゲインの再定義を行う(12)。また作用点も異なるので、ファイバディスクの作用点を定義(13)する。次に、工具を動作(14)させ、P1へ向かい(15)、P2まで力を0.5kgで押し付けながら移動する(16)。
【0022】これに対して、本実施例では、図6に示すようなプログラムに従って作業が行われる。本実施例では、まず作業を定義する。ここでは研磨作業(Grind)を定義している(1)。次に、工具をグラインダと定義(2)し、作用点をグラインダの先端(3)としている。この後、工具を動作させて(4)、P1へ向かう(5)。その後、押し付け力を1kgとしてP2まで向かう(6)。P3へ待避(7)した後、工具を停止(8)し、ファイバディスクに持ち替える(9、10)。ここではグラインダもファイバディスクも同じ作用点(先端)を使うので作用点の指定は必要なく、工具テーブルより自動的に作用点の座標値が読み込まれる。そして工具を動作(11)させ、P1へ向かい(12)、P2まで力を0.5kgで押し付けながら移動する(13)。
【0023】図6に示す本実施例を図8に示す従来例と以下に比較する。図8に示す従来例における(2)、(12)のゲインの設定、(3)、(13)の作用点の設定、(4)の押し付け方向の定義は、ユーザにとって煩雑である。この様な繁雑さが、従来の作業ロボットを容易に使用できない最大の理由であった。これに対して、図6に示す本実施例によるプログラムでは、ユーザは作業ロボットに行わせたい作業、使用する工具、作用点を指定した後、作業ロボットの動作を記述すればロボットが自動的に作業に適した押し付け方向や制御ゲインを選択し、作業を行うことができる。このため、作業ロボットを用いて作業するために必要なプログラミングが簡略化され、その煩雑さが大幅に低減する。
【0024】以上説明したように、本実施例の構成によれば、従来、設定が煩雑あるいは異なる作業、工具など毎にパラメータを入れ換える必要のあった制御ゲインなどを自動的に選択、設定することができる。この結果、ユーザは作業、工具、作用点などを指定するだけで簡単に必要なプログラムを作成することができる。ユーザは作業、使用工具、登録された工具作用点などを指定するだけで、従来必要であった様々なパラメータの設定を行う必要がなくなる。これらのパラメータは本来ユーザが設定するようなものではなく、例えばメーカにより設定されておくべきものである。本実施例ではユーザは作業ロボットに行わせたい作業、工具、作用点および動作命令を指定すればよく、細々としたパラメータの設定という繁雑な作業を行う必要がなくなる。
【0025】なお、上述の実施例の説明において、ロボット言語解釈装置10はティーチペンダント3に設けられているとしたが、制御装置2に設けてもよく、あるいは、ティーチペンダント3と制御装置2との両方にまたがって設けてもよい。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明の構成によれば、作業種類毎に種々のパラメータを個々に指定する必要がない作業ロボットを提供することができる。
 

 
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