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発明の名称 射出圧縮成形装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−103958
公開日 平成8年(1996)4月23日
出願番号 特願平6−256302
出願日 平成6年(1994)9月26日
代理人
発明者 小宮山 吉三 / 藤田 滋
要約 目的
床占有面積が小さく、しかもタイバーのない構造が簡単な竪型の型締装置の射出圧縮成形装置を提供する。

構成
一体的に構成された筐体の一面に設けた固定金型を取付けるための固定ダイプレートに対してサーボモータにより移動金型を取付けた移動ダイプレートを進退自在になし、前記筐体に固着した高精度ガイド装置により移動ダイプレートの反金型取付面に連結されたスライド軸を高精度に移動させるとともに、サーボモータに取付けた回転量検出器により移動ダイプレートの射出圧縮のための設定位置と型閉位置移動位置を制御する構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】 射出装置より溶融樹脂を型閉状態の金型キャビテイ内に射出充填し、その充填圧力により金型キャビテイを開いた後、或いは金型キャビテイをわずかに開いた状態で溶融樹脂を充填した後、金型キャビテイ容積を圧縮するように成した射出圧縮成形装置において、一体的に構成された竪型筐体の一面に設けた固定金型を取付けるための固定ダイプレートと、前記固定ダイプレートに対して進退自在に設けた移動金型を取付けた移動ダイプレートと、前記移動ダイプレートの反金型取付面に連結されたスライド軸と、前記筐体に一体的に取付けた横部材に固着したブラケットに設けた型締方向に平行なガイドに沿ってスライド軸を高精度に移動させる前記筐体に固着した高精度ガイド装置と、スライド軸に螺合し、サーボモータの回転力で定位置回転するとともに前記スライド軸と協動して同スライド軸を型締方向に進退させる推力に変換するスクリュ軸と、前記移動ダイプレートの移動位置を検出する位置検出装置と、型締圧力を検出する荷重センサとを有して成る射出圧縮成形装置。
【請求項2】 前記移動ダイプレートの移動位置を検出する位置検出装置はサーボモータに取付けた回転量検出器としたことを特徴とする前記請求項1記載の射出圧縮成形装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、サーボモータを駆動源とする型締装置を有する射出圧縮成形装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来からサーボモータは低速回転時に大きなトルクが得られ、トルクイナーシャ比が大きいため応答性が良く、速度可変範囲も広いのでそれを駆動源とする型締装置は良く知られていて、射出圧縮成形装置にもこの種の型締装置は使用されている。
【0003】図3および図4により、この種の型締装置を使用した射出圧縮成形装置を特公平3−79169号公報により説明すると,型締装置1は機台3の上に向き合わせに設けた一対の固定盤10、11と、同固定盤10、11に亘って架設したタイバー12と、同タイバー12に移動自在に取付けた移動盤13とを有し、固定盤11と移動盤13との対向面には、それぞれ固定金型14aと移動金型14bが設けてある。
【0004】移動盤13の反金型取付面には外周面にねじ溝15aを設けたねじ軸15が連結してある。このねじ軸15は前記固定盤10に玉軸受け16を用いて回転自在に嵌挿した回転筒17のナット状の軸受部材18に挿通してあり、かつ軸受部材18の内側に設けた螺旋溝内の多数のボール19と、前記ねじ溝15aとの嵌合により回転筒17が回転したとき軸方向に移動するようになっている。
【0005】また前記固定盤10から突出した回転筒17の端部には、歯形を有するスプロケット20が固定盤10から離して取付けてあり、固定盤10とスプロケット20との間には電磁ブレーキ21が設けてあり、同電磁ブレーキ21にあるコイルに通電すると前記スプロケット20の回転を阻止するようになっている。
【0006】前記機台3の内側には回転量検出器23を備えたサーボモータ22が設けてあり、機台側壁から突出したサーボモータ22の回転軸24には歯形を有するスプロケット25が取付けてあって前記スプロケット20とにわたって歯付きベルト26が掛け渡してある。
【0007】以上のような構成となっており、次にその動作、作用について説明する。先ずサーボモータ22を正回転させると、その回転力は回転軸24のスプロケット25から回転筒17に取付けられたスプロケット20へ伝達され、その回転筒17に螺合した前記ねじ軸15とにより、同ねじ軸15の推力に変換されて移動盤13がねじ軸15とともに型締方向(図中右方向)に移動する。
【0008】移動金型14bが図4に示す予め設定した型締位置Aに達したことを回転量検出器23が検出すると、通電により電磁ブレーキ21が作動してスプロケット20と一緒に回転筒17の回転が拘束される。これによりねじ軸15を介して移動盤13も移動金型14bとともに拘束され、型閉位置Aにて保持されて射出圧力に対向する。次に閉鎖金型内に射出筒27から溶融樹脂28が射出充填され、それが完了すると電磁ブレーキ21への電流が遮断されてブレーキ解除となる。
【0009】これによりスプロケット20と回転筒17の拘束も解除されるので、再びサーボモータ22を正回転させると、ねじ軸15が型締方向に移動して移動盤13とともに移動金型14bを設定位置Bが回転量検出器23により検出されるまで、金型内の樹脂を圧縮しつつ移動して強力な型締工程に入る。冷却後にサーボモータ22を逆回転させると、前記ねじ軸15とともに移動盤13が後退移動(図中左方向)して金型が開かれ、成形品の取出しが行われる。
【0010】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、前述の従来装置はいわゆる横型式であり、これは床専有面積が大きいばかりでなく、型締装置はタイバーがあるため金型交換、製品取出し等に制約がある。また、射出圧力に対して一旦閉じた金型14a,14bが開かないように電磁ブレーキ21を設けてあり、構造が複雑となっていた。
【0011】床専有面積が大きいという欠点は型締装置や、或いは装置全体を竪型にすることにより、その欠点を補うことができるが、前述の型締装置にタイバーがあること、および射出圧力に対する型開き防止のための電磁ブレーキを設けることによる構造の複雑化するという欠点は依然として存在している。本発明の目的は前述の欠点を取除き、床専有面積を小さくするとともに、構造が簡単で、しかもタイバーがない型締装置を有する射出圧縮成形装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の目的を達成するため本発明は射出装置より溶融樹脂を型閉状態の金型キャビテイ内に射出充填し、その充填圧力により金型キャビテイを開いた後、或いは金型キャビテイをわずかに開いた状態で溶融樹脂を充填した後、金型キャビテイ容積を圧縮するように成した射出圧縮成形装置において、一体的に構成された竪型筐体の一面に設けた固定金型を取付けるための固定ダイプレートと、前記固定ダイプレートに対して進退自在に設けた移動金型を取付けた移動ダイプレートと、前記移動ダイプレートの反金型取付面に連結されたスライド軸と、前記筐体に一体的に取付けた横部材に固着したブラケットに設けた型締方向に平行なガイドに沿ってスライド軸を高精度に移動させる前記筐体に固着した高精度ガイド装置と、スライド軸に螺合し、サーボモータの回転力で定位置回転するとともに前記スライド軸と協動して同スライド軸を型締方向に進退させる推力に変換するスクリュ軸と、前記移動ダイプレートの移動位置を検出する位置検出装置と、型締圧力を検出する荷重センサとを有して成る射出圧縮成形装置とした。
【0013】また、移動ダイプレートの移動位置を検出する位置検出装置はサーボモータに取付けた回転量検出器としたことを特徴とする前記請求項1記載の射出圧縮成形装置とした。
【0014】
【作用】型締装置を竪型にしたので床専有面積が小さく、しかもタイバーに代えて高精度ガイド装置を設けたので、金型交換、製品取出し等に制約が無くなった。
【0015】
【実施例】次に本発明の1実施例を図1および図2により説明する。一体的に構成された竪型筐体のフレーム50の内部空間51の天井部には固定ダイプレート52に取付けられた固定金型53が設けてある。同固定金型53に対向して下方からは移動ダイプレート54に取付けられた移動金型55が進退(図中上下方向に昇降する)し,前記固定金型53および移動金型55が当接したとき、両金型53および55は図示してない金型キャビテイを形成し、射出装置56から図示してない金型ゲートを介して溶融樹脂が射出されるようになっている。
【0016】移動ダイプレート54の反金型取付面にはスライド軸57が移動ダイプレート54に対し垂直に取付けられており、同スライド軸57の移動ダイプレート54の反対端は内径部が図示してないボールねじを介して定位置で回転のみして、軸方向の移動を拘束されたるスクリュ軸58に嵌合している。
【0017】よって、同スクリュ軸58の下端(反スライド軸側)にはサーボモータ59の出力軸60に連結されたウォーム61に噛合うウォームギア62が設けてあるので、サーボモータ59が正逆回転すると前記スクリュ軸58が定位置で回転し、スクリュ軸58の回転力はスライド軸57が図中上下方向に進退する推力に変換され、移動ダイプレート54に取付けられた移動金型55が固定金型53に対し前進(図中上方向に移動する)し、両金型53および55の型閉じが行われるようになっている。
【0018】前記スライド軸57にはスライダ63が設けてあり、同スライダ63はフレーム50に一体的に取付けた横部材64に固着したブラケット65に設けた型締方向に平行なガイド66に高精度にしかも摺動抵抗が少ないナット67を介して取付けてある。
【0019】従って、ブラケット65はフレーム50に一体的に設けてあり、剛性が高く、そのブラケット65に取付けたガイド66に案内されるスライダ63に取付けられた移動金型55を取付けたスライド軸57の昇降動作は摺動抵抗が少く、しかも高精密であり精密成形ができる。
【0020】また、スライド軸57とスクリュ軸58の間には荷重センサ68が設けてあり、移動ダイプレート54に掛かる荷重を検知し、その検出値により前記サーボモータ59の電流値閉ループで制御してトルク制御が行われるようになっている。ここで、前記荷重センサ68はスライド軸57とスクリュ軸58の間に設けるばかりでなく、例へば金型キャビテイ内の樹脂圧力を検出することに代えても良い。
【0021】前記サーボモータ59には回転量検出器69が設けてあり、モータの回転数により移動ダイプレート54の位置を制御するようになっている。また、この移動ダイプレート54の位置検出も上述の方法ばかりでなく、移動ダイプレート54の位置検出をするリミットスィッチ、リニアゲージ等を用いても良いことは勿論である。
【0022】以上のような構成となっており、次にその動作作用を説明する。サーボモータ59を正回転させると、その回転力は出力軸60からウォーム61,ウォームギヤ62を介してスクリュ軸58に伝達され、スライド軸57が移動ダイプレート54を図中上方向に押上げる。
【0023】移動ダイプレート54の移動位置、即ち、両金型53および55が形成する金型キャビテイが予め定められた圧縮代を保つ位置となると、回転量検出器69がサーボモータ59の予め設定された回転数を検知し、移動ダイプレート54の移動は停止する。
【0024】次いで、金型キャビテイ内に射出装置56から溶融樹脂が射出され、射出が完了すると再びサーボモータ59が正回転し、スライド軸57が型締方向(図中上方向)に移動し、キャビテイ内にの充填された樹脂を圧縮する。冷却工程の後、サーボモータ59が逆回転するとスライド軸57が型開方向(図中下方向)に後退し、型開きが行われる。
【0025】
【発明の効果】本発明は以上説明したように、型締装置が竪型となり、床占有面積が小さくなったばかりでなく、射出圧縮成形は射出圧力が低くても良く、従って型締力も低くて済み、タイバーを無くした本発明のような高精度ガイド装置で充分であり、タイバーを無くした分、金型回りの空間が広くなり、型交換、製品取出し等がし易くなった。また、ウォームとウオームギヤの噛合いは逆転防止となり、射出工程時の射出圧力に対する型開き防止のための電磁ブレーキを設ける必要がなく、従って構造も簡単となった。
 

 
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