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発明の名称 射出成形機の油圧回路
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−103924
公開日 平成8年(1996)4月23日
出願番号 特願平6−263058
出願日 平成6年(1994)10月3日
代理人
発明者 秋葉 鉄雄 / 瀬川 修
要約 目的
計量が安定して出来、しかも大容量の作動油を円滑に処理できるとともに、射出ストロークエンドの直前においてピストンをゆっくりと移動させる射出成形機の油圧回路を提供する。

構成
射出するに際し、スクリユの前進をアキュムレータで行う射出装置を有する射出成形機の油圧回路において、射出シリンダの戻り側油室にメインスプールのストロークを規制するストロークリミッタを設けた方向切換弁を介してポンプおよび油タンクへ選択的に連通する管路を設けるとともに、前記管路の射出シリンダンダと方向切換弁の間からアキュムレータによるパイロット圧でその管路を開閉する開閉弁を介して油タンクへ連通する分岐管路を設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】 スクリュ前方に蓄積された溶融樹脂を射出するに際し、スクリユの前進をアキュムレータで行う射出装置を有する射出成形機の油圧回路において、加熱バレル内に嵌着されたスクリユを進退移動させる射出シリンダの射出側油室と反対側にある戻り側油室にメインスプールのストロークを規制するストロークリミッタを設けた方向切換弁を介してポンプおよび油タンクへ選択的に連通する管路を設けるとともに、前記管路の射出シリンダと方向切換弁の間から分岐し、前記アキュムレータによるパイロット圧でその管路を開閉制御する開閉弁を介して油タンクへ連通する分岐管路を設けたことを特徴とする射出成形機の油圧回路。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形機の油圧回路に係わり、特にスクリュ前方に蓄積された溶融樹脂を射出するに際し、スクリユの前進をアキュムレータで行い、射出完了直前の射出ストロークエンド近くにおいてスクリュがゆっくりと移動した後、停止するように成した射出装置の油圧回路に関する。
【0002】
【従来技術】この種従来装置を図3により説明すると、1は射出装置で、図示してない加熱バレルにスクリュ2が嵌着されており、図示してない油圧モータにより軸芯を中心に回転するとともに、射出シリンダ3により軸方向に進退可能となっている。前記射出シリンダ3の内径には前記スクリュ2と一体的に連結されているピストン4が摺動自在に嵌着されていて、スクリュ2を前進(図中左方向に移動する)させる射出用油室5およびスクリュ2を後退(図中右方向に移動する)させる戻り側油室6にシリンダ内を分割している。
【0003】前記射出用油室5には射出時に図示してないアキュムレータから高圧で大容量の作動油が作用し、ピストン4、即ちスクリュ2を高速で前進させるとともに、計量時にスクリュ2の前方に蓄積された溶融樹脂の圧力により後退するピストン4により作動油を排出するための管路7が設けてある。また、戻り側油室6には射出時に前記射出用油室5に作用するアキュムレータからの大容量の作動油により同戻り側油室6からの作動油を排出させるとともに、計量時に油タンク8から作動油を吸上げるための管路9が設けてある。
【0004】前記管路9には戻り側油室6側から通過できないチェック弁付きの流量調整弁10が設けてあり、射出時の完了直前の射出ストロークエンド近くにおいてピストン4が高速で移動し、シリンダを破損させることのないように管路9内を油タンク8に向かって戻る作動油にある程度の抵抗を与える、即ちピストン4のブレーキングを行うようにしている。
【0005】12は管路9のバイパス回路で、その開閉制御は電磁切換弁11で行っていて、射出時のスクリュの高速移動時および計量時に管路9を通る作動油が流量調整弁10のために抵抗を受け、円滑に通過できずにスクリュの高速移動および計量が安定して行われなくなることを防止するために設けてある。
【0006】以上説明したような構成となっており、次にその作用動作を説明すると、射出工程が完了し、次の射出に際し計量工程になり、電磁切換弁13が図示したような中立位置となるとともに、電磁切換弁11が励磁され、戻り側油室6は電磁切換弁11および13を介して油タンク8に繋がり、スクリュ2は図示してない油圧モータにより回転され、スクリュ2は樹脂材料を前方に移送しながらスクリュ2前方に蓄積された樹脂材料の圧力に押され後退する。
【0007】スクリュ2が後退するにしたがって戻り側油室6が負圧となり、同戻り側油室6は電磁切換弁11および13を介して油タンク8から作動油を吸上げる。スクリュ2の前方に予め定められた量の溶融樹脂が蓄積されると計量工程は完了し、次に射出工程となる。
【0008】射出工程では図示してないアキュムレータから管路7を介して大容量の圧油が前記射出用油室5に作用し、スクリュ2は高速で前進し計量された溶融樹脂を図示してない金型内へ射出する。一方戻り側油室6内の油は電磁切換弁11および13を介して一気に油タンク8へ排出されるようになっている。
【0009】ここで射出ストロークエンドまで一気に高速でスクリュ2、即ちピストン4が移動してしまうと射出シリンダ3にショックを与えたり破損させてしまう恐れがあるので、射出ストロークエンドの直前で電磁切換弁11が無励磁となり、バイパス回路12を閉じ、今までバイパス回路12を通っていた戻り側油室6からの排出油は今度は流量調整弁10を通過することになり、戻り側油室6からの排出油に予め定めた抵抗を与えピストン4をゆっくりと移動させた後、停止するようになっている。
【0010】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら計量時に戻り側油室6が油タンク8から作動油を吸上げるに際し、前述のように流量調整弁10のために管路が絞られる結果、計量する溶融樹脂の量が不安定にならないように、加えて射出時の戻り側油室6内の大容量の油を一気に油タンク8へ排出させるためバイパス回路12および同回路12の切換用に電磁切換弁11を設けなければならない。さらにその電磁切換弁11は戻り側油室6内の大容量の油を処理する必要があり、大型の大容量の弁を使用しなくてはならないのでコスト的に高いものとなってしまうという欠点があった。
【0011】本発明の目的は前述の欠点を取除き、計量が安定して出来、しかも大容量の作動油を円滑に処理できるとともに、射出ストロークエンドの直前でピストンをゆっくりと移動させた後、停止させる射出成形機の油圧回路を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前述の欠点を取除くため、本発明はスクリュ前方に蓄積された溶融樹脂を射出するに際し、スクリユの前進をアキュムレータで行う射出装置を有する射出成形機の油圧回路において、加熱バレル内に嵌着されたスクリユを進退移動させる射出シリンダの射出側油室と反対側にある戻り側油室にメインスプールのストロークを規制するストロークリミッタを設けた方向切換弁を介してポンプおよび油タンクへ選択的に連通する管路を設けるとともに、前記管路の射出シリンダンダと方向切換弁の間から分岐し、前記アキュムレータによるパイロット圧でその管路を開閉制御する開閉弁を介して油タンクへ連通する分岐管路を設けたことを特徴とする射出成形機の油圧回路とした。
【0013】
【作用】本発明によれば射出時および計量時の戻り側油室からの作動油の出入りも円滑に出来、かつ射出時の射出ストロークエンド直前におけるブレーキングも方向切換弁にストロークリミッタを設けたことで可能となった。
【0014】
【実施例】次に本発明の1実施例を図1により説明する。説明に当たり、従来装置と同じ部材は同一番号を付してその説明を省き,新たに加わった部材に新しい番号を付してその説明を行う。戻り側油室6に設けた配管9には選択的にポンプ14および油タンク8に切換えるともに、メインスプールのストロークを規制するストロークリミッタを設けた電磁方向切換弁15が設けてあり、同切換弁15を通過する作動油に抵抗を与えるようにしている。さらに前記管路9の戻り側油室6と方向切換弁15の間からは分岐管路16が分岐していて、同分岐管路16にはロジック弁17とその開閉を制御する電磁切換弁18が設けてある。同電磁切換弁18が無励磁のときはロジック弁17のパイロット回路は図示してない油タンク8へ繋がり、ロジック弁17は開き状態となって前記戻り側油室6からの油はロジック弁17を経て油タンク8に流れるようになっている。
【0015】また電磁切換弁18が励磁されているときはロジック弁17のパイロット回路に図示してないアキュムレータからの圧油が作用し、ロジック弁17を閉じ状態とし、戻り側油室6からの油は油タンク8に戻れないようになっている。
【0016】ここで前述の説明は”イ“で示した開閉弁をロジック弁としたが、勿論これに限らず例へば図2に示すようにパイロット付きチェック弁19としても良く、電磁切換弁18の切換により前記パイロット回路にアキュムレータからの圧油が作用しているとき、即ち、電磁切換弁18が励磁されているときはチェック弁19は開き、パイロット回路に圧油が作用していないとき、即ち、図示したような電磁切換弁18が無励磁のときはチェック弁19は閉じ状態となる。
【0017】以上説明したような構成となっており、次に作用動作を説明すると、計量時には方向切換弁15が中立位置となり、電磁切換弁18を図示したような無励磁としておくと、スクリュ2の後退により戻り側油室6は油タンク8から油を吸上げ、この油吸上げ時に同油はストロークリミッタ付きの切換弁15を通過するため吸上げは拘束されるが、分岐管路16もロジック弁17を介して油タンク8へ連通しているのでこの分岐管路16から何等抵抗なく油を吸上げることができる。
【0018】計量工程が完了し、次に射出工程になると電磁切換弁18を励磁させ、方向切換弁15は中立位置をそのまま保ち続けるので、アキュムレータから高圧で大容量の作動油が管路7より射出側油室5へ作用すると、戻り側油室6内の油は分岐管路16からは油タンク8へ戻ることができず、電磁切換弁15を介してのみ、油タンク8へ戻り、この間に方向切換弁15に設けたストロークリミッタにより通過する作動油に抵抗を与え、ピストン4にブレーキを掛け、前記ピストン4が高速で移動しないようにしてシリンダ3にショックを与えたり、破損をさせないようにしている。
【0019】図2に示す例も電磁切換弁18の励磁、無励磁位置を夫々アキュムレータ、油タンク8に連通させる他は同様に作用動作が行われる。
【0020】
【発明の効果】本発明は以上説明したように射出時および計量時の戻り側油室からの作動油の出入りも円滑に出来、かつ射出時の射出ストロークエンド直前におけるブレーキングも方向切換弁にストロークリミッタを設けたことで可能となった。
 

 
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