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発明の名称 干渉チェック方法および加工プログラムチェック方法および加工適否チェック方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−52638
公開日 平成8年(1996)2月27日
出願番号 特願平6−191525
出願日 平成6年(1994)8月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和 (外3名)
発明者 湯浅 明彦 / 熊本 聰 / 広瀬 敏之 / 河野 真 / 野田 豊
要約 目的
干渉チェックを作業者の目視によることなく自動的に的確に能率よく行う干渉チェック方法を提供すること。

構成
3次元測定装置45によって加工素材Wの3次元形状を計測して加工素材形状データを取得し、加工工具、工具ホルダを装着された主軸頭を含む機械側の3次元形状を定義した機械形状データを取得し、加工プログラムの実行による主軸頭43とワークテーブル35との相対移動位置にて前記加工素材形状データより与えられる前記加工素材の座標位置が前記機械形状データより与えられる機械側の占有空間に入っているか否かを演算処理手段による演算処理によって判別し、加工素材Wの座標位置が機械側の占有空間に入っている場合には加工素材Wと機械とが干渉すると判定する。
特許請求の範囲
【請求項1】 3次元測定検出器によって加工素材の3次元形状を計測して加工素材形状データを取得し、加工工具、工具ホルダを装着された主軸頭を含む機械側の3次元形状を定義した機械形状データを取得し、工作機械の主軸頭とワークテーブルとの相対移動位置にて前記加工素材形状データより与えられる前記加工素材の座標位置が前記機械形状データより与えられる機械側の占有空間に入っているか否かを演算処理手段による演算処理によって判別し、加工素材の座標位置が機械側の占有空間に入っている場合には加工素材と機械とが干渉すると判定することを特徴とする干渉チェック方法。
【請求項2】 3次元測定検出器によって加工素材の3次元形状を計測して加工素材形状データを取得すると共に加工完了の加工物の3次元形状を定義した製品形状データを取得し、演算処理手段による演算処理によって同一座標位置における前記加工素材形状データと製品形状データとの差が予め規定されている標準切り込み代より大きい否かを判別し、それが大きい場合には加工プログラムの変更指示を行うことを特徴とする加工プログラムチェック方法。
【請求項3】 3次元測定検出器によって加工素材の3次元形状を計測して加工素材形状データを取得すると共に加工完了の加工物の3次元形状を定義した製品形状データを取得し、同一座標位置における前記加工素材形状データと製品形状データとの差が規定値より大きい否かを演算処理手段による演算処理によって判別し、同一座標位置における前記加工素材形状データと製品形状データとの差が規定値より大きい場合には前記加工プログラムの作成ミスあるいは加工素材の形状異常であると判定することを特徴とする加工適否チェック方法。
【請求項4】 工作機械に装着された加工工具、工具ホルダを撮像して実工具形状データを取得し、加工工具、工具ホルダの形状を定義した工具形状データを取得し、前記実工具形状データと前記工具形状データとを演算処理手段によって比較照合し、前記実工具形状データと前記工具形状データとが相違している場合には加工工具、工具ホルダの装着ミスであると判定することを特徴とする請求項1に記載の干渉チェック方法。
【請求項5】 前記3次元測定検出器による加工素材の3次元形状の計測は、前記3次元測定検出器の保持手段と、加工素材を前記3次元測定検出器による3次元形状計測位置に位置決め配置できるテーブルを有する工作機械とは別の3次元形状計測装置を使用して行うことを特徴とする請求項1また4に記載の干渉チェック方法あるいは請求項2に記載の加工プログラムチェック方法あるいは請求項3に記載の加工適否チェック方法。
【請求項6】 工作機械の主軸頭に加工工具に代えて前記3次元測定検出器を装着し、前記主軸頭と加工素材を設置された工作機械のワークテーブルとを工作機械の座標軸方向に相対移動させて前記加工素材の3次元形状の計測を工作機械の座標軸上で行うことを特徴とする請求項1また4に記載の干渉チェック方法あるいは請求項2に記載の加工プログラムチェック方法あるいは請求項3に記載の加工適否チェック方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はNC工作機械などの工作機械のための干渉チェック方法および加工プログラムチェック方法および加工適否チェック方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】NC装置などにより加工プログラムを実行し、加工プログラムの実行により得られる送り指令によって加工素材を設置されたワークテーブルと主軸頭とを機械座標軸方向に相対移動させ、前記主軸頭に装着された加工工具により前記加工素材の加工を自動的に行うマシニングセンタなどの工作機械は知られている。
【0003】この種の工作機械、特に大型の工作機械においては、工作機械の破損防止と加工素材と保護のために、送り指令による前記主軸頭と前記ワークテーブルとの相対移動位置過程にて、加工工具、工具ホルダを装着された主軸頭と加工素材とが干渉(衝突)しないかを、加工に先立って各加工素材毎にチェックすることが好ましい。
【0004】従来、この干渉チェックは、工作機械のワークテーブルに加工素材を設置し、主軸頭の加工工具を逃がした空運転状態にて加工プログラムを実行し、主軸頭とワークテーブルとを機械座標軸方向に実際に相対移動させ、その状態にて主軸頭とワークテーブル上の加工素材との関係を作業者が目視することにより行われている。またこの干渉チェックに併せて作業者は、目視により取り代のばらつきも調べ、これに基づいて加工プログラムの作成ミスを発見したり、加工プログラムの切り込み回数の変更の必要性を見いだしたりし、また目視により加工素材の形状異常を発見している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】作業者の目視による干渉チェック、目視により取り代のばらつきに基づく加工プログラムの作成ミスの発見、加工プログラムの変更の必要性を見いだすこと、加工素材の形状異常の発見は、すべて作業者の経験度、勘に依存するところが大きく、間違えが発生する虞れがあり、しかも作業能率が悪く、作業者に掛ける負担度が大きい。
【0006】近年、CAD/CAMによる加工プログラムの作成により、データ作成の精度が向上していることにより、プルーブアウトに時間が掛かる型加工などにおいては、時間短縮のために、プルーブアウトを行わずに実加工を開始することが一部で行われているが、しかし何れの場合も主軸頭と加工素材とが絶対に干渉しないと云う保障はなく、主軸頭と加工素材とが干渉すると、甚大な損失を招く虞れがある。
【0007】本発明は、上述の如き問題点に着目してなされたものであり、干渉チェック、加工プログラムの作成ミスの発見、加工プログラムの変更の必要性を見いだすこと、加工素材の形状異常の発見、さらには工具の装着ミスの発見などを、作業者の目視によることなくすべて自動的に的確に能率よく行い、プルーブアウトを含む運転準備時間を短縮し、能率よく安全に加工が行われるようにする工作機械のための干渉チェック方法、加工プログラムチェック方法、加工適否チェック方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的を達成するために、本発明による干渉チェック方法は、3次元測定検出器によって加工素材の3次元形状を計測して加工素材形状データを取得し、加工工具、工具ホルダを装着された主軸頭を含む機械側の3次元形状を定義した機械形状データを取得し、工作機械の主軸頭とワークテーブルとの相対移動位置にて前記加工素材形状データより与えられる前記加工素材の座標位置が前記機械形状データより与えられる機械側の占有空間に入っているか否かを演算処理手段による演算処理によって判別し、加工素材の座標位置が機械側の占有空間に入っている場合には加工素材と機械とが干渉すると判定することを特徴としている。
【0009】本発明による干渉チェック方法は、上述の干渉判定に加えて、工作機械に装着された加工工具、工具ホルダを撮像して実工具形状データを取得し、加工工具、工具ホルダの形状を定義した工具形状データを取得し、前記実工具形状データと前記工具形状データとを演算処理手段によって比較照合し、前記実工具形状データと前記工具形状データとが相違している場合には加工工具、工具ホルダの装着ミスであると判定することをもう一つの特徴としている。
【0010】また上述の如き目的を達成するために、本発明による加工プログラムチェック方法は、3次元測定検出器によって加工素材の3次元形状を計測して加工素材形状データを取得すると共に加工完了の加工物の3次元形状を定義した製品形状データを取得し、演算処理手段による演算処理によって同一座標位置における前記加工素材形状データと製品形状データとの差が予め規定されている標準切り込み代より大きい否かを判別し、それが大きい場合には加工プログラムの変更指示を行うことを特徴としている。
【0011】また上述の如き目的を達成するために、本発明による加工適否チェック方法は、3次元測定検出器によって加工素材の3次元形状を計測して加工素材形状データを取得すると共に加工完了の加工物の3次元形状を定義した製品形状データを取得し、同一座標位置における前記加工素材形状データと製品形状データとの差が規定値より大きい否かを演算処理手段による演算処理によって判別し、同一座標位置における前記加工素材形状データと製品形状データとの差が規定値より大きい場合には前記加工プログラムの作成ミスあるいは加工素材の形状異常であると判定することを特徴としている。
【0012】また上述の何れの方法も、3次元測定検出器による加工素材の3次元形状の計測は、前記3次元測定検出器の保持手段と、加工素材を前記3次元測定検出器による3次元形状計測位置に位置決め配置できるテーブルを有する工作機械とは別の3次元形状計測装置を使用して行うこと、あるいは工作機械の主軸頭に加工工具に代えて前記3次元測定検出器を装着し、前記主軸頭と加工素材を設置された工作機械のワークテーブルとを工作機械の座標軸方向に相対移動させて前記加工素材の3次元形状の計測を工作機械の座標軸上で行うことを詳細な特徴としてよい。
【0013】
【作用】本発明による工作機械の干渉チェック方法においては、3次元測定検出器によって加工素材の3次元形状を計測して加工素材形状データを取得し、工作機械の主軸頭とワークテーブルとの相対移動位置にて加工素材形状データより与えられる加工素材の座標位置が機械形状データより与えられる機械側の占有空間に入っているか否かの判別を演算処理手段による演算処理によって行い、この演算処理により加工素材と機械との干渉チェックが行われる。
【0014】さらには工作機械に装着された加工工具、工具ホルダを撮像して実工具形状データを取得し、その実工具形状データと工具形状データとを比較照合を演算処理手段により行い、この比較照合によって工作機械に正しい加工工具、工具ホルダが装着されているか否かの判別が行われる。
【0015】本発明による工作機械の加工プログラムチェック方法においては、3次元測定検出器によって加工素材の3次元形状を各座標位置にて計測し、同一座標位置における加工素材形状データと加工完了の加工物の3次元形状を定義している製品形状データとの差が標準切り込み代より大きい否かの判別を演算処理手段による演算処理によって行い、前記差が標準切り込み代より大きい場合には加工プログラムの変更指示が行われる。
【0016】本発明による工作機械の加工適否チェック方法においては、3次元測定検出器によって加工素材の3次元形状を計測して加工素材形状データを取得し、同一座標位置における加工素材形状データと加工完了の加工物の3次元形状を定義している製品形状データとの差が規定値より大きい否かの判別を演算処理手段による演算処理によって行い、この差が規定値より大きい場合には加工プログラムの作成ミスあるいは加工素材の形状異常であると判定する。
【0017】また上述の何れの方法においても、3次元測定検出器による加工素材の3次元形状の計測は、工作機械とは別の3次元形状計測装置により、あるいは工作機械の座標軸上で行われる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面を用いて詳細に説明する。
【0019】図1は本発明による各チェック方法の実施に使用する検査装置のシステム構成図である。この検査装置は演算処理装置1と画像処理装置3とを有している。
【0020】演算処理装置1は、マイクロコンピュータなどにより構成され、干渉チェック部5と装着工具チェック部7と加工プログラムチェック部9と加工適否チェック部11とを含んでいる。
【0021】画像処理装置3には、3次元測定検出器としてCCDカメラ13とプロジェクタ15とによる加工素材撮像用の3次元撮像装置17と、装着工具撮像用のCCDカメラ19とが接続されている。
【0022】撮像装置17はプロジェクタ15による平行光格子の投光のもとにCCDカメラ13によってテーブル21上に位置決め配置された加工素材Wをモアレ式に立体的に撮像する。
【0023】CCDカメラ19は工作機械の主軸23に装着された工具ホルダ25と加工工具27とを撮像する。この撮像は2次元的なものであってよく、図には示されていないが、照明装置により工具ホルダ25と加工工具27の装着部をバックライト方式にて照明し、工具ホルダ25、加工工具27を影像として撮像すればよい。
【0024】画像処理装置3は、CCDカメラ13が出力する画像データを入力し、加工素材Wの3次元形状を3次元座標で示す加工素材形状データを撮像画像の1ピクセル毎に生成し、加工素材形状データを演算処理装置1へ出力する。
【0025】また画像処理装置3は、CCDカメラ19が出力する画像データを入力することによって工具ホルダ25、加工工具27の形状を示す実工具形状データを撮像画像の1ピクセル毎に生成し、実工具形状データを演算処理装置1へ出力する。
【0026】干渉チェック部5は、画像処理装置3より加工素材形状データを、プログラミング装置29より加工素材Wの加工プログラムを各々入力し、また加工工具、工具ホルダを装着された主軸頭を含む機械側の3次元形状を定義した機械形状データを入力し、加工プログラムに記述されている送り指令による主軸頭と工作機械のワークテーブルとの相対移動位置にて加工素材形状データより与えられる加工素材Wの座標位置が機械形状データより与えられる機械側の占有空間に入っているか否かを演算処理によって判別し、加工素材の座標位置が機械側の占有空間に入っている場合には加工素材と機械とが干渉すると判定し、干渉チェック結果を出力する。
【0027】装着工具チェック部7は、画像処理装置3より実工具形状データを入力すると共に加工工具、工具ホルダの形状を定義した工具形状データを入力し、実工具形状データと工具形状データとを比較照合して実工具形状データと工具形状データとが相違しているか否かの判別を行い、相違している場合には加工工具、工具ホルダの装着ミスであると判定し、装着工具チェック結果を出力する。この装着工具チェック部7における形状データ比較は3次元形状データ、2次元形状データの何れであってもよく、3次元形状データによる場合は、工具形状データは上述の干渉チェックにおける機械形状データが援用されてよく、2次元形状データによる場合は、工具形状データは上述の干渉チェックにおける機械形状データを2次元形状データに変換したものであってよい。
【0028】加工プログラムチェック部9は、画像処理装置3より加工素材形状データを、CAD装置30より加工完了の加工物の3次元形状を定義した製品形状データを各々入力し、同一座標位置における加工素材形状データと製品形状データとの差が予め規定されている標準切り込み代より大きい否かを比較演算処理によって判別し、その差が標準切り込み代より大きい場合には加工プログラム変更指示の出力を行う。
【0029】加工適否チェック部11は、画像処理装置3より加工素材形状データを、CAD装置30より加工完了の加工物の3次元形状を定義した製品形状データを各々入力し、同一座標位置における加工素材形状データと製品形状データとの差が規定値より大きい否かを比較演算処理によって判別し、その差が規定値より大きい場合には加工プログラムの作成ミスあるいは加工素材の形状異常であると判定して加工適否結果を出力する。
【0030】図2は本発明による各チェック方法を工作機械上にてオンマシン方式にて実施する場合のシステム構成図である。門形マシニングセンタ31は、ベッド33と、ベッド33上に配置されてX軸方向に移動可能なワークテーブル35と、ベッド33をY軸方向に跨いで固定配置された門形固定フレーム37と、門形固定フレーム37に上下方向(Z軸方向)に移動可能に設けられたクロスビーム39と、クロスビーム39にY軸方向に移動可能に設けられたサドル41と、サドル41にZ軸方向に移動可能に設けられたラム43とを有し、ワークテーブル35上に位置決め配置された加工素材Wの3次元測定時にはラム43の下端に、加工ヘッドに代えてCCDカメラとプロジェクタによる3次元撮像ヘッド45を下向きに装着される。
【0031】3次元撮像ヘッド45は、画像処理装置47よりプロジェクタ駆動指令を与えられてワークテーブル35上に位置決め配置されている加工素材Wをモアレ式に立体的に撮像し、加工素材Wの画像データを3次元画像処理装置47へ出力する。
【0032】サドル41には加工時にラム43に装着される加工ヘッドの主軸に装着される工具ホルダ、加工工具を撮像する装着工具撮像用CCDカメラ49が取り付けられている。
【0033】画像処理装置47は、3次元撮像ヘッド45のCCDカメラおよび装着工具撮像用CCDカメラ49より画像データを入力し、加工素材Wの3次元形状を3次元座標で示す加工素材形状データを撮像画像の各ピクセル毎に生成し、加工素材形状データをコンピュータシステムによるCAD/CAM装置51へ出力する。
【0034】また画像処理装置47は、装着工具撮像用CCDカメラ49より画像データを入力し、主軸に装着される工具ホルダ、加工工具の形状を示す実工具形状データを撮像画像の各ピクセル毎に生成し、実工具形状データCAD/CAM装置51へ出力する。
【0035】CAD/CAM装置51は、CAD機能によって加工完了の加工物の3次元形状を定義した製品形状データを生成し、CAM機能によって製品形状データよりNCの加工プログラムを生成し、加工プログラムを門形マシニングセンタ31のNC装置52へ出力する。
【0036】またCAD/CAM装置51は測定プログラムをNC装置53へ出力し、NC装置52は3次元撮像ヘッド45による加工素材Wの3次元形状の計測時あるいは装着工具撮像用CCDカメラ49による装着工具撮像時には測定・撮像プログラムに従ってX、Y、Zの各軸指令を門形マシニングセンタ31へ出力する。
【0037】これにより3次元撮像ヘッド45による加工素材Wの3次元形状の計測時には3次元撮像ヘッド45と加工素材Wとの相対位置が予め規定されている位置に設定される。
【0038】CAD/CAM装置51は、画像処理装置47より加工素材形状データを入力すると共に、機械形状データを入力し、チェックプログラムを実行することにより干渉チェックと装着工具チェックと加工プログラムチェックと加工適否チェックとを行う。
【0039】次に図3に示されているフローチャートを参照して本発明によるチェック方法の具体的な実施手順を説明する。なお、図4は加工素材形状と製品形状の一例を示している。
【0040】まず加工素材形状データ(Xw(n) ,Yw(n) ,Zw(n) )を読み込み(ステップ10)、そしてそのデータ数(計測データ数)Nwmax を求める(ステップ20)。加工素材形状データ(Xw(n) ,Yw(n) ,Zw(n) )のデータ例が図5(a)に示されている。
【0041】次に加工完了の加工物、即ち製品の3次元形状を定義した製品形状データ(Xp(n) ,Yp(n) ,Zp(n) )を読み込み(ステップ30)、そしてそのデータ数(設計データ数)Npmax を求める(ステップ40)。製品形状データ(Xp(n) ,Yp(n) ,Zp(n) )のデータ例が図5(b)に示されている。
【0042】次に加工素材形状データと製品形状データのZ軸方向の座標値Zw(n) とZp(n) との差額Zw(n) −Zp(n) =ΔZ(n) を各データ(n=1〜Nwmax )毎に算出し、図6に示されているようなZ方向差額一覧表を作成する(ステップ50)。
【0043】また加工素材表面の各座標位置における法線方向を加工素材形状データ(Xw(n) ,Yw(n) ,Zw(n) )より算出し、加工素材形状データ(Xw(n) ,Yw(n) ,Zw(n) )と製品形状データ(Xp(n) ,Yp(n) ,Zp(n) )との比較によって面法線方向の差額ΔL(n) を各データ(n=1〜Nwmax )毎に算出し、図7に示されているような面法線方向差額一覧表を作成する(ステップ60)。
【0044】次に加工適否チェックとして、Z方向差額ΔZ(n) が予め設定されているZ方向差額規定値ΔZmax より大きいか否かの判別を各データ(n=1〜Nwmax )毎に行い、また面法線方向差額ΔL(n) が予め設定されている面法線方向差額規定値ΔLmax より大きいか否かの判別を各データ(n=1〜Nwmax )毎に行い(ステップ70)、ΔZ(n) >ΔZmax あるいはΔL(n) >ΔLmax の関係が一つでも成立していれば、加工プログラム作成ミスあるいは加工素材Wの形状異常であると判定してエラー出力を行い、チェックルーチンを打ち切り終了する(ステップ80)。
【0045】この加工適否チェックが適合状態にて完了すると、次に加工プログラムチェックとして、Z方向差額ΔZ(n) あるいは面法線方向差額ΔL(n) を切り込み方向取り代として予め設定されている標準切り込み方向切り込み代ΔCより大きいか否かの判別を各データ(n=1〜Nwmax )毎に行い(ステップ90)、ΔZ(n) またはΔL(n) >ΔCの関係が一つでも成立していれば、加工回数の変更を促すための加工プログラム変更のメッセージをモニタ出力する(ステップ100)。
【0046】このモニタ出力によりCAD/CAM装置49のモニタ画面は加工プログラムの編集画面になり、加工回数の変更を要する行目の加工プログラムが画面表示される。
【0047】これによりオペレータは加工回数の変更を実行する。なお、この加工回数の変更数はCAD/CAM装置による内部処理で自動的に設定され、オペレータは加工回数の変更についてイエス、ノーの確認だけを行えばよいようなっていてもよい。
【0048】上述の加工適否チェックと加工プログラムチェックが完了すると、次に干渉チェックを開始する。干渉チェックに際しては、まず機械情報として主軸頭の形状データと、工具ホルダの形状データと、工具情報として工具の直径、軸長などによる形状データとを読み込む(ステップ110)。これらのデータは各主軸頭、工具毎に予めCAD/CAM装置49に入力されており、これらデータの組み合わせによって加工工具、工具ホルダを装着された主軸頭を含む機械側の3次元形状を定義した機械形状データが得られる。
【0049】次に加工プログラムとしてNCプログラムを読み込み(ステップ120)、1ブロック毎に干渉チェックを実行する(ステップ130〜150)。この干渉チェックはNCプログラムの各ブロックにおける送り指令より定義される主軸頭とワークテーブル35との相対移動位置における加工工具、工具ホルダを含む主軸頭がワークテーブル35上の加工素材Wに衝突するか否かを判別するものであり、主軸頭とワークテーブル35との相対移動位置データと機械形状データとから機械側の占有空間の座標値を演算し、この座標値と加工素材形状データ(Xw(n) ,Yw(n) ,Zw(n) )と比較により加工素材Wの座標位置が機械側の占有空間に入っているか否かを判別し、加工素材Wの座標位置が機械側の占有空間に入っている場合には加工素材Wと機械とが干渉すると判定する。干渉する場合には干渉することを表したメッセージをモニタ出力し(ステップ160)、チェックルーチンを打ち切り終了する。
【0050】加工素材Wと機械とが干渉しない場合には、装着工具チェックを行う(ステップ170)。この装着工具チェックは、実工具形状データと工具形状データとを比較照合して実工具形状データと工具形状データとが相違しているか否かの判別するものであり、相違している場合には加工工具、工具ホルダの装着ミスであると判定し、工具装着ミスであることを表したメッセージをモニタ出力する(ステップ180)。
【0051】次に図8〜図11を参照して干渉チェックの具体例を説明する。図8に示されているように、サドル53のラム55にはアタッチメント57によって主軸59が取り付けられており、主軸59の先端にはツールホルダ61によって加工工具63が交換可能に装着されており、加工工具63はY軸方向とZ軸方向へ移動可能になっている。
【0052】ワークテーブル65は、ベッド67上をX軸方向へ移動可能になっており、テーブル面上に治具69によって加工素材Wを取り付けられている。
【0053】ここで、図9に示されているように、ワークテーブル65の中心の機械座標を機械基準座標値(Xm0 ,Ym0 ,Zm0 )とし、また図10に示されているように、主軸57の先端面を主軸Z軸基準位置、主軸57の回転中心位置を主軸X軸基準位置、主軸Y軸基準位置Ys0 とし、これの各部の寸法Ls1 、Ls2 、Ls3 、Ds1 、Ds2 、Ds3 とし、また図11に示されているように、ツールホルダ61および加工工具63の各部の寸法Lt1 、Lt2 、Lt3 、Dt1、Dt2 、Dt3 とする。なお、機械基準座標値(Xm0 ,Ym0 ,Zm0 )はワークテーブル65における被加工物Wの取り付け位置原点であり、これは機械原点座標値との偏差を示す。
【0054】治具69によってワークテーブル65に取り付けられている加工素材Wのワーク座標系の原点と機械基準座標値(Xm0 ,Ym0 ,Zm0 )との差を(Xori,Yori,Zori)とすると、加工素材Wの機械座標系での座標値(Xwm(n) ,Ywm(n) ,Zwm(n) )は下式により求められる。この座標値(Xwm(n) ,Ywm(n) ,Zwm(n) )は機械原点座標値に対するグローバルな座標値である。
【0055】
Xwm(n) =Xm0 +Xw(n) −XoriYwm(n) =Ym0 +Xw(n) −YoriZwm(n) =Zm0 +Zw(n) −Zori加工工具63を含む主軸頭部分の機械座標系での座標位置を(Xtm,Ytm,Ztm)、NCデータによる座標位置を(Xnc,Ync,Znc)とすると、下式によりNCデータによる座標位置(Xnc,Ync,Znc)と機械座標系での座標位置(Xtm,Ytm,Ztm)との変換が行われる。
【0056】Xtm=XncYtm=YncZtm(k) =Znc−Zm0 −L(k)ただし、L(k=1〜6)で、L1 =Lt12 =Lt23 =Lt34 =−Ls15 =−Ls1 +Ls26 =−Ls1 +Ls3座標位置(Xtm,Ytm,Ztm)で、半径R(k) 、軸長L(k) で決まる円筒空間C(k) 内に加工素材Wの機械座標系での座標位置Pn(Xwm(n) ,Ywm(n) ,Zwm(n) )が含まれるか否かの判別を数値演算により行う。
【0057】ただし、R(k=1〜6)で、R1 =Dt1 /2R2 =Dt2 /2R3 =Dt3 /2R4 =Ds1 /2R5 =Ds2 /2R6 =Ds3 /2C( k=1〜6)=半径R( k=1〜6)、軸長L( k=1〜6)による各部の円筒空間座標位置Pnが円筒空間C(k) 内に含ない場合は「干渉なし」であり、座標位置Pnが円筒空間C(k) 内に含れる場合は「干渉あり」である。
【0058】また加工素材Wの機械座標系での座標位置Pn(Xwm(n) ,Ywm(n) ,Zwm(n) )より加工素材Wの表面がなす曲面Sを示す数式を作成し、座標位置(Xtm,Ytm,Ztm)で、半径R(k) 、軸長L(k) で決まる円筒空間C(k)と曲面Sとが交差するか否かの判別を数値演算により行う。
【0059】円筒空間C(k) と曲面Sとが交差しない場合は「干渉なし」であり、円筒空間C(k) と曲面Sとが交差する場合は「干渉あり」である。
【0060】なお、加工素材の3次元形状の計測は、工作機械のワークテーブル上以外に、3次元測定検出器の保持手段と、加工素材を3次元測定検出器による3次元形状計測位置に位置決め配置できるテーブルとを有し、必要に応じてそのテーブルがXYステージにより構成されている工作機械とは別の3次元形状計測装置を使用して行われてもよい。
【0061】また加工素材の3次元形状の計測は、CCDカメラを使用した3次元撮像装置による撮像データによるもの以外に、触針を使用した3次元形状計測装置により行われてもよい。
【0062】以上に於ては、本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の範囲内にて種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0063】
【発明の効果】以上の説明から理解される如く、本発明による工作機械のための干渉チェック方法および加工プログラムチェック方法および加工適否チェック方法によれば、干渉チェック、加工プログラムの作成ミスの発見、加工プログラムの変更の必要性を見いだすこと、加工素材の形状異常の発見が、3次元測定検出器によって加工素材の3次元形状を計測して得られた加工素材形状データと機械形状データ、製品形状データとの比較により、作業者の目視によることなく、すべて自動的に的確に能率よく行われるようになり、さらには工作機械に装着された加工工具、工具ホルダの撮像データ(実工具形状データ)と工具形状データとの比較照合によって工具の装着ミスの発見も作業者の目視によることなく、すべて自動的に的確に行われるようになり、プルーブアウトを含む運転準備時間を短縮して能率よく安全に工作機械の運転が行われ得るようになる。
【0064】3次元測定検出器による加工素材の3次元形状の計測を工作機械とは別の3次元形状計測装置により行う場合には、加工素材の3次元形状計測のために工作機械を占有することがなく、工作機械の稼働率を低下することがない。また複数個の加工素材を順次に加工する場合には、一つの加工素材の加工中に、次の加工素材の3次元形状計測を行うことができ、全体の加工に要する時間を短縮することができる。
【0065】これに対し、工作機械の主軸頭に、加工工具に代えて3次元測定検出器を装着し、主軸頭とワークテーブルとを工作機械の座標軸方向に相対移動させることにより、工作機械の座標軸上でオンマシン方式に加工素材の3次元形状の計測を行う場合には、3次元形状計測のために特別なXYステージなどが必要でなく、また加工素材の位置決め位置が形状計測時と加工時とで変動することがなく、干渉チェックの信頼性がより一層向上する。
 

 
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