| 発明の名称 |
パレット交換装置 |
|
| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−25166 |
| 公開日 |
平成8年(1996)1月30日 |
| 出願番号 |
特願平6−169618 |
| 出願日 |
平成6年(1994)7月21日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
|
| 発明者 |
細 川 裕 |
| 要約 |
目的 加工の終了したワークと、次に、加工するワークとそれぞれ載せたパレットを旋回運動によりパレットローダを用いずに交換するとともに、パレットの位置位置決めとクランプを一挙にできるようにし、少ない交換動作で効率良くパレット交換を行なう。
構成 少なくとも1のパレット10aがパレット台21上にあるときに他のパレット10bは待機位置にあるように複数のパレットを支持する旋回台32と、旋回台32を上下動可能に支持するクランプ用アクチュエータ58と、旋回台32を旋回させる旋回駆動部とを備えた旋回装置と、旋回台の下降動作と協働してパレット10aをパレット台21上に位置決めする位置決め手段22a、22bとを備えている。 |
特許請求の範囲
【請求項1】工作機械のパレット台とパレットの待機位置との間で加工の終了したワークと、次に加工するワークとをパレットごと交換するパレット交換装置において、少なくとも1つのパレットがパレット台上にあるときに他のパレットは待機位置にあるように複数のパレットを支持する旋回台と、前記旋回台を上下動可能に支持するクランプ用アクチュエータと、前記旋回台を旋回させる旋回駆動部とを備えた旋回装置と、前記旋回台の下降動作と協働して前記パレットをパレット台上に位置決めする位置決め手段と、を具備したことを特徴とするパレット交換装置。 【請求項2】前記旋回装置の旋回軸を弾性部材を介して前記旋回台および旋回軸の重量を支えるとともに、水平方向の変位を許容するように支持したことを特徴とする請求項1に記載のパレット交換装置。 【請求項3】待機位置側のパレットを旋回自在な待機台上に載置し、この待機台は旋回ロック手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のパレット交換装置。 【請求項4】前記位置決め手段は、パレットの底面とパレット台の上面にそれぞれ配設した一組のカービックカップリングからなることを特徴とする請求項1乃至3に記載のパレット交換装置。 【請求項5】前記旋回台は、切屑、切削油剤の侵入防止構造を具備したことを特徴とする請求項1乃至4に記載のパレット交換装置。
|
発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、マシニングセンタなどの工作機械において、加工の終了したワークと次に加工するワークをパレットごと自動交換するパレット交換装置に関する。 【0002】 【従来の技術】マシニングセンタでは、段取り作業を効率良く行って、工作機械の稼働率を向上させるために、パレット台に供給するワークをパレットごと自動交換するパレット交換装置が用いられている。この種のパレット交換装置としては、種々の形式の装置があるが、代表的なものとしては、パラレルシャトル形とロータリシャトル形の交換装置が知られている。 【0003】このうち、パラレルシャトル形のパレット交換装置は、工作機械のテーブル前方に並列して待機するパレットを直線的に移送するローディング装置と、パレットをパレット台に対して搬出入するパレットローダと、パレット台上に引き込んだパレットを位置決めて固定するクランプ装置とを備えるものである。一方、ロータリシャトル形のパレット交換装置は、複数のパレットを旋回動作により位置を変える旋回装置と、パレットをパレット台に対して搬出入するパレットローダと、パレットをパレット台上に固定するクランプ装置とから構成される。 【0004】図4は、横中ぐりフライス盤における従来のパラレルシャトル形パレット交換装置のローディング装置を示す。図4において、符合2はベッドを示し、このベッド2には、コラム3がX方向に移動自在に設置されており、このコラム3は、X軸移動用モータ7の駆動によりベッド2の上を走行するようになっている。サドル4は、コラム3に昇降自在に取り付けられ、Y軸移動用モータ9の駆動によって上下のY方向に移動する。このサドル4には、主軸6を保持する主軸頭5がZ方向に移動可能に支持されている。従って、主軸6に装着された工具は、Z軸移動モータ8の駆動によりZ方向に移動し加工物に接近するようになっている。 【0005】ベッド2の前方側には、パレット台8が配置されており、加工するワークを載せたパレット10aは、このパレット台8の上で、図示しないクランプ装置によって固定される。ローディング装置12は、ベッド2の手前側に配設され、X方向に平行な搬送軌道13に沿って複数のパレット10a、10bを移送する。パレットローダ14は、案内15に沿って加工の終了したワークを載せたパレット10aを引き込み、次に加工するワークのパレット10bをパレット台8に押出す動作をするようになっている。 【0006】次に、図5は、横中ぐりフライス盤におけるロータリシャトル形のパレット交換装置の旋回装置を示す。なお、図5の横中ぐりフライス盤は図4と同一に構成されるもので同一の要素には同一の符合を付してある。旋回テーブル17は、2つのパレット10a、10bを載せて旋回し、待機位置とパレット台8の手前位置との間でパレットの移送をするもので、加工の終了したパレット10aを図示されないパレットローダにより引き込むと、180度回転するようになっている。従って、次に加工するワークを載せたパレット10bはパレット台8の手前位置に入れ替わるので、図示しないパレットローダが作動すると、パレット10bはパレット台8上に押出される。その後、パレット10bは、クランプ装置の作動により位置決め固定される。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のパレット交換装置では、パレットの移送、パレット台上への押出し、位置決め、クランプ等、パレットの交換に必要な一連の動作が多く、しかも、ローディング装置、パレットローダ、クランプ装置などの各装置の動作の連係を図らねばならないため、パレットの交換に相応の時間がかかっている。また、それぞれ旋回装置、ローディング装置、パレットローダなどの独立した装置をパレット台付近に配置するために、それらの装置の占有する設置スペースを広く必要とする問題点があった。そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、加工の終了したワークと、次に、加工するワークをそれぞれ載せたパレットを旋回動作によりパレットローダを用いずに一挙に交換するとともに、パレットの位置位置決めとクランプをもできるようにし、少ない交換動作で効率良くパレット交換を行なえるパレット交換装置を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、本発明は、工作機械のパレット台とパレットの待機位置との間で加工の終了したワークと、次に加工するワークとをパレットごと交換するパレット交換装置において、少なくとも1つのパレットがパレット台上にあるときに他のパレットは待機位置にあるように複数のパレットを支持する旋回台と、前記旋回台を上下動可能に支持する用アクチュエータと、前記旋回台を旋回させる旋回駆動部とを備えた旋回装置と、前記旋回台の下降動作と協働して前記パレットをパレット台上に位置決めする位置決め手段とを具備したことを特徴とするものである。 【0009】前記パレット交換装置においては、旋回装置の旋回軸を弾性部材を介して前記旋回台および旋回軸の重量を支えるとともに、水平方向の変位を許容するように支持するように構成することが望ましい。 【0010】また、待機位置側のパレットを旋回自在な待機台上に載置し、この待機台は旋回ロック手段を備えるように構成することができる。 【0011】さらに、前記位置決め手段には、パレットの底面とパレット台の上面にそれぞれ配設した一組のカービックカップリングを用いることができる。 【0012】さらに、前記旋回台は、切屑、切削油剤の侵入防止構造を設けることが好ましい。 【0013】 【作用】パレットを交換するときには、旋回駆動機構部の駆動作用のもとにパレットを支持する旋回台が旋回すると、パレット台上にあったパレットは、待機位置に、それまで待機位置にあったパレットはパレット台上に同時に入れ替わる。そして、クランプ用アクチュエータが作動して旋回台が下降すると、パレットはパレット台に対して位置決め手段を介して位置決めされるとともに、パレットは押し付けられるようにしてパレット台上にクランプされるので、少ないパレット交換動作でワークをパレットごと交換してパレット台に供給できる。また、パレットローダを用いることなく、パレットを交換できるので、テーブル回りの省スペース化を達成できる。 【0014】また、請求項2に記載の発明によれば、旋回台の旋回半径の製作誤差が吸収されるので、パレット交換精度を安定させる。また、請求項3に記載の発明によれば、ワークの段取りを待機台上で手動旋回しながら効率良く行うことができる。 【0015】 【実施例】以下、本発明によるパレット交換装置の一実施例について添付の図面を参照して説明する。図1は、本発明を横中ぐりフライス盤に適用した実施例を示す。図2は、実施例のパレット交換装置の断面構造を示し、図3はパレット交換装置の平面構成を示す。図において、符合2はベッドを示し、このベッド2には、コラム3がX方向に移動自在に設置されており、このコラム3は、X軸移動用モータ7の駆動によりベッド2の上を走行するようになっている。サドル4は、コラム3に昇降自在に支持され、Y軸移動用モータ9の駆動によって上下のY方向に移動する。このサドル4には、主軸6を保持する主軸頭5がZ方向に移動可能に支持されている。従って、主軸6に装着された工具6aは、Z軸移動モータ8の駆動によりZ方向に移動し加工物に接近するようになっている。 【0016】ベッド2の前方側にはテーブルベース20が据付けられ、パレット台21は、このテーブルベース20によって支持されている。加工位置にあるパレット10aは、位置決め手段を用いてパレット台21上に載置されている。この実施例では、図2において、位置決め手段として、パレット台21上にカービックカップリング22aが固定されており、パレット10aの下面には、カービックカップリング22aと対をなすカービックカップリング22bが取り付けられている。 【0017】パレット台21上において、パレット10aは、センタ軸23によって回転可能に支持されている。このセンタ軸23の軸端には矩形形状の連結部23aが形成され、この連結部23aを介してセンタ軸23の回転がパレット10aに伝達される構造になっている。テーブルベース20の内部にはテーブル割り出し機構が設けられ、このテーブル割出し機構として、センタ軸23に同心的に取り付けたはすば歯車24にウォーム25を噛み合わせ、このウォーム25をNC指令に従って回転するサーボモータ26に連結し、パレット10aを所望の角度に割り出せるようになっている。また、テーブルベース20の内部には、パレット台21上のパレット10aを昇降させるパレット昇降油圧シリンダ60が組み込まれており、このテーブル昇降油圧シリンダ60は、シリンダ27とピストン28、ヘッドカバー29とからなるものである。この場合、センタ軸23は、その下端部でベアリング34を介して回転自在に支承されるともに、パレット昇降油圧シリンダ60のピストン28と連結されるようになっているので、前記テーブル割り出し機構によるセンタ軸23の回転と、パレット昇降油圧シリンダ60の作動時の昇降動作とが共に可能となるように構成されている。 【0018】一方、ベッド2に連設してパレット交換装置のハウジング30がブラケット31を介して設けられ、このハウジング30の内部には、待機位置にあるパレット10bと、パレット台21上のパレット10aとを交換するための旋回装置が収容されるとともに、待機位置のパレット10bを回転自在に支持する待機台53とが設けられている。 【0019】旋回装置は、前記パレット台21上の加工位置と、パレットの待機位置とにそれぞれパレット10a、10bを支持し旋回自在な旋回台32と、この旋回台32を180度旋回させる旋回駆動部を備えるものである。旋回台32は、旋回軸38によって支持されるもので、この旋回軸38の全体は後述するクランプ用油圧シリンダ58のロッド45とベアリング35を介して回転自在にかつ上下に移動可能に連結されている。また、旋回台32は、段差を利用して一組のパレット10a、10bを担持できるようになっており、旋回台32の長さ方向両側には、パレット10a、10bの中段の胴部19が嵌合するようにその外径に対応した穴部36が形成されている。従って、旋回台32は、パレット10a、10bの上段の肩部18が旋回台32の上面に係止するようにしてパレット10a、10bをそれぞれ担持することができる。この旋回台32とパレット10a、10bの嵌合部分から切屑や切削油がテーブルベース20内部やハウジング30内部に侵入しないようにするために、パレット10a、10bの胴部13の外周にはリング状のシール37が装着されている。なお、切り屑、切削油の進入防止のためのカバーを取り付けた構造とすることもできる。 【0020】このような旋回台32を駆動する旋回駆動部は、前記旋回軸38に外嵌するピニオン40と、このピニオン40に噛み合うラック42と、このラック42を進退動される旋回用油圧シリンダ43とから構成されている。この場合、旋回用油圧シリンダ43のフランジ44はハウジング30の側面に固定され、そのロッド45にはボルトを介してラック42が連結されている。 【0021】また、旋回台32を旋回軸38とともに上下にクランプとアンクランプ位置の間で移動させるためのアクチュエータとして、ハウジング30の底部に設置されたクランプ用油圧シリンダ58が用いられている。このクランプ用油圧シリンダ58のロッド45には、旋回軸38の下端部がベアリング35を介して接合されている。シリンダ室への圧油は、プレッシャポートブロック型の3位置電磁方向切換弁50を介して流れの方向が制御される。油圧ポンプ51から供給される圧油は、ソレノイド50aが励磁されると、エンド側のシリンダ室に導入されてロッド45が押し上がり、逆にソレノイド50bが励磁されると、ヘッド側のシリンダ室へ圧油が供給されてロッド45が後退してクランプするようになっている。また、旋回軸38全体としては、その下端部で、弾性部材として皿ばね58を介して水平面上を前後方向に移動が許容されるように支持されている。また皿ばね58は、旋回台32および旋回軸38の重量を支えるだけの弾性力を有している。 【0022】次に、待機位置にあるパレット10bが載置される待機台53は、センタ軸54と一体的に構成され、このセンタ軸54はベアリング55によって手動で容易に回転できるように回転自在に支承されている。この実施例では、パレット10bは、カービックカップリング22bを介して待機台53上に位置決めされる。また、待機台53には、パレット10bを載置した場合に、段取り中に手動によって旋回可能とし、逆に旋回しないように固定するためのハンドル57が設けられている。この実施例では、ハンドル53を引くことで、旋回のロックが解除されるようになっている。 【0023】本実施例は、以上のように構成されるものであり、次に、その作用について説明する。加工するワークを載せたパレット10aをパレット台21上で所定の角度位置に割り出しをする場合の動作について説明する。 【0024】まず、旋回台32によるパレット10aのクランプ状態を解除するためにクランプ用油圧シリンダ58に供給する圧油を制御する電磁方向切換弁50を中立位置に切換えておく。この中立位置では、ヘッド側シリンダ室のクランプ圧油は、タンク側へ抜かれるので、パレット10aをパレット台21の上面に押し付けるクランプ力が解除されるとともに、このとき旋回台32、旋回軸38の重量は、皿ばね58の弾性力によって支持されている。 【0025】次いで、回転角度割り出しのためパレット10aを回転可能な状態にするために、パレット昇降用油圧シリンダ60が作動しセンタ軸23とともにパレット10aを押上げる。その結果、パレット台21の上面のカービックカップリング22aとパレット10aの底面のカービックカップリング22bの噛み合いが外れるので、パレット10aは、回転可能な状態になる。 【0026】従って、NC指令に基づきサーボモータ26が回転すると、この回転はウォーム歯車25とはすば歯車24によって減速されてセンタ軸23に伝達され、NC指令に従った所定の角度にパレット10aの回転位置を割り出すことができる。 【0027】次に、加工の終了したワークと次に加工するワークをパレットごと交換するときの動作について説明する。前記のようにパレット10a、10bをアンクランプにした状態にしておき、旋回用油圧シリンダ43を作動させてピストンロッド45に連結されているラック42に推力を与えると、このラックの前進運動はピニオン42を介して回転に変換されて、旋回台32の旋回軸38が回転する。この旋回台32の場合、図3に示すように、ロッド45の先端の前進端位置を規制するストッパ62がハウジング30には取り付けてあり、このストッパ63にロッド先端63が当接して、旋回台32はちょうど180度の回転角度だけ旋回するようになっている。 【0028】この旋回台32の旋回動作によって、これまで待機位置にあったパレット10bは、パレット台21の直上に、パレット10aは待機台53の上に位置することになるので、一挙にパレットを入れ替えてワークの交換をすることができる。 【0029】以上のようにしてパレットを交換した後、パレット10aをパレット台21上に位置決め並びにクランプをする動作について説明する。電磁方向制御弁50のソレノイド50bが励磁されると、圧油の経路は、油圧ポンプ51から吐出される圧油をクランプ用油圧シリンダ58のヘッド側のシリンダ室に供給する流路に切り換わる。従って、ロッド45は後退して旋回軸38とともに旋回台32が下降するので、パレット台21の直上にあるパレット10aのカービックカップリング22bがパレット台21上面のカービックカップリング22aに噛み合う。さらに、クランプ用油圧シリンダ58のクランプ力によりパレット10aは押し付けられ、このカービックカップリング22a、22bを介した噛み合い状態のもとパレット10aはパレット台21の上面に精密に位置決めされるとともにクランプされる。 【0030】このとき、パレット10a、10bのそれぞれの旋回半径a、bについての微妙な寸法差が存在するとしても、その寸法差は、旋回台32自体を皿ばね58を介して水平面上を前後方向に移動可能に支持する構造とすることによって吸収されるので、旋回半径の寸法差がパレットクランプ時のパレット位置決め精度に悪影響を及ぼすのを防止することができる。 【0031】なお、パレット交換後クランプしたパレット10aとは反対側の待機位置に入れ替わったパレット10bに対しては、旋回台32はクランプ力を与えないようになっている。すなわち、待機台53の両側には、クランプ時の曲げモーメントを分散させるように受台64a、64bが設けられており、旋回台32はまずこの受台64a、64bに着座するので、パレット10bは旋回台32によってクランプされない状態で待機台53の上に載置される。このため、パレット10bに載せたワークについて段取りをするときには、ハンドル57を引いて待機台53のセンタ軸54を回転自在な状態にすることによって、容易にワークの段取り作業を行うことができる。 【0032】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明によれば、旋回台の旋回動作により、待機位置のパレットとパレット台上のパレットとが入れ替わり、段取りを終わって待機位置にあったパレットがパレット台上に位置決められ、旋回台の下降とともにパレットがパレット台上にクランプされる。このため、従来のようにパレットローダを必要とせず、交換動作を簡略化しパレットを交換できるので、工作機械の加工能率の向上を図ることができ、また、テーブル回りの省スペース化を達成することができる。
|
|