| 発明の名称 |
空気圧を利用した主軸の微少移動方法 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−25165 |
| 公開日 |
平成8年(1996)1月30日 |
| 出願番号 |
特願平6−190966 |
| 出願日 |
平成6年(1994)7月21日 |
| 代理人 |
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| 発明者 |
田中 克敏 / 渡邉 紘也 |
| 要約 |
目的 一般に用いられている空気静圧構造を単に使用するだけで、上に述べた各々の問題点を生じさせない空気圧利用の微少移動方法を提供する。
構成 主軸のスラスト面に作用する2つの空気圧の一方を変化させることにより主軸を待避させ、同一圧力にすることにより原点に復帰すると共に主軸のスラスト面に作用する2つの空気圧の一方を制御することにより主軸を前後に微調整し、主軸の先端に位置する砥石の切り込み位置調整に利用する空気圧を利用した主軸の微少移動方法とした。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 主軸のスラスト面に作用する2つの空気圧の一方を変化させることにより主軸を待避させ、同一圧力にすることにより原点に復帰する空気圧を利用した主軸の微少移動方法。 【請求項2】 主軸のスラスト面に作用する2つの空気圧の一方を制御することにより主軸を前後に微調整し、主軸の先端に位置する砥石の切り込み位置調整に利用する空気圧を利用した主軸の微少移動方法。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明はビデオテープ、フロッピーディスク、ハードディスクの書き込み、読み取り用の磁気ヘッドの鏡面研削加工をする高精度スライサに連結する主軸の移動方法に関する。 【0002】 【従来技術】従来、磁気ヘッドの鏡面研削加工に必要な数十ミクロンの移動量に対しての高精度スライサの主軸の移動には直線案内を備えたボールネジ、ピエゾアクチュエータが用いられている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、直線案内を備えたボールネジでは移動量が数十ミクロンと小さいためその精度を確保するのが難しく、案内機構を使用することにより装置そのものも大きなものとなる。又ピエゾアクチュエータを使用する場合、圧電素子の信頼性が低い上に剛性も低く、装置そのものも高価である。 【0004】本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであって、一般に用いられている空気静圧構造を単に使用するだけで、上に述べた各々の問題点を生じさせない空気圧利用の微少移動方法を提供することを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】前述の目的を解決するために本発明は主軸のスラスト面に作用する2つの空気圧の一方を変化させることにより主軸を待避させ、同一圧力にすることにより原点に復帰すると共に主軸のスラスト面に作用する2つの空気圧の一方を制御することにより主軸を前後に微調整し、主軸の先端に位置する砥石の切り込み位置調整に利用する空気圧を利用した主軸の微少移動方法とした。 【0006】 【作用】空気圧の一方を変化または制御することにより主軸を待避させ、また主軸を前後に微調整する。 【0007】 【実施例】以下に本発明を図示の実施例に基づいて説明する。図2は本発明に関する主軸3をその空気静圧スピンドル部1に組み込んだ高精度スライサ21の全体像を示している。Y軸に移動するコラム22は高精度なころがり案内と超精密なスケールによる位置決め機構を持ち、X軸に移動可能なテーブル23には剛性が高く、安定した精度が得られるV−Vすべり案内が用いられている。またスピンドル部1を支える主軸頭24はZ軸に移動可能である。 【0008】図1は空気静圧スピンドル部1の内部拡大図である。図に示すように主軸頭24に固定され、中心部を内径の異なる空洞、先端と後端で外径の異なる円筒形を持つ固定部2はその内部に主軸3を内挿する。主軸3はその径において先端、中端は同一とし、後端の直前に一旦大となり、後端は再び先端と同一となる。また先端に磁気ヘッドの鏡面研削加工のための砥石4を連結している。 【0009】固定部2と主軸3の内挿部分の先端にはラジアル軸受5、主軸3の後端の径が大なる拡大部分11にはこれをはさんで2つのスラスト軸受6A、6Bが対向している。更に2つのスラスト軸受6A、6Bと固定部2の間には各々ポート9、ポート10が設けられ、ポート9、ポート10からスラスト軸受6A、6B内を貫通する絞り7A、7Bを経て拡大部分11に至る構造となっている。ここでスラスト軸受6Aと拡大部分11の間には軸受すき間13、スラスト軸受6Bと拡大部分11の間には軸受すき間14が設けられている。また拡大部分11と固定部2との空洞を塞ぐ目的でスペーサ8が固定部2に栓塞されている。 【0010】上記構成の空気静圧スピンドル部1においては以下のような動作を行う。砥石4を用いた磁気ヘッド12の鏡面研削加工に伴うトラック幅加工は図3のような方法で行われる。すなわち磁気ヘッド12を傾斜させその端部の突出部を砥石4で研削加工する。加工後トラック幅を計測し、再度研削して目標のトラック幅に加工するが、研削は一方向研削であり、トラック幅の絶対値はこの場合5ミクロン±0.5ミクロンである。 【0011】この際一回目の研削後、計測位置まで移動する時、通常は直線移動により砥石4を逃がして移動するが、この逃がす量は3〜5ミクロンでよい。本発明はこの逃がす量の再現性及びこれに関する微少量の移動の正確さを実現するために上にのべた構成において空気静圧すき間を利用するものである。ポート9から軸受すき間13に、空気圧6キログラム重/平方センチの空気圧を供給したまま、ポート10から軸受すき間14に、空気圧が6キログラム重/平方センチより低い圧の空気圧を供給する。 【0012】これにより主軸3は空気圧の差の応じて3〜5ミクロン後退する。通常の軸受すき間13、14は15〜18ミクロンであり、3〜5ミクロンのすき間変化では接触の心配はなく、主軸3を図示せぬ電動機で回転させたままの状態で軸方向の移動が可能であり、回転の入切に伴う発熱量の変化が生じないため、発熱量にたいしても安定した状態が確保される。後退した後再びポート10の供給圧を上昇させ、ポート9の圧力と同一にすることにより主軸3を移動原点に復帰させるが、その再現性を記録したのが図4である。再現性は0.1ミクロン以下であることがわかる。 【0013】次に主軸3の回転数を20回転/分の低速としたとき、ポート9とポート10の圧力差を3.5〜2.5キログラム重/平方センチに変化させ、そのときの変位量を示したのが図5〜図7である。圧力差に比例して変位量も直線に変化しており、再現性も良い。また図8は主軸3の回転数を10000回転/分の高速にしたとき、ポート9とポート10の圧力差を3.0キログラム重/平方センチに変化させ、そのときの変位量を示したものである。低速時と同様に再現性も良く、低速、高速時での変位量の差もほとんどないことがわかる。 【0014】 【発明の効果】以上説明したとおり、一般に用いられている空気静圧構造を単に使用するだけで、高精度、コスト低減、小型化が可能な微少移動方法を実現することができる。
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