| 発明の名称 |
2軸押出機 |
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| 発行国 |
日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 |
公開特許公報(A) |
| 公開番号 |
特開平8−11189 |
| 公開日 |
平成8年(1996)1月16日 |
| 出願番号 |
特願平6−146356 |
| 出願日 |
平成6年(1994)6月28日 |
| 代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】佐藤 一雄 (外3名)
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| 発明者 |
石 橋 準 也 |
| 要約 |
目的 噛り現象によるスクリュ部の摩耗を防ぐ。
構成 同方向回転完全噛合形の2本のスクリュ15、16を、バレル1内に設置する。下流端のベント口4と排出口3との間に、ニーディングディスク部15b、16bを設ける。高粘度ポリマを成形する場合に、スクリュ部15a、16aではスクリュ15、16同志を引付けようとする力が作用し、一方ニーディングディスク部15b、16bでは、スクリュ15、16同志を引離そうとする力が作用する。これにより、スクリュ部15a、16aに生じる力と、ニーディングディスク部15b、16bに生じる力とが打消し合い、スクリュ15、16に噛り現象が生じない。 |
特許請求の範囲
【請求項1】上流端に材料供給口を有するとともに下流端に排出口を有しかつ中間部に任意数のベント口を備えたバレル内に、2本のスクリュを回転自在に嵌挿した2軸押出機において、前記各スクリュは、前記材料供給口近傍に、リード角をもつフライトを有するスクリュ部を備え、かつ前記排出口と下流端のベント口との間の少なくとも一箇所に、ニーディングディスク部を備えていることを特徴とする2軸押出機。 【請求項2】ニーディングディスク部は、送り効果を有する捩れディスクで構成されていることを特徴とする請求項1記載の2軸押出機。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、同方向回転完全噛合形2軸スクリュを用いた2軸押出機に係り、特に高粘度のポリマを押出成形するのに好適な2軸押出機に関する。 【0002】 【従来の技術】図3は、同方向回転完全噛合形2軸スクリュを用いた従来の2軸押出機を示すもので、図中、符号1はバレルであり、このバレル1の上流端には材料供給口2が設けられているとともに、バレル1の下流端には排出口3が設けられ、かつ中間部には、脱気用のベント口4が設けられている。そして、このバレル1内には、同方向回転完全噛合形の第1スクリュ5および第2スクリュ6が回転自在に挿入配置されている。 【0003】前記各スクリュ5,6は、リード角をもつフライトを有するスクリュ部5a,6aと、樹脂材料を混練溶融させるためのニーディングディスク部5b,6bとから構成されており、ニーディングディスク部5b,6bは、バレル1のベント口4の上流側に位置している。そして両ニーディングディスク部5b,6bにおける混練溶融により樹脂材料から発生した不純物としての気体は、ベント口4から脱気されるようになっている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】前記従来の2軸押出機を用いて一般的なポリマを成形する場合には、両スクリュ5,6のスクリュ部5a,6aには、図4に示すように、お互いのスクリュ5,6を離そうとする力fが作用することになる。このため、両スクリュ5,6の山と谷とが接触して噛るという噛り現象が生じることはなく、むしろ極端な例では、力fが大き過ぎてバレル1の内面と各スクリュ5,6のスクリュ山とが接触し、スクリュ5,6とバレル1との噛りが発生する場合もある。 【0005】ところが、従来の2軸押出機を用いて高粘度のポリマ、すなわちポリマ溶融時に弾性変形とその変形に対する復元力(弾性応力)とが大きい例えば合成ゴム等を成形した場合には、図5(a)に示すように、両スクリュ5,6のスクリュ部5a,6a間にポリマが8字形に巻付くことになり、これにより、図5(b)に示すように、スクリュ5,6同志を引付けようする力Fが作用し、両スクリュ5,6の山と谷とが接触して噛るという噛り現象が生じることになる。 【0006】図6は、従来の2軸押出機を用いて高粘度のポリマを成形した場合に、噛り現象により各スクリュ5,6に生じた摩耗量を示すもので、摩耗量はスクリュ外径を測定して計算したものである。 【0007】図6からも明らかなように、噛り現象により各スクリュ5,6に生じる摩耗量は、下流端に向かって次第に増加していることが判る。 【0008】このように、噛り現象により各スクリュ5,6に摩耗が生じると、ポリマ製品中に金属片や金属粉が混入して製品不良の原因となるとともに、各スクリュ5,6先端部分のスクリュ外径および谷部が摩耗していくと、スクリュ本来の昇圧能力が落ちるという問題がある。そして、スクリュの昇圧能力が落ちると、スクリュ溝内でのバックフロー(逆流)およびバレルとスクリュ山部との間の間隙を通る漏洩流(逆流)が多くなって、スクリュの剪断発熱によるポリマ成形温度が高くなり、ポリマ同志が熱架橋反応を起こしてポリマが熱劣化し、物性的強度が落ちて良品が得られないという問題がある。 【0009】本発明は、このような点を考慮してなされたもので、高粘度ポリマを成形する場合でも、噛り現象によるスクリュの摩耗を防止することができる2軸押出機を提供することを目的とする。 【0010】本発明の他の目的は、スクリュ先端部でのニーディングディスク部による無駄な発熱を抑えることができる2軸押出機を提供するにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため本発明は、上流端に材料供給口を有するとともに下流端に排出口を有しかつ中間部に任意数のベント口を備えたバレル内に、2本のスクリュを回転自在に嵌挿した2軸押出機において、前記各スクリュは、前記材料供給口近傍に、リード角をもつフライトを有するスクリュ部を備え、かつ前記排出口と下流端のベント口との間の少なくとも一箇所に、ニーディングディスク部を備えていることを特徴とする。 【0012】また本発明は、ニーディングディスク部を、送り効果を有する捩れディスクで構成するようにしたことを特徴とする。 【0013】 【作用】本発明においては、各スクリュの排出口と下流端のベント口との間、すなわちスクリュ先端側の少なくとも一箇所に、ニーディングディスク部が設けられている。そして、高粘度のポリマを成形した場合、スクリュ部では,両スクリュを引付ける方向の力が作用するが、ニーディングディスク部では、両スクリュを引離す方向の力が作用することになる。このため、これら両力が打消し合って、噛り現象によるスクリュの摩耗を完全に防止することが可能となる。 【0014】また、本発明においてはニーディングディスク部が、送り効果を有する捩れディスクで構成されている。このため、ニーディングディスク部による無駄な発熱を抑えることが可能となる。 【0015】 【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説明する。なお、本発明はスクリュ先端部の構造にのみ特徴を有し、他の構成は前記従来の2軸押出機と同一であるので、以下この特徴部分についてのみ図示説明する。 【0016】図1は、本発明に係る2軸押出機を示すもので、図中、符号1はバレルであり、このバレル1には、上流端に材料供給口(図示せず)が設けられるとともに、下流端に排出口3が設けられ、またバレル1の中間部には、1個または複数個のベント口4が設けられている。そして、このバレル1内には、同方向回転完全噛合形の第1スクリュ15および第2スクリュ16が回転自在に嵌挿されている。 【0017】各スクリュ15、16は、リード角をもつフライトを有するスクリュ部15a、16aと、樹脂材料を混練溶融させるためのニーディングディスク部15b、16bとを備えている。また、各ニーディングディスク部15b、16bは、下流端のベント口4と排出口3との間にそれぞれ配設されているとともに、送り効果を有する、例えば右捩れのディスクでそれぞれ構成をされている。 【0018】なお、これら各スクリュ15、16の各ベント口4の上流側には、前記従来の各スクリュ5、6と同様、樹脂材料を混練するためのニーディングディスク部(図示せず)がそれぞれ設けられ、混練溶融により樹脂材料から発生した不純物としての気体を、各ベント口4から脱気できるようになっている。 【0019】次に、本実施例の作用について説明する。 【0020】ポリマ溶融時に弾性変形とその変形に対する復元力(弾性応力)とが大きい、例えば合成ゴム等の高粘度ポリマを成形すると、図5(a)で説明したように、両スクリュ15、16のスクリュ部15a、16a間にポリマが8字状に巻付くことになり、これによりスクリュ15、16同志を引付けるようにする力が作用する。 【0021】一方、ニーディングディスク部15b、16bにおいては、図2に示すように、溶融樹脂17によりF′1 とF″1 との合力F1 が作用し、この合力F1 は、各ニーディングディスク部15b、16bをバレル1側に押付ける方向の力であるので、スクリュ15、16同志を引離そうとする。 【0022】このため、スクリュ部15a、16aに生じるスクリュ15、16同志を引付けるようとする力と、ニーディングディスク部15b、16bに生じるスクリュ15、16同志を引離そうとする力とが打消し合い、スクリュ15、16に噛り現象による摩耗の生じるおそれがない。 【0023】なお、本発明者等は、図6で説明したのと同様の実験を、図1に示す2軸押出機を用いて行なった。その結果、摩耗を完全に防止できることが確認された。 【0024】このように、本実施例によればスクリュ15、16の先端側にニーディングディスク部15b、16bを設けるようにしているので、スクリュ15、16の噛り現象による摩耗を完全に防止することができる。 【0025】また、各ニーディングディスク部15b、16bは、送り効果を有する右捩れのディスクで構成されているので、ニーディングディスク部15b、16bによる無駄な発熱を抑えることができる。 【0026】なお、前記実施例においては、下流端のベント口4と排出口3との間の一箇所に、ニーディングディスク部15b、16bを設ける場合について説明したが、複数個のベント口を設け、それぞれのベント口の上流位置にニーディングディスク部を必要に応じ複数箇所設けるようにしてもよい。 【0027】 【発明の効果】以上説明したように本発明は、スクリュ先端側の少なくとも一箇所にニーディングディスク部を設けるようにしているので、高粘度ポリマを成形する場合でも、噛り現象によるスクリュの摩耗を完全に防止することができる。 【0028】また本発明は、ニーディングディスク部を、送り効果を有する捩れディスクで構成しているので、ニーディングディスク部による無駄な発熱を抑えて、ポリマの物性的強度低下をより完全に防止することができる。
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