米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 住友金属工業株式会社

発明の名称 高ヤング率鋼を用いたスパイラル溶接鋼管,帯状鋼板およびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−1234
公開日 平成8年(1996)1月9日
出願番号 特願平6−133246
出願日 平成6年(1994)6月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】久門 知
発明者 平山 博巳 / 高田 啓一 / 宍戸 唯一
要約 目的
幅方向のヤング率が高い高ヤング率鋼板から、材軸方向にヤング率の高いスパイラル溶接鋼管などの構造部材を連続的に製造できるようにする。

構成
鋼板圧延方向xと直交する圧延直交方向yのヤング率が高い高ヤング率鋼板1を用い、この高ヤング率鋼板1を巻き戻して送り出し、前記鋼板圧延方向yと製管される鋼管の垂直断面とのなす成形角度ψが0<ψ≦20°(好ましくはψ≦10°)の範囲で螺旋状に連続してスパイラル成形し、接合したスパイラル接合エッジ部を溶接してスパイラル溶接鋼管3を得る。管軸l方向に対して高ヤング率鋼板1の圧延直交方向yが0<ψ≦20°の範囲で延在し、スパイラル溶接鋼管3の管軸l方向のヤング率が普通鋼のものより高くなる。
特許請求の範囲
【請求項1】 鋼板圧延方向と直交する圧延直交方向のヤング率が高い高ヤング率鋼板を用いてスパイラル製管されるスパイラル溶接鋼管であって、前記圧延直交方向と鋼管の管軸方向とのなす角度ψが0<ψ≦20°の範囲であることを特徴とする高ヤング率鋼を用いたスパイラル溶接鋼管。
【請求項2】 鋼板圧延方向と直交する圧延直交方向のヤング率が高い高ヤング率鋼板を巻き戻して送り出し、前記鋼板圧延方向と製管される鋼管の垂直断面とのなす成形角度ψが0<ψ≦20°の範囲で螺旋状に連続してスパイラル成形し、接合したスパイラル接合エッジ部を溶接することを特徴とする高ヤング率鋼を用いたスパイラル溶接鋼管の製造方法。
【請求項3】 鋼板圧延方向と直交する圧延直交方向のヤング率が高い高ヤング率鋼板からなる電縫鋼管を用いて連続的に製造される帯状鋼板であって、前記圧延直交方向と鋼板の材軸方向とのなす角度ψが0<ψ≦20°の範囲であることを特徴とする高ヤング率鋼を用いた帯状鋼板。
【請求項4】 鋼板圧延方向と直交する圧延直交方向のヤング率が高い高ヤング率鋼板を前記圧延直交方向の両端部を突き合わせて溶接することによりストレートシームの電縫鋼管を製造し、次いでこの電縫鋼管を回転させつつ電縫鋼管の管軸方向とのなす角度ψが0<ψ≦20°の範囲で螺旋状に連続して切断し、帯状鋼板を得ることを特徴とする高ヤング率鋼を用いた帯状鋼板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鋼板圧延方向と直交する方向のヤング率が他の方向より高い高ヤング率鋼を用いたスパイラル溶接鋼管,長手方向に連続した帯状鋼板およびこれらを製造するための製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】素材鋼材に適切な熱間圧延あるいは冷間圧延−熱処理などを施し、材料の集合組織を制御することによって、鋼材の特定方向のヤング率を高めることが可能であることは、よく知られている。
【0003】図3に示すのは、SS材をフェライト析出の温度域で冷間圧延した鋼板の例であり、ヤング率Eについて圧延直交方向(θ=90°)が普通鋼よりも大幅に高く、次いで圧延方向(θ=0°)が若干高く、45°方向(θ=45°)では普通鋼より低いことが分かる。理論的には、鋼材の結晶格子の方位〔111〕を全て特定の方向に並べることが可能であれば、ある特定方向の材料のヤング率は上限38%まで上昇させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述のような特定の方向に対してヤング率を高めた鋼板は、当然のことながらヤング率に関して異方性を有している。一般に制御圧延による製造方法では、鋼板の圧延方向と直交する方向(鋼板幅方向)にヤング率を高めることは可能であるが、圧延方向(鋼板長手方向)にヤング率を高めることは難しい。
【0005】このような高ヤング率鋼が構造部材に要求されるのは、部材の弾性変形を少なくしたいこと、弾性座屈荷重を上昇させたい等の理由によるが、一般に部材変形の大部分を占める曲げ変形や軸方向変形を少なくするためには、部材軸方向のヤング率を高くする必要がある。しかし、鋼板幅方向にヤング率を高めた鋼材を、これらの構造部材に適用しようとする場合、鋼板幅方向に部材軸方向を一致させる必要があるため、例えば高ヤング率鋼板を長手方向に所定のピッチに切断し、これら単位鋼板を鋼板幅方向が材軸方向となるように溶接等で繋ぎ合わせることはできるが、連続した厚板ロール材から管軸方向あるいは材軸方向にヤング率の高い鋼管や帯状鋼板等を連続的に製造することができない。
【0006】この発明は、前述のような問題点を解消すべくなされたもので、その目的は、長手方向に連続した高ヤング率鋼板から、材軸方向にヤング率の高い構造部材を連続的に製造することのできるスパイラル溶接鋼管,帯状鋼板およびその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係るスパイラル溶接鋼管は、第1図に示すように、鋼板圧延方向xと直交する圧延直交方向yのヤング率が高い高ヤング率鋼板1を用いてスパイラル製管されるスパイラル溶接鋼管であって、前記圧延直交方向yと鋼管の管軸l方向とのなす角度ψが0<ψ≦20°(好ましくはψ≦10°)の範囲となるようにする。
【0008】また、この製造に際しては、鋼板圧延方向xと直交する圧延直交方向yのヤング率が高い高ヤング率鋼板1を巻き戻して送り出し、前記鋼板圧延方向yと製管される鋼管の垂直断面とのなす成形角度ψが0<ψ≦20°(好ましくはψ≦10°)の範囲で螺旋状に連続してスパイラル成形し、接合したスパイラル接合エッジ部を溶接して、スパイラル溶接鋼管3を得る。
【0009】次に、この発明に係る帯状鋼板は、第2図に示すように、鋼板圧延方向xと直交する圧延直交方向yのヤング率が高い高ヤング率鋼板11からなる電縫鋼管13を用いて連続的に製造される帯状鋼板15であって、前記圧延直交方向yと鋼板の材軸l2 方向とのなす角度ψが0<ψ≦20°(好ましくはψ≦10°)の範囲となるようにする。
【0010】また、この製造に際しては、鋼板圧延方向xと直交する圧延直交方向yのヤング率が高い高ヤング率鋼板11を前記圧延直交方向yの両端部を突き合わせて溶接することによりストレートシームの電縫鋼管13を製造し、次いでこの電縫鋼管13を回転させつつ電縫鋼管の管軸l1 方向とのなす角度ψが0<ψ≦20°(好ましくはψ≦10°)の範囲で螺旋状に連続して切断し、帯状鋼板15を得る。さらに、この帯状鋼板15を用いて溶接形鋼や電縫鋼管などの最終成品を製造する。
【0011】
【作用】以上のような構成において、スパイラル溶接鋼管の場合、図1に示すように、製造されたスパイラル溶接鋼管3の管軸l方向に対して、素材である高ヤング率鋼板1の板幅方向yが成形角度ψで延在する。高ヤング率鋼板1の圧延方向xに対する角度θとヤング率の関係は、例えば図3のグラフに示すようになる。このグラフにおいて、高ヤング率鋼板1の圧延直交方向であるθ=90°で、ヤング率Eは最大となり、θが小さくなるに従って漸次減少し、θ=45°で最小となっている。前記角度ψはθ=90°からの角度であるから、角度ψが0<ψ≦20°の範囲であればヤング率は普通鋼よりも高く、またψ≦10°ではθ=90°と同程度の高いヤング率を得ることができる。
【0012】従って、同じ化学組成で等方性の普通鋼に比べて管軸l方向のヤング率が高いスパイラル溶接鋼管3を得ることができる。管軸l方向のヤング率が高くなることにより、耐力,引張・圧縮強度,曲げ耐力,弾性座屈強度などが向上し、弾性変形が少なく、弾性座屈荷重の向上した構造用鋼管が得られる。
【0013】なお、ψ=0°ではスパイラル製管できないため、0°より大とし、また製管される管の径Dは、元の高ヤング率鋼板1の板幅Bに比例し、sinψに反比例するため、必要な管径Dと使用する板幅Bから0<ψ≦20°の範囲でψを決定する。
【0014】次に、帯状鋼板の場合も同様に、電縫鋼管13を介して製造された帯状鋼板15の材軸l2 方向に対して、素材である高ヤング率鋼板1の圧延直交方向yが切断角度ψで延在し、角度ψが0<ψ≦20°の範囲であればヤング率は普通鋼よりも高く、またψ≦10°ではθ=90°と同程度の高いヤング率を得ることができ、同じ化学組成で等方性の普通鋼に比べて材軸l2 方向のヤング率が高い帯状鋼板15を得ることができる。この帯状鋼板15を形鋼や鋼管として使用すれば、材軸方向のヤング率が高くなることにより、耐力,引張・圧縮強度,曲げ耐力,弾性座屈強度などが向上し、弾性変形が少なく、弾性座屈荷重の向上した構造部材が得られる。
【0015】なお、この場合もψ=0°では切断展開できないので、0°より大とし、またまた製造される帯状鋼板15の板幅B2 は、元の高ヤング率鋼板1の板幅B1 に比例し、sinψに反比例するため、必要な板幅B2 と使用する板幅B1 から0<ψ≦20°の範囲でψを決定する。
【0016】【実施例】以下、この発明を図示する一実施例に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る管軸方向に高いヤング率を有するスパイラル溶接鋼管の例、図2は、本発明に係る材軸方向に高いヤング率を有する帯状鋼板の例である。
【0017】図1に示すように、制御圧延等で圧延方向(鋼板長手方向)xと直交する圧延直交方向(鋼板幅方向)yのヤング率が他の方向よりも高い高ヤング率鋼板(厚板ロール材)1を使用し、大径管の製造に使用されている通常のスパイラル造管設備2により本発明のスパイラル溶接鋼管3を製造する。スパイラル造管設備2は、主にベンディングロール4,内面溶接機5,外面溶接機6などを備え、次のようにスパイラル溶接鋼管3の製造を行う。
【0018】(1) 前工程で製造されて巻き取られた厚板ロール材1をエントリー部に供給し、このエントリー部においてアンコイラで巻き戻しつつピンチロールで送り出し、レベリング・サイドトリミング・溶接開先加工などの必要な処理を施した後、成形部に導く。
【0019】(2) エントリー部は成形部に対して角度を変えることができる構成であり、所定幅Bとなった厚板ロール材1を、製造されるスパイラル溶接鋼管3の垂直断面に対して角度ψの成形角度で供給し、ベンディングロール4で螺旋状に連続成形する。この角度ψは、0<ψ≦20°の範囲とする。
【0020】(3) スパイラル接合エッジ部を自動サブマージドアーク溶接機などの内面溶接機5および外面溶接機6で溶接し、次いで後段の走行切断機で所定長さに切断する。ここで、通常は最初に出会うエッジ部を内面溶接し、ほぼ半回転または1.5回転した最上点で外面溶接を行う。
【0021】製造されたスパイラル溶接鋼管3は、ヤング率の高い圧延直交方向yが管軸l方向に対して20°以下の範囲にあり、図3に示すように、この範囲では普通鋼よりヤング率が高いため、管軸l方向のヤング率が普通鋼からなるスパイラル溶接鋼管よりも高くなる。種々の材料試験を行ったところ、本発明のスパイラル溶接鋼管3では、降伏点,引張・圧縮強度,曲げ耐力,弾性座屈強度とも普通鋼のスパイラル溶接鋼管より、高い値が得られた。
【0022】また、元の厚板ロール材1の板幅Bと、製造されるスパイラル溶接鋼管3の板厚中心の直径Dの関係は、幾何学的関係から次式のようになる。
【0023】
【数1】

【0024】例えば、板幅B=300mmとすると、(1)式よりψ≦20°の範囲で、D≧279mmとなり、通常使用されるスパイラル溶接鋼管のサイズを充分にカバーできる。なお、成形角度ψを小さくすれば、製管能率が低下するが、ヤング率が若干向上し、かつ大径のものが得られることになる。次に、帯状鋼板について説明する。図2に示すように、前述のスパイラル溶接鋼管と同様に、制御圧延等で圧延方向(鋼板長手方向)xと直交する圧延直交方向(鋼板幅方向)yのヤング率が他の方向より高い高ヤング率鋼板(一次厚板ロール材)11を使用し、小・中径管の製造に使用されている通常の電縫管製造設備12によりストレートシームの電縫鋼管13を製造し、この電縫管13を切断設備14でスパイラル切断して本発明の帯状鋼板15(二次厚板ロール材)を得る。
【0025】電縫管製造設備12は、主にフォーミングロール16からなる複数段のロールスタンド,電気抵抗溶接用のコンタクトチップ17からなる電気抵抗溶接機などを備えている。切断設備14は、一対の回転ロール18からなる複数段のロールスタンドと、切断機19と、ピンチロール20などから構成する。次のように帯状鋼板15を製造する。
【0026】(1) 前工程で製造されて巻き取られた一次厚板ロール材11を電縫管製造設備12のエントリー工程に供給し、このエントリー工程においてアンコイラで巻き戻しつつピンチロールで送り出し、レベリング・サイドトリミングなどの必要な処理を施した後、成形工程において所定幅B1 となった一次厚板ロール材11を管状に成形し、幅方向両端部を電気抵抗溶接し、次いで内外面ビードを切削除去して所定の長さに切断する。板厚中心の直径がD1 でヤング率の高い圧延直交方向yが円周方向に一致する電縫鋼管13が得られる。
【0027】(2) このような電縫鋼管13を切断設備14へ送り、回転ロール18で回転させつつ切断機19で一点を切断し、ピンチロール20で電縫鋼管13の垂直断面に対して角度ψで引き出すことによりスパイラル切断する。この角度ψは、0<ψ≦20°の範囲とする。これにより幅B2 で長手方向に連続した二次厚板ロール材15が連続して得られる。なお、得られた二次厚板ロール材15には、圧延方向xと平行な電縫管13のシーム部が所定ピッチをおいて存在するが、強度的に問題となることはない。
【0028】(3) この二次厚板ロール材15を所定長さに切断した後、溶接等により組み合わせて構造部材用の溶接形鋼や、さらに電縫管製造設備を使用して構造部材用のストレートシームの電縫鋼管などを製造する。
【0029】製造された二次厚板ロール材や最終成品の帯状鋼板15は、前述のスパイラル鋼管と同様に、ヤング率の高い圧延直交方向yが材軸l2 方向に対して20°以下の範囲にあり、図3に示すように、この範囲では普通鋼よりヤング率が高いため、材軸方向lのヤング率が普通鋼からなる鋼板よりも高くなる。種々の材料試験を行ったところ、本発明の帯状鋼板では、降伏点,引張・圧縮強度,曲げ耐力,弾性座屈強度とも普通鋼の鋼板より、高い値が得られた。
【0030】また、元の一次厚板ロール材11の板幅B1 と、製造される二次厚板ロール材15の板幅B2 の関係は幾何学的関係から(2)式のようになる。
【0031】
【数2】

【0032】例えば、熱間または冷間圧延により得られる一次厚板ロール材11の最大幅は、B1max=4000〜5000mm程度であるので、二次厚板ロール材15の最大幅は、(2)式よりψ≦20°の範囲で、B2max=B1maxsinψ≦1368〜1710mmとなる。
【0033】この二次厚板ロール材15を用いて溶接形鋼を製造する場合、このB2maxの範囲で、建築または土木用を含めた構造用部材の必要サイズをカバーできる。また、この二次厚板ロール材15を用いて電縫鋼管を製造する場合、製造できる電縫鋼管の最大サイズ(径)D2maxは、D2max=B2max/π≦435〜544mmとなり、鋼管柱からトラス用の部材等まで広範囲に適用可能となる。
【0034】
【発明の効果】前述の通り、この発明は、高ヤング率鋼板を用いて成形角度ψが0<ψ≦20°の範囲でスパイラル製管し、あるいは高ヤング率鋼板を用いて得られた通常のストレートシーム電縫鋼管から切断角度ψが0<ψ≦20°の範囲でスパイラル切断するようにしたため、次のような効果を奏する。
【0035】(1) 普通鋼より管軸方向のヤング率が高いスパイラル溶接鋼管を連続的に製造することができ、弾性変形が少なく弾性座屈荷重が大きいなど性能の優れた構造用鋼管を通常の生産設備で効率良く安価に得ることができる。
【0036】(2) 普通鋼より材軸方向のヤング率が高い帯状鋼板を連続的に製造することができ、弾性変形が少なく弾性座屈荷重が大きいなど性能の優れた形鋼や鋼管等の一般的な構造部材を通常の生産設備で効率良く安価に得ることができる。また、帯状鋼板の場合、これを素材として形鋼や鋼管などの種々の構造部材が得られる利点がある。


 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2010