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発明の名称 タンディッシュ内溶鋼の清浄化方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−47752
公開日 平成8年(1996)2月20日
出願番号 特願平6−203020
出願日 平成6年(1994)8月5日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】井上 雅生
発明者 笹井 勝浩 / 水上 義正
要約 目的
本発明は、耐火ボード蓋等の大がかりな設備を必要とせず、簡便な方法で最も激しい鋳込初期の溶鋼汚染をすみやかに低減し、さらにタンディッシュにおける介在物除去効果をも向上させるタンディッシュ内溶鋼の清浄化方法を提示することを目的とするものである。

構成
本発明は、取鍋からタンディッシュに溶鋼を注入する際、注入点のタンディッシュ側壁から不活性ガスを吹き込むことを特徴とするタンディッシュ内溶鋼の清浄化方法に関するものである。
特許請求の範囲
【請求項1】 取鍋からタンディッシュに溶鋼を注入する際、注入点のタンディッシュ側壁から不活性ガスを吹き込むことを特徴とするタンディッシュ内溶鋼の清浄化方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼の連続鋳造において取鍋からタンディッシュ内に溶鋼の注入を開始する際、急激な溶鋼の空気酸化を防止し、タンディッシュ内溶鋼の清浄化を図る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】鋼の連続鋳造において、タンディッシュは取鍋と鋳型間に位置し、操業、品質上最も重要な役割を果たす部分の一つである。
【0003】その機能は、鋳型内への溶鋼供給量の調節、溶鋼貯蔵、介在物の分離除去等である。特に、介在物除去の機能は、近年の鋼材品質厳格化に伴い極めて重要な機能となっている。
【0004】しかし、取鍋からタンディッシュに溶鋼を注入する際、空気酸化による溶鋼汚染の問題が生じるため、タンディッシュにおける介在物除去効果が十分に発揮されていないのが現状である。
【0005】このため、タンディッシュ内における溶鋼汚染防止を目的として種々の方法が検討され、実用化されている。例えば、特開昭59―1055号公報に記載されているように、耐火ボード蓋で覆われたタンディッシュ内に不活性ガスを吹き込むことにより、注入溶鋼の空気酸化防止が図られている。
【0006】また、特開昭60―261651号公報では、取鍋から溶鋼を注入する際のタンディッシュ内の湯面上昇速度を限定することにより空気酸化を抑制する方法が提案され、或程度の効果を発揮している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、タンディッシュを耐火ボード蓋で覆い不活性ガスでシールする方法については、タンディッシュや耐火ボード自体が高温で変形するため、空気酸化を防止できる程度までタンディッシュ内の酸素分圧を低減することはできない。
【0008】また、鋳込初期は注入流による攪拌エネルギーが大きいため、反応界面積が増大し、空気酸化速度は定常時に比べて格段に速い。
【0009】このため、鋳込初期においてタンディッシュ内の湯面上昇速度を限定する方法は、空気酸化を幾分抑制する効果があるものの十分な汚染防止対策にはなっていない。
【0010】これらの問題を鑑み、本発明は、耐火ボード蓋等の大がかりな設備を必要とせず、簡便な方法で最も激しい鋳込初期の溶鋼汚染をすみやかに低減し、さらにタンディッシュにおける介在物除去効果をも向上させるタンディッシュ内溶鋼の清浄化方法を提示することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、取鍋からタンディッシュに溶鋼を注入する際、注入点のタンディッシュ側壁から不活性ガスを吹き込むことを特徴とするタンディッシュ内溶鋼の清浄化方法に関するものである。
【0012】
【作用】一般に、取鍋からタンディッシュ内に溶鋼を注入する際、取鍋ロングノズルが湯面下に浸漬されるまでは注入流の攪拌エネルギーが非常に大きいため、鋳込初期は溶鋼表面積が増大し、(1)式の反応で示される空気酸化に起因して多数の介在物が生成する。
【0013】
【化1】
Al(溶鋼中)+3O2(空気中)=2Al23(介在物) (1)
【0014】このように、鋳込初期の空気酸化速度は定常状態のそれに比べて極めて速く、タンディッシュにおける溶鋼汚染の最大の原因となっている。
【0015】そこで、本発明者らは、この鋳込初期の空気酸化を防止すると共に、取鍋から持ち込まれた介在物の浮上分離を促進する方法について種々の検討を行った結果、注入点のタンディッシュ側壁から不活性ガスを吹き込むことが有効であることを見いだした。
【0016】図1は本発明を説明するための図、図2は従来のタンディッシュシール方法を説明するための図である。
【0017】取鍋1から溶鋼2をロングノズル6を通してタンディッシュ3内に注入する際、注入点のタンディッシュ側壁に設けたポーラスプラグ4から不活性ガス5を吹き込むと、溶鋼2中および雰囲気中に同時に不活性ガス5を供給することができる。
【0018】溶鋼表面7より下部から溶鋼2中に吹き込まれた不活性ガス5―1は、溶鋼2中で介在物の浮上分離を促進すると共に、溶鋼2中から雰囲気中に移行することにより溶鋼表面7の酸素濃度を低下させ、空気酸化を抑制する。
【0019】一方、溶鋼表面7より上部から雰囲気中に吹き込まれた不活性ガス5―2は溶鋼表面をカーテン状に覆い、雰囲気から溶鋼表面をシールする効果を有する。
【0020】従来の空気酸化防止はタンディッシュを耐火ボード蓋10で覆い、上部ノズル8から溶鋼表面7に不活性ガス5を吹き付ける方法で行われているが、本方法では周囲の酸素9を巻き込み、溶鋼表面7に吹き付けることになるため、溶鋼2の空気酸化を促進する結果となる。
【0021】しかし、本発明によれば、タンディッシュ側壁の溶鋼表面より上部から雰囲気中に吹き込まれた不活性ガス5―2は溶鋼表面7を水平に流れるため、雰囲気からの酸素9巻き込みがなく、タンディッシュ3内の酸素濃度が高い状態でも十分空気酸化を防止できる。
【0022】一方、タンディッシュ底部から不活性ガスを吹き込み、溶鋼表面の酸素濃度を下げることにより空気酸化を防止する方法も考えられる。
【0023】この場合不活性ガスは全量溶鋼中に吹き込まれるため、タンディッシュ側壁からのガス吹き込みに比べて、溶鋼表面に供給される攪拌エネルギーは大きくなる。
【0024】さらに、溶鋼静圧の高いタンディッシュ底部で生成した気泡は浮上中に膨張するため、この膨張エネルギーを考慮すると、溶鋼表面に供給される攪拌エネルギーはさらに増加する。
【0025】その結果、タンディッシュ底部からの不活性ガス吹き込みでは、雰囲気中の酸素濃度を低下させる効果よりも、溶鋼表面積を増加させる効果が大きくなり、溶鋼の空気酸化速度はかえって速くなる。
【0026】以上に述べたように、タンディッシュ側壁からの不活性ガス吹き込みは、溶鋼表面に供給される攪拌エネルギーを最小限にし溶鋼表面積の増大を抑え、且つ溶鋼表面の酸素濃度を低減できるため、タンディッシュ注入点の空気酸化を効率的に防止できる方法である。
【0027】タンディッシュ側壁における不活性ガス吹き込み用ポーラスプラグの幅は、取鍋からタンディッシュに溶鋼を注入するロングノズルの外径以上が良く、好ましくは注入溶鋼流の影響によりロングノズルと同心円状に盛り上がった溶鋼表面の直径以上とする。
【0028】タンディッシュ側壁からの不活性ガス吹き込みは、必ずしも両方の側壁から実施する必要はなく、一方から実施しても良い。この不活性ガスは微細であるほど介在物浮上に効果があり、10mmφ以下の気泡として吹き込むことが好ましい。
【0029】また、不活性ガスの吹き込み流量は5〜100Nl/min程度が好ましい。すなわち、5Nl/min未満では溶鋼表面のシール効果が不十分であり、また100Nl/min超では溶鋼のボイングが激しく溶鋼表面積が大きくなり過ぎ、この場合も十分な酸化防止効果は得られない。
【0030】さらに、鋳込み初期の最も溶鋼汚染が激しい場合だけでなく、鋳造全域に渡って本発明を適用することは十分可能であり、全体の鋳片品質を向上させるためにも有効な方法である。
【0031】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明について説明する。
【0032】
【実施例1】図1に示す容量50tのタンディッシュ3(深さ1.0×幅2.0×長さ8.0m)には、その側壁に不活性ガス供給管に接続されたガス吹き込み用ポーラスプラグ4が設けられている。
【0033】ここで使用したポーラスプラグ4の幅は、ロングノズル6外径(200mm)の2倍とした。
【0034】成分C:50ppm、Si:0.015%、Mn:0.25%、P:0.02%、S:0.01%、Al:0.035%、温度1550℃(タンディッシュ内)の溶鋼250tを取鍋1からタンディッシュ3内に25t/minで注入を開始すると共に、タンディッシュ側壁の2個のポーラスプラグ(アルミナ製)4から初期気泡径10mmφのArガス5を各々25Nl/minずつ吹き込んだ。
【0035】タンディッシュ1内に溶鋼4が充満した後、溶鋼注入量を8t/minまで絞ると共に、鋳型に鋳造を開始した。この時、タンディッシュ出側の溶鋼中全酸素量は注入初期から一定値を示し、安定して全酸素量20ppmを確保できた。
【0036】これにより、溶鋼汚染は確実に防止でき、圧延後の成品には表面欠陥は全く発生しなかった。
【0037】
【実施例2】図1に示すタンディッシュ3を用いて操業した例であり、該タンディッシュ3は実施例1と同一の寸法を有するもので、不活性ガス吹き込みはタンディッシュ側壁の一方に設けた400mm幅のガス吹き込み用ポーラスプラグ4から行った。
【0038】成分C:50ppm、Si:0.015%、Mn:0.25%、P:0.02%、S:0.01%、Al:0.035%、温度1550℃(タンディッシュ内)の溶鋼250tを取鍋1からタンディッシュ3内に25t/minで注入を開始すると同時に、タンディッシュ側壁の一方にあるポーラスプラグ(アルミナ製)4から初期気泡径10mmφのArガス5を70Nl/minで吹き込んだ。
【0039】タンディッシュ1内に溶鋼2が充満した後、溶鋼注入量を8t/minまで絞ると共に、鋳型に鋳造を開始した。この時、タンディッシュ出側の溶鋼中全酸素量は注入初期から一定値を示し、安定して全酸素量19ppmを確保できた。
【0040】これにより、溶鋼汚染は確実に防止でき、圧延後の成品には表面欠陥は全く発生しなかった。
【0041】
【比較例1】図2のタンディッシュ3を用いて操業した例であり、該タンディッシュ3は実施例1と同一の寸法を有するもので、タンディッシュ上部は耐火ボード蓋10で覆った。
【0042】タンディッシュ上部に設けたノズル8からArガス5を1000Nl/minで吹き付け、成分C:50ppm、Si:0.015%、Mn:0.25%、P:0.02%、S:0.01%、Al:0.035%、温度1550℃(タンディッシュ内)の溶鋼250tを取鍋1からタンディッシュ3内に25t/minで注入を開始した。
【0043】タンディッシュ3に溶鋼2が充満した後、溶鋼注入量を8t/minまで絞ると共に、鋳型に鋳造を開始した。
【0044】注入初期から溶鋼中全酸素量は80ppmあり、その後徐々に低下したが、最終到達値は50ppmであった。このため、注入初期の溶鋼汚染防止機能及びその後の介在物除去効果の向上は見られず、圧延後の成品には表面欠陥が発生した。
【0045】
【発明の効果】以上のごとく、本発明のタンディッシュ内溶鋼の清浄化方法によれば、大がかりな設備を必要とせず、最も激しい鋳込初期の溶鋼汚染をすみやかに低減し、さらにタンディッシュにおける介在物除去効果をも向上できるため、鋳片の品質は極めて向上する。




 

 


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