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発明の名称 連鋳鋳片の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−39196
公開日 平成8年(1996)2月13日
出願番号 特願平6−192738
出願日 平成6年(1994)7月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】秋沢 政光 (外1名)
発明者 竹内 栄一 / 田中 誠 / 原田 寛
要約 目的
直流磁界によって分断される連鋳ストランド・プール内の上下各プールに異なる組成の溶鋼を供給して複層鋳片を連続鋳造する際、各プール中での溶質濃度を均一化する。

構成
連鋳鋳型1内の溶鋼メニスカスから一定の距離下方において、鋳片の厚みを横切るように鋳片幅方向に亘って均一な強度の直流磁界10を印加する。直流磁界10によって区分された上部プール4に、浸漬ノズル13の吐出孔の角度を上下向き45度以内に調整して一定の組成の溶鋼を注入する。下部プール5に侵入する溶鋼にワイヤー14によって所定の溶質元素を添加しながら鋳造する。浸漬ノズル13の直流磁界10位置近傍に耐火物製の仕切り板15を設置すること、移動磁界により下部プール5を攪拌することは好ましい。
特許請求の範囲
【請求項1】 連鋳鋳型内の溶鋼メニスカスから鋳造方向に一定の距離下方の位置において鋳片の厚みを横切るように鋳片幅方向に亘ってほぼ均一な強度の直流磁界を印加し、この直流磁界によって区分された溶鋼プールのうち上部プールに溶鋼を注入し、下部プールに侵入してくる溶鋼にワイヤーを用いて所定の溶質元素を添加することにより溶鋼成分を調整しながら連続鋳造する該溶質元素の内層濃度が表層濃度に比べて高い複層連鋳鋳片の製造方法において、上部プールに溶鋼を注入する浸漬ノズル吐出孔の角度を上下向き45度以内に調整して下部プールに添加された溶質元素の上部プールへの拡散混合を抑えることを特徴とする連鋳鋳片の製造方法。
【請求項2】 浸漬ノズルの直流磁界位置近傍の上部プールと下部プールとの境界領域内に耐火物製の仕切り板を設置し、浸漬ノズルからの吐出流れによって下部プールに一定の攪拌を与えると共に、これによって生ずる下部プールから上部プールへの上昇流を抑えることを特徴とする請求項1記載の連鋳鋳片の製造方法。
【請求項3】 移動磁界により下部プールを攪拌することを特徴とする請求項1または2記載の連鋳鋳片の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶鋼から直接、表層と内層の成分が異なる複層状の連鋳鋳片を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−108947号公報には、連続鋳造鋳型内溶融金属メニスカスから鋳造方向に一定の距離下方の位置において鋳片の厚みを横切るように直流磁界を印加し、その直流磁界帯の上のプールと下のプールにそれぞれ異なる種類の溶融金属を供給しつつ、凝固、引き抜きを行うことによって、表層と内層が異なる種類の組成の金属から形成された複層鋳片を連続鋳造する方法と装置が記載されている。これによって上プールの金属が表層に、下プールの金属が内層に分離、凝固した複層鋳片を得ることが可能になった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この複層鋳片の製造方法は、鋼の溶製段階、すなわち精錬段階において2種類の溶鋼を別々に準備する必要があるため繁雑となって、従来の一貫製鋼中で実施すれば生産障害をきたす恐れがある。また、同公報には、一種類の組成の溶鋼を鋳型へ注入する際に、合金元素のワイヤーでどちらか一方あるいは両方のプールの溶鋼の組成を調整し、互いに異なる成分に調整することによって複層鋳片を製造することも可能であると記載されているが、溶鋼プール中での溶質濃度の均一化に課題が残されていた。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、連鋳鋳型内の溶鋼メニスカスから鋳造方向に一定の距離下方の位置において鋳片の厚みを横切るように鋳片幅方向に亘ってほぼ均一な強度の直流磁界を印加し、この直流磁界によって区分された溶鋼プールのうち上部プールに溶鋼を注入し、下部プールに侵入してくる溶鋼にワイヤーを用いて所定の溶質元素を添加することにより溶鋼成分を調整しながら連続鋳造する該溶質元素の内層濃度が表層濃度に比べて高い複層連鋳鋳片の製造方法において、上部プールに溶鋼を注入する浸漬ノズル吐出孔の角度を上下向き45度以内に調整して下部プールに添加された溶質元素の上部プールへの拡散混合を抑えることを特徴とする連鋳鋳片の製造方法である。浸漬ノズルの直流磁界位置近傍の上部プールと下部プールとの境界領域内に耐火物製の仕切り板を設置し、浸漬ノズルからの吐出流れによって下部プールに一定の攪拌を与えると共に、これによって生ずる下部プールから上部プールへの上昇流を抑えること、および、移動磁界により下部プールを攪拌することは好ましい。
【0005】
【作用】鋳片幅方向にわたって鋳片を厚み方向に横切る直流磁界が延在する磁界帯によって分断される連鋳ストランド・プール内の上部プールと下部プールの各位置にそれぞれ異なる組成の溶鋼を所定の比率で供給すると、一定の磁束密度以上の直流磁界が作用している部分では溶鋼が滞留し、それ以外の上下部プールでは溶鋼の流れによってそれぞれの溶鋼成分が均一な領域が形成される。この状態を保ちつつ連続鋳造すれば、表層と内層がそれぞれの溶鋼の組成から形成される複層鋳片が製造できる。すなわち、図4(a)に示すように、一定値以上の磁束密度の直流磁界10を鋳片幅にわたって均一に印加すると、直流磁界10によって滞留する領域の上部プール4および下部プール5では、それぞれのプールに注入された溶鋼の成分が維持されるが、これらに挟まれた境界領域6においては、2種類の溶鋼が互いに拡散、混合して濃度勾配が形成され、鋳造方向の成分濃度分布は図4(b)に示す通りとなる。このような構造を維持しながら連続鋳造すると、製造される鋳片の断面は、図4(c)のように、表層7と内層9の間に濃度勾配をもった境界層8が存在する構造となる。そして、一般に境界層8の厚みは表層7に比べて十分に薄いため、見掛上表層7と内層9が明瞭に分離した複層鋳片が鋳造できる。
【0006】本発明は、図1に示すように、精錬段階で溶製した一種類の溶鋼を連鋳鋳型1内に注入し、ワイヤー14によってCなどの溶質元素を下部プール5の溶鋼中に供給する際、連鋳操業を繁雑化させることなく容易に均一な濃度の内層組成をもった複層鋳片を製造する。すなわち、転炉あるいは電気炉などを用いて精錬し、一次成分調整した後、必要に応じて二次精錬工程や真空脱ガス工程などを通り、タンディッシュから浸漬ノズル13を介して連鋳鋳型1に注入された溶鋼のうち、下部プール5の溶鋼に特定の溶質元素を所定の濃度だけ添加し、直流磁界10よりも浅い部位で浸漬ノズル13から溶鋼を上下向き45度以内に吐出させ、直流磁界10を通過させて下部プール5を攪拌させる。この攪拌流れによってメニスカスからワイヤー14で添加された溶質元素を下部プール5内で混合し、濃度を均一化する。また、図2に示すように、浸漬ノズル13に耐火物製の仕切り板15を設ければ、下部プール5での流れの内、上部プール4へ上昇する流れを抑え、下部プール5に添加された溶質の上部プール4への漏洩を抑制することができる。さらに、図3に示すように、移動磁界16で下部プール5を攪拌することも、溶質元素の濃度分布均一化および溶解混合の安定化にとって有効である。
【0007】
【実施例1】幅が1.2m、厚みが0.25mの鋳片を製造する連鋳鋳型を用い、メニスカスから0.4m下方に幅方向に均一な磁束密度をもつ直流磁界を印加しながら、鋳造速度1.6m/分で複層鋳片を鋳造した。溶鋼としては、表1に示す組成の極低炭素鋼を転炉および真空脱ガス設備によって溶製し、溶鋼をレードルからタンディッシュに注入し、さらにタンディッシュから図1に示す形状の浸漬ノズル13を用いて連鋳鋳型1中に供給した。なお、表1において残りの成分はFeおよび不可避不純物である。浸漬ノズル13の吐出孔位置は直流磁界10より0.1m上方、吐出方向は水平とした。なお、この連鋳機での凝固シェル厚みd(m)の成長速度は数1によって与えられることがわかっており、これにより表層の厚みは10mmとなる。
【0008】
【表1】

【0009】
【数1】d=0.020×(L/Vc)1/2ここで、Vcは鋳造速度(m/分)
Lはメニスカスからの距離(m)
【0010】メニスカスより鉄被覆ワイヤーでTiを下部プールに供給したところ、これによって下部プールすなわち内層のTi濃度は0.045%増加した。また、Ti濃度の鋳片周方向のばらつきは±0.008%、表層のTi濃度増加量は0.008%であった。一方、浸漬ノズル吐出孔の角度を上向き60度とした場合には、表層のTi濃度増加量は0.005%に抑えることができたが、内層のTi濃度が鋳片周方向で±0.023%と大きくばらついた。また、浸漬ノズル吐出孔の角度を下向き60度とした場合には、内層のTi濃度の鋳片周方向ばらつきは±0.007%と改善されたが、表層のTi濃度増加量が0.019%となり、下部プールの溶鋼が上部プールに大量に侵入していることが判明した。
【0011】
【実施例2】実施例1と同一条件で、図2に示すように、境界領域6において鋳片厚み方向15cm、鋳片幅方向30cmの仕切り板15を設置した浸漬ノズル13によって溶鋼を注入した。ノズルの吐出方向は水平とした。メニスカスより鉄被覆ワイヤーでTiを下部プールに供給した。これによって下部プールすなわち内層のTi濃度が0.043%増加したのは実施例1とほぼ同等の結果であったが、鋳片周方向のばらつきが±0.005%と大きく改善されると共に、表層のTi濃度増加量も0.004%と大きく減少した。
【0012】
【実施例3】実施例1と同一条件で、図3に示すように、移動磁界16で下部プール5のワイヤー14溶解位置を中心に攪拌して0.3m/秒の旋回流動を形成させて鋳造した。ノズルの吐出方向は水平とした。メニスカスより鉄被覆ワイヤーでTiを下部プールに供給した。これによって下部プールすなわち内層のTi濃度が0.044%増加したのは実施例1とほぼ同等の結果であったが、鋳片周方向のばらつきが±0.003%と大きく改善された。
【0013】
【発明の効果】本発明によって、内層に所定の溶質元素が均一に含まれた複層鋳片を簡便に製造することができる。




 

 


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