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発明の名称 薄スラブ鋳片の連続鋳造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−33963
公開日 平成8年(1996)2月6日
出願番号 特願平6−167260
出願日 平成6年(1994)7月19日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弘明 (外1名)
発明者 梶谷 敏之 / 若生 昌光 / 小森 俊也 / 中村 州児
要約 目的
鋳型内に下向のスリットを有する通常径の扁平ノズル2本を最適配置して、鋳型内に溶鋼を注入することにより、縦割れ発生のない30〜100mm厚の薄スラブ鋳片が得られる薄スラブ鋳片の連続鋳造方法を提供する。

構成
鋳型への溶鋼注入ノズルとして下向きのスリットを有する2本の扁平ノズルを用いる薄スラブ鋳片の連続鋳造方法において、溶鋼注入時に生ずる4つの反転流の渦の大きさを均等にし、反転流を扁平ノズルの中心で合流させることにより、凝固を均一化し、薄スラブ鋳片の縦割れを防止することを特徴とする。
特許請求の範囲
【請求項1】 鋳型への溶鋼注入ノズルとして下向きのスリットを有する2本の扁平ノズルを用いる薄スラブ鋳片の連続鋳造方法において、溶鋼注入時に生ずる4つの反転流の渦の大きさを均等にし、反転流を扁平ノズルの中心で合流させることにより、凝固を均一化し、薄スラブ鋳片の縦割れを防止することを特徴とする薄スラブ鋳片の連続鋳造方法。
【請求項2】 鋳型への溶鋼注入ノズルとして下向きのスリットを有する2本の扁平ノズルを用いる薄スラブ鋳片の連続鋳造方法において、この扁平ノズルを、その厚み中心が鋳型厚み中心に一致するようにして鋳型短辺に向かって2本縦列配置し、それぞれのノズルを、その幅中心位置を鋳型短辺から鋳型幅Wの1/4±50mmの位置にし、30mm〜扁平ノズル幅の2/3mm以下の深さに浸漬することにより、溶鋼注入時に生ずる4つの反転流を生じさせ、その渦の大きさを均等にし、反転流を扁平ノズルの中心で合流させることを特徴とする薄スラブ鋳片の連続鋳造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄鋼の分野で薄スラブ鋳片の製造に用いられている固定鋳型式連続鋳造方法、双ベルト式連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば鉄鋼の分野においては、熱原単位の切り下げ、工程省略、生産性の向上等の観点から連続鋳造インライン熱間仕上げ圧延プロセスの実用化が試みられており、そのために厚みが30〜100mmレベルの薄スラブ鋳片を連続鋳造する要請が高まってきている。近年では、このような要請に応えるものとして、周知の固定鋳型式連続鋳造方法の他に、例えば特開平1−254354号公報に開示されるような、双ベルト式連続鋳造方法も提案されている。
【0003】一般論として、このような連続鋳造方法により、薄スラブ鋳片を連続鋳造する場合、ノズルと鋳型間の隙間が狭くなるために、溶鋼の流動によって、凝固シェルがアタックされ、その結果、著しい凝固遅れが生じ、鋳造して得られた薄スラブ鋳片に縦割れを発生しやすいことが知られている。このような薄スラブ鋳片の連続鋳造に際しては、鋳型内に溶鋼を均一に注入する観点から、注入ノズルとして扁平ノズルが用いられ、スリット長が長くなると構造上耐用性、寸法精度を十分に確保することができなくなることから、幅100〜800mmの扁平ノズル2本を鋳型幅方向に縦列配置する場合がある。
【0004】しかし、従来、このように2本の扁平ノズルを用いる場合のノズルの最適配置ついて具体的に開示されたものは見当たらない。したがって、従来、連続鋳造して得られる薄スラブ鋳片の縦割れ発生を防止できる決定的な方法はなく、縦割れ発生による薄スラブ鋳片の品質の低下は避けられないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、鋳型内に下向のスリットを有する幅100〜800mmの扁平ノズル2本を最適配置して、鋳型内に溶鋼を注入することにより、縦割れ発生のない30〜100mm厚の薄スラブ鋳片が得られる薄スラブ鋳片の連続鋳造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、鋳型への溶鋼注入ノズルとして下向きのスリットを有する2本の扁平ノズルを用いる薄スラブ鋳片の連続鋳造方法において、溶鋼注入時に生ずる4つの反転流の渦の大きさを均等にし、反転流を扁平ノズルの中心で合流させることにより、凝固を均一化し、薄スラブ鋳片の縦割れを防止することを特徴とする薄スラブ鋳片の連続鋳造方法であり、また、第二の発明は、第一の発明を実現させるための具体的手段例として位置ずけられるものであり、鋳型への溶鋼注入ノズルとして下向きのスリットを有する2本の扁平ノズルを用いる薄スラブ鋳片の連続鋳造方法において、この扁平ノズルを、その厚み中心が鋳型厚み中心に一致するようにして鋳型短辺に向かって2本縦列配置し、それぞれの扁平ノズルを、その幅中心位置を鋳型短辺から鋳型幅Wの1/4±50mmの位置にし、30mm〜扁平ノズル幅の×2/3mm以下の深さに浸漬することにより、溶鋼注入時に生ずる4つの反転流を生じさせ、その渦の大きさを均等にし、反転流を扁平ノズルの中心で合流させることを特徴とする薄スラブ鋳片の連続鋳造方法である。
【0007】
【作用】本発明においては、鋳型内に溶鋼を注入するノズルとして、下向きのスリットを有する扁平ノズルを2本用いこれを最適配置して、溶鋼注入時に生ずる4つの反転流の渦の大きさを均等にし、反転流を扁平ノズルの中心で合流させることにより、凝固を均一化することができ、これにより縦割れのない品質の良好な薄スラブ鋳片を安定的に連続鋳造することができる。本発明は、特に厚み30〜100mmの薄肉鋳片鋳片の連続鋳造に適用して、より適性の高いものである。
【0008】以下に本発明について説明する。本発明者等は、例えば薄スラブ鋳片の高速連続鋳造方法として注目されている、双ベルト式連続鋳造方法、あるいは固定型連続鋳造方法において、得られた厚み75mm以下の薄スラブ鋳片に縦割れの発生が見られることから、その発生のメカニズムを知るために、2本の扁平ノズルを用いた場合について、種々実験、解析を重ねた。
【0009】なお、この実験では溶鋼反転流の渦の発生形態(渦数、渦径)は、鋳造して得られた鋳片の凝固組織におけるデンドライトの傾きから溶鋼の流動の方向、流速を推定して得られたものである。この実験、解析の結果、薄スラブ鋳片の縦割れは、溶鋼を鋳型に注入したときに生ずる溶鋼反転流の渦の形態及び扁平ノズルの浸漬深さに関係して発生することを確認した。
【0010】図1(a)は、扁平ノズルの幅中心位置と薄スラブ鋳片の縦割れ発生率との関係を示したものである。この図から、(1)扁平ノズル幅中心が鋳型短辺に寄っていると(b)図のように、4つの渦中内側の2つの渦の径が大きくなり、扁平ノズルのエッジ側で薄スラブ鋳片に縦割れが発生する。
(2)扁平ノズル幅中心が鋳型幅の1/4近傍にあるときは、(c)図に示すように、4つの渦の径は同じになり、薄スラブ鋳片に縦割れが発生しない。
(3)扁平ノズル幅中心が鋳型幅中心に寄っていると(d)図に示すように、4つの渦中外側の2つの渦の径が大きくなり、扁平ノズルのエッジ側で縦割れが発生する。
【0011】図2(a)は、扁平ノズルの浸漬深さと縦割れ発生率との関係を示したものである。この図から、(4)扁平ノズルの浸漬深さが、扁平ノズル幅×2/3mm以上であると(b)図に示すように、渦の径は均等であるが渦は2つしか発生せず、薄スラブ鋳片に縦割れが発生する。
(5)扁平ノズルの浸漬深さが、扁平ノズル幅×2/3mm以上であると(c)図に示すように、薄スラブ鋳片に縦割れは発生しない。
【0012】本発明は、このような知見に基づいて、着想、完成したものであり、鋳型に溶鋼を注入時に生ずる溶鋼反転流の影響を受け、凝固不均一を生じやすい、厚み30〜100mmの薄スラブ鋳片の連続鋳造に際して、鋳型内に下向きのスリットを有する2本の扁平ノズルを配置する場合、例えば、図4に示すように、この2本の扁平ノズルの幅中心位置と鋳型短辺間の距離xおよび浸漬深さyを特定することによって、溶鋼注入時に鋳型内に生ずる4つの反転流の渦A,B,C,Dの径2Rの大きさを均等にし、かつこの反転流を扁平ノズルの中心で合流させることにより薄スラブ鋳片の縦割れ発生を防止することを特徴とする。厚み100mm以上のスラブ鋳片の連続鋳造に際しては、ノズル/鋳型間隔が十分に広く、溶鋼流によって生ずる凝固不均一、縦割れは大きな問題にならない。
【0013】
【実施例】以下に本発明を図1に基づいて鋳型の構造例とともに説明する。この実施例は、双ベルト式連続鋳造機により、薄のスラブ鋳片を鋳造する場合に適用した場合のものである。この双ベルト式連続鋳造機においては、例えば図3に示すように、鋳型1は2つのプーリー2a,2bと張力制御装置3で位置制御される張力調整プーリー2c間に巻かれ無端状に回転移動する冷却構造4wを有する一対のベルト4a,4bと、この一対のベルトの両側端部間で無端状に移動する多数の銅ブロックからなる一対の移動短辺ブロック5a(5b)で形成されており、タンディッシュ6の溶鋼7をタンディッシュに設置したスライディングノズル8a,8bを操作し、溶鋼を2本の扁平ノズル9a,9bを介して、鋳型1に注入する。
【0014】鋳型1を形成しているベルト4a,4bおよび移動短辺ブロック5a,5bは冷却されており、溶鋼7は、ここで冷却されて凝固し、鋳型1の下方に配設した支持ロール10によって垂直−湾曲−水平支持され・引き抜かれて薄スラブ鋳片11として後工程に搬出されるようになっている。2本の扁平ノズル9a,9bは、下向きのスリットを有するものであり、鋳型1の幅方向に縦列配置されている。
【0015】このように構成された双ベルト式連続鋳造機において、本発明による連続鋳造操業と本発明の範囲外の連続鋳造操業を実施した。この連続鋳造によって得られた鋳片の縦割れ発生状況を表2に示す。
鋳造操業条件鋳造鋼種:低炭素鋼{成分組成(重量%)は表1に示す}
鋳造速度:5〜10m/min鋳型サイズ:厚み75mm,幅1300mm,垂直長さ3000mmノズル:扁平ノズル2本サイズ:厚み30(スリット厚み10)mm配置:扁平ノズル厚み中心線を鋳型厚み中心線に一致【0016】
【表1】

【0017】
【表2】

【0018】表2において、(1)〜(5)は2本の扁平ノズルの中心位置を変更した結果である。扁平ノズル幅中心位置と鋳型短辺間の距離xが鋳型幅Wの1/4±50mmの範囲にある本発明の実施例(1)〜(3)では、縦割れは発生していない。
【0019】それに対して、距離xが鋳型幅Wの1/4±50mmの範囲の外にある比較例(4)〜(5)では縦割れが発生している。(6)〜(9)は、2本の扁平ノズル幅中心一と鋳型短辺間距離xが適正である325mmの場合につき、扁平ノズルの浸漬深さyを変更した結果である。浸漬深さyが30〜200mm(扁平ノズル幅×2/3以下)の範囲にある本発明の実施例(6)〜(7)では縦割れは発生していない。これに対して、浸漬深さyが20mmの比較例(8)では、浸漬深さが浅いため、メニスカスでの溶鋼流動が不安定であり、縦割れが発生している。また、浸漬深さが300mm(扁平ノズル幅×2/3以上)である比較例では、溶鋼の反転流の渦が図2(b)に示したように、2つの大きな渦となり、縦割れが発生している。
【0020】(10)〜(11)は幅250mmの扁平ノズルを用いて、浸漬深さyを変更した結果である。浸漬深さyが150mm(扁平ノズル幅×2/3以下)である本発明の実施例(10)では、縦割れは発生していない。これに対して、浸漬深さyが200mm(扁平ノズル幅×2/3以上)である比較例(11)では、縦割れが発生している。
【0021】なお、本実施例は、本発明を双ベルト式連続鋳造方法において適用しているが、鋳型部内面が垂直面になっている他の鋳型を用いる連続鋳造方法においても、本発明を適用して同様の効果が得られる。
【0022】
【発明の効果】本発明においては、鋳型内に溶鋼を注入するノズルとして、下向きのスリットを有する扁平ノズルを2本用いこれを最適配置して、溶鋼注入時に生ずる反転流の渦の大きさを均等にし、反転流を扁平ノズルの中心で合流させることにより、凝固を均一化することができ、これにより縦割れのない品質の良好な薄スラブ鋳片を安定的に連続鋳造することができる。本発明は、特に厚み30〜100mmの薄肉鋳片の連続鋳造に適用して、より適性の高いものである。




 

 


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