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発明の名称 双ベルト式連続鋳造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−33952
公開日 平成8年(1996)2月6日
出願番号 特願平6−167258
出願日 平成6年(1994)7月19日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弘明 (外1名)
発明者 若生 昌光 / 梶谷 敏之 / 中村 州児 / 松尾 慎二 / 小森 俊也
要約 目的
双ベルト式連続鋳造機による連続鋳造方法において、特に鋳片短辺に横割れ、段差割れ等の鋳片欠陥が発生しない双ベルト式連続鋳造方法を提供する。

構成
本発明は、鋳片の速度に同期して無端状に移動する一対のベルトと、複数のブロックからなる一対の移動短辺ブロックで形成された鋳型を用いた双ベルト式連続鋳造方法において、該移動短辺ブロックで冷却されるときの下式で与えられる鋳片冷却指標Rが、鋳片表面から1mm近傍で100以上であることを特徴とする双ベルト式連続鋳造方法、及びこの冷却指標を得るための冷却手段である。R=(d/191)-2.237 ここで、d:2次デンドライトアーム間隔の平均値(mm)である。
特許請求の範囲
【請求項1】 鋳片の速度に同期して無端状に移動する一対のベルトと、複数のブロックからなる一対の移動短辺ブロックで形成された鋳型を用いた鋼の連続鋳造方法において、移動短辺ブロックで冷却されるときの(1)式に基づく鋳片冷却指標Rが、鋳片表面から1mm近傍で100以上であることを特徴とする双ベルト式連続鋳造方法。
R=(d/191)-2.237 (1)
ここで、d:二次デンドライトアーム間隔の平均値(μm)
【請求項2】 鋳片の速度に同期して無端状に移動する一対のベルトと、複数のブロックからなる一対の移動短辺ブロックで形成された鋳型を用いた鋼の連続鋳造方法において、移動短辺ブロックが、鋳片から離れて再び溶鋼と接触する前に50リットル/min以上の冷却水量で冷却されることを特徴とする双ベルト式連続鋳造方法。
【請求項3】 鋳片の速度に同期して無端状に移動する一対のベルトと、複数のブロックからなる一対の移動短辺ブロックで形成された鋳型を用いた鋼の連続鋳造方法において、移動短辺ブロックが、鋳片から離れて再び溶鋼と接触する位置から1〜2m前の位置での移動短辺ブロックの表面温度が100℃以下であることを特徴とする双ベルト式連続鋳造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄鋼製造の分野で鋼(炭素鋼、ステンレス鋼等)の連続鋳造方法として用いられる双ベルト式連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉄鋼の連続鋳造の分野では、鋳片の薄肉化、鋳造の高速化要請が高まってきており、この要請に応えるものとして、例えば、鋳型に無端状に移動する一対のベルトと無端状に移動する一対の移動短辺ブロックを用いる双ベルト式連続鋳造方法の開発が進んでいる。
【0003】この双ベルト式連続鋳造機においては、例えば図4に示すように、鋳型mが、3つのプーリーpa,pb,pcに巻かれ、無端状に移動する、冷却構造wを備えた一対の金属ベルトba,bbと、この一対の金属ベルト間においてその側端部近傍で無端状に移動する一対の移動短辺ブロックca,(cb)で形成されており、この鋳型内に、タンディッシュ1dから注入ノズルeを介して溶鋼sを注入し、この鋳型で冷却、凝固させ、支持ロールで支持しながら引き抜き、薄鋳片scを鋳造するように構成されている(例えば特開平1−254354号公報参照)。この双ベルト式連続鋳造機による連続鋳造においては、移動短辺ブロックに冷却構造を付加して、鋳型短辺での冷却能を確保することも提案されている(例えば特開昭61−56756号公報参照)。
【0004】しかし、この移動短辺ブロックにおける冷却速度やそれに代わる冷却指標の規定等連続鋳造の安定操業、鋳片の品質の安定確保のための冷却条件について言及されたものは見当たらない。現実にこの連続鋳造によって得られた鋳片には、例えば短辺側において依然として横割れ、段差割れ等の鋳片欠陥が発生しており、その意味では、この双ベルト式連続鋳造方法が十二分に完成されたものとはいい難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、双ベルト式連続鋳造機による連続鋳造方法において、特に鋳片短辺で割れが発生しない冷却条件を、鋳片短辺の凝固組織解析から得られた冷却指標に基づいて特定することにより、特に鋳片短辺における横割れ、段差割れ等の鋳片欠陥の発生を防止できる双ベルト式連続鋳造方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の発明は、鋳片の速度に同期して無端状に移動する一対のベルトと、複数のブロックからなる一対の移動短辺ブロックで形成された鋳型を用いた鋼の連続鋳造方法において、移動短辺ブロックで冷却されるときの(1)式に基づく鋳片冷却指標Rが、鋳片表面から1mm近傍で100以上であることを特徴とする双ベルト式連続鋳造方法である。
R=(d/191)-2.237 (1)
ここで、d:二次デンドライトアーム間隔の平均値(μm)である。また第二の発明は、第一の発明を具体化したもので、鋳片の速度に同期して無端状に移動する一対のベルトと、複数のブロックからなる一対の移動短辺ブロックで形成された鋳型を用いた鋼の連続鋳造方法において、移動短辺ブロックが、鋳片から離れて再び溶鋼と接触する前に50リットル/min以上の冷却水量で冷却されることを特徴とする双ベルト式連続鋳造方法である。そして、第三の発明は、第二の発明と同じく、第一発明を具体化したもので、鋳片の速度に同期して無端状に移動する一対のベルトと、複数のブロックからなる一対の移動短辺ブロックで形成された鋳型を用いた鋼の連続鋳造方法において、移動短辺ブロックが、鋳片から離れて再び溶鋼と接触する位置から1〜2m前の位置での移動短辺ブロックの表面温度が100℃以下であることを特徴とする双ベルト式連続鋳造方法である。
【0007】
【作用】本発明は、双ベルト式連続鋳造方法において、鋳型短辺を形成する移動短辺ブロックによる冷却条件を最適化することができ、特に鋳片短辺の横割れ、段差割れ等の欠陥のない品質の良好な薄鋳片を安定的に鋳造することができる。
【0008】以下に本発明について説明する。本発明者等は、双ベルト式連続鋳造方法において、実験、解析を重ね、鋳片短辺の横割れ、段差割れ等の欠陥は、移動短辺の冷却条件に起因して発生するということを知見した。即ち、移動短辺ブロックの冷却速度が小さい時は、鋳片短辺に横割れが発生し、移動短辺ブロックの継ぎ目の段差が鋳片に接触する位置では、該段差に沿った段差割れが発生しやすいということを知見した。そこで、これらの割れが発生しない冷却条件を、鋳片短辺の凝固組織から得られた冷却指標を用いて特定することを着想し、その最適の冷却指標の特定範囲とこの冷却指標を安定的に得るため具体的手段を見出だし、本発明を完成するに至った。
【0009】図1は、移動短辺ブロックの冷却指標と鋳片短辺の横割れ、段差割れ(移動短辺ブロックの継ぎ目での割れ)の関係を示す。ここで、冷却指標Rとは、鋳片の凝固組織から得られる数値を後述する式を用いて換算して得られるもので、鋳片の鋳造方向と平行な面を含む断面をエッチングして凝固組織を顕出させて現れたデンドライトの二次アーム間隔(μm)を、鋳片短辺の表面から0.5mm〜1.5mmの間で、鋳片長さ方向にある間隔で測定しその測定値の平均値dから、以下の(1)式で求めたものである。
R=(d/191)-2.237 (1)
図1から、鋳片短辺の冷却指標が、鋳片表面から0.5mm〜1.5mmの位置で、100以上であると、鋳片短辺において横割れ、段差割れとも発生しなくなる。
【0010】このように冷却指標が大きくなると横割れが発生しなくなる機構は、概ね以下のように説明される。即ち、鋳片短辺の横割れは、初期凝固シェル厚の不均一に起因し、移動短辺ブロックと鋳片間の摩擦力で熱収縮が阻害されることにより、この凝固シェル厚の薄い部分、即ち、凝固遅れ部に歪みが集中して割れに至ると考えられる。これに対して冷却指標を大きくすると、冷却能が強くなるために凝固遅れ部の成長が促進され、凝固遅れが解消する結果、割れが発生しなくなる。
【0011】このような冷却指標を安定確保するための手段としては、移動短辺ブロックが鋳片から離れて再び溶鋼に接触する前に、この移動短辺ブロックを冷却する必要がある。冷却しなければ、溶鋼および高温の鋳片により移動短辺ブロックの温度が上昇し、次に再び溶鋼に接するまでに温度が降下しないため、冷却能力が低下してしまう。
【0012】図2は、移動短辺ブロックにかける冷却水量と冷却指標との関係を示すが、冷却水量が50リットル/min以上あれば、割れが発生しない鋳片短辺の冷却指標である100を達成することができる。また、移動短辺ブロックが、鋳片から離れて再び溶鋼と接する位置から1〜2m前の位置での短辺ブロックの表面温度を100℃以下にすることによっても、割れが発生しない鋳片短辺の冷却指標である100を達成することができる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例を双ベルト式連続鋳造機の例に基づいて説明する。図3は、双ベルト式連続鋳造機の概要であって、タンディッシュ1へ溶鋼2を供給し、タンディッシュ1内に、溶鋼2がある程度溜った時点で、タンディッシュ1に設置したスライディングノズル3を操作し、溶鋼2を注入ノズル4を介して、2つのプーリー5a,5bと張力制御装置6で位置制御される張力調整プーリー5c間に巻かれ無端状に回転移動する一対のベルト7a,7bとこの一対のベルトの両側端部間で無端状に移動する多数のブロックからなる一対の移動短辺ブロック8a,8bで形成される鋳型9に注入する。
【0014】ベルト7a,7bは、鋳型9の長辺を形成するものであり、溶鋼に接触する位置の裏面は、冷却函10内に流れる冷却水により冷却するように構成されており、また、多数の移動短辺ブロック8a(8b)は鋳型9の短辺を形成するもので、無端状に移動するチェーン11に連結リンクを介して連結されガイドレール12に沿って移動し、移動過程においてその移動路に沿って配置された冷却装置13によって冷却され、水切装置14で水切りされた後、溶鋼に接触するように構成されている。溶鋼2は鋳型9で冷却され抜熱されて凝固し、鋳型9の下方に配設した支持ロール15によって挟持・引き抜かれ、薄肉鋳片16として搬出されるようになっている。なお図中17は移動短辺ブロック表面温度を測定する温度計である。
【0015】このように構成された双ベルト式連続鋳造機を用いて、冷却装置13による移動短辺ブロックの冷却水量を変化させて低炭素鋼の薄鋳片の連続鋳造を実施し、得られた薄鋳片の短辺近傍の凝固組織から得られた冷却指標から、薄鋳片短辺における割れ発生との関係について、本発明の範囲内の場合と、本発明の範囲外の場合の効果確認実験を行った。
操業条件鋼種:炭素鋼{成分組成(重量%)を表1に示す}
鋳造温度:1530〜1570℃鋳造速度:5〜10m/min鋳片寸法:厚み50mm×幅1300mm,厚み75mm×幅1300mmベルト材質:炭素鋼寸法:厚み1.2mm×幅1500mm移動短辺ブロック材質:銅寸法:50mmまたは75mm×50mm×50mm冷却条件:外部から冷却水散布冷却水散布量■冷却なし■20リットル/min■30リットル/min■50リットル/min■80リットル/min(冷却装置13を2段配置:50+30リットル/min)
■150リットル/min(冷却装置13を3段配置:50リットル/min×3段)
移動短辺ブロックの温度:70〜150℃(溶鋼と接触する前1〜2mmの位置)
【0016】
【表1】

【0017】この実験結果を図1および図2に示す。まず、図1では、薄鋳片短辺の冷却指標と薄鋳片の短辺の横割れおよび段差割れとの関係を示している。ここでいう冷却指標Rとは、前述したように、薄鋳片の凝固組織から得られる数値を後述の式を用い換算して得られるもので、薄鋳片の鋳造方向と平行な面を含む断面をエッチングし、凝固組織を顕出させて現れたデンドライトの二次アーム間隔を、薄鋳片短辺の表面から0.5mm〜1.5mmの間で、薄鋳片長さ方向に50mmピッチで20点測定し、その平均値d(μm)から以下の式(1)で求めたものである。
R=(d/191)-2.237 (1)
この図1から、薄鋳片の冷却指標Rが、薄鋳片表面から0.5mm〜1.5mm位置で、100以上の場合には、薄鋳片短辺部において横割れ、段差割れとも発生しない。
【0018】また、図2は、移動短辺ブロックにおける冷却水量と本発明で用いた冷却指標Rとの関係を示し、冷却水量を増加とともに、鋳片の冷却指標は増加し、冷却水量が50リットル/min以上あれば、割れが発生しない短辺の冷却指標、即ち100を達成することができる。したがって、冷却水量を50リットル/min以上確保する必要がある。
【0019】なお、この時、同時に実測した移動短辺ブロックの表面温度は、冷却無しの時の温度は、150℃であるのに対して、冷却水量を増加させ、冷却水量を50リットル/minでは90℃となっていた。したがって、移動短辺ブロックの表面温度を100℃以下にすれば、割れが発生しない短辺の冷却指標、即ち100を達成することができる。
【0020】ここでの移動短辺ブロックの表面温度は、移動短辺ブロックが鋳片から離れて再び溶鋼と接する位置から1〜2m前でのものである。これは、この位置が鋳型に近くかつ溶鋼からの輻射熱の影響が少ない位置で温度管理の容易性、管理精度の確保等のため、好適であるとの判断に基づいて特定するものである。
【0021】以上のことから、本発明においては、第一に移動短辺ブロックで冷却される時の鋳片短辺の冷却指標Rを、鋳片表面から1mm近傍で100以上にすること、第二に移動短辺ブロックが、鋳片から離れて再び溶鋼と接する前に、50リットル/min以上の冷却水量で冷却すること、そして第三に、移動短辺ブロックが鋳片片から離れて再び溶鋼と接する位置から1〜2m前の位置での短辺ブロックの表面温度が100℃以下にすることにより、特に鋳片短辺において横割れ、段差割れとも発生のない鋳片を鋳造することを特徴とするものである。
【0022】
【発明の効果】本発明においては、双ベルト式連続鋳造方法において、鋳型短辺を形成する移動短辺ブロックによる冷却条件を最適化することができ、特に短辺における横割れ、段差割れ等の欠陥のない品質の良好な薄鋳片を安定的に鋳造することができる。




 

 


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