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捻回特性の優れた高強度極細鋼線の製造方法 - 新日本製鐵株式会社
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発明の名称 捻回特性の優れた高強度極細鋼線の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−24938
公開日 平成8年(1996)1月30日
出願番号 特願平6−161353
出願日 平成6年(1994)7月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】大関 和夫
発明者 中村 謙一 / 田代 均
要約 目的
捻回特性の優れた引張強さが3600MPa以上の高強度極細鋼線の製造方法を提供する。

構成
複数のダイスが配列されたスリップ式極細伸線機を用いる極細鋼線の製造方法において、最終ダイスの摩擦係数を0.03〜0.15、アプローチ角度を6〜12°、減面率を2〜11%としてスキンパス伸線を行うことを特徴とする捻回特性の優れた高強度極細鋼線の製造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】 複数のダイスが配列されたスリップ式極細伸線機を用いる極細鋼線の製造方法において、最終ダイスの摩擦係数を0.03〜0.15、アプローチ角度を6〜12°、減面率を2〜11%としてスキンパス伸線を行うことを特徴とする捻回特性の優れた高強度極細鋼線の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイヤ等の補強材として使用されるスチールコード用鋼線、特に伸線後の捻回特性の優れた高強度極細鋼線の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、自動車用スチールタイヤ等のゴム製品の補強材として使用されるスチールコードは、直径がおよそ0.2mm程度の鋼線を撚って製造される。近年、タイヤの軽量化の要求から、引張強さが3600MPa以上といった高強度の鋼線が求められるようになってきた。
【0003】一般に鋼線の最終強度は、加工歪に大きく依存し、加工歪が大きいほど強度も高くなる。その半面、加工歪が大きくなると延性が劣化する傾向にある。従来の炭素鋼線材を用いた場合、引張強さ3600MPa以上といった高強度を得るためには加工歪を一段と大きくする必要がある。しかし、炭素鋼線材を用いた場合、従来の伸線方法では、強度を得ることはできるが、スチールコード用鋼線の特性として重要な捻回値が低く、捻り試験中に鋼線の長手方向に生ずる割れを抑制することができないため、実用上の最高強度は3400MPa程度であった。
【0004】これに対して、例えば特開平5−200428号公報では15〜18%一定の減面率の連続伸線工程において、最終ダイスの減面率を一定の減面率の約10〜90%として伸線を行うことにより、高い捻り延性の高強度スチールワイヤを製造する技術が提案されている。捻回特性は鋼線表層の引張残留応力が影響すると考えられているが、未だ不明な点が多い。従来、残留応力を抑制する方法としては、スキンパス、矯直加工、ショットピーニング等が提案されている。例えば、日本金属学会誌 第21巻1957年 NO.9のページ540には減面率1%以下のスキンパス伸線により鋼線表層の残留応力を圧縮側にできることが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】特開平5−200428号公報により提案された伸線方法では、最終ダイスに摩擦係数の大きいダイスを使用した場合には、発熱により延性が劣化し、ダイスの磨耗が非常に激しくなり、また最終ダイスに摩擦係数の小さいダイスを使用した場合には、鋼線の加工硬化が小さくなるおそれがあり、これらの点について何等言及されていないため、その実用性が明らかでない。
【0006】また、日本金属学会誌 第21巻 1957年 NO.9のページ540に記載されている技術では、鋼線表面に圧縮残留応力を導入するためにはスキンパスの減面率を1%以下としなければならず、この場合、減面率が非常に小さいためにカッピー断線の発生する確率が高くなる。このため、工業的に利用することは困難である。
【0007】しかしながら、本発明者らの研究によっても、最終ダイスでの加工条件が鋼線の特性に大きく影響を及ぼすことは明らかである。本発明の目的は連続伸線工程の最終ダイスの摩擦係数、アプローチ角度を適正化し、スキンパス伸線をすることにより、捻回特性の優れた高強度極細鋼線を製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、極細鋼線の捻回特性に及ぼす最終ダイスの影響、特に、ダイスの摩擦係数、アプローチ角度、減面率との関係を詳細に検討した。その結果、最終ダイスの材質、形状を適正化し、スキンパス伸線を行うことにより、捻回特性を大きく向上させうることを見出した。
【0009】本発明は、複数のダイスが配列されたスリップ式極細伸線機を用いる極細鋼線の製造方法において、最終ダイスの摩擦係数を0.03〜0.15、アプローチ角度を6〜12°、減面率を2〜11%としてスキンパス伸線を行うことを特徴とする捻回特性の優れた高強度極細鋼線の製造方法を要旨とする。
【0010】
【作用】まず、本発明において、最終ダイスの減面率を前記のように限定した理由は次のとおりである。最終ダイスの減面率が11%超では捻回試験時の縦割れの発生を抑制することができない。そのため最終ダイスの減面率の上限を11%とした。他方、最終ダイスの減面率が2%未満では、効果が飽和する上、カッピー破断の危険性が高まるために、最終ダイスの減面率の下限を2%とした。
【0011】図1は最終ダイスの減面率を1〜14%として、図中に記載の条件で伸線を行った0.20mmの極細鋼線に捻回試験を行い、スキンパス伸線の捻回特性に及ぼす効果を調べたものである。図1において○印は縦割れなしの状態での捻回値を示し、●印は縦割れが発生した捻回値を示す。図1より最終ダイスの減面率が本発明の範囲においては捻回特性が良好であることが明らかである。
【0012】次に最終ダイスの摩擦係数を前記のように限定した理由は次のとおりである。最終ダイスの摩擦係数はダイスの材質および使用する潤滑剤によって変えることができる。最終ダイスの摩擦係数が0.15超では捻回試験時の縦割れの発生を抑制することができない上、伸線中の発熱が大きく、延性が劣化する。そのため、最終ダイスの摩擦係数の上限を0.15とした。他方、最終ダイスの摩擦係数を0.03未満としても、効果が飽和する上、鋼線の加工硬化が小さいために、最終ダイスの摩擦係数の下限を0.03とした。
【0013】図2は最終ダイスの摩擦係数を0.02〜0.20として図中に記載の条件で伸線を行った0.20mmの極細鋼線に捻回試験を行い、最終ダイスの摩擦係数の捻回特性に及ぼす効果を調べたものである。図2において○印は縦割れなしの状態での捻回値を示し、●印は縦割れの発生した捻回値を示す。図2より明らかなように、本発明の範囲においては捻回特性が良好である。
【0014】また、最終ダイスのアプローチ角度を6〜12°と限定した理由について述べる。アプローチ角度が6°未満では捻回試験時の縦割れは抑制されるが、捻回値が低下する上、カッピー断線が発生しやすくなる。そのためアプローチ角度の下限を6°とした。他方、アプローチ角度が12°超においては捻回試験時の縦割れを抑制できない上、線径がダイス径より太くなる。そのため、アプローチ角度の上限を12°とした。
【0015】図3は最終ダイスのアプローチ角度を5〜16°として図中に記載の条件で伸線を行った0.20mmの極細鋼線に捻回試験を行い、最終ダイスのアプローチ角度の捻回特性に及ぼす効果を調べたものである。図3において○印は縦割れなしの状態での捻回値を示し、●印は縦割れの発生した捻回値を示す。図3より明らかなように、本発明の範囲においては捻回特性が良好である。
【0016】以下に実施例を示して本発明の効果を更に詳しく説明する。
【0017】
【実施例】JIS SWRH82Aの5.5mmφの熱間圧延線材を3mmまで伸線し、中間パテンティングを行い、更に1.48mmおよび1.57mmまで伸線し、最終パテンティングを行って素線とした。
上記の素線について引張強さ、および絞りを測定した。更に連続伸線により、表1、表2(表1のつづき)に記載の伸線加工条件で0.20mmまで伸線し、引張試験および捻回試験を行い、引張強さ、絞り、捻回値および捻回試験時の縦割れの発生を調査した。なお、捻回試験はチャック間距離を線径の100倍として行い、縦割れが発生した場合には縦割れ発生回数を捻回値とし、それ以外は破断までの回数を捻回値として、25回以上を良好とした。
【0018】No.5およびNo.19は最終ダイスの減面率が12.5%と大きいため、捻回試験時に縦割れを生じた。No.1〜4およびNo.15〜18は本発明例であり、高強度でかつ捻回特性が良好である。No.6およびNo.20は最終ダイスのアプローチ角度が5°と小さいため、捻回試験時の縦割れは抑制できるが、捻回値が低い。No.10およびNo.24は最終ダイスのアプローチ角度が14°と大きいため、捻回試験時に縦割れを生じた。No.7〜9およびNo.21〜23は本発明例であり、高強度でかつ捻回特性が良好である。
【0019】No.14およびNo.28は最終ダイスの摩擦係数が0.17と大きいため、捻回試験時に縦割れを生じた。No.11〜13およびNo.25〜27は本発明例であり、高強度でかつ捻回特性が良好である。
【0020】
【表1】

【0021】
【表2】

【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は連続伸線工程の最終ダイスの摩擦係数、アプローチ角度を適正化し、最終ダイスにおいてスキンパス伸線をすることにより、引張強さ3600MPa以上の高強度でかつ捻回特性の優れた極細鋼線を製造可能としたもので、産業上の効果はきわめて大きい。




 

 


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