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発明の名称 極低炭素鋼の連続鋳造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−19835
公開日 平成8年(1996)1月23日
出願番号 特願平6−170441
出願日 平成6年(1994)6月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】井上 雅生
発明者 山村 英明 / 水上 義正 / 三澤 健司
要約 目的
鋳片表層部の介在物の捕捉を防止し、表面品質に優れる極低炭素鋼鋳片を得、表面欠陥のない製品を製造する。

構成
鋳型メニスカス近傍部分の溶鋼を加熱してメニスカス部分の溶鋼の温度を固相線温度+30℃以上確保して連続鋳造するC濃度が50ppm以下の極低炭素鋼の連続鋳造において、固相線温度以上で固相線温度+15℃以下の範囲の温度の溶鋼を鋳型内へ注入する連続鋳造方法。
特許請求の範囲
【請求項1】 鋳型メニスカス部分の溶鋼を加熱しつつ鋳造するC濃度が50ppm以下の極低炭素鋼の連続鋳造において、固相線温度以上で固相線温度+15℃以下の範囲の温度の溶鋼を鋳型内へ注入することを特徴とする極低炭素鋼の連続鋳造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は極低炭素鋼の連続鋳造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】極低炭素鋼では鋳片表層に捕捉された介在物によって表面欠陥が発生する。
【0003】この表面欠陥の発生は鉄と鋼,69(1983),S216に示されているようにメニスカス部分の溶鋼の温度と関係があることが知られており、高温ほど欠陥の発生率が低下する。
【0004】そこで、タンディッシュの誘導加熱装置やプラズマ加熱装置等によって溶鋼温度を高くして鋳造を行って欠陥の発生を防止しようとしてきた。
【0005】さらに加えてメニスカス部の温度低下を防ぐために、メニスカス部の加熱をする方法として、特開昭62―224462に示されている高周波加熱コイルの設置や特開平1―215445に示される発熱パウダーの使用等が提案されている。
【0006】一方、連続鋳造において鋳型に組み込まれた電磁攪拌装置によって水平方向に溶鋼を攪拌して介在物の洗浄や熱供給の促進を図る技術も試みられている。
【0007】たとえば、特開平2―37946では電磁攪拌装置によって浸漬ノズルと鋳型長辺側側壁との間のメニスカス近傍の溶鋼に水平な流れを起こし、該部分に熱供給を促すことによって鋳片の表面欠陥を防止しようとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年の品質要求の厳格化や生産コスト低減のための鋳片の無手入れ化に対応するため本願発明者等はメニスカス温度を高くして鋳造した極低炭素鋼の鋳片を詳細に調査した。
【0009】その結果、メニスカスの溶鋼温度が高くなるに従い通常発生しているメニスカス直下のオシレーションマークの凝固シェルの倒れ込み部分が消失し、介在物の捕捉が大幅に減少することが分った。
【0010】同じ鋳造条件で得た鋳片を通常の方法にて熱間圧延―冷却圧延して薄鋼板を製造し表面疵を調査したところ、疵発生程度は減少するものの依然として介在物系表面欠陥が発生していた。
【0011】一方、連続鋳造においては一般に図5に示すように短辺方向に向いた2個の吐出口4を有する浸漬ノズル3を鋳型1の中央部に配置して溶鋼5を鋳型内へ注入しており、この注入流9は短辺に衝突して上昇流14と下降流15に分岐し、メニスカス7の近傍では両側の短辺側からノズル3側へ向かう流れ13が生成される。従来の方法では図5に示すように、この状態で電磁攪拌装置11によって凝固シェル6の内周面に沿って水平方向に回転する強制流れ12を与えるものである。
【0012】鋳型内の溶鋼流は、浸漬ノズル3からの注入流9によるノズル向きの流れ13と電磁攪拌による回転流12が重ね合わされた流れとなるが、相対する2つの鋳型長辺の浸漬ノズル3をはさんで反対側に注入流13による流れと回転流12の向きが同方向になる場所と逆方向になる場所が発生する。
【0013】両者の向きが同方向の場合には流れは加速されるが、逆方向の場合には減衰される。その位置では目的達成のために必要とする流速が得られず、欠陥がその位置で発生する様になる。
【0014】注入流13による減衰に打ち勝つだけの回転流12を与えるために大きな攪拌力が必要となり、今度は加速される位置の流速が大きくなりすぎてパウダーの巻き込みによる欠陥の発生が生じ、表面欠陥を完全に防止することはできない。
【0015】そこで、本発明では溶鋼流動を与えること無く鋳片表層部の介在物の捕捉を防止し、表面品質に優れる極低炭素鋼鋳片を得る方法を提供するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明は、鋳型メニスカス部分の溶鋼を加熱しつつ鋳造するC濃度50ppm以下の極低炭素鋼の連続鋳造において、固相線温度以上で固相線温度+15℃以下の温度範囲の溶鋼を鋳型内へ注入することを特徴とする極低炭素鋼の連続鋳造方法に関する。
【0017】
【作用】本願発明者等は鋳型内メニスカス部溶鋼温度を高くするのみでは介在物系表面疵を十分に低くなし得ないことから、さらに多数の鋳造実績を積み重ね、鋳造条件と鋳片表層部に捕捉される介在物の分布状況を調査した。
【0018】その結果、発明者等はC濃度が50ppm以下の極低炭素鋼において表面欠陥になるような鋳片表層部の介在物は鋳型内溶鋼表面直下のオシレーションマークの凝固シェルの倒れ込み部分によって捕捉されたものとその下の部分の凝固シェルの凹凸によって捕捉されたものに分けられ、鋳片表層部での介在物の捕捉を低減するにはオシレーションマーク部分のシェルの倒れ込みだけでなく凝固シェルの凹凸を減少させれば良いことを見いだした。
【0019】さらに種々の実験や検討を行った結果、図2に示すようにオシレーションマークの倒れ込みはメニスカス溶鋼温度が高くなるにしたがって減少し、鋳型内のメニスカス溶鋼温度が固相線温度+30℃以上であれば実用上介在物の捕捉が問題なくなり、一方、凝固シェルの凹凸は図1に示すように溶鋼温度が低くなるにしたがって減少し、鋳型内の溶鋼温度が固相線温度+15℃以下であれば凹凸が消失し介在物の捕捉が実用上問題ない程度まで低減することが得られた。
【0020】また、オシレーションマークの倒れ込みはメニスカス部溶鋼の温度で決まり、それより下方の溶鋼温度には依存しないこと、凝固シェルの凹凸はメニスカス部溶鋼の温度の影響を受けず該当位置の温度のみに依存することを発見した。
【0021】これより、メニスカス部溶鋼の温度を固相線温度+30℃以上確保し、それより下方の溶鋼温度を固相線温度+15℃以下とすることで、オシレーションマークの倒れ込み、凝固シェルの凹凸ともに減少させ、鋳片表面近傍での介在物の捕捉を防止することが可能である。
【0022】注入する溶鋼温度は低いほどよいが、固相線温度を下回ると浸漬ノズルより注入できなくなるので固相線温度以上である必要がある。
【0023】また、メニスカスの温度はノズルの溶損が大きくなる等の弊害が生じない範囲で高い程よく1600℃以下が好ましい。
【0024】図3に示すように温度の低い溶鋼5を浸漬ノズル3を通して鋳型1内に注入することによって凝固シェル6の凹凸を低減するとともに、メニスカス7上方に設置した高周波誘導加熱コイル8によって鋳型内、メニスカス7近傍の溶鋼を加熱することによってオシレーションマークの倒れ込みが低減し、両者による介在物の捕捉が低減し表面欠陥発生の防止が図られる。
【0025】メニスカス近傍の溶鋼を加熱する範囲はオシレーションマークの発生する部分のみでよく、溶鋼表面から10mmの深さまでで十分である。
【0026】加熱手段としては、溶鋼表面上方や鋳型内上部にコイルを設置して高周波誘導加熱や電極を溶鋼表面近傍に挿入して通電加熱等による溶鋼の直接加熱でも、発熱成分を添加したパウダーや予熱したパウダー、上方より赤外線ヒーターやレーザー、バーナー等によってパウダーを加熱して間接的に溶鋼を加熱する方法でもよい。
【0027】本発明では、溶鋼流を与えることなく鋳片表層への介在物の捕捉を防止できるので、パウダー巻き込みによる欠陥の増加を招くことがない。
【0028】
【実施例】実施例の第1は図3に示すように2.4mの垂直部、円弧半径10.5mの垂直曲げ型の連続鋳造機の鋳型1内に、吐出角度が下向き35°で70mm径の2個の吐出口を持つ浸漬ノズル3を設置し、固相線温度1526℃のC=20ppmの極低炭素綱を幅1200mm、厚み245mm、鋳造速度2.0m/minで鋳造した。
【0029】溶鋼表面上方に周波数3kHzの高周波誘導コイルを設置し、直接溶鋼表面を加熱した。
【0030】第1表に示すように本発明の条件を満足する場合には鋳片の表面欠陥が減少することが確認された。また、ブレークアウトの発生も皆無であった。
【0031】実施例の第2は図4に示すように2.4mの垂直部、円弧半径10.5mの垂直曲げ型の連続鋳造機の鋳型1内に、吐出角度が下向き35°で70mm径の2個の吐出口を持つ浸漬ノズル3を設置し、固相線温度1526℃のC=20ppmの極低炭素綱を幅1200mm、厚み245mm、鋳造速度2.0m/minで鋳造した。
【0032】Ca―Al合金を含有したパウダーを溶鋼表面上に添加してパウダーを発熱させることによって、メニスカス部溶鋼を加熱した。
【0033】第1表に示すように本発明の条件を満足する場合には鋳片の表面欠陥が減少することが確認された。また、ブレークアウトの発生も皆無であった。
【0034】
【比較例】図5に示すように2.4mの垂直部、円弧半径10.5mの垂直曲げ型の連続鋳造機の鋳型1内に、吐出角度が下向き35°で70mm径の2個の吐出口を持つ浸漬ノズル3および500kVa,周波数5Hz、攪拌推力0〜100mmFeの電磁攪拌装置11を設置し、固相線温度1526℃のC=20ppmの極低炭素鋼を幅1200mm、厚み245mm、鋳造速度2.0m/minで鋳造した。
【0035】第1表に示すように電磁攪拌を使用しない場合には溶鋼温度が低くても高すぎても表面欠陥が発生し、電磁攪拌を使用した場合も攪拌推力が高いとパウダー巻き込みによる欠陥が発生する。
【0036】また、溶鋼温度が高いNo4、No6の場合にはブレークアウトが発生した。
【0037】
【表1】

【0038】
【発明の効果】鋳片表層部の介在物の捕捉を防止し、表面品質に優れる極低炭素鋼鋳片を得ることができ、表面欠陥のない製品を製造することが可能となる。




 

 


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