米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 加工処理操作 -> 新日本製鐵株式会社

発明の名称 亜鉛めっき鋼板のアーク溶接方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−1337
公開日 平成8年(1996)1月9日
出願番号 特願平6−131519
出願日 平成6年(1994)6月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】名嶋 明郎 (外2名)
発明者 堀田 孝 / 野本 徹也
要約 目的
亜鉛めっき鋼板のアーク溶接において、溶融池に侵入した亜鉛ガス気泡を確実に排出してブローボール等の溶接欠陥を防止する亜鉛めっき鋼板のアーク溶接方法を提供すること。

構成
アーク溶接後の溶融池に溶滴を落下しこの溶滴落下によって溶融池に付与される振動により溶融池中の亜鉛ガス気泡を排出する。
特許請求の範囲
【請求項1】 アーク溶接後の溶融池に溶滴を落下してこの溶滴落下によって溶融池に付与される振動により溶融池中の亜鉛ガス気泡を排出することを特徴とする亜鉛めっき鋼板のアーク溶接方法。
【請求項2】 先行溶接トーチにより溶融池を形成し、後行溶接トーチにより溶融池に溶滴を落下する請求項1に記載の亜鉛めっき鋼板のアーク溶接方法。
【請求項3】 先行溶接トーチと後行溶接トーチの溶接電流、溶接電圧及び先行溶接トーチと後行溶接トーチの溶接棒断面積の関係を下記式の範囲に制御しながら溶接する請求項2に記載の亜鉛めっき鋼板のアーク溶接方法。
1.1 ≦1B/1A≦1.51.1 ≦VB/VA≦1.5但し、先行溶接トーチの溶接電流:1A:溶接電圧:VA後行溶接トーチの溶接電流:1B:溶接電圧:VB1.1 ≦AB/AA≦2.0但し、先行溶接トーチの溶接棒断面積:AA後行溶接トーチの溶接棒断面積:AB
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、亜鉛めっき鋼板のアーク溶接方法に関するものであり、特に、ブロホールやピット等の溶接欠陥の発生を防止しつつ亜鉛めっき鋼板をアーク溶接する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄鋼板の接合方法として、従来からアーク溶接法が実施されており、なかでも高速溶接が可能なMAG溶接法やMIG溶接法が広く採用されている。ところがこれらのアーク溶接法により亜鉛めっき鋼板の接合を行うと、ブロホールやピット等の溶接欠陥が発生して継手強度の低下を生じ易いことが知られている。これはビード形成部分に存在するめっき層中の亜鉛がビード形成過程でビード内に溶け込み、蒸気化して残留するためである。
【0003】そこで特開昭63ー108995号公報には、亜鉛めっき鋼板の接合界面となる表面に特殊塗料を塗布し、塗料中に存在するPによって亜鉛よりも高融点の合金(Fe-P-Zn)を形成し、溶接時の亜鉛ガスの発生を防止する方法が提案されている。また、特開昭63ー56395号公報には、Te、Se、REM 、Sbの単体又は酸化物を亜鉛めっき鋼板の接合界面に塗布し、溶融時の粘性を低下させて亜鉛ガスの排出を促進する方法が提案されている。しかしこれらの方法はいずれも、溶接に先立って亜鉛めっき鋼板の接合界面に塗料を塗布しておく必要があり、溶接の工数が増加するという問題があり、また、塗料等を用いるためランニングコストがかかり溶接部品のコストを上昇する等の課題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来の問題点を解決して、従来のような塗料の塗布を必要とせず、ブロホールやピット等の溶接欠陥の発生を防止しつつ亜鉛めっき鋼板をアーク溶接することができる方法を提供するために完成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記のような課題を解決した本発明に係る亜鉛めっき鋼板のアーク溶接方法は、アーク溶接後の溶融池に溶滴を落下してこの溶滴落下によって溶融池に付与される振動により溶融池中の亜鉛ガス気泡を排出することを特徴とするものである。
【0006】
【作用】このような亜鉛めっき鋼板のアーク溶接方法によれば、アーク溶接後の溶融池に新たな溶滴を落下させることによって溶融池が振動して溶融池内の界面近傍、特に、凝固直前の溶融池界面近傍の流動性が向上し、溶融池内で亜鉛ガス気泡がトラップされることなく浮上して溶融池外へ排出するか或いは微細化されるので、溶融欠陥を確実に防止することができる。
【0007】一般に亜鉛めっき鋼板の接合近傍の重ね合せ部には鋼板の表面粗さに起因する数μm 程度の厚み隙間が多数存在し、微小隙間が形成される。この隙間は亜鉛めっき層が溶接熱の熱影響によりガス化した際このガス化した高圧亜鉛ガスの溶融池への侵入経路となる。また、隅肉溶接のルート部(コーナー部)においては、応力集中により溶融池内に侵入した亜鉛ガスがルート部に集積し易く、更にめっき鋼板の重ね合せ部の微小隙間を伝ってめっき層の亜鉛が溶融池、溶融凝固金属の熱影響をうけて高温亜鉛ガスとなり、隙間が極めて小さいため高温高圧亜鉛ガスとなり、この亜鉛ガスが溶融池へ常時供給され、特に、凝固直前の溶融池へ侵入するとブローホール、ピット等の溶接欠陥となる。
【0008】しかして、このような溶接欠陥を防止するためには、めっき鋼板の重ね合せ部のめっき層内の亜鉛が気化した亜鉛ガスの溶融池内への侵入を防止したり、侵入した亜鉛ガスを溶融池の底部界面から剥離したり、溶融池の接合界面近傍に存在する亜鉛ガスからなる気泡を微細化することが必要である。
【0009】そこで、本発明においてはアーク溶接後の溶融池に溶滴を落下して溶融池を強制的に振動させることによって溶接欠陥を防止するという所期の目的を達成したものである。溶融池に溶滴を落下する方法としては、例えば、先行溶接トーチに後行溶接トーチを直列に設けて先行溶接トーチに後行溶接トーチを追従移動させ、先行溶接トーチにより溶融池を形成し、その溶融池に後行溶接トーチによって溶滴を落下させればよい。このように先行溶接トーチに後行溶接トーチを追従移動させる溶接トーチ間隔は、溶接速度によって若干異なるが、例えば溶接速度80〜180 cm/分においては、2〜10mmが適当である。その理由は溶接トーチ間隔が2mm未満となると先行溶接トーチの火花等によって後行溶接トーチの滴下溶滴が振られ、溶滴が溶融池へ確実に落下しないことがあり、一方、溶接トーチ間隔が10mm超になると溶融池表面温度が低下して若干硬くなり、溶滴の滴下によって溶融池内からの亜鉛ガス気泡の排出が困難になることがあり何れも好ましくないからであって、最適な間隔としては3〜5mmである。
【0010】なお、先行溶接トーチ(電極)と後行溶接トーチ(電極)の溶接電流、溶接電圧の関係は、先行溶接トーチの溶接電流を1A、溶接電圧をVA、後行溶接トーチの溶接電流を1B、溶接電圧をVBとするとき、式1.1 ≦1B/1A≦1.51.1 ≦VB/VA≦1.5とするとき、一層確実に溶融池内の亜鉛ガス気泡を浮上させ排出させることができる。即ち、それぞれの溶接電流および溶接電圧が下限未満であると滴下溶滴の体積が小さくなることがあって溶融池に十分な振動を付与することが困難になり、溶融池内の亜鉛ガス気泡の排出も不十分になることがあり好ましくない。又それぞれの溶接電流および溶接電圧が上限超である場合、溶融池内の亜鉛ガス気泡の排出を阻害することはないが、ビードの外観形状が損なわれることがあり実用的ではない。
【0011】また、先行溶接トーチの溶接棒と後行溶接トーチの溶接棒断面積の関係は、先行溶接トーチの溶接棒断面積をAA、後行溶接トーチの断面積をABとするとき、式 1.1 ≦AB/AA≦2.0とするとき、溶接電流および溶接電圧の関係とあいまって溶融池に十分な振動を付与することができる溶滴を滴下することができ、溶融池内の亜鉛ガス気泡を一層確実に排出することができる。先行溶接トーチの溶接棒と後行溶接トーチの溶接棒断面積比が下限未満であると滴下溶滴の体積が小さく、溶融池に十分な振動を付与することが困難になり、溶融池の亜鉛ガス気泡の排出も不充分になることがあり好ましくない。また上限超である場合、ビードの外観形状が損なわれることがあり実用的でない。
【0012】以下、本発明を図示の実施例によって更に詳細に説明する。図1において、1、1aは溶接しようとする亜鉛めっき鋼板、2はその接合部、3は先行溶接トーチ、4は後行溶接トーチである。今、亜鉛めっき鋼板1、1aの接合部2に先行溶接トーチ3と後行溶接トーチ4を順次指向させて先ず先行溶接トーチ3により溶接池5を形成し、続いて、後行溶接トーチ4により溶融池5へ溶滴を滴下すれば、滴下する溶滴によって溶融池5に振動が付与され、溶融池5内の亜鉛ガス気泡は浮上排出されることとなる。なお、図中6は溶接ビードである。
【0013】
【実施例】次に、市販のMAG溶接用ワイヤーを使用し、シールドガスはAr80%+CO2 20%として流量20 l/min の条件で2枚重ねの隅肉溶接をMAG溶接により自動溶接した。溶接姿勢は図2及び図3に示すごとく、先行溶接トーチ3の角度θ=60度、先行溶接トーチ3の前進角度β=−45〜45°とした。また、後行溶接トーチ4は前進または後進角度を−45〜45°の範囲で調整しながら溶接した。このような条件での溶接結果を実施例として表1に、また、比較例を表2に挙げる。なお、表1および表2において、ブロホールの評価法は、溶接ビード全線(30cm) をX線透過試験で全ブロホールを検出し、1cm長さ当たりのブロホールの数で評価し、評価の結果は全てn =10個の平均値で示した。また、両表においてIAは先行トーチの溶接電流(A)、VAは先行トーチの溶接電圧(V)、AAは先行トーチの溶接棒の断面積(mm2 )、IBは後行トーチの溶接電流(A)、VBは後行トーチの溶接電圧(V)、ABは後行トーチの溶接棒の断面積(mm2 )である。さらに、表1および表2の「被溶接材材料」欄に記載した記号の説明は表3に示すとおりである。
【0014】
【表1】

【0015】
【表2】

【0016】
【表3】

なお、表3において、Eめっきとは、鉄85%、残亜鉛(目付量3g/m2)の電気めっきを示す。
【0017】
【発明の効果】以上のごとく本発明によれば、亜鉛めっき鋼板のアーク溶接において、溶融池内の亜鉛ガス気泡を十分に排出するとができ、ブローホール等の溶接欠陥を確実に防止することができるので、品質を著しく向上するとともに歩止まりを高めることができる。又、溶接ビード形成も良好でありグラインダー等で平滑に仕上げる補修作業も省略できるので作業能率を向上し、生産性を高めるとともに省力化もできる等の優れた効果が得られる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013