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発明の名称 変速操作装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−256574
公開日 平成8年(1996)10月8日
出願番号 特願平7−63695
出願日 平成7年(1995)3月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 江間 浩明 / 林 繁樹
要約 目的
無段変速装置の変速操作位置を所望の位置で確実に保持できるものでありながら、駆動操作手段が故障したような場合であっても、変速操作具の人為操作に基づく変速を軽い操作力で行うことが可能となる変速操作装置を提供する。

構成
車体走行用無段変速装置10の被操作部14に機械的連係機構を介して連係され、正逆方向に人為操作自在な変速レバー30の操作状態に基づいて、被操作部14を駆動操作する電動モータ33の作動を制御するように構成されている変速操作装置において、電動モータ33は、電磁ブレーキにより、被操作部14を変速操作位置に保持する保持状態と、その保持状態を解除する保持解除状態とに変更可能に構成され、電動モータ33が被操作部14の駆動操作を実行できない異常状態であるか否かを判別する異常状態判別手段101が備えられ、異常状態判別手段101が前記異常状態であることを判別すると、電動モータ33を保持解除状態に変更させる解除手段102が備えられている。
特許請求の範囲
【請求項1】 正逆方向に人為操作自在な変速操作具(30)と、車体走行用無段変速装置(10)における正逆方向に作動可能な被操作部(14)とが、機械的連係機構を介して連係され、前記被操作部(14)を駆動操作する駆動操作手段(KS)と、前記変速操作具(30)が操作されている操作状態であるか否か、及び、操作状態での操作方向を検出する操作状態検出手段(40)と、その操作状態検出手段(40)の検出結果に基づいて、前記駆動操作手段(KS)の作動を制御する変速制御手段(100)とが備えられている変速操作装置であって、前記駆動操作手段(KS)は、前記被操作部(14)を変速操作位置に保持する保持状態と、その保持状態を解除する保持解除状態とに変更可能に構成され、前記駆動操作手段(KS)が前記被操作部(14)の駆動操作を実行できない異常状態であるか否かを判別する異常状態判別手段(101)が備えられ、前記異常状態判別手段(101)が前記異常状態であることを判別すると、前記駆動操作手段(KS)を前記保持解除状態に変更させる解除手段(102)が備えられている変速操作装置。
【請求項2】 前記駆動操作手段(KS)は、前記被操作部(14)を駆動操作する電動モータ(33)と、前記電動モータ(33)の非駆動状態において該電動モータ(33)の回転を抑制する作用状態と、前記電動モータ(33)の駆動状態において該電動モータ(33)の回転を許容する非作用状態とに変更自在な制動手段とを備えて構成され、前記解除手段(102)は、前記異常状態判別手段(101)が前記異常状態であることを判別すると、前記制動手段を前記非作用状態に変更させるように構成されている請求項1記載の変速操作装置。
【請求項3】 前記制動手段が、前記電動モータ(33)に機械的な制動力を付与する機械式ブレーキ(52)、及び、前記電動モータ(33)における通電用の各電極端子(33a),(33b)を短絡させることで前記電動モータ(33)に制動力を付与する電気式ブレーキにて構成され、前記変速制御手段(100)は、前記電動モータ(33)の駆動操作が停止するに伴って、前記電気式ブレーキを作動させ、前記駆動操作が停止したときから設定遅延時間が経過した後に、前記機械式ブレーキ(52)を作動させるように構成されている請求項2記載の変速操作装置。
【請求項4】 前記変速操作具(30)が増速側に操作された後に実行される、前記電動モータ(33)の駆動操作の停止に伴う前記機械式ブレーキ(52)の作動における前記設定遅延時間が、前記変速操作具(30)が減速側に操作された後に実行される、前記電動モータ(33)の駆動操作の停止に伴う前記機械式ブレーキ(52)の作動における前記設定遅延時間よりも短い時間になるように設定されている請求項3記載の変速操作装置。
【請求項5】 前記無段変速装置(10)が、一対のプーリ(18),(19)にわたって伝動ベルト(12)が巻回され、前記各プーリ(18),(19)の少なくとも駆動側プーリ(18)が、プーリ間隔を変更自在な割りプーリ式に構成され、このプーリ間隔を変更作動させることで、各プーリ(18),(19)に対するベルト巻き掛け径が変化して変速されるベルト式無段変速装置にて構成されている請求項1、2、3又は4記載の変速操作装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、正逆方向に人為操作自在な変速操作具と、車体走行用無段変速装置における正逆方向に作動可能な被操作部とが、機械的連係機構を介して連係され、前記被操作部を作動させる駆動操作手段と、前記変速操作具が操作されている操作状態であるか否か、及び、操作状態での操作方向を検出する操作状態検出手段と、その操作状態検出手段の検出結果に基づいて、前記駆動操作手段の作動を制御する変速制御手段とが備えられている変速操作装置に関する。
【0002】
【従来の技術】上記変速操作装置において、従来では、例えば、前記駆動操作手段が減速機構付き電動モータを備えて構成され、前記減速機構として、例えば、ウォームとウォームギアとのウォーム式減速機構が用いられ、無段変速装置の中立復帰付勢力等の被操作部側からの操作反力により変速操作位置が変化することが無いようにして、任意の操作位置で位置保持できる構成となっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記構成においては、例えば、駆動操作手段が制御動作不能に陥った場合等において、前記被操作部に対して機械的に連係された変速操作具を人為操作力にて操作させようとした場合には、上述したウォーム式減速機構によってその操作力の伝達が阻止されることになり、人為操作に基づく変速操作が不能になるという不利があった。そこで、上述したような駆動操作手段が制御動作不能になった場合であっても、変速操作具による人為的な変速操作を可能にするものとして、駆動操作手段と被操作部との間に摩擦式保持機構を介装して、摩擦力にて無段変速装置を所望の変速操作位置に保持させる構成が考えられるが、この場合においては、上述したような駆動操作手段の故障時において変速操作具を人為操作させるときに、摩擦保持機構による摩擦力に抗して操作しなければならず、大きな操作力を必要とする不利があった。
【0004】本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その第1の目的は、上記構成の変速操作装置において、無段変速装置の変速操作位置を所望の位置で確実に保持できるものでありながら、駆動操作手段が故障したような場合であっても、変速操作具の人為操作に基づく変速を軽い操作力で行うことが可能となる変速操作装置を提供する点にある。
【0005】本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加えて、変速操作をショックの少ない状態で円滑に行うことが可能となる変速操作装置を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1発明の特徴構成は、正逆方向に人為操作自在な変速操作具と、車体走行用無段変速装置における正逆方向に作動可能な被操作部とが、機械的連係機構を介して連係され、前記被操作部を駆動操作する駆動操作手段と、前記変速操作具が操作されている操作状態であるか否か、及び、操作状態での操作方向を検出する操作状態検出手段と、その操作状態検出手段の検出結果に基づいて、前記駆動操作手段の作動を制御する変速制御手段とが備えられている変速操作装置において、前記駆動操作手段は、前記被操作部を変速操作位置に保持する保持状態と、その保持状態を解除する保持解除状態とに変更可能に構成され、前記駆動操作手段が前記被操作部の駆動操作を実行できない異常状態であるか否かを判別する異常状態判別手段が備えられ、前記異常状態判別手段が前記異常状態であることを判別すると、前記駆動操作手段を前記保持解除状態に変更させる解除手段が備えられている点にある。
【0007】第2発明の特徴構成は、第1発明の実施に好適な構成を特定するものであって、前記駆動操作手段は、前記被操作部を駆動操作する電動モータと、前記電動モータの非駆動状態において該電動モータの回転を抑制する作用状態と、前記電動モータの駆動状態において該電動モータの回転を許容する非作用状態とに変更自在な制動手段とを備えて構成され、前記解除手段は、前記異常状態判別手段が前記異常状態であることを判別すると、前記制動手段を前記非作用状態に変更させるように構成されている点にある。
【0008】第3発明の特徴構成は、第2発明の実施に好適な構成を特定するものであって、前記制動手段が、前記電動モータに機械的な制動力を付与する機械式ブレーキ、及び、前記電動モータにおける通電用の各電極端子,を短絡させることで前記電動モータに制動力を付与する電気式ブレーキにて構成され、前記変速制御手段は、前記電動モータの駆動操作が停止するに伴って、前記電気式ブレーキを作動させ、前記駆動操作が停止したときから設定遅延時間が経過した後に、前記機械式ブレーキを作動させるように構成されている点にある。
【0009】第4発明の特徴構成は、第3発明の実施に好適な構成を特定するものであって、前記変速操作具が増速側に操作された後に実行される、前記電動モータの駆動操作の停止に伴う前記機械式ブレーキの作動における前記設定遅延時間が、前記変速操作具が減速側に操作された後に実行される、前記電動モータの駆動操作の停止に伴う前記機械式ブレーキの作動における前記設定遅延時間よりも短い時間になるように設定されている点にある。
【0010】第5発明の特徴構成は、第1、第2、第3又は第4発明の実施に好適な構成を特定するものであって、前記無段変速装置が、一対のプーリにわたって伝動ベルトが巻回され、前記各プーリの少なくとも駆動側プーリが、プーリ間隔を変更自在な割りプーリ式に構成され、このプーリ間隔を変更作動させることで、各プーリに対するベルト巻き掛け径が変化して変速されるベルト式無段変速装置にて構成されている点にある。
【0011】
【作用】第1発明の特徴構成によれば、駆動操作手段が正常に作動している状態においては、変速操作具の操作に基づいて、駆動操作手段によって被操作部を駆動操作される際には、保持解除状態に変更させることで、駆動操作手段による作動を有効に実行できることになり、又、駆動操作が停止した際において、上記保持状態に変更させることで、被操作部をその変速操作位置に保持させることができ、所望の変速状態を維持できる。そして、例えば、駆動操作手段が故障して、変速制御手段による制御指令があっても駆動操作が実行できないような異常状態であることが異常状態判別手段によって判別されると、駆動操作できない状態であるにもかかわらず、解除手段によって駆動操作手段が保持解除状態に変更されることになり、変速操作具の人為操作に基づいて無段変速装置の変速操作を行わせることが可能となる。
【0012】第2発明の特徴構成によれば、第1発明の特徴構成による作用に加えて次の作用がある。被操作部を駆動操作する電動モータが非駆動状態であれば、制動手段が作用状態に変更して電動モータの回転が抑制され、被操作部を変速操作位置で保持させることができ、電動モータが駆動操作する際には、制動手段が非作用状態に変更して、電動モータの回転を許容するので、電動モータによる駆動操作が円滑に行える。そして、電動モータの異常状態が判別されると、制動手段が非作用状態に変更され電動モータが自由回転状態となり、変速操作具の人為操作により変速操作を行うことができる。
【0013】第3発明の特徴構成によれば、第2発明の特徴構成による作用に加えて次の作用がある。電動モータによる被操作部の駆動操作が停止される際に、その駆動操作が停止するに伴って、通電用の各電極端子を短絡させることで、電動モータ内部での電磁力作用による電気式ブレーキがかかり、過剰作動が抑制される。そして、駆動操作が停止したときから設定待機時間が経過した後に、機械式ブレーキが作動して確実に停止することになる。
【0014】第4発明の特徴構成によれば、第3発明の特徴構成による作用に加えて次の作用がある。変速操作具によって無段変速装置の被操作部を増速側へ操作する場合には、電動モータの駆動操作が停止されたときから機械式ブレーキが作動するまでの時間が短く素早く機械式ブレーキが作動し、減速側への操作の場合は、上述したような停止ショックを回避できる程度に比較的長い時間が経過した後に機械式ブレーキが作動することになる。
【0015】第5発明の特徴構成によれば、第1、第2、第3又は第4発明の特徴構成による作用に加えて次の作用がある。伝動ベルトが巻回されるプーリの間隔を変更させることで、無段階に変速が行われるが、プーリ間隔を伝動ベルトの張力に抗して狭める方向に操作(増速操作)するときは大きな操作力を必要とするが、駆動操作手段による駆動操作で対応できる。又、プーリ間隔を拡げる方向に操作(減速操作)するときは大きな操作力は必要とせず、駆動操作手段が駆動操作を実行できない異常状態であっても、小さい人為操作力にて減速操作を行うことができる。
【0016】
【発明の効果】第1発明の特徴構成によれば、駆動操作手段が正常に動作している場合には、無段変速装置の変速操作を有効に行えると共に、所望の変速位置にてその状態を保持できるものとなり、駆動操作手段が駆動操作を実行できない異常状態であっても、保持解除状態に変更されるから、例えば、摩擦式保持機構の摩擦力に抗して操作させる等、大きな操作力を要することなく軽い操作力にて、変速操作具を人為操作させて無段変速装置の変速操作を行うことが可能となる。
【0017】第2発明の特徴構成によれば、第1発明の特徴構成による効果に加えて次の効果がある。電動モータの回転を抑制することで保持状態に変更されるので、停止時に電動モータの過剰操作を有効に抑制でき、変速操作を精度よく行える。又、電動モータにて駆動操作する構成であるから、油圧式アクチュエータ等の他の駆動手段に比較して、応答性に優れ、且つ、制御構成が簡単にできる。
【0018】第3発明の特徴構成によれば、第2発明の特徴構成による効果に加えて次の効果がある。電動モータの作動停止とほぼ同時に機械式ブレーキが作動することによって、変速操作具に対してショックが生じることがなく、しかも、待機時間が経過する間は電気式ブレーキにて自由回動が有効に抑制されるものとなり、変速操作を円滑に行うことができる。
【0019】第4発明の特徴構成によれば、第3発明の特徴構成による効果に加えて次の効果がある。無段変速装置は、一般に、増速側に変速操作する際には、中立状態に復元しようとする操作反力がかかることがあるが、増速側に駆動操作するときは、駆動操作が停止するに伴ってこのような操作反力に起因して変速位置が変更するおそれがあるが、このようなときは、素早く機械式ブレーキを掛けることで、このようなおそれが少ないものになる。
【0020】第5発明の特徴構成によれば、第1、第2、第3又は第4発明の特徴構成による効果に加えて次の効果がある。増速操作を大きい操作力にて実行する必要があるベルト式無段変速装置であっても、駆動操作手段が駆動操作を実行できない異常時においては、小さい人為操作力で減速操作させることが可能となる。
【0021】
【実施例】以下、実施例を図面に基いて説明する。図3にコンバインにおける車体走行駆動用の伝動機構が示されており、車体に搭載されるエンジン1の動力が、ベルトテンションクラッチ2を介して走行用無段変速装置10に伝達され、走行用無段変速装置10の変速出力が、前後進切り換え機構3及び操向クラッチ(図示せず)等が備えられた走行用ミッション4を介して左右クローラ走行装置5,5に伝えられるように構成されている。尚、無段変速装置10の変速出力は刈取部にも伝えられるようになっている。
【0022】前記走行用無段変速装置10は、図2に示すように、走行用ミッション4のケーシングに連結支持される変速ケース11の内部に、一対のベルトプーリ18,19にわたって伝動ベルト12が巻回され、各ベルトプーリ18,19に対する伝動ベルト12の巻き掛け径を変化させることで変速が行われるベルト式無段変速装置に構成されている。すなわち、変速ケース11の一端側に、前記ベルトテンションクラッチ2の出力側ベルトプーリ2aを一体回動自在に備えた入力軸13が、ボールベアリング15を介して回動自在に取付けられ、変速ケース11の他端側に、前記走行用ミッション4に対する伝動部16aを備えた出力軸16が、ボールベアリング17を介して回動自在に取り付けられている。
【0023】そして、入力軸13に取り付けた入力側ベルトプーリ18と、出力軸16に取り付けた出力側ベルトプーリ19とにわたって伝動ベルト12が巻き掛けられ、入力側ベルトプーリ18は、入力軸13に一体回動のみ可能で、入力軸13の軸芯方向には摺動しないように取り付けた固定側割りプーリ部分18aと、入力軸13にボール13aを介しての噛み合いによって一体回動自在で、且つ、ボール組み込み溝18cの長溝形状の作用で入力軸13の軸芯方向に摺動自在に取付けられた固定側割りプーリ部分18bとから成る割りプーリに構成されている。又、出力側ベルトプーリ19は、出力軸16に相対回動自在に、かつ、出力軸16の軸芯方向に摺動自在に取り付けた第1割りプーリ部分19bと、出力軸16に一体回動のみ可能で、出力軸16の軸芯方向には摺動しないように固定した第2割りプーリ部分19aとでなる割りプーリに構成されている。出力側ベルトプーリ19の第1割りプーリ部分19bと、出力軸16に取り付けたばね受け部材22との間に、第1割りプーリ部分19bを第2割りプーリ部分19aに接近する側に摺動付勢するコイルばね21を設けるとともに、第1割りプーリ部分19bと出力軸16との相対回動を利用して伝動ベルト12を伝動用緊張状態に維持するベルト緊張用カム機構50を設けてある。
【0024】従って、この無段変速装置10は、ベルトテンションクラッチ2からの動力を入力軸13により導入し、伝動ベルト12により出力軸16に伝達してこの出力軸16から走行用ミッション4に伝達するように構成され、入力側ベルトプーリ18の可動側割りプーリ部分18bを入力軸13に対して摺動操作させて、固定側割りプーリ部分18aに接近あるいは離間させることにより、入力側ベルトプーリ18のベルト巻き掛け径が変化するとともに、これに伴い、出力側ベルトプーリ19の第1割りプーリ部分19bが伝動ベルト12の張力と、コイルばね21の付勢力とのために第2割りプーリ部分19aに接近したり、第2割りプーリ部分19aから離間して出力側ベルトプーリ19のベルト巻き掛け径が変化する。これにより、入力側ベルトプーリ18と出力側ベルトプーリ19の間の伝動比が無段階に変化し、ベルトテンションクラッチ2からの回動力を無段階に変速して走行用ミッション4に伝達するようにしてある。
【0025】入力側ベルトプーリ18の可動側割りプーリ部分18bの入力軸13に外嵌しているボス部にボールベアリング23を介して相対回動自在にリング状のカムフォロア支持部材24を取り付けるとともに、このカムフォロア支持部材24は、可動側割りプーリ部分18bが入力軸13に対して摺動する際、ボールベアリング23に作用するストッパーリング25の作用によって可動側割りプーリ部分18bと共に移動するようになっている。前記カムフォロア支持部材24に支軸26を介してローラ形カムフォロア27が取り付けられている。支軸26に取り付けた係止ローラ28が、変速ケース11に形成したガイド溝11aの内部で接当して、カムフォロア27が入力軸13の軸芯方向に移動することを可能にしながら、可動側割りプーリ部分18bとは共回りしないように構成されている。
【0026】前記入力軸13の一端側を支持するボールベアリング15は、変速ケース11の軸承孔に回動自在に内嵌された筒状の回動操作部14により支持されており、この回動操作部14の一端側の大径部に第1ローラ27に作用する図4の如き第1〜第3操作カム部14a,14b,14cが形成されており、この回動操作部14を入力軸13の軸芯Xまわりで回動操作することによって走行用無段変速装置10が変速作動するようになっている。すなわち、回動操作部14を回動操作して第1操作カム部14aがカムフォロアー27に対応する中立位置にすると、可動側割りプーリ部分18bがベルト張力のために固定側割りプーリ部分18aから最も遠く離れ、伝動ベルト12と入力側ベルトプーリ18の間にスリップが発生して伝動切り状態になる。第1操作カム部14aの両側に位置する第2操作カム部14bまたは第3操作カム部14cが、カムフォロア27に対応する伝動位置にあると、第2操作カム部14bまたは第3操作カム部14cが傾斜形状のためにカムフォロア27に押圧作用して可動側割りプーリ部分18bを固定側割りプーリ部分18aの方に押し操作し、伝動ベルト12が伝動用緊張状態になって伝動入り状態になる。そして、第2操作カム部14bがカムフォロア27に対応する場合、回動操作部14を正回転方向Aに回動操作すると、可動側割りプーリ部分18bが固定側割りプーリ部分18aに近づいて増速側に変速作動し、操作部14を逆回転方向Bに回動操作すると、可動側割りプーリ部分18bが固定側割りプーリ部分18aから離れて減速側に変速作動する。第3操作カム部14cがカムフォロア27に対応する場合、操作部14を正回転方向Aに回動操作すると、可動側割りプーリ部分18bが固定側割りプーリ部分18aから離れて減速側に変速作動し、操作部14を逆回転方向Bに回動操作すると、可動側割りプーリ部分18bが固定側割りプーリ部分18aに近づいて増速側に変速作動する。
【0027】走行用無段変速装置10の変速操作構造について説明する。図1、図2に示すように、走行用無段変速装置10の操作具としての変速レバー30が前後揺動操作自在に設けられ、この変速レバー30の人為操作に基づいて、無段変速装置10が変速操作されるように構成されると共に、人為操作だけでは操作が重くなるので、駆動操作手段KSによって、変速操作(回動操作部14の回動操作)を補助するように構成されている。
【0028】駆動操作手段KSは、回動操作部14を回動操作させる正逆転駆動自在な直流式電動モータ33と、この電動モータ33の回転動力を減速させる平ギア式の減速機構51と、電動モータ33の非駆動状態においては、摩擦力によって電動モータ33の自由回動を阻止する制動状態になり、電動モータ33の駆動状態においてはその駆動回動を許容する制動解除状態になる電磁ブレーキ52(機械式ブレーキの一例)とを備えて構成されている。従って、電動モータ33の駆動力により無段変速装置10を変速操作できると共に、モータ動作状態においてレバーストロークの途中で変速レバー30を停止させる場合に、電磁ブレーキ52によって、その変速位置に保持させることができるようになっている。
【0029】変速ケース11の入力軸13を支持している部分に連動部材31のボス部31aを介して前記軸芯Xまわりで回動自在に取り付けた基端側レバー部分30aと、この基端側レバー部分30aに軸芯Yまわりで揺動自在に連結した先端側レバー部分30bとによって形成され、入力軸13の軸芯Xまわりでの揺動方向と、前記軸芯Yまわりでの揺動方向との十字方向に揺動操作できるように構成されている。従って、図5に示すように、前進変速用ガイド溝32a、後進変速用ガイド溝32c及び、操作状態切り換え用段差部分を形成する中間ガイド溝32bの夫々に沿わせて揺動操作できるようになっている。
【0030】前記連動部材31は、変速ケース11に対して入力軸13の軸芯Xまわりで回動自在に設けられ、回動操作部14に対しては一体に回動するように機械的に連結されている。従って、被操作部としての回動操作部14は、変速レバー30と一体移動するように機械式連係機構を介して連係され、正逆方向に作動可能に構成されている。
【0031】連動部材31に形成した扇形ギヤ部31bに、電動モータ33の出力ピニオンギヤ33aを咬合させることにより、この電動モータ33が連動部材31を介して回動操作部14を移動操作させるように構成されている。電動モータ33はブラケット48を介して変速ケース11に位置固定状態で取付けられているので、電動モータ33を回動させると、出力ピニオンギヤ33aによって連動部材31を変速ケース11に対して軸芯Xまわりで回動操作させ、回動操作部14が連動部材31と共に回動するのである。
【0032】尚、図1に示すように、走行用ミッション4に内装される前後進切り換え機構3の操作部3aと、連動部材31とが連動ケーブル6により連結され、変速レバー30をガイド溝32aに位置させている場合には、前後進切り換え機構3が前進走行状態に切り換わり、変速レバー30をガイド溝32cに位置させている場合には、前後進切り換え機構3が後進走行状態に切り換わるように、機械的に連係されている。
【0033】前記基端側レバー部分30aから半径方向外方に操作アーム30cが延出され、この操作アーム30cの揺動端部に軸芯X方向に沿う操作ピン41が設けられ、この操作ピン41が連動部材31のピン孔31cに入り込み、ピン孔31cの内部で動き得る範囲内で、変速レバー30と連動部材31とが軸芯Xのまわりで微小範囲にわたって相対移動するようにしてある。そして、前記操作ピン41に対して連動部材31の回動方向での両側に振り分け配置した状態で第1操作検出スイッチSW1と第2操作検出スイッチSW2とが連動部材31に取り付けられており、これらの前記第1、第2操作検出スイッチSW1,SW2により、変速レバー30の操作方向および操作状態を検出する操作状態検出手段40が構成されている。
【0034】前記第1、第2操作検出スイッチSW1,SW2は、図6に示すように、高弾性のゴムGにより被覆され、絶縁スペーサ42を介して1対の電極43,44を僅かの隙間をあけて内装して構成され、外部より所定値以上の圧力が加わると極めて小さいストロークで導通作動する(ON状態になる)ように構成されている。
【0035】変速レバー30をガイド溝32a,32b,32cのうちの前進側ガイド溝32aで移動方向Uに、後進側ガイド溝32cで移動方向Dに揺動操作すると、スイッチ操作ピン41が第1操作検出スイッチSW1を押圧して切り換え操作する。変速レバー30を前進側ガイド溝32aで移動方向Dに、後進側ガイド溝32cで移動方向Uに揺動操作すると、スイッチ操作ピン41が第2操作検出スイッチSW2を押圧して切り換え操作する。これにより、変速レバー30の操作状態および操作方向を検出する。つまり、第1、第2操作検出スイッチSW1,SW2のいずれもが非操作状態にあると、変速レバー30が操作されていない状態にあると検出し、第1、第2操作検出スイッチSW1,SW2のいずれか一方が切り換え操作された状態にあると、変速レバー30が操作されている状態にあると検出するとともに、切り換え操作されているスイッチは第1、第2操作検出スイッチSW1,SW2のいずれであるかを知ることにより、変速レバー30の操作方向が回動操作部14を正回転方向Aと逆回転方向Bのいずれに回動させるべき操作方向であるかを検出する。
【0036】図7に示すように、前記各操作検出スイッチSW1,SW2の検出情報は変速制御手段としての制御装置45に与えられ、この制御装置45はこれらの検出情報に基づいて、モータ駆動回路46を介して電動モータ33を駆動制御するように構成されている。又、モータ駆動回路46におけるモータ駆動用電流値を検出する電流検出部53が設けられ、この電流検出部53の検出情報は制御装置45に与えられるようになっている。制御装置45は、マイクロコンピュータを備えて構成され、各操作検出スイッチSW1,SW2の検出情報に基づいて電動モータ33の作動を制御する変速制御手段100と、前記電流検出部53の検出情報に基づいて電動モータ33が駆動操作を実行できない異常状態であるか否かを判別する異常状態判別手段101と、異常状態判別手段101の判別結果に基づいて、電磁ブレーキ52の制動状態を解除させる制動解除手段102とが夫々制御プログラム形式で備えられている。
【0037】前記モータ駆動回路46は、図8に示すように、制御装置45からの正転信号に基づいて正転駆動状態に切り換わる第1電磁リレー54、制御装置45からの逆転信号に基づいて逆転駆動状態に切り換わる第2電磁リレー55、制御装置45からの作動信号に基づいて、電動モータ33に制御用パルス信号を供給する入状態と、各電極端子33a,33bを共に接地させる切状態とに切り換わる第3電磁リレー56、及び、各リレー54,55,56の励磁駆動用トランジスタTR1,TR2,TR3、パルス駆動用のトランジスタTR4等を備えて構成されている。制御用パルス信号供給ラインには、電流検出部53を構成する基準抵抗器Rsが設けられ、この基準抵抗器Rsの両端の電圧値に基づいて、電動モータ33に供給される電流値を検出するように構成されている。前記電磁ブレーキ52は、図示しないバネによって制動状態に付勢されると共に、制御装置45から出力されるブレーキ解除信号に基づく通電励磁によって制動解除状態に切り換わるように構成されている。又、走行ミッション4の内部には、車軸の回転数に基づいて走行車速を検出する車速センサ49が設けられ、後述するように、車速センサ49の検出情報に基づいて、変速操作が増減速いずれの方向に行われているかを判別するように構成されている。
【0038】前記変速制御手段100は、モータ駆動回路46に対してパルス信号を与えて電動モータ33を正逆転駆動させると共に、パルス信号のデューティ比を変更させることで、電動モータ33の駆動速度を変更させることができるように構成されている。詳述すると、変速レバー30をガイド溝32a,32b,32cに沿わせて揺動操作し、ガイド溝32bに位置させると、回動操作部14が中立位置になって走行用無段変速装置10が伝動切り状態になる。変速レバー30を前進側ガイド溝32aに沿わせて移動方向Uに揺動操作すると、変速モータ33が操作検出スイッチSW1,SW2からの情報に基づいて回動操作部14を正回転方向Aに移動操作し、走行用無段変速装置10が前進高速側に変速作動する。変速レバー30をガイド溝32aに沿わせて移動方向Dに揺動操作すると、変速モータ33が操作検出スイッチSW1,SW2からの情報に基づいて回動操作部14を逆回転方向Bに移動操作し、走行用無段変速装置10が前進低速側に変速作動する。
【0039】変速レバー30を後進側ガイド溝32cに沿わせて移動方向Uに揺動操作すると、変速モータ33が操作検出スイッチSW1,SW2からの情報に基づいて回動操作部14を逆回転方向Bに移動操作し、走行用無段変速装置10が後進高速側に変速作動する。変速レバー30をガイド溝32cに沿わせて移動方向Dに揺動操作すると、変速モータ33が操作検出スイッチSW1,SW2からの情報に基づいて回動操作部14を正回転方向Aに回動操作し、走行用無段変速装置10が後進低速側に変速作動する。
【0040】そして、変速レバー30に対して人為操作により加えられた操作荷重をレバーの歪み量として検出する操作荷重検出手段としてのストレインゲージ等の歪み量センサ47が、変速レバー30の基端側に設けられており、この歪み量センサ47の検出情報に基づいて、制御装置45が前記各操作検出スイッチSW1,SW2により操作状態が検出されている間における、操作荷重の最大値が大きいほど、電動モータ33の作動速度が高速になるようにパルス信号のデューティ比を設定し、且つ、前記操作状態が検出されている間においては、設定された作動速度に維持するように構成されている。
【0041】次に制御装置45の制御動作について説明する。図9、図10に示すように、第1操作検出スイッチSW1のON状態が検出されると、歪み量センサ47の検出情報に基づいて、変速レバー30に対する操作荷重の最大値を読み込み(ステップ1、2)、その操作荷重最大値(最大荷重)が大きいほど高速になるように予め定められている変化特性に基づいて、モータ駆動回路46に加えるパルス信号のデューティ比を設定する(ステップ3)。第1電磁リレー54に対する励磁用の正転信号、第3電磁リレー56に対する励磁用の作動信号、設定デューティ比によるパルス信号の夫々を出力して(ステップ4)、電動モータ33を正転方向(A方向)に回転駆動させる。
【0042】上述したように電動モータ33を正転駆動させるべく信号を出力させた後に、前記基準抵抗器Rsに電流が流れ始めたことが検知されると、ブレーキ解除信号を出力して(ステップ6)、電磁ブレーキ52を制動解除状態に切り換える。その後、変速レバー30に対する最大荷重が変化すると、新たな最大荷重に基づいてデューティ比が設定され(ステップ7,2,3)、最大荷重が変化しなければ、第1操作検出スイッチSW1のOFF状態が検出されるまで、その出力状態を維持して、電動モータ33が正転駆動される(ステップ8)。
【0043】電動モータ33の駆動途中において、第1操作検出スイッチSW1のOFF状態が検出されると(ステップ8)、前記作動信号、正転信号及びパルス信号の夫々の出力を停止させて(ステップ9)、電動モータ33の駆動を停止させる。この停止状態においては、第1〜第3電磁リレー54,55,56が全て非励磁状態となり、電動モータ33の各電極端子33a,33bが共に接地状態となり、電動モータ33の内部の電磁作用により、電気的なブレーキがかかることになる。車速センサ49の検出情報に基づいて変速操作が減速側へ行われたか否かが判別され、減速操作である場合には、前記各信号の出力を停止した時点から第1設定遅延時間〔350msec(ミリ秒)〕経過した後に、ブレーキ解除信号の出力を停止して電磁ブレーキ52を制動状態に変更させる(ステップ10,11,12)。このようにして、電動モータ33の停止と同時に電磁ブレーキ52が作動することに起因したショックが生じるのを防止するようにしている。増速操作であるときは、前記各信号の出力を停止した時点から、第1設定遅延時間よりも短い第2設定遅延時間〔100msec(ミリ秒)〕経過した後に、ブレーキ解除信号の出力を停止して電磁ブレーキ49を制動状態に変更させる(ステップ13)。増速操作の際には、ベルト式無段変速装置10による操作反力が大きいので、電動モータ33の停止後、短い時間にて電磁ブレーキ52を作動させることで、時間遅れにより変速操作位置がズレることがないようにしている。
【0044】そして、ステップ5において電流が検知されず、設定時間経過した後においても電流が検知されない場合には(ステップ14,15)、各電磁リレー54,55,56、あるいは駆動用トランジスタTR1〜TR4等の故障により電動モータ33の駆動操作が実行できない異常状態であると判別する(ステップ16)。異常であると判別すると、ブレーキ解除信号を出力して、電磁ブレーキ52を制動解除状態に変更する(ステップ17)と共に、前記作動信号、正転信号及びパルス信号の夫々の出力を停止させ(ステップ18)、変速レバー30の人為操作により変速操作を行える状態に設定する。又、図示しない警報器により警報作動を行い、異常状態であることを知らせ(ステップ19)、電源切り操作等のリセット動作があるまでその状態を維持する(ステップ20)。
【0045】又、第2操作検出スイッチSW2のON状態が検出された場合においては、電動モータ33が逆方向(B方向)に駆動操作される状態で、上述したような制御と同様の制御が実行される(ステップ21〜40)。
【0046】このように、制御用の各信号が出力された場合であっても、電動モータ33に対する電流が供給されず、駆動操作が実行できない状態であれば、電磁ブレーキ52を制動解除状態に変更させることで、変速レバー30の人為操作により、平ギア式減速機構を介して電動モータが自由回転できる状態となり、無段変速装置10の変速操作が許容されることになる。従って、車体走行中において異常が発生した場合であっても、人為操作により減速操作を行うことができる。
【0047】〔別実施例〕
(1)上記実施例では、解除手段として、電動モータの回転を抑制する制動手段を非作用状態に変更させる場合を例示したが、このような構成に代えて、電動モータと被操作部との間の機械的な連係機構中に、その連係状態を解除して、相対移動を許容する状態に変更自在なクラッチ機構を介装し、このクラッチ機構を切り状態に切り換える構成としてもよい。
【0048】(2)上記実施例では、電動モータにおける電気式ブレーキを機械式ブレーキ(電磁ブレーキ)と併用する構成とし、時間遅れを持たせて作動させる構成としたが、機械式ブレーキだけを使用する構成としてもよく、又、電動モータの駆動操作の停止に伴って時間遅れなく、ブレーキ作動を実行させる構成としてもよく、更に、増速操作や減速操作にかかわらず、一定の遅延時間が経過した後にブレーキ作動させる構成としてもよい。
【0049】(3)上記実施例では、無段変速装置としてベルト式無段変速装置の場合を例示したが、これに限定されるものではなく、変速操作具の人為操作に基づいて正逆に作動され、駆動操作手段にて作動が補助される構成であればよく、例えば、静油圧式無段変速装置の変速操作部等、その他の無段変速装置であっても本発明は適用できる。
【0050】(4)上記実施例では、駆動操作手段として電動モータを備える構成を例示したが、油圧モータやエンジンの駆動力を用いた駆動機構等を用いてよい。
【0051】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を容易にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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