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発明の名称 二面刈り用草刈機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平8−256561
公開日 平成8年(1996)10月8日
出願番号 特願平7−69110
出願日 平成7年(1995)3月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 黒見 晃志 / 金井 芳秀
要約 目的
法面刈取装置が受ける刈り取り反力によって発生する走行機体が横方向に振られるモーメントを軽減して、二面刈り用草刈機における操縦性および刈り高さ精度の向上を図る。

構成
走行機体1の前方に走行路面上の草を刈り取る平面刈取装置2を備えるとともに、走行機体1の横側に走行路面の一側端に連なる斜面上の草を刈り取る法面刈取装置3を備えた二面刈り用草刈機において、平面刈取装置2を、縦軸芯周りに回転駆動される回転ブレード16の作用により切断を行うロータリ式に構成するとともに、法面刈取装置3が受ける刈り取り反力によって走行機体1が横方向に振られるモーメントの方向と、平面刈取装置2が受ける刈り取り反力によって走行機体1が横方向に振られるモーメントの方向とが相反するように、回転ブレード16の回転方向を設定した。
特許請求の範囲
【請求項1】 走行機体(1)の前方に走行路面上の草を刈り取る平面刈取装置(2)を備えるとともに、前記走行機体(1)の横側に前記走行路面の一側端に連なる斜面上の草を刈り取る法面刈取装置(3)を備えた二面刈り用草刈機であって、前記平面刈取装置(2)を、縦軸芯周りに回転駆動される回転ブレード(16)の作用により切断を行うロータリ式に構成するとともに、前記法面刈取装置(3)が受ける刈り取り反力によって前記走行機体(1)が横方向に振られるモーメントの方向と、前記平面刈取装置(2)が受ける刈り取り反力によって前記走行機体(1)が横方向に振られるモーメントの方向とが相反するように、前記回転ブレード(16)の回転方向を設定してある二面刈り用草刈機。
【請求項2】 前記走行機体(1)の前方に、左右方向に向き調節固定自在な走行安定用の接地輪(11)を設けてある請求項1記載の二面刈り用草刈機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、走行機体の前方に走行路面上の草を刈り取る平面刈取装置を備えるとともに、前記走行機体の横側に前記走行路面の一側端に連なる斜面上の草を刈り取る法面刈取装置を備えた二面刈り用草刈機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のような二面刈り用草刈機としては、例えば、実開昭61‐95229号公報などで開示されているように、走行機体の直前方に、上下一対の刃体同士の相対的な横往復摺動により切断を行うレシプロ式に構成された平面刈取装置を備えるとともに、走行機体の横側に、支軸周りに回転駆動される回転ブレードの作用により切断を行うロータリ式に構成された法面刈取装置を備えたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術によると、平面刈取装置は、走行機体の直前方に配備されるとともに、刈り取り反力をその前面全体で受けるレシプロ式に構成されていることから、平面刈取装置が受ける刈り取り反力によって走行機体が横方向に振られるモーメントは殆ど発生しない。一方、法面刈取装置は、走行機体の横側に配備されることから、法面刈取装置が受ける刈り取り反力によって走行機体が横方向に振られるモーメントが大きく発生するようになる。つまり、上記従来技術における草刈り作業時においては、法面刈取装置が受ける刈り取り反力によって発生する前記モーメントにより、ハンドルが取られて走行機体が法面刈取装置側に振られるようになることから、それを抑制するためには操縦操作にかなりの労力を要するとともに、走行機体が法面刈取装置側に振られた場合には、刈り高さが不揃いになる不都合が生じるようになっていた。
【0004】本発明の目的は、法面刈取装置が受ける刈り取り反力によって発生する走行機体が横方向に振られるモーメントを軽減して、二面刈り用草刈機における操縦性および刈り高さ精度の向上を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本第1発明では、走行機体の前方に走行路面上の草を刈り取る平面刈取装置を備えるとともに、前記走行機体の横側に前記走行路面の一側端に連なる斜面上の草を刈り取る法面刈取装置を備えた二面刈り用草刈機において、前記平面刈取装置を、縦軸芯周りに回転駆動される回転ブレードの作用により切断を行うロータリ式に構成するとともに、前記法面刈取装置が受ける刈り取り反力によって前記走行機体が横方向に振られるモーメントの方向と、前記平面刈取装置が受ける刈り取り反力によって前記走行機体が横方向に振られるモーメントの方向とが相反するように、前記回転ブレードの回転方向を設定した。
【0006】本第2発明では、上記第1発明において、前記走行機体の前方に、左右方向に向き調節固定自在な走行安定用の接地輪を設けた。
【0007】
【作用】本第1発明によると、平面刈取装置を、走行機体が横方向に振られるモーメントが発生する刈り取り反力を受けるロータリ式に構成するとともに、そのモーメントの方向を、法面刈取装置が受ける刈り取り反力によって発生するモーメントの方向と相反する方向に設定していることから、法面刈取装置が受ける刈り取り反力によって発生する走行機体が横方向に振られるモーメントは、それとは逆方向の平面刈取装置が受ける刈り取り反力によって発生する走行機体が横方向に振られるモーメントにより相殺、あるいは、軽減されるようになる。つまり、草刈り作業時に、法面刈取装置が受ける刈り取り反力によりハンドルが取られて走行機体が法面刈取装置側に振られる不都合がなくなる、あるいは、軽減されるようになることから、操縦操作に要する労力が軽減されるとともに、走行機体が横方向に振られて刈り高さが不揃いになる不都合が生じ難くなる。
【0008】ちなみに、ロータリ式に構成した平面刈取装置における回転ブレードの回転方向としては、法面刈取装置を走行機体の左横側に配備している場合は、平面視における反時計周り方向に設定すればよく、また、法面刈取装置を走行機体の右横側に配備している場合は、平面視における時計周り方向に設定すればよい。
【0009】本第2発明によると、走行機体が横方向に振られるモーメントが上記第1発明の構成だけでは相殺されなかった場合には、走行機体の前方に設けた走行安定用の接地輪を、走行機体が振られる側と反対方向に、その軽減された残存モーメントに応じた操作量で向き調節して固定することによって、草刈り作業時に発生する走行機体が横方向に振られるモーメントを確実に相殺できるようになる。つまり、草刈り作業時に、法面刈取装置が受ける刈り取り反力によりハンドルが取られて走行機体が法面刈取装置側に振られる不都合がなくなることから、操縦操作に要する労力が大幅に軽減されるとともに、走行機体が横方向に振られて刈り高さが不揃いになる不都合がない。
【0010】
【発明の効果】従って、本第1発明によれば、平面刈取装置の構成に創意工夫を凝らすことによって、二面刈り用草刈機における操縦性および刈り高さ精度の向上を図れるようになった。
【0011】本第2発明によれば、二面刈り用草刈機における操縦性および刈り高さ精度の向上を、より一層好適に図れるようになった。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0013】図1には、本発明に係わる草刈機の全体構成が示されている。この草刈機は、歩行操縦型の走行機体1、走行路面上の草を刈り取るように走行機体1の前方に備えられた平面刈取装置2、および、走行路面の一側端に連なる斜面上の草を刈り取るように走行機体1の横側に備えられた法面刈取装置3、によって構成されている。
【0014】走行機体1は、操縦ハンドル4を一体的に備えるように機体前下部から機体上部後方に向けて延出する状態に屈曲形成された鋼管材からなる機体フレーム5、機体フレーム5に支持連結されたエンジン6、エンジン6の左側部に連結されたミッションケース7、ミッションケース7の左側部から下方に向けて延設された伝動ケース8、および、伝動ケース8の延出端に軸支された一つの走行車輪9、などによって一輪式に構成されている。機体フレーム5の前部右側には、平面刈取装置2を支持する第一支持杆10が機体前方に向けて延設されている。また、平面刈取装置2の中央部から前方に向けて補助杆48が延設されており、この補助杆48の延出端には、走行車輪9と前後方向に並ぶ走行安定用の接地輪11が配備されている。図2にも示すように、機体フレーム5の前部左横側には、左右向きの第二支持杆12が機体横外方に向けて突出する状態に延設されている。第二支持杆12には、機体前方に向けて突出する状態に延設された前後向きの第三支持杆13が上下揺動自在に支持されている。第三支持杆13には、法面刈取装置3を刈り幅方向に位置調節自在に支持する支持ボックス14が左右揺動自在に枢支されている。つまり、法面刈取装置3は、支持ボックス14を介して前後方向視における角度調節自在に第三支持杆13に支持されるとともに、支持ボックス14および第三支持杆13を介して前後揺動自在に第二支持杆12に支持されている。
【0015】図1に示すように、平面刈取装置2は、第一支持杆10の中間部に支持固定された第一油圧モータ15、第一油圧モータ15の作動により縦軸芯周りに回転駆動される一枚の回転ブレード16、回転刃16の上部を覆うモーアハウジング17、などによって衝撃切断を行うロータリ式に構成されている。一方、法面刈取装置3は、図2〜図4にも示すように、上下一対の押さえ板18,19、上下一対の押さえ板18,19により挾持された上下一対の刃体20,21、および、上下一対の刃体20,21同士を相対的に一定ストロークで横往復移動させる第二油圧モータ22、などによってはさみ切断を行うレシプロ式に構成されており、法面刈取装置3としての小型化および軽量化が図られている。
【0016】以下、法面刈取装置3の構成について詳述する。
【0017】図1〜図4に示すように、上下一対の刃体20,21の夫々は、その刈り幅方向に複数の平面視山型の刃部20a,21aが所定間隔を隔てて並ぶ状態に形成された平鋼材によって構成されている。上下一対の刃体20,21の夫々には、ボルト挿通用の複数の長孔20b,21bが、その刈り幅方向に刃部20a,21aの間隔よりも大きく設定された所定間隔を隔てて並ぶように穿設されている。一方、上下一対の押さえ板18,19の夫々には、ボルト挿通用の複数の慣通孔が、刈り幅方向に刃体20,21の長孔20b,21bと同じ間隔に設定された所定間隔を隔てて並ぶように穿設されている。刃体20,21の長孔20b,21bとボルト23との間にはスペーサ24が介装されている。つまり、ボルト23を、押さえ板18,19の慣通孔と刃体20,21の長孔20b,21bに挿通した後、ナット25に螺合して締め付けることによって、上下一対の刃体20,21同士の相対的な横往復移動を許容しながら、上下一対の押さえ板18,19により刃体20,21の浮き上がりを阻止できるようになっている。また、上下一対の刃体20,21と第二油圧モータ22との間には、第二油圧モータ22からの回転動力を上下一対の刃体20,21同士の相対的な横往復移動力に変換するカム機構26が介装されている。カム機構26は、第二油圧モータ22の出力ギア22aに噛合する入力ギア27、入力ギア27と一体回転自在に連結された伝動軸28、伝動軸28と一体回転自在に連結された第一偏芯カム29と第二偏芯カム30、第一偏芯カム29を相対回転自在に外嵌するとともに上側の刃体20の一端に枢支連結された第一リンク31、および、第二偏芯カム30を相対回転自在に外嵌するとともに上側の刃体21の一端に枢支連結された第二リンク32などによって構成され、カムケース33に内装されるようになっている。第一偏芯カム29と第二偏芯カム30は、互いの位相が180°異なるように伝動軸28に連結されている。以上の構成によって、法面刈取装置3は、上下一対の刃体20,21同士の相対的な横往復移動によるはさみ切断が行えるようになっている。
【0018】図1〜図3に示すように、法面刈取装置3を支持する支持ボックス14の内側面には、右側の操縦ハンドル4に備えられた第一スイッチS1の操作に基づいて作動する第一電動モータ34が配備されている。支持ボックス14を支持する第三支持杆13には、第一伝動モータ34の出力軸34aに一体回動自在に連結されたピニオン35と噛合するセクタギア36が固着されている。そして、第一電動モータ34の作動によりピニオン35を正逆転駆動させることによって、法面刈取装置3を、前後方向視で、言い換えると、第三支持杆13の軸芯周りに角度調節できるようになっている。つまり、支持ボックス14、第一電動モータ34、ピニオン35、および、セクタギア36によって、前後方向視における法面刈取装置3の角度調節を行う角度調節機構Aが構成されており、この角度調節機構Aの作動によって、法面刈取装置3の姿勢を、走行路面に沿った水平姿勢、あるいは、走行路面の一側端に連なる斜面の傾斜に沿った種々の傾斜姿勢に容易かつ迅速に変更できるようになっている。
【0019】一方、支持ボックス14の外側面には、左側の操縦ハンドル4に備えられた第二スイッチS2の操作に基づいて作動する第二電動モータ37が装備されている。法面刈取装置3における下側の押さえ板19には、第二電動モータ37の出力軸37aに一体回動自在に連結されたピニオン38と噛合するラック39が形成されている。そして、第二電動モータ37の作動によりピニオン38を正逆転駆動させることによって、支持ボックス14による法面刈取装置3の支持位置を刈り幅方向に位置調節できるようになっている。つまり、第二電動モータ37、ピニオン38、および、ラック39によって、法面刈取装置3を刈り幅方向において位置調節する位置調節機構Bが構成されており、この位置調節機構Bの作動によって、法面刈取装置3の有効刈り幅hを、走行路面の一側端に連なる斜面の長さや、法面刈取装置3の直前に立木などの障害物が存在するなどの状況に応じて容易かつ迅速に変更できるようになっている。
【0020】図1および図2に示すように、左側の操縦ハンドル4には、下方に向けて延設された操作レバー40が前後揺動自在に支持されている。操作レバー40は、操作ロッド41を介して、第二支持杆12に支持された第三支持杆13のボス部13Aに備えられた操作アーム13aに連結されている。そして、操作レバー40を前後方向に揺動操作することによって、法面刈取装置3を、その前後揺動方向において直立した状態(図1において実線で示す状態)となる作業姿勢と、位置調節機構Bの作動によって機体上方に引き上げ調節された状態(図1において一点鎖線で示す状態)で機体後部側へ倒伏した状態(図1において二点鎖線で示す状態)となる格納姿勢とに姿勢変更できるようになっている。つまり、操作レバー40、操作ロッド41、および、第三支持杆13によって、法面刈取装置3の姿勢を作業姿勢と格納姿勢とに切り換える姿勢切換機構Cが構成されている。法面刈取装置3の作業姿勢においては、第三支持杆13の先端部が、平面刈取装置2のモーアハウジング17の左側上面部における前後中間箇所に立設された係合片17aに係合支持されるようになっている。第三支持杆13の先端部とモーアハウジング17の係合片17aとの係合状態は法面刈取装置3の自重によって維持されるようになっており、これによって、法面刈取装置3を作業姿勢に保持できるようになっている。一方、法面刈取装置3の格納姿勢においては、法面刈取装置3における上方延出端側が、左側の操縦ハンドル4から横外側方に向けて屈曲延設された受け具42によって受け止められるようになっている。つまり、この格納姿勢においては、法面刈取装置3が、機体後部の左側操縦ハンドル4の横側に近接して第二支持杆12から左側操縦ハンドル4の受け具42にわたる状態に倒伏するようになっており、非作業時には、法面刈取装置3をこの倒伏した格納姿勢に切り換えることによって、草刈機の全体を小さく纏めることができるとともに、重量バランスを安定させることができるようになっている。したがって、非作業走行時における操縦性の向上を図れるとともに、運搬車などによる輸送時において有利にすることができるようになっている。法面刈取装置3の格納姿勢は、法面刈取装置3の自重によって保持されるようになっている。
【0021】図1、図3および図4に示すように、法面刈取装置3には、支持ボックス14と第二油圧モータ22とにわたって、支持ボックス14から上方に延出した状態となる刃体20,21の非刈取作用部20A,21Aを覆うカバー体43が設けられている。このカバー体43は、位置調節機構Bの作動による支持ボックス14に対する法面刈取装置3の刈り幅方向における位置調節に伴って伸縮する蛇腹状に形成されている。法面刈取装置3の格納姿勢においては、刃体20,21の全体が支持ボックス14から上方に延出する状態になることから、刃体20,21の全体がカバー体43によって覆われるようになっている。つまり、このカバー体43を設けることによって、走行機体1の上方に向けて延出した刃体20,21の非刈取作用部20A,21Aに作業者や他物などが不測に接触する虞を解消している。
【0022】図1および図5に示すように、この草刈機は、法面刈取装置3が走行機体1の左横側に配備されていることから、草刈り作業時には、法面刈取装置3が受ける刈り取り反力によって、走行機体1が左方向に振られるモーメントが大きく発生するようになっている。また、平面刈取装置2が、縦軸芯周りに回転駆動される回転ブレード16の作用により切断を行うロータリ式に構成されるとともに、回転ブレード16の回転方向が、その平面視において反時計方向に回転するように設定されていることから、草刈り作業時には、平面刈取装置2が受ける刈り取り反力によって、走行機体1が右方向に振られるモーメントも発生するようになっている。つまり、平面刈取装置2を、走行機体1が横方向に振られるモーメントが発生する刈り取り反力を受けるロータリ式に構成するとともに、そのモーメントの方向が、法面刈取装置3が受ける刈り取り反力によって発生するモーメントの方向と相反する方向となるように、回転ブレード16の回転方向を設定することによって、法面刈取装置3が受ける刈り取り反力によって発生するモーメントを、それとは逆方向となる平面刈取装置2が受ける刈り取り反力によって発生するモーメントにより相殺、あるいは、軽減できるようになっている。そして、この構成によって、草刈り作業時における法面刈取装置3が受ける刈り取り反力により走行機体1が法面刈取装置3側に振られる不都合がなくなる、あるいは、軽減されるようになり、操縦操作に要する労力が軽減されるとともに、刈り高さが不揃いになる不都合が生じ難くなる。
【0023】走行機体1の前方に配設された走行安定用の接地輪11の構成について詳述すると、図1および図5に示すように、接地輪11は、第一支持杆10の延出端に縦軸芯周りに回動自在に軸支された支持ブラケット44に軸支されている。支持ブラケット44の右側には、右側の操縦ハンドル4に備えられた操作レバー45と操作ロッド46を介して連結される操作アーム44aが右外方に向けて延設されている。操作レバー45は、前後揺動操作自在に、かつ、保持機構45Aの作用により各操作量で位置固定可能となるように構成されている。また、第一支持杆10の延出端における支持ブラケット44の上方には、支持ブラケット44の回動軸芯を中心とする円弧状の長孔47aが穿設された扇状の固定ブラケット47が固着されている。支持ブラケット44の上面には、固定ブラケット47の長孔47aを挿通するピン44bが立設されている。つまり、接地輪11は、長孔47aの範囲内において、操作レバー45の操作によって左右方向に向き調節固定自在となるように構成されている。そして、法面刈取装置3が受ける刈り取り反力によって発生するモーメントと、それとは逆方向となる平面刈取装置2が受ける刈り取り反力によって発生するモーメントとが相殺されずに、走行機体1が横方向に振られるような場合には、接地輪11を、操作レバー45の操作によって、走行機体1が振られる側と反対方向に、その軽減された残存モーメントに応じた操作量で向き調節して固定することにより、草刈り作業時に発生する走行機体1が横方向に振られるモーメントを確実に相殺できるようになる。これによって、草刈り作業時に、走行機体1が横方向に振られる不都合がなくなり、操縦操作に要する労力が大幅に軽減されるとともに、走行機体が横方向に振られて刈り高さが不揃いになる不都合がない。
【0024】図1、図5および図6に示すように、平面刈取装置2のモーアハウジング17における左後部には凹部17Aが形成されており、この凹部17Aには、作業姿勢に切り換えられた法面刈取装置3の支持ボックス14が位置するようになっている。つまり、法面刈取装置3を平面刈取装置2の後端後方に位置させた場合に比較して、法面刈取装置3の前端を平面刈取装置2の前端に近づけられるようになっており、これによって、平面刈取装置2が刈り取り終端部に達した状態における法面刈取装置3の刈り残しを極力少なくすることができるのである。ちなみに、法面刈取装置3の前端を平面刈取装置2の前端に一致させることも考えられるが、この場合、例えば、平面刈取装置2のモーアハウジング17に凹部17Aを形成せず、単に法面刈取装置3の前端と平面刈取装置2の前端とを一致させるようにすると、法面刈取装置3における支持ボックス14の位置が高くなって地面より大きく離間するようになることから、傾斜面上に生えた草の刈り高さが揃うように法面刈取装置3の前後方向視における角度調節を行えば、必然的に傾斜面の刈り高さが高くなる不都合が生じるようになる。また、この構成において刈り高さを低くするには、平面刈取装置2を傾斜面側から離間させて走行させる必要が生じることから、走行路面上の傾斜面側に生えた草が刈り取れなくなる不都合が生じるようになる。一方、平面刈取装置2のモーアハウジング17における左前部に凹部17Aを形成する、あるいは、モーアハウジング17の全体高さを低くすることによって、法面刈取装置3の前端と平面刈取装置2の前端とを一致させるようにすると、走行路面上に生えた長い草の刈り取りが行い難くなる不都合が生じるようになる。要するに、平面刈取装置2のモーアハウジング17における左後部のみに凹部17Aを形成することによって、平面刈取装置2が刈り取り終端部に達した状態における法面刈取装置3の刈り残しを極力少なくすることができるとともに、走行路面上の傾斜面側に生えた草を刈り残す不都合なく傾斜面上に生えた草の刈り高さを全体的に低くでき、さらに、走行路面上に生えた長い草を好適に刈り取ることができるのである。
【0025】〔別実施例〕以下、本発明の別実施例を列記する。
■ 走行機体1としては、左右一対の走行車輪9を備えた二輪式のものであってもよい。
■ 法面刈取装置3としては種々の形式のものを採用することが可能であり、例えば、ロータリ式のものやリール式のものを採用してもよい。
■ 上記実施例においては、法面刈取装置3を走行機体1の左横側に備えたものを例示したが、法面刈取装置3を走行機体1の右横側に備えたものであってもよい。この場合、平面刈取装置2における回転ブレード16の回転方向は、その平面視における時計周り方向に設定すればよい。
■ 接地輪11の向き調節固定を、電動モータの作動により行うように構成してもよい。
【0026】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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